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四国河川ニュース

1/10(土)〜1/16(金)》380号

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                                                                                                                            【2009.1.19発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.135

 

   ○ 高知県 和食ダム建設事業              (高知県 安芸土木事務所 和食ダム建設事務所長 矢野 義和)

 

   ○ ダムを活かした地域づくり                (高知県 芸西村長 竹内 強)

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 第2回横瀬川ダム技術検討委員会を開催            (渡川水系 高知県)

 

   ○ 「桑野川引堤工事現場見学会」を開催              (那賀川水系 徳島県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.135

 

1.高知県 和食ダム建設事業  高知県 安芸土木事務所 和食ダム建設事務所長 矢野 義和

 

○ 和食川は、高知県安芸郡芸西村に位置し、その源を標高430mの山地に発し、土佐湾に注ぐ流域面積22.77km2、流路延長6.3kmの2級河川で、中・下流域では農用地及び住宅地が平野部の大部分を占めています。また、同村の基幹産業である施設園芸農業における農業用水及び住宅地等への水道用水の水源として重要な役割を担っています。

 

○ しかしながら、和食川流域は年平均降水量が約2,000mmであり、そのうち大部分が梅雨期や台風時に集中していることから、この時期に過去幾多の洪水被害を被ってきました。特に平成元年8月の豪雨では和食川沿いに広がる農地や下流部東側の和食地区の住宅地などを中心に、面積約245ha、家屋73戸に及ぶ浸水被害が発生し、園芸施設も大きな打撃を受けました。近年においても平成10年、平成16年、昨年と豪雨による浸水の被害が発生しています。

 

○ このような状況のなか、平成15年に和食川総合開発事業として、和食ダムの建設に着手しました。和食ダムは、和食川上流の芸西村西谷に建設するもので、重力式コンクリートダムとして高さ56.0m、堤頂長124.0m、総貯水量730,000m3、有効貯水容量680,000m3で、洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水の供給を目的とするものです。

 

○ 本ダムは地理的にも芸西村中心部や国道55号から至近距離にあり、ダム貯水地を含めた周辺一帯は自然林が多く残り、昆虫や野生動物などの生態系も豊かであります。また、第三次芸西村総合振興計画においても和食ダムを活用した人と動植物が共存できる環境整備が謳われており、地元村民のみならず県民のやすらぎの場としての利用が十分期待できるため、芸西村が整備している自然公園等と一体となったダム整備を進めています。

 

○ 現在、本体着工に向け用地買収と併行して工事用道路や付替道路の整備を行っており、平成21年度も引き続き整備を実施していく予定です。

 

 

 

2.ダムを活かした地域づくり        高知県 芸西村長 竹内 強

 

○ 芸西村は高知県東部に位置し、西部は香南市、東部は安芸市に挟まれ南部は白砂青松の琴ヶ浜松林から太平洋を望む自然豊かで、年中温暖な気候に恵まれています。東西は4km、南北は10kmほどで面積は39.63km2、人口4,100人の小さな村です。

 

○ 本村は、古くから農業・漁業が盛んで、特に農業については、いち早く施設園芸を導入し、温暖な気候を利用したキュウリの促成栽培を行ってきました。昭和40年代後半には、県営事業により平野部の大部分を占める200ha余りのほ場整備事業により土地を集約し、大型のビニールハウスでの本格的なナス・ピーマン等の栽培が始まりました。これにより一大施設園芸産地を築き、中四国でも有数の農家所得が高い村となりました。

 

○ 他方、本村はニ級河川和食川の氾濫で、平成元年の未曽有の豪雨による大災害や平成10年、16年、昨年と最近は台風ばかりでなく、温暖化の影響と言われているゲリラ的豪雨等により農地の冠水が頻発して、農家にとっては死活問題となっています。

 

○ また、和食川は急峻なため降雨後は直ぐ太平洋に流出し、雨水が地下で涵養されることが少なく、冬場の渇水期はもとより夏場の長期間降雨のない時期にも、渇水により村の簡易水道の給水制限や農家の地下水の枯渇にも、多大な影響を及ぼしています。

 

○ このため和食川総合開発事業の一環として、和食川上流に洪水調節や水道水の供給等を目的とした「和食ダム」が高知県によって建設されています。

 

○ 併せて、当村でダム湛水区域周辺や上流域を山林保全のため買収し、水源涵養林や自然公園などの憩いの場とするダムを活用した地域づくりを進めているところです。

 

○ このような状況のなか、治水・利水等の目的達成には、村民の期待の大きい「和食ダム」の早期完成が切望されています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.第2回横瀬川ダム技術検討委員会を開催      (渡川水系 高知県)

 

○ 1月8日(木)に「横瀬川ダム技術検討委員会」を開催しました。

 

○ この委員会は、横瀬川ダム建設事業において、総合的なコスト縮減を図り、効率的な執行に資することを目的に、独立行政法人土木研究所等のダムに関する専門家からの意見や指摘を頂くために開催しているものです。

 

○ 今回の委員会は、昨年8月に開催した第1回の委員会で頂いた、ダム本体の設計や施工設備に関する様々な指摘に対して、事務局よりそれらに対する検討結果について説明を行いました。

 

○ この結果、次の指摘をいただきました。

    1.オリフィスゲート型式の比較検討が必要

    2.管理用発電施設の堤体内と堤体外配置案の比較検討が必要

    3.仮排水トンネルの規模や吐口構造についての検討が必要等

 

○ 今後、頂いた指摘について検討を行い、2月5日に開催予定の第3回委員会で審議頂き、ダム本体及び施工設備に関して年度内のとりまとめを目指すこととしています。

 

 

 

4.「桑野川引堤工事現場見学会」を開催      (那賀川水系 徳島県)

 

○ 那賀川河川事務所では、1月14日(水)に長生小学校の4年生児童27名および先生方をお迎えし「桑野川引堤工事現場見学会」を開催しました。

 

○ 見学会では桑野川の歴史をも踏まえ、

   @川原排水機場(平成18年度完成)

   A一の堰および旧一の堰跡(農業用取水堰)

   B大津田排水機場(平成19年度完成)

   C大原樋門改築工事(平成21年3月完成予定)

 の各現場において、引堤事業の目的や樋門、排水機場など各施設の構造等について、事務所担当者から説明を行いました。

 

○ 説明後の質疑・応答では、排水機場の役割や排水機場に設置している機器、現場で作業している作業員や建設機械の数量、完成までの費用や工期、仕事へのやりがいなど、予定時間を超過する程の熱心な質疑が交わされました。

 

○ また、既に堤防の役割などを知っている児童もおり、先生方のご指導とも相まって河川への関心の高さが伺われました。

 

○ 事業の期間も残りわずかとなり日々河川の様相も変化していますが、今後もこれらの見学会などを通じて地域との交流を深めつつ、事業の完成を目指していきます。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

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