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四国河川ニュース

2/21(土)〜2/27(金)》386号

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2009.3.2発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.138

 

   ○ 愛媛県 石応海岸対策事業『石応海岸高潮対策事業』で砂浜が平成20年に完成  (愛媛県 南予地方局建設部長 三好 次男)

 

   ○ 高潮対策と海浜空間                                                          (愛媛県 宇和島市長 石橋 寛久)

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 「外部講師による所内研修会」を開催               (渡川水系 高知県)

 

   ○ 「土器川スタッフ危機管理演習in丸亀市」を実施        (土器川水系 香川県)

 

   ○ 「地域興し」座談会を開催                        (渡川水系 高知県)

 

   ○ 第二回「ゆきかう那賀川推進会議」の開催            (那賀川水系 徳島県)

 

   ○ 「吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会」の開催       (吉野川水系 徳島県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.138

 

1.愛媛県 石応海岸高潮対策事業『石応海岸高潮対策事業』で砂浜が平成20年に完成  愛媛県 南予地方局建設部長 三好 次男

 

■事業の概要

 

○ 石応海岸は、四国の西南部、宇和海にのぞむ宇和島市のほぼ中央に位置し、石応漁港の西側にある延長1,000mの海岸です。

 

○ 当海岸の一部には緩傾斜階段護岸が整備され、足摺宇和海国立公園を展望できる自然豊かな海岸として、市民に、また特に海岸の直背後に位置する石応小学校に親しまれている海岸です。

 

○ しかし、平成5年の台風による越波で護岸約300mが被災し、背後の県道が約3ヶ月通行止めになるなど、10年間での被災は3回に上りました。この道路は、半島部に位置する当該地域へ唯一のアクセス道路であり、被災が当該地域の生活にあたえる影響は重大なものでした。

 

○ 当該海岸は、リアス式海岸特有の地形や、前浜勾配が1/10と急峻であるなど、災害の危険性の高い地形条件となっており、当時の計算結果では、既設護岸の天端高が約2.2m不足しており、大型の台風等による越波で背後の人家や小学校に甚大な被害が予想されることから、特に小学生の保護者から強い整備要望が出されていました。

 

○ 計画越波高が2.2mと大きいことや、景観への配慮について検討し、離岸堤と養浜等による対策が有効であるとして、平成14年度に高潮対策事業として一部に面的防護タイプを採用した海岸整備に着手し、実施に当たっては、安全で良好な海岸空間を形成するという海岸施設としての本来の目的を果たしました。

 

○工事概要は次のとおりです。

 

【事業概要】

 

   事業期間  H14〜H20

   工事内容  離岸堤  東側 62m

                       西側 110m

              養浜工  約1万m3(110m)

            消波工  65m

 

○ 本事業は、平成20年5月に完成し、本来の高潮対策事業としての効果はもちろん、養浜部分は今年の夏、地元小学生たちの海水浴場として利用され、7月には地元住民の感謝の声とともにテレビ報道されるなど好評を得ております。また、本海岸には小学生をはじめ多くのボランティア団体が、砂浜の清掃に参加されており、その美しさを保ちながら、ますます地域住民に愛される海岸になるものと確信しております。

 

 

 

2.高潮対策と海浜空間         愛媛県 宇和島市長 石橋 寛久

 

○ 当市は、愛媛県の西南部に位置し、5つの有人島と多くの無人島を有している。西は宇和海に面し、北は西予市、東は鬼北町・松野町に、南は愛南町と高知県宿毛市・同県四万十市と接している。東側の鬼ヶ城連山は、標高1千メートル級の山々が連なり、急峻で海岸線付近まで山地が続き、西の海岸線は入り江と半島が複雑に交錯した典型的なリアス式海岸を形成している。また豊後水道をはさんで九州と対している。

 

○ 美しい宇和海の潮風を受け色づくみかんと、真珠やハマチの養殖筏が整然と並ぶ光景はすばらしいものです。

 

○ 現在、当市では、高速道路の建設工事がピークをむかえ、平成23年度末には県都松山市まで直結する予定で、今後は更に、農林水産業の振興や、地域間の交流が活性化されるものと期待しています。

 

○ 石応海岸の東端に位置する堂崎には、全国にもまれな海浜の樹木が生い茂り、その代表植物はウバメガシであり、700年から800年を経た巨木が大部分である。成長のおそいこの木が老大木となり、幹や枝にはシダ類のヒトツバがまつわりつき、堂崎観音を霊場としての雰囲気をもたらしている。堂崎観音には、源平の戦いのあと、敗れた平家の落ち武者にまつわるあわれな物語りを伝える五輪の塔がまつられている。

 

○ 石応海岸高潮対策事業の完成により、台風等による越波の被害も解消され、特に小学校への通学の安全が確保されました。また養浜部分は、地元自治会が清掃を行い、当市では初めての人工海浜空間として地域住民に愛されています。

 

○ 今後も、背後地の保全を期待するとともに、人々の交流の空間となるよう努めてまいりたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.「外部講師による所内研修会」を開催       (渡川水系 高知県)

 

○ 2月19日(木)に、中筋川総合開発工事事務所において、公共事業と地域経済をテーマに、北九州市立大学大学院・井原健雄教授を講師に招き、所内研修会を開催しました。

 

○ 会議では、公共事業における費用便益分析、地域活性化、官民協働、高速道路の料金引き下げなどについて、講師から情報提供していただきました。特に、費用便益分析については、「手法は精緻化されてきたが、必ずしもそれがすべての判断基準ではない。地域の実情なども考慮すべきではないか。」など、積極的な意見交換も行われました。

 

○ 今回の研修会には他事務所からもご参加をいただきました。今後も継続的に実施していく予定ですので、ご参加いただければと思います。

 

