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四国河川ニュース
《4/4(土)〜4/10(金)》392号
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【2009.4.13発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.141
○香川県 別当川総合開発事業(内海ダム再開発)
香川県土木部河川砂防課 尼子 進 課長
○談話室(香川県小豆郡小豆島町) 小豆島町 坂下一朗 町長
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四国・水こぼれ話談話室Vol.141
1.香川県 別当川総合開発事業(内海ダム再開発) 香川県土木部河川砂防課 尼子 進 課長
○ 別当川は、小豆島の東南部香川県小豆郡小豆島町に位置し、その源を名勝寒霞渓(神懸山:標高671m)に発し、山間部を南流し、途中小豆島町神懸通、草壁本町を貫流し、小豆郡小豆島町草壁本町地先で内海湾に注ぐ流域面積8.8km2、流路延長4.0kmの二級河川です。
○ 別当川流域は急流のため古くからたびたび被害を受けており、香川県では、地元小豆島町(旧内海町)が水道専用ダムとして昭和31年に完成させた内海ダムを、昭和34年に治水機能も併せもつ多目的ダムとして改築しました。
○ このダムは、集水面積に比べ洪水調節容量が非常に小さく、また、洪水調節方式として一定量放流方式を採用しているため、操作が非常に難しくなっています。昭和49年の台風8号による豪雨では、浸水家屋538戸、浸水農地71.3ha、昭和51年の台風17号による豪雨では、5ヶ所で氾濫し、浸水家屋732戸(全半壊含む)、浸水農地48.4haおよび河岸の決壊などの被害が発生しました。また、ダムの構造がコンクリートと土石の混成堤であり、非常用洪水吐きが設置されておらず、昭和36年の台風17号では、内海ダムの上端から水があふれ、ダムの下流側の斜面が崩壊する被害に遭いました。昭和49年の台風8号でもダム上端越流の危険性があったことから、地元住民からは抜本的な治水対策が強く望まれてます。
○ 一方、別当川は川沿いの耕地などに対するかんがい用水や小豆島町の水道水源として広く利用されていますが、小豆島町(旧内海町)では昭和60年、61年、平成3年、6年、7年、8年などしばしば深刻な水不足に見舞われています。平成9年の吉田ダム完成により水事情は改善されたものの、平成12年8月17日から85日間、平成14年12月2日から150日間、平成19年5月28日から49日間、渇水対策本部を設置し、節水に努めました。このような状況に加え、小豆島町では、合併に伴って予定されている簡易水道の上水道への統合計画や、現在かんがい期には取水できないため池や水質悪化により水道水源として不適格な表流水に依存している現状をふまえ、安定水源の確保に努めていくこととしています。
○ このように治水はもとより、利水においても早急な対策が望まれており、内海ダム再開発事業には大きな期待が寄せられています。
○ また、内海ダム再開発事業では、内海ダム再開発および貯水池周辺の整備を進めていくうえで、「周辺地域の豊かな自然資源と調和のとれた、よりよい景観形成を図る」ため、有識者や地元の代表の方々から構成される「内海ダム景観検討委員会」を設置し、景観や環境に配慮した整備を実施しています。
○ 今年度はいよいよ本体工事に着手します。今後とも地元の方々のご理解・ご協力を得ながら地元小豆島町と共に、洪水や渇水の被害を早期に軽減できるよう、事業の推進に努めていきたいと思います。
2.談話室(香川県小豆郡小豆島町) 小豆島町 坂下 一朗 町長
○ 小豆島町は、瀬戸内海国立公園に浮かぶ小豆島の中央から東に位置し、海と山の美しい自然に恵まれた町です。壺井榮の小説「二十四の瞳」の舞台として、また、日本におけるオリーブ栽培発祥の地として、全国的に知られています。
○ 平成18年3月21日に池田町と内海町が合併し、総面積95.63q3、人口16,375人の小豆島町が誕生し、まちの将来像を『オリーブライフ小豆島』としてまちづくりを推進しています。
○ 小豆島町とオリーブの関わりは、明治41年、当時の農商務省が三重、香川(小豆島)、鹿児島の3県を指定して、アメリカから輸入した苗木で試験栽培を行い、小豆島町に植えたオリーブだけが順調に成育し、大正初めには搾油ができるまでになりました。昨年は、日本で初めてオリーブが小豆島町に根付いてから100周年を迎えたことから、オリーブ100周年を記念して香川県と共に各種のイベントを行い、観光客の方々に好評を得ました。
○ また、「二十四の瞳」の映画撮影時のセットを保存した「二十四の瞳映画村」があり、多くの観光客で賑わっています。その他、日本三大渓谷美に数えられる寒霞渓、18世紀頃に始まり現在も伝承されている農村歌舞伎舞台など、数多くの観光スポットを有しています。
○ 産業は、醤油、佃煮、素麺などの食品産業が中心で、オリーブ、電照菊やすももなどの農業、大阪城築城時からの歴史を有する石材業も行われています。
○ 気候は温暖少雨の瀬戸内海式気候であり、年間降水量は1200mm程度で、従来からたびたび水不足に悩まされている一方で、多くの河川は、山間部が急勾配で平野部に出て急に勾配が緩くなるという地形的特長を有しているため、古くから台風や集中豪雨による大災害にも見舞われています。
○ このようなことから、昭和30年以降、内海ダム(昭和34年)、殿川ダム(昭和48年)、粟地ダム(昭和55年)、吉田ダム(平成9年)が完成し、現在では内海ダム再開発事業が進んでいます。
○ この内海ダム再開発事業については、平成15年に住民の自発的な活動による、「内海ダム再開発事業促進町民総決起大会」が開催され、旧内海町民の8割を超える事業推進署名が集められました。このように、地域施策に対してこれほどまでに住民の意思が示されたことは稀であり、住民と一体となって安全で安心して暮らせるまちづくりの実現を目指しています。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
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