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四国河川ニュース

12/20(土)〜1/2(金)》378号

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2009.1.5発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.133

 

   ○ 愛媛県肱川の河川改修事業(西予市)『肱川 広域基幹河川改修工事の進捗状況』  愛媛県南予地方局西予土木事務所長 長野 政人

 

   ○ 『肱川上流域(西予市宇和町)の河川改修について』  愛媛県 西予市長 三好 幹二

 

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報22:最終)      (四国地方整備局)

 

   ○ 『平成20年度 河川技術懇談会』を開催            (四国地方整備局)

 

   ○ 「秋の叙勲」を伝達                         (土器川水系 香川県)

 

   ○ 「吉野川水系河川整備計画【原案】」を公表           (四国地方整備局)

 

   ○ 「四国河川技術伝承会」を開催                  (土器川水系 香川県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.133

 

1.愛媛県 肱川の河川改修事業(西予市)『肱川 広域基幹河川改修工事の進捗状況』  愛媛県 南予地方局西予土木事務所長 長野 政人

 

■事業の概要

 

○ 肱川は、西予市宇和町の鳥坂峠に源を発し、直轄管理の野村ダム、鹿野川ダムを経て、大洲盆地を貫流し伊予灘に注ぐ延長103kmの河川です。当土木事務所が管理する区域は、鹿野川ダムと野村ダムの間及び野村ダムより上流の区域です。

 

○ 流域面積が約106km2ある野村ダムより上流域の西予市宇和町では、昭和62年7月の梅雨前線豪雨及び台風5号により流域全体で388戸の浸水被害が発生しており、近年では平成8年7月に床下浸水16戸、平成11年8月に床下浸水36戸の被害が発生しています。

 

○ 一般県道宇和三間線の歯長橋から支川の岩瀬川合流点までの区間は未改修又は片岸のみの築堤で流下能力が著しく不足していること、また岩瀬川では固定堰により流下能力が著しく低く、下流部には四国横断自動車道のインターチェンジや商業施設等が整備されるなど、早急な治水安全度の向上が必要となっています。

 

○ このため、県では、肱川は歯長橋から西川合流点までの約4.7km、支川の岩瀬川は合流点から1.5kmの区間までを、平成6年度から本事業により整備を進めております。しかし、浸水被害の発生する箇所は、計画区域の上流部に位置していることから、早期に上流に着手するべく、平成12年度から一定の流下能力を確保できるよう暫定断面での整備を進め、現時点で肱川の下流から約3kmの区間が暫定断面で整備できました。今後とも、流下能力が低い箇所について暫定断面で整備を行い、早期に、頻繁に浸水被害の発生している岩瀬川の改修に着手し、浸水被害の軽減を図るよう努めてまいります。

 

■事業概要

 

  施工位置 : 愛媛県西予市下川〜明石

  事業期間 : H6〜H48

  計画延長 : L=6.2km

         (肱川L=4.7km,岩瀬川L=1.5km)

  築 堤 工 : V=132,020m3

  道路橋架替: N=12橋

 

 

 

2.『肱川上流域(西予市宇和町)の河川改修について』  愛媛県 西予市長 三好 幹二

 

○ 西予市は、愛媛県の西部に位置し、県都松山市から南へ約60kmの距離にあります。西は豊後水道の宇和海から、東は高知県に続く標高約1400mの四国カルストまで東西に長く、起伏に富んだ地形を有し、気候も温暖な海岸部から山地部の寒冷地域と、市内に日本列島の縮図が織り込まれるほどの多様性を有しています。また、平成16年の合併に合わせるように四国横断自動車道(西予・宇和IC)が開通し、現在南予地域の中継地点を担っています。

 

○ 肱川は、西予市宇和町西部に源を発し、支川を合せながら市内を流下し、野村・鹿野川両ダムを経て大洲市長浜で伊予灘に注ぐ県下最大の河川です。その上流域は、標高約200mの平坦な盆地が形成されているためか弥生時代には稲作が行われるなど歴史は古く、古墳等数多く存在しています。また、肱川は農業用水の源となっているとともに、豊かな自然空間(田園地帯)を提供してきましたが、現在では市内の中心部として開発が進み、住宅地は勿論のこと、公共施設(西予・宇和IC)や商業施設(どんぶり館)が河川沿いに設置されてきています。

 

○ その一方、当地域の河川改修は昭和36年度から着手していますが、未改修及び片岸しか施工されていない区間等があり、近年では平成11年に床下浸水等の被害が発生しています。そのため、都市機能的土地利用が高まってきた当地域においては、洪水対策が大きな課題となっています。

 

○ そこで、県におかれましては、「肱川水系(上流圏域)の河川整備計画」の策定をいただき、支川であります岩瀬川との合流域を主眼に、浸水被害箇所の早期解消にご努力をいただいているところであります。

 

○ 今後、当市といたしましても、市の玄関口(高速道路利用)であります当地域の土地の有効利用に努め、高速交通網の整備も視野に入れた、さらなる都市基盤整備を進めてまいりたいと思います。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報22:最終)  (四国地方整備局)

 

