***************************************************

四国河川ニュース

《3/7(土)〜3/13(金)》388号

***************************************************

2009.3.16発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.139

 

   ○ 高知県 後川広域基幹河川改修事業〜地域の発展とともに〜  (高知県 中央東土木事務所長 坂本 良一)

 

   ○ 土佐のまほろばの治水事業                       (高知県 南国市長 橋詰 壽人)

 

 

 ○今週のニュース○

 

   ○ 鹿野川ダム水源地域ビジョン委員会を開催                 (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 「中筋川治水対策を進める住民の会」を開催                (渡川水系 高知県)

 

   ○ 横瀬川ダム「基本設計会議」の開催                     (渡川水系 高知県)

 

   ○ 平成20年度四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会を開催  (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.139

 

1.高知県 後川広域基幹河川改修事業 〜地域の発展とともに〜  高知県 中央東土木事務所長 坂本 良一

 

○ 後川は流域面積14.5km2、幹線流路延長13kmの一級河川物部川(流域面積508km2)の右支川である。その流域は山地部分がほとんどなく、旧物部川の氾濫原で標高1〜20mの平担地であり、排水は物部川に平行に南流しています。また、流末は下流端にある幅500m、標高10mの海岸砂丘に遮られ流路を東に変えて物部川河口に注いでいます。

 

○ 流域は県有数の穀倉地帯でビニールハウス園芸、養鰻が盛んであるが、ここ数年高知市のベッドタウン化に伴い開発が著しく、文教(大学、高専)、工場、空港と高度に土地が利用されています。しかし、排水は川幅も狭く流末も海岸砂丘に阻まれて、その機能は極めて小さく、常襲浸水地帯となっています。事業着手当時の排水はこの砂丘部を貫流する第1(昭和28年度完工)、第2(昭和37年度完工)、切戸(昭和29年度完工)の3放水路(暗渠)で直接海へ放流しているものと、物部川に注いでいる本川とがありました。しかしその排水能力が極めて小さいことから内水氾濫が頻発していました。

 

○ そこで昭和48年度より後川中小河川改修事業に着手し、後川新秋田川合流点下流から付替えて直接海へ放流する放水路を新設するとともに、後川本川1,770m、支川錆野川750mの改修を進めました。さらに、また平成5年度から第2期高知空港拡張事業等の社会基盤整備に対応し効率的に治水施設の整備することで地域の発展を図るため、王子川1,320m、新秋田川2,532mにおいて重点的な流下能力増強対策を推進してきました。

 

○ 今年度予算による事業完了により、浸水被害軽減はもとより地域の発展の起爆剤として寄与することが期待されており、地元住民の期待に応えるためにも一日も早い竣工を図っていく予定です。最後に用地協力を頂いた地権者の皆様をはじめ、地域住民の皆様、関係機関の方々に心から感謝申し上げます。

 

 

 

2.土佐のまほろばの治水事業       高知県 南国市長 橋詰 壽人

 

○ 南国市は、古くは約1,000年前、律令時代に国庁が置かれ、土佐の政治経済の中心地として栄えました。国司として赴任した紀貫之が、任を終え帰郷する際の心情を綴ったのが、有名な「土佐日記」です。特に、後川流域の高知空港周辺には土佐の稲作発祥の地で、弥生時代の集落・農耕跡が残り、現在、歴史公園化が進められるなど、当市は歴史遺産が豊富に残る「土佐のまほろば」です。

 

○ また、平成14年7月、南国市のJR土讃線後免駅から県東部の奈半利町まで「ごめん・なはり線」として開通、高知龍馬空港、高知新港や高知自動車道、そして、平成20年代半ば開通予定の四国8の字ルートを構成する東部自動車道「高知・南国道路」と併せ、当市は高知県の交通拠点としての地の利を有しています。

 

○ 一方、豊かな耕地と温暖な気候に恵まれ、昔から、米の二期作が行われる地域として有名でしたが、現在は南国の地の利を生かした早場米や特別表示米の促進に努め、物流拠点南国の交通網を活用して、より美味しい米を消費者に提供しています。さらにピーマン、シシトウなど施設園芸のほか生産性の高い作物も効率よく出荷、シェア拡大に努めています。

 

○ ところが、このような肥沃な農地を育んだ河川はひとたび洪水となると、大きな被害を与えて、市民を恐怖のどん底に陥れていました。近年では「‘98高知豪雨」による浸水被害は記憶に新しいところですが、比較的治水対策の進んでいた後川流域でも多くの土地が浸水被害を被りました。そのため、さらに一層の事業進捗が望まれ浸水被害の軽減が図られたところです。

 

○ そのような経過を経て、長年浸水被害に悩まされてきた流域住民にとって平成20年度予算をもって待望の事業完了となります。今後は、さらに住民が安全で安心して暮らせるよう、市内の他河川の事業進捗とともに、国及び県と連携を図りながら地域防災計画の充実や浸水履歴図の有効活用・地域の自主防災組織といったソフト対策を進め、水害に強いまちづくりを推進してまいりますので、関係各位の更なる御尽力、御協力を賜りますようお願いいたします。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.鹿野川ダム水源地域ビジョン委員会を開催     (肱川水系 愛媛県)

 

○ 3月6日(金)に、第1回「鹿野川ダム水源地域ビジョン委員会」を愛媛県大洲市肱川町の「風の博物館」で開催しました。

 

○ 学識経験者、ワーキングメンバー(地元住民の代表者)、地元行政関係者で構成される計13名が参加し、委員長には、愛媛大学大学院の鈴木幸一教授を選任し、「鹿野川ダム水源地域ビジョン」を策定するための、基本方針などを協議しました。

