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四国河川ニュース

1/3(土)〜1/9(金)》379号

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                                                                                                                                                        【2009.1.13発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.134

 

   ○ 『水への願いと祈り』            四国地方整備局 河川部長 森山 裕二

 

 

 ○今週のニュース○

 

   ○ 中小河川における局地的豪雨対策及び水難事故防止対策の検討について  (国土交通本省)

 

   ○ 平成20年度 直轄管理ダムの「ダム定期検査」を実施                      (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.134

 

1.『水への願いと祈り』      四国地方整備局 河川部長 森山 裕二

 

○ こんにちは。四国地方整備局河川部長の森山です。

 

○ 昨年の夏から秋にかけて、記録的な少雨により早明浦ダムの利水容量がゼロになる状態が20日間も続きました。「渇水」という言葉が今も四国地方にとって克服すべき大きな課題であることを再認識させられました。

 

○ 21世紀は、「水の世紀」と言われています。アジアやアフリカなどの発展途上国では、多くの人々が「安全な水」を飲むことができず、飲み水から病気に感染したりして大切な「いのち」を失っています。

 

○ 安全な水の確保は、わが国でも以前は大変だったようです。四国と同じように渇水で苦しんできた沖縄では、「神」は海よりやって来て豊穣と幸などをもたらすと信じる「ニライ・カナイ」という宗教的世界観があります。沖縄のもっとも重要な祭祀儀礼のひとつに「雨乞い」があり、豊穣は、雨すなわち「水」と深く結びついています。かつて沖縄では、地下水が地表に湧出する泉に樋をかけた井泉(樋川【ヒージャ】)などから飲み水などを得ていました。人々は、樋川の前で安全でおいしい「水」を与えてもらっていることに感謝し、明日も「樋川」が枯れることがないよう願ってきました。

 

○ 四国にも小豆島の西方にある豊島に沖縄の樋川とそっくりなものがあります。それは、弘法大師が掘ったと言い伝えられている「唐櫃の清水(からとのしみず)」と呼ばれる湧水です。

 

○ また、私が数年前に勤務していた「世界の屋根ヒマラヤ」の国、ネパールの首都カトマンズでは、今も上水道が十分に整備されておらず、多くの市民は、かつての沖縄の樋川とそっくりな「水場」で飲み水はじめ生活に必要な水を確保しています。「水場」以外にも多くの井戸があって人々は今もそれに依存しています。「水場」と井戸のそばには、必ずと言っていいほど「神」が祭られており、人々は「神」に感謝し、明日も水が湧き続けることを願っています。

○ 昔も、そして今も、世界の多くの人々が、生きるために「水への願いと祈り」を毎日続けていることを忘れないようにしたいと思います。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

2.中小河川における局地的豪雨対策及び水難事故防止対策の検討について  (国土交通本省)

 

○ 昨年の7月28日に、金沢市浅野川での大規模な水害や、神戸市都賀川での水難事故が発生しました。

 

○ これらの被害を受けて、国土交通省河川局は昨年8月に、中小河川の河川管理のあり方と水難事故防止の2つの課題について検討するために、学識経験者や地方自治体等の関係者から構成される2つのワーキンググループ(WG)を設置し、検討してきました。

 

○ この度、その報告書がまとまり、1月6日(火)に公表されましたので、情報提供させていただきます。

 

○ 中小河川における局地的豪雨対策WG報告書のポイント

    簡易的な河川水位や被害の想定方法を整備するなど、初動体制の迅速化を図るとともに、学校教育、地域住民に対する防災教育の充実などにより、地域住民等と連携した地

域防災力の維持・向上に努める。

 

○ 中小河川における水難事故防止対策検討WG報告書のポイント

    新たに河川水難事故に対する啓発活動を重点的に実施するなど、平常時の啓発活動を強化するとともに、高解像度のレーダ雨量計の設置による気象予測や洪水予測の高度

化など、河川利用時の情報提供を充実させる。

 

○ 報告書の詳細については、以下のHPをご覧下さい。

 

     http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000126.html

 

 

 

3.平成20年度 直轄管理ダムの「ダム定期検査」を実施  (四国地方整備局)

 

○ 1月7日(水)、8日(木)に、直轄で管理しているダムの「ダム定期検査」を実施しました。

 

○ ダム定期検査は、ダムの施設維持・管理、操作、データ管理等の状況について検査をするもので、3年に1回の頻度で実施しています。今年度は、愛媛県にある肱川水系の鹿野川ダムと、吉野川水系の柳瀬ダムで検査を実施しました。

 

○ 検査の内容は、ダム本体及びその基礎地盤の変形、揚圧力、間隙水圧又は漏水量の測定記録などを確認するとともに、その他管理施設についても適正に管理されているかを書面及び現地により確認しました。昨年度の検査より実施している放流設備(ゲート)の動作確認も実施しました。

 

○ 2ダム(鹿野川ダム、柳瀬ダム)の概要

 

   鹿野川ダム

     昭和33年4月から愛媛県により管理が開始され(建設事業主は国、国で建設)、平成18年4月より直轄管理に移管されたダムです。

     主な放流設備は、常用と非常用を兼ねたクレストゲートが4門あり、最大放流能力は5,123m3/sです。

     直轄化と同時に、ダム下流域の洪水被害軽減や水質改善等を目的にダム改造事業に着手しています。

 

   柳瀬ダム

     昭和29年8月から管理が開始され(建設事業主は愛媛県、国が受託し建設)、四国の直轄ダムでは最初に建設されたダムです。

     主な放流設備は常用と非常用を兼ねたクレストゲートが4門あり、最大放流能力は2,532m3/sです。

     平成17年度より、治水機能の向上のために堰堤改良事業に着手しています。

 

○ 来年度(平成21年度)は、愛媛県にある肱川水系の野村ダム、重信川水系の石手川ダムと、徳島県にある那賀川水系の長安口ダムの3ダムで実施する予定です。

 

○ 今後とも、ダム機能が十分に発揮されるよう、適正なダム管理に努めてまいります。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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