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四国河川ニュース

2/7(土)〜2/13(金)》384号

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                                                                                                                            【2009.2.16発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.137

 

   ○ 香川県 見目中川(土庄町)の治水事業『見目中川通常砂防事業』     香川県 小豆総合事務所次長 山本 芳明

 

   ○ 「安全安心のまちづくり」                               香川県 土庄町長 岡田好平

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 第5回だんだん肱川(肱川流域上下流交流)の第2弾を開催               (肱川水系 愛媛県) 

 

   ○ 「第22回バードウォッチング&自然観察会」及び「第8回巣箱教室」を開催       (渡川水系 高知県)

 

   ○ 「平成20年度 第3回四国河川技術伝承会」を開催                    (四国山地砂防)

 

   ○ 平成20年度 四国地方ダム等管理フォローアップ委員会(課題検討会)を開催    (四国地方整備局)

 

   ○ インターネットモニターへのアンケート『渇水について』の結果の報告           (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.137

 

1.香川県 見目中川(土庄町)の治水事業『見目中川通常砂防事業』  香川県 小豆総合事務所次長 山本 芳明

 

【見目中川の被災】

 

○ 平成16年10月20日、台風23号による豪雨の影響により小豆郡土庄町見目において、土石流が発生し、下流の人家・耕作地等に土砂氾濫が及ぶ災害となりました。幸い人的被害はなかったものの、土石流により半壊家屋2戸、家屋、公共施設及び田畑への土砂の流入などの被害が発生しました。

 

【見目中川の事業実施内容】

 

○ 整備施設

    ・えん堤工:1基(堤高:H=8.0m、堤長:L=121.0m)

   ・渓流保全工:L=100m

 

○ 効 果 量

   ・貯砂量:1,726m3  ・調節量:759m3

 

◎保全対象

   ・人家12戸、小学校1箇所、公民館1棟

   ・県道0.05km、町道0.03km

 

○事業期間

   ・平成17・18年 えん堤工

   ・平成19年 渓流保全工

 

【工事の特色】

 

○ 災害前の地形では、渓流としての機能(水路)が無く山腹及び田畑となっており、なぜ土石流が発生したのか不思議な地形となっていました。

 

○ しかし、工事の施工により地山を掘削したところ、上流域では地下水が出ないが、下流域では地下水が豊富に出てきて、通常の谷筋での流路工工事と同じ様になりました。地元の年配の方に聞くと昔は谷筋であったそうです。

 

○ 流路工の施工にあたっては、田畑の真ん中に水路を作ることにより、用水の取水口をどこから取り入れるかが苦労をしました。

 

【おわりに】

 

○ 小豆島では過去にも大きな土砂災害を経験しており、被害を少しでも軽減するためにこれまで砂防ダム等のハード整備を進めてきました。しかし今回の見目中川の様に渓流と見えない他の箇所においても土石流が発生する危険性がまだ隠れているかもしれません。すべての箇所を整備するためには多くの時間と費用が必要となることから、危険箇所の周知、避難警戒体制の整備等ソフト面の対策も充実させるなど、ハード・ソフト両面から土砂災害に取り組んでいきたいと考えております。

 

 

 

2.「安全安心のまちづくり」        香川県 土庄町長 岡田 好平

 

○ 土庄町は、東洋の地中海、瀬戸内海国立公園の中にあり、明治41年、ヨーロッパ地中海から初めて持ち込まれたオリーブの木がわが国で唯一この小豆島だけに根付いたように、四季を通じて温和な気候に恵まれています。

 

○ 地形は、島内に瀬戸内海最高峰をいだくことから急傾斜地が多く、主として沖積地や山間の緩傾斜地に集落を形成しています。この急峻な山岳地形に加え、約90kmに及ぶ複雑な海岸線と周辺島嶼部の織りなす多島美の風光に恵まれ、町域に多くの自然公園特別地域の点在する優れた自然環境を有しています。