 

○ 「鹿野川ダム水源地域ビジョン」とは、鹿野川ダムを生かした水源地域の活性化を図ることを計画することで、今後、ワーキング、委員会を順次実施し、住民から出された意見を示し、それを助言、承認する形で進めていき、平成21年度中の策定を目指します。

 

○ 活性化の基本方針案として、住民から出された意見を元に「鹿野川湖の環境改善」、「水源地域の住民による活性化の仕組み作り」、「鹿野川ダム湖面を利用する際のルール作り」の3つを設定し、審議の結果、了解されました。

 

○ また、委員からは、「ダム湖周辺の桜並木は老木であり、早期に更新する必要がある」、「除間伐ができていない人工林が多く、水源涵養の保全に力を入れてみてはどうか」、「ダムの浚渫土の活用は、浚渫土に含まれる養分を有効利用する農法として非常におもしろいと思う」、「ブラックバス釣り対策なしに、湖面の有効利用やオシドリの生息環境の保全については議論できない」等の意見を頂きました。

 

○ 今後、委員会で出された意見を住民主体のワーキングに持ち帰り、ビジョンの具体化に向けて協議を重ねていく予定です。

 

 

 

4.「中筋川治水対策を進める住民の会」を開催    (渡川水系 高知県)

 

○ 3月8日(日)に、中筋川総合開発工事事務所において「中筋川治水対策を進める住民の会」が開催されました。

 

○ 同会は中筋川の治水対策について、国、県、市だけに頼るのではなく、地元住民1人1人が学習し、相互理解を深め、より良い治水事業が行われるよう行動していくことを目的として、去る2月12日(木)に中筋川上流域の7地区の代表者等によりに設立されたものです。

 

○ 今回は、地域の抱える洪水被害や治水上の課題等について、住民の会の委員と同会の顧問である山本有二衆議院議員、アドバイザーの中西哲県議、沖本年男県議、今城誠司市議との「意見交換・要望」の場として開催されたもので、地元の中西清二宿毛市長をはじめとする宿毛市、高知県、国交省の行政機関も交えて意見交換を行ったものです。

 

○ この中で、山本衆議院議員からは、この会を通じて「中筋川ダムと横瀬川ダムの2ダム完成後において、治水に係る懸案が全て解決でき、全国のモデルになるよう頑張りましょう。」との挨拶をいただきました。

 

○ 住民の会の委員からは、「中筋川ダムができて地域は喜んでいるが、残る内水問題を是非前向きに取り組んでほしい。地域としてできることは取り組んでいく。今後とも、本会、議員、行政が前向きな議論を継続的に行っていってほしい。」等の意見が出されました。

 

○ 今後は、県管理区間の中筋川及び支川の河道掘削、排水ポンプ車の当該地域への配備、横瀬川ダムの早期完成について、国並びに県に同会として要望していくこととなりました。

 

 

 

5.横瀬川ダム「基本設計会議」の開催        (渡川水系 高知県)

 

○ 3月10日(火)に、横瀬川ダムを対象とした「基本設計会議」が開催されました。

 

○ この会議は、ダム等の安全性を確保し、合理的な設計・施工を行うため、ダム等の設計・施工に係る重要な技術的課題等について検討・確認を行う場として、昭和56年度から開催され、本省河川局、国土技術総合政策研究所、独立行政法人土木研究所のダム事業担当者により構成されています。

 

○ また、この会議は主要な段階で実施することとなっており、これまでに横瀬川ダムにおいては、平成13年10月に「ダムサイト・ダム型式」の基本設計会議を開催、今回は、「実施計画(本体実施設計の基本的事項の決定)」前ということで実施しました。なお、この会議に先立ち、2月17日(火)には、この基本設計会議の環境部会を開催しています。

 

○ 当日は、中筋川総合開発事務所長の挨拶から始まり、治水課課長補佐による資料の説明、それを受けての質疑を行いました。

 

○ 基本的には、整備局案で了解いただきましたが、今後、ダムサイトの地質、地滑り等についての補足調査をすべき、などの意見をいただきました。

 

○ 今後、この結果を踏まえ、ダムの本体の実施設計の修正及び工事積算へ本格的に移行することとなります。

 

○ なお、横瀬川ダムにおいては、今年度3回実施した「横瀬川ダム技術検討委員会」により得られた意見や指摘が、この会議に非常に有効に活用できたものと考えています。

 

 

 

6.平成20年度四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会を開催  (四国地方整備局)

 

○ 3月13日(金)に、高松市内において、平成20年度四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会を開催しました。

 

   委員長  松田 宗明(愛媛大学農学部 助手)

   委 員  山本  務 (香川県環境保険研究センター 主席研究員)

 

○ ダイオキシン類調査は、平成11年度から実施されており、平成16年度までの6年間における精度管理は本省が設置した「ダイオキシン類精度管理委員会」で行われていました。

 

○ しかし、平成17年度からは精度管理を含めた調査結果の確定までの全ての作業を各地方整備局で実施することとなったため、平成17年10月に「四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会」を設置し、平成17年度の調査結果から確定作業までを本委員会で行っています。

 

○ 会議では、事務局より四国地方の一級河川における平成20年度の調査概要及び調査結果、各分析機関の精度管理方法、委員への事前説明に対する回答・対応などについて報告し、それらについての妥当性等について審議頂き、今後の調査・分析における課題、注意点などの指摘事項がありましたが、今年度の調査結果が確定しました。

 

○ 今後、本省での「ダイオキシン類精度管理委員会」が予定されており、本委員会での審議結果を報告します。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

  ────────────────────────────────────────── 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html