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四国河川ニュース

4/18(土)〜4/24(金)》394号

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                                                                                                     【2009.4.27発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.142○

 

    ○高知県エビス前地区(高岡郡四万十町)の急傾斜地崩壊対策事業「地域の避難場所を守る急傾斜地崩壊対策事業」 

                                         (高知県土木部 防災砂防課 加藤 仁志 課長)

 

    ○仁井田川河川改修事業による取水堰堤早期完成に向けて  (高知県 四万十町 前田 哲生 町長)

 

 

○今週のニュース○

 

    ○那賀川、4月20日より取水制限を実施!                         (那賀川水系 徳島県)

 

    ○「那賀川源流碑開き」の開催                                 (那賀川水系 徳島県)

 

    ○「長尾ふれあいパーク花壇管理委員会長生会園芸クラブ」が総理大臣表彰を受賞 (土器川水系 香川県)

 

    ○「河川における安全利用点検」を実施                            (土器川水系 香川県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.142

 

1.高知県エビス前地区(高岡郡四万十町)の急傾斜地崩壊対策事業/「地域の避難場所を守る急傾斜地崩壊対策事業」  高知県土木部 防災砂防課 加藤 仁志 課長

 

○ 高知県では、いついかなる土砂災害が発生しても土砂災害による犠牲を出さないことを目標として、ソフトとハードが一体となって「的確な避難」を目指す“Mission0 プロジェクト”を推進しています。ソフト対策としては、土砂災害警戒区域等の指定を推進し、警戒避難体制の整備及び地域住民への周知活動を行い、「的確な避難」が実現するよう事業を進めています。ハード対策としては、「安全な避難」を確保するという視点に立ち、人命保全上特に重要な避難所、災害時要援護者施設、地域防災拠点等の優先的な保全を行い、より効果的な事業を推進しています。

 

○ 当該地区は、清流四万十川の中流域に位置し、保全対象として人家13戸、七里小学校、県道を含む急傾斜地です。人家の背後は急峻で脆弱な長大斜面が広がっており、降雨の際には斜面崩壊が頻繁に発生しているため、早急な対策が望まれていました。

 

○ 事業区間は、地域の避難場所である七里小学校を中心とした延長約400mの区間で、平成17年度に急傾斜地崩壊危険区域に指定し、同年より整備を始めました。斜面が長大であることから、対策工は待受タイプの擁壁を計画し、七里小学校から優先して整備を進め、平成21年に概成する予定です。

 

○ 当該地区では、平成17年度に自主防災組織が結成され、地域と一体となった避難訓練を実施するなど、自助、共助の取り組みが行われ、土砂災害に対する防災意識が高まっています。

 

○ 高知県では、土砂災害対策施設の整備を進める一方、市町村と一体となり、土砂災害に対する地域の方々の防災意識を高めるため、防災学習会の開催などを県内全域で進めています。今後もソフトとハードが一体となった取り組みを継続することにより、地域の防災力を高め、土砂災害による犠牲者ゼロを目指して事業を推進していきたいと考えています。

 

 

 

2.仁井田川河川改修事業による取水堰堤早期完成にむけて  高知県 四万十町 前田 哲生 町長

 

○ 四万十町は、四国山脈を背に、南は太平洋に面し、その中央を四万十川が東から西へと大きく蛇行しながら流れており、平成18年3月に3町村が合併して、淡路島より広い高知県下最大642Kuの町として誕生しました。

 

○ 本町は、清流「四万十川」の中流域にあって、東南部は土佐湾に面し、豊かな自然と山・川・海の幸にめぐまれた多彩な産業が営まれ、全国的に高い評価を受けている「仁井田米」をはじめ「四万十桧」「ショーガ」「椎茸」等多くの特産品を生み出しています。

 

○ 今年2月、四万十川流域の優れた景観が、「重要文化的景観」に選定されたほか“日本の快水浴場百選”に選定された「興津海岸」をはじめ数多くの観光資源を有し、多くの観光客が訪れています。

 

○ 四万十川支流の一つである、仁井田川の河川改修事業は、昭和57年より工事着手してきましたが、平成16年8月の台風10号により、仁井田地区において、床上浸水17棟、床下浸水27棟のほか、国道56号及び県道の冠水並びに農地11.7haの被害を被るとともに、同年10月の台風23号でも同様の浸水被害を受けました。

 

○ これを契機に、河川改修事業の早期完成の声が地元住民より挙がり、改修区間周辺の8地区の区長および各集落より選出された会員により、仁井田地区河川改修協議会が結成されました。

 

○ 仁井田川氾濫・浸水の主な要因である平串堰(固定堰)を可動堰に改築するため、協議会において、水利組合や、関係集落との説明会を行い、地元の事業に対する理解と協力が得られたことによって、平串堰改築工事は、進められてきました。

 

○ 可動堰の鋼製起伏ゲートには、「トルク軸式」「魚腹式」「横主桁式」のような3形式があり、構造・操作性・施工性・経済性を考慮した結果、魚腹式・軸ねじり方式を選定しています。また、材質については、「ステンレス鋼材」を採用しています。

 

○ 今後も、協議会及び地域住民との意思疎通を図りながら、平成22年8月完成を目標に、地域住民の安全と安心を確保するとともに、地域のさらなる発展に寄与することを目指して、事業を推進していきたいと考えています。

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.那賀川、4月20日より取水制限を実施! (那賀川水系 徳島県)