 

○ また、この温和で優美な風光のもと、郷土作家壺井栄先生が名作「二十四の瞳」を始めとする作品群の中で、鮮やかに描き出した素朴で細やかな人情と、古来から続く上方文化とのふれあいの中で洗練されてきた豊かな文化性、そして厳しい離島の経済環境の中で培われた鮮烈な進取の気風、これらが渾然一体となって独特の優れた町民性を形成し、それが「まちの心」となって未来への夢を育んでいます。

○ 一方、近年の地球温暖化による異常気象の影響からか、想像を絶する豪雨が何時何処で発生するのかわからなく、一旦発生すると地形が急峻なために、たちまち土石流となって下流の民家及び農地などに甚大な被害を及ぼす恐れがあります。

○ 平成16年度には、6月の台風4号をはじめ10月の23号まで10個の台風が日本列島に襲来しました。これは、戦後もっとも多い数であったそうで、土砂災害や河川の氾濫、高潮などにより県内で19人の方が犠牲となりました。10月20日の台風23号では、土砂災害が東讃を中心に多発し、当見目地区においても地区の背後の四方指では、最大時間雨量52mmという豪雨に見舞われ、土砂崩れで山林、農地、民家をまきこみ下流域の小学校校庭まで土砂が入り込みました。幸いにも犠牲者は、でませんでしたが土庄町としては、これをふまえ、砂防ダムの建設を国、県に要望し、災害の防止に努めるとともに、万一に備え、この地区も含めた町内各地に避難所を指定しました。

 

○ 災害時には、防災情報の円滑な伝達による被害の軽減と災害時の孤立防止を図る手立てが必要です。このため町では、全世帯に個別受信機を置く防災行政無線を整備し、安全の確保を図るほか、常に防災情報の集積と分析を行い地域防災計画の改定充実に取り組んでいこうと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.第5回だんだん肱川(肱川流域上下流交流)第2弾を開催  (肱川水系 愛媛県)

 

○ 1月31日(土)に第5回だんだん肱川第2弾を開催しました。(第1弾は12月6日(土)に開催しました。)

 

○ 第1弾は、肱川流域会議水中めがねと愛媛大学防災情報研究センターが行い、第2弾は、大洲河川国道事務所、山鳥坂ダム工事事務所、野村ダム管理所も共催で参加し実施しました。

 

○ 第1弾の目的は、肱川流域内の高校生に源流から河口までをバス移動し(流域バスツアー)、肱川流域に関する授業を受け肱川流域を実際に見て感じてもらうことを目的としたものです。肱川流域内の高校7校中、5校41名の高校生の参加があり、バス内の講師として、肱川流域会議水中めがね会長の坂本良則氏、愛媛大学の矢田部龍一教授、江崎次夫教授、鳥居謙一教授、元大洲市立博物館館長の土居泰正氏、肱川漁業協同組合の那須熊市氏、肱川町流域住民協議会会長の城戸由幸氏らの協力を得て、移動教室の形態で実施しました。

 

○ 第2弾の目的は、より多くの方に肱川流域の事を考えてもらうことを目的としたもので、第1弾に参加した高校生に加え、流域の中学生も加わり、「見る」、「学ぶ」、「聞く」、「感じる」、「考える」に分けて実施しました。

 

○ 「見る」では、第1弾の流域バスツアーを振り返り、「学ぶ」では、愛媛大学矢田部龍一教授の「肱川流域学講座開講にあたって」と題した講演があり「聞く」では、FM愛媛パーソナリティの宮崎ユウさんによる四国防災八十八話の肱川流域に関連した防災むかし話の朗読を聞き、「感じる」では、流域の中学生による防災むかし話を聞いての感想文と肱川の洪水についての研究を発表を行い、「考える」では、肱川流域に関する様々な疑問などを愛媛大学教授陣へ質問し、回答をもらい、考えるといった公開授業的な取り組みを実施しました。