○ 最後に、お忙しい中、研修会の講師を務めていただきました井原健雄教授に、この紙面をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

4.「土器川スタッフ危機管理演習in丸亀市」を開催  (土器川水系 香川県)

 

○ 2月20日(金)に、香川県丸亀市において、「土器川スタッフ危機管理演習in丸亀市」を開催しました。

 

○ 演習は、丸亀市の防災担当者を対象とし、危機管理への対応能力の向上に資することを目的に、丸亀市を流れる土器川水系土器川での洪水災害に加えて、土砂災害や内水被害を想定した情報収集及び伝達、市役所内での情報共有と役割分担、状況判断、関係機関との連携等の具体的な対応をロールプレイング方式で実施しました。

 

○ また、市町防災担当者や河川管理者を集め、ロールプレイング方式による災害危機管理演習方法の説明や演習の見所も含めた見学会を開催しました。

 

○ 本危機管理演習には、演習部員・指揮部員・見学者を合わせて、約120名が参加しました。

 

○ 演習は、指揮部長である四国地方整備局の藤山究河川情報管理官の合図で開始し、10時から14時半の4時間半にわたり、昼食も非常食を演習中にとるなど終始実際の災害時と同様な緊張感の中で実施され、終了後には演習部員・指揮部員による検討会を実施し、現時点における課題等の抽出を行いました。

 

○ 最後に、丸亀市の新井哲二市長及び、香川河川国道事務所の藤堂卓英所長より、演習全体の講評を頂き、無事終了しました。

 

 

 

5.「地域興し」座談会を開催            (渡川水系 高知県)

 

○ 2月20日(金)に、中筋川総合開発工事事務所、北九州市立大学大学院・井原健雄教授、宿毛市の地域活性化グループの3者による意見交換等を行う『地域興し』座談会を開催しました。

 

○ 座談会では、宿毛市の地域活性化グループの代表9名の方(青年会議所、婦人会、漁業・農業従事者など)に参加していただき、現在抱えている課題や今後の夢(宿毛の特産物をどうブランド化していくか、全国に発信していきたい、など)をざっくばらんに話していただき、その後意見交換を行いました。また、井原教授からは他地域での事例や今後の取り組み方(外からの視点を取り入れることが重要、地域とその産品に対する愛情と情熱が不可欠)など、様々な視点からアドバイスをいただきました。

 

○ 今回実施した『地域興し』座談会は初めての試みですが、今後も継続的に実施していく予定です。

 

○ 最後に、座談会開催にあたりご尽力いただいた宿毛市の地域活性化グループの方々、及びご自身の経験を基に様々なアドバイスをくださいました井原教授には、この紙面をお借りしお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

6.第二回「ゆきかう那賀川推進会議」の開催    (那賀川水系 徳島県)

 

○ 2月23日(月)に、阿南市において、第二回「ゆきかう那賀川推進会議」が開催されました。この会議は、「那賀川水系河川整備計画」の着実な推進を目的に、那賀川流域における関係者が集まり、流域内の交流・連携に関して、情報共有、意見交換、企画、相互協力等を行い、流域の振興を図ることを目的として、昨年3月3日に発足したものです。

 

○ 今回から新たな民間団体委員として那賀町木沢で山と花と温泉案内人として活動している平井滋氏を迎えるとともに、オブザーバーとして那賀川河川整備計画の着実な推進を見守る住民組織である那賀川アフターフォーラムの中村貴志会長にも出席をいただきました。

 

○ 会議では、各民間団体代表委員から、それぞれの団体での活動について発表していただき、意見交換を行うとともに、来年度の活動として、今年度に引き続き上流域の見学ツアーや、広報活動の更なる充実を行うとともに、「那賀川の日」の制定、上流域の写真コンテストの開催、観光資源マップの作成、源流散策道の更なる整備などの検討を進めることなどが議論されました。

 

 

 

7.「吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会」の開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 旧吉野川流域において、平成20年夏に発生した水草(ボタンウキクサ等)は、かつてない大量発生となりました。それらを踏まえ、来年度以降どのような対応で望んでいくかを関係機関で意志統一し、その連携のなお一層の強化を図るため、「吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会」が2月24日(火)に開催されました。

 

○ 本会は、昭和60年に旧吉野川流域でホテイアオイが大量に発生したことを契機に発足(昭和61年2月)したもので、流域に発生する水草等の被害を防止又は軽減するために、これらに関する情報の交換や処理及び対策等について調整することを目的としています。

 

○ 当日は、国土交通省徳島河川国道事務所、(独)水資源機構、徳島県、吉野川下流域の関係10市町の担当者等の約40名が出席して、今年度の水草大量発生への対応状況報告のあと、今後の方策について議論を行いました。

 

○ まず取り組むべき方策として、水草の早期発見・早期除去が最も重要であるとのことから、

   @河川巡視、河川パトロール等を強化することにより、河川の水草浮遊の有無の確認体制を強化する。

   A河川愛護モニター等をはじめとする地元住民の方々からの情報を積極的に収集する。

   B発見した水草の早期除去に努める。

   C地元住民の方々からの水草浮遊の情報を収集できるよう、各自治体の広報誌に掲載する等の広報活動を強化する。

   D各関係機関の情報の共有化等、計画的に取り組むべき体制等を構築する。

 などについて、取り組んでいくことを参加機関で意志統一しました。

 

  また、その他の方策としては、

   @効率的な除去・撤去の方法等を検討していく。

   A関係機関において適切な予算の確保に努める。

   B地元等からの問い合わせや要望等に対しては、引き続き適切に対応していく。

   C今後も学識経験者の意見を聞きながら対応していく。

 なども参加機関で連携しながら今後も引き続き取り組んでいくことを確認しました。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

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          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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