 

○ 長安口ダム上流域における降雨量は、2月が215.0o(平年比184.9%)、3月が148.0mm(平年比83.9%)とほぼ平年並みでしたが、4月に入ってから19日0時までの雨量が46.0mm(平年比32%)と降雨が少ない状況です。このため、長安口ダムと小見野々ダムを合わせた総合貯水率は、4月19日0時現在、貯水率45.8%で平年値【昭和57年〜平成20年】62.4%と比較して厳しい状況となっています。

 

○ 以上のような状況を受け、4月19日(日)に『第2回那賀川渇水調整協議会』を開催した結果、以下の事項が決定されました。

 

  ・4月20日午前9時から農業用水10%及び工業用水15%の取水制限を実施。

 

  ・4月19日12:00から那賀川河川事務所渇水対策支部を設置。

 

○ 《尚、23日0時現在におけるダムの状況は、総合貯水率が約45%となっており、取水制限(農業用水10%、工業用水15%)を継続しています。》

 

 

 

4.「那賀川源流碑開き」の開催 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 4月20日(日)10時半より、徳島県那賀郡那賀町木頭北川の那賀川源流碑建立地点(剣山トンネル西側広場)において、平成18年から「那賀川アフターフォーラム」が実施している「那賀川源流碑開き」が行われました。

 

○ 今年は天候にも恵まれ150人が参加しました。

 

○ 最初に源流碑前広場において、「源流碑開き」を開催。山と川の神に、水の恵への感謝と今年1年、洪水や渇水の被害が起きないように祈願しました。

 

○ 引き続き、「上下流交流会」として、那賀川下流から参加した阿南市の横見小学校児童15名と那賀川上流の地元北川小学校児童22名が校歌の斉唱、学校の紹介、学習発表などを行い、親交を深めました。

 

○ 昼食後には、小学生を中心に源流モニュメントまでの遊歩道周辺の清掃活動を行うとともに、源流地点での簡易水質テスト(PH・COD・透明度)を実施し、河川環境についても勉強しました。

 

 

 

5.「長尾ふれあいパーク花壇管理委員会長生会園芸クラブ」が総理大臣表彰を受賞(土器川水系 香川県)

 

○ 緑化推進は、国土及び環境の保全、水資源の涵養、生活環境の改善の観点から極めて重要であり、国においては、国土の緑化に関し総合的かつ効率的な推進を図っているところです。そのために、緑化推進連絡会議を設置し、市町村が主体となって、地域住民・緑化関係団体等の発意・賛同を得て緑化運動がすすめられるよう活動を行っており、緑化推進運動で顕著な功績のあった個人・団体に対し内閣総理大臣表彰を行っています。

 

○ この度、平成21年度緑化推進運動内閣総理大臣表彰に、香川県仲多度郡まんのう町の団体である「長尾ふれあいパーク花壇管理委員会長生会園芸クラブ」(会長:小林利明氏)が表彰されることとなりましたので、功績を紹介させていただきます。

 

○ 上記団体は、昭和39年2月に発足した老人会により結成された団体であり、地域の清掃活動等を積極的に行っていたところ、平成11年3月に環境整備事業により土器川の河川敷に公園(長尾ふれあいパーク)が完成し、その公園内の花壇の管理を行っていくために、平成12年に結成されました。

 

○ 今日に至るまで、四季を通じて土器川河川敷の同公園の花壇に、さまざまな草花の植栽を行い、水やり・草抜きなどを継続して取り組み、花壇の維持管理に尽力しており、地道な活動によって、公園の利用者をはじめとした土器川を通行する多くの人たちに、潤いと安らぎの場を提供すると共に、美しく咲いた草花などを通じ、河川の環境美化・河川愛護思想の啓発・向上等にもつながっていることが評価され、内閣総理大臣表彰の受賞となりました。

 

○ 表彰式は、4月24日(金)に東京都千代田区の憲政記念館にて内閣府主催で開催され、表彰状及び副賞の伝達が行われました。

 

○ 最後に、今回表彰された「長尾ふれあいパーク花壇管理委員会長生会園芸クラブ」の皆さんが行ってきたこれまでの活動に対して感謝を申し上げるとともに、これまで及び今後の活動が地域の活性化や地域活動の模範になればと願っています。

 

 

 

6.「河川における安全利用点検」を実施 (土器川水系 香川県)

 

○ 気候も良くなり、今後、河川利用が本格的になる季節となりました。

 

○ 香川河川国道事務所では、河川利用者が快適に利用でき、利用時にケガ等がないよう、「土器川の安全利用点検」を、4月23日(木)に河川を担当する職員等が分担して徒歩で実施しました。

 

○ 土器川は、高水敷の75%が公園等に利用されているため利用者が多く、そのうえ、河床勾配がきつく、低水護岸等の損傷も多く発生しています。

 

○ 今回の点検では、公園内の水路の落ち込み危険箇所の発見や堤防の階段の劣化、護岸の局所洗掘、許可工作物等の維持状況不十分等を発見しました。

 

○ 今回発見された問題箇所については、河川の利用者が増えるゴールデンウイーク前に対策を実施することとしています。許可工作物についても管理者に対して改善措置を要請することとしています。

 

○ 今回の「安全利用点検」によって、直接現場を担当していない職員も、出張所職員と現場を総点検することによって、今後の調査計画設計に役立てられると思います。

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

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