 

○ 今回の成果は、参加した高校生、中学生、それぞれが肱川について深く考えていただく機会ができたことです。

 

○ この取組は、来年度以降も継続し、次世代にしっかり「いい肱川を継承する」事を大目的として、実施していく予定です。

 

 

 

4.「第22回バードウォッチング&自然観察会」及び「第8回巣箱教室」を開催  (渡川水系 高知県)

 

○ 2月8日(日)に、中筋川ダム及びその周辺において、「第22回バードウォッチング&自然観察会」及び「第8回巣箱教室」を開催し、地元の小学生や親子連れなど30名の方々が参加されました。

 

○ 最初に、河川渓流環境アドバイザーの澤田佳長氏から中筋川ダム周辺で見られる野鳥の観測方法についての説明があり、中筋川ダムの野鳥観察小屋に移動して双眼鏡、望遠鏡やテレビモニターを使って、蛍湖(中筋川ダム湖の名称)で休息している水鳥などの観察を行いました。

 

○ その後、小鳥の巣箱をノコギリや金づちを使って各1個作製してもらい、記念に持って帰ってもらいました。

 

○ 観察できた野鳥は、マガモ、オシドリ、オナガガモ、ヒドリガモなどで、例年に比べ種類は少なかったですが、晴天にも恵まれ、参加していただいた方々にはとても楽しんでいただけました。

 

○ 今回、中筋川ダム周辺に生息する多くの野鳥について知っていただけたことで、今後も中筋川ダムについて関心を持っていただければと思います。

 

 

 

5.「平成20年度 第3回四国河川技術伝承会」を開催  (四国山地砂防)

 

○ 2月9日(月)に、徳島県の四国山地砂防事務所において「平成20年度 第3回四国河川技術伝承会」を、四国山地砂防事務所職員など約30名が参加して開催しました。

○ 「四国河川技術伝承会」は、四国地方整備局で長年培われてきた河川に係わる技術を次世代に伝承することにより、新技術と相まって、四国新時代における安全で安心できる社会資本の整備に生かすことを目的として、平成18年に発足したものです。四国各県1回、年4回開催しており、今回で12回目の開催となり、四国山地砂防事務所では初めての開催となります。

 

○ 今回の伝承会では、砂防事業に関わりのある、4名の四国地方整備局OBの方(立石耕一氏、藤目信行氏、山下久男氏、伊井貞博氏)を伝承者として迎え、砂防施設等の老朽化や洗掘・滑りによる破損などの安全面、堰堤の堆積土砂流出による濁水や魚道の閉塞など環境面等において施設機能維持のための適切な管理や修繕方法、また現場において施工・安全面で苦慮している課題等について、当時の対応など苦労話を交えながら、わかりやすくご助言・指導いただきました。

 

 

 

6.平成20年度 四国地方ダム等管理フォローアップ委員会(課題検討会)を開催  (四国地方整備局)

 

○ 2月10日(火)に、高松市内において平成20年度 四国地方ダム等管理フォローアップ委員会(委員長:三井宏徳島大学名誉教授)の『課題検討会』を開催しました。

 

○ 「ダム等管理フォローアップ制度」は、公共事業の効率性並びにその実施過程の透明性の向上を図る観点から、国土交通省と(独)水資源機構が管理しているダム及び河口堰の洪水調節・利水補給の実績や、環境への影響を客観的、科学的に調査・分析・評価を実施し、その内容を『定期報告書』として取りまとめたものを委員会でご審議いただき、今後の適切な管理に活かしていくと共に、必要に応じて改善措置を講じることを目的に実施しています。

 

○ 今回開催した『課題検討会』は3月4日開催予定の「本委員会」に先だって行われる中間報告的な会議で、『定期報告書』のとりまとめ方(分析方法、評価方法)についてご意見、ご助言等を頂くもので、今年度の審議対象ダムは、国土交通省の管理ダムが「中筋川ダム」、(独)水資源機構の管理ダムが「旧吉野川河口堰」と「今切川河口堰」です。

 

○ 課題検討会は、3つの部会(生物課題検討会、ダム管理課題検討会、水質課題検討会)に分けて行い、昨年11月に実施した1ダム2堰の「現地検討会」での意見・質問等に対する回答や定期報告書への反映方針についてご確認いただいた後に、1ダム2堰の『定期報告書(案)』の説明を行い、分析方法や評価方法についてご審議いただきました。

 

  ■生物課題検討会(委員長を除き、50音順)

     三井  宏 委員長 (徳島大学 名誉教授)

     大森 浩二 委員  (愛媛大学 准教授)

     木下  泉 委員   (高知大学 教授)       *欠席

     澤田 佳長 委員  (野生生物環境研究センター所長)

     中山 紘一 委員  (高知昆虫研究会会長)

     松井 宏光 委員  (松山東雲短期大学教授)

 

  ■ダム管理課題検討会(委員長を除き、50音順)

     三井  宏 委員長 (徳島大学 名誉教授)

     井原 健雄 委員  (北九州市立大学 大学院教授) *欠席

     鈴木 幸一 委員  (愛媛大学 大学院教授)

 

  ■水質課題検討会(委員長を除き、50音順)

     三井  宏 委員長 (徳島大学 名誉教授)

     今井 嘉彦 委員  (高知大学 名誉教授)

     村上 仁士 委員  (徳島大学 名誉教授)

 

○ 今後は、3月4日開催予定の「本委員会」に向けて、今回の各課題検討会で頂いた意見、助言を基に、『定期報告書(案)』を取りまとめていきます。

 

 

 

7.インターネットモニターへのアンケート『渇水について』の結果の報告  (四国地方整備局)

 

○ インターネットモニター制度は、国土交通省が進める政策・事業等に対して、国民の皆さんの意見・要望などを頂くために設けたもので、年4回(全国アンケート2回、地方アンケート2回)実施しているものです。インターネットモニターは全国で1,200人、四国地方で82名の方が登録されています。

 

○ 今回は、昨年、早明浦ダムの貯水率が0%になるなどの渇水を受けて、『渇水について』の地方アンケート(20年度第1回四国ブロックアンケート:期間12月15日〜1月14日)を実施し、82名のインターネットモニターの内、70名の方から回答を頂き、2月10日(火)に記者発表しましたので、その結果の概要を報告します。

 

○ 「今年の渇水(取水制限)で生活に影響がありましたか。」という問に対しては、「非常に困った」、「ときどき困った」との回答が4県の内香川県が突出しており、60%にも達しました。そして、「困った」と答えた方に具体的な問題を聞いたところ、「渇水がいつまで続くか不安」と答えた方が突出していました。

 

○ 近年渇水になる頻度が増えていると答えた方が77%を占め、具体的原因(複数回答可)として、「地球温暖化等の気象変動」71%、「生活様式の変化による水利用の増加」41%、「節水意識の低下」26%、「渇水調整の方法」9%、という結果でした。

 

○ 普段の生活から、節水に努めていますか。(努めている、どちらかといえば努めている、ふつう、あまり努めていない、努めていない)という問に対しては、香川県が「あまり努めていない」、「努めていない」が無かった反面、「努めている」、「どちらかといえば努めている」の割合の高さでは、高知県、徳島県、愛媛県、香川県という順番でした。

 

○ そして、具体的な節水方法の問に対して、「台所」、「洗濯」、「お風呂」、「洗面所」、「トイレ」、「洗車」等での節水方法を伺うと共に、「渇水に関する情報が十分であったか。」や、節水に関する具体的な施策、取り組みの具体的提案や渇水に関する疑問についても回答頂きました。

 

○ 四国地方整備局では、今回のアンケート結果を今後の渇水対策に活かしていきます。アンケートへのご協力、有り難うございました。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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