○ 最後まで渇水調整を継続していた吉野川水系銅山川(銅山川3ダム)が、貯水率65%程度まで(平年値75.1%)回復したことから、昨年末の12月27日(土)0時をもって取水制限(吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部解散は26日(金)13時)を解除したことから、四国管内における取水制限は無くなりました。

 

○ 今回のニュースをもって、四国管内の渇水状況の情報提供は終了いたします。合わせて、ホームページの更新も終了させていただきます。

 

○ 四国地方は、昨年、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いたことから、7月25日(金)9時より吉野川水系吉野 川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置したことが、今年の四国管内における取水制限の始まりです。

 

○ 四国地方は、7月、8月と記録的な少雨となったため、以下のように取水制限(自主節水は含まず)が実施されましたが、8月下旬には徳島県の東部、高知県の南西部を中心にまとまった降雨があり、9月後半には台風13号、台風15号及び秋雨前線による降雨があり4水系で取水制限が解除され、さらに10月上旬にも秋雨前線によるまとまった降雨が四国全域であり、重信川水系石手川で10月6日(月)に取水制限が解除されました。

 

  ・那賀川水系那賀川(長安口ダム・小見野々ダム)

     取水制限期間 : 7月26日〜8月28日

     最大取水制限率 : 農水20%、工水20%

 

  ・物部川水系物部川(永瀬ダム)

     取水制限期間 : 9月11日〜9月19日

     最大取水制限率 : 農水20%

 

  ・仁淀川水系仁淀川(大渡ダム)

     取水制限期間 : 8月6日〜8月15日

              8月20日〜8月30日

     最大取水制限率 : 農水50%、上水40%

 

  ・鏡川水系鏡川(鏡ダム)

     取水制限期間 : 9月10日〜9月16日

     最大取水制限率 : 農水71.6%、上水45%、工水78.2%

 

  ・重信川水系石手川(石手川ダム)

     取水制限期間 : 8月4日〜10月6日

     最大取水制限率 : 農水46.7%、上水20.0%、

                              かんがい35.0%

 

○ 吉野川水系吉野川(早明浦ダム)については、10月5日13時より実施していた取水制限の一時解除は、10月21日(火)8時に終了し、同時に、冬期における第二次取水制限を開始していました。しかし、10月23日(木)から低気圧による降雨があり、24日(木)8時から取水制限の一時解除を実施していましたが、28日13時より取水制限の一時解除を終了し、同時に、冬期における第一次取水制限を開始していました。

 

○ その後も、まとまった雨ではありませんでしたが、断続的に降雨があり、早明浦ダムの貯水率は60%以上に回復したため、11月25日に取水制限を解除しました。それを受けて、7月24日に設置していた四国地方整備局渇水対策本部を11月25日10時をもって解散しました。

 

  ・吉野川水系吉野川(早明浦ダム)

     取水制限期間 : 7月25日〜11月25日

     最大取水制限率 : 徳島用水27.8%、香川用水60.0%

              (但し、発電専用容量からの緊急放流を除く)

 

○ 吉野川水系銅山川(銅山川3ダム)

     取水制限期間 : 8月18日〜12月26日 

     最大取水制限率 : 工水30.0%、上水5%

        *但し、12月27日0時より自主節水(工水30%)が行われており、引続き1月6日0時より自主節水の緩和(工水25%)が

           行われる予定です。

 

○ 取水制限はなくなりましたが、今後の気象状況によっては、取水制限が開始される地域が再度でてくることが予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

 

 

4.『平成20年度 河川技術懇談会』を開催      (四国地方整備局)

 

○ 12月16日(火)に高松センチュリーホテル2F会議室において、「平成20年度 河川技術懇談会」を開催しました。

 

○ 本懇談会は、四国内の一級河川の調査・計画・工事・管理において、各水系の抱える技術的な課題の解決に向けた共同研究、意見交換、啓発活動を行うため、リバーカウンセラー制度を設置して、リバーカウンセラーと河川行政に携わる技術者との意見交換の場として、年に1回開催しております。

 

○ 会議では、はじめに、森山河川部長より挨拶があったのち、リバーカウンセラーからは、近年の研究の概要について、河川管理者からは、四国の直轄8水系の課題等について、情報交換が行われました。

 

○ 最後に、発表の内容を踏まえて、直轄8水系が今後よりよくなるようにリバーカウンセラーと8水系担当者で意見交換を行いました。

 

○ 本懇談会を通して、リバーカウンセラーと河川行政に携わる技術者との間で意見交換ができ、交流を深めることができました。

 

 

 

5.「秋の叙勲」を伝達              (土器川水系 香川県)

 

○ 秋の叙勲において、土器川川奥雨量観測所観測員であった高尾健二さんに、雨量観測業務の功績に対して瑞宝単光章が授与され、12月19日(金)に香川河川国道事務所において伝達しました。

 

○ 高尾さんは、昭和44年6月1日から観測員制度が終了した平成15年12月31日までの34年有余の永年にわたり、毎朝9時に観測を行い、観測結果を整理し、事務所へ報告するとともに、観測施設及び観測機器の良好な維持に努められました。

 

○ 当日は、事務所長から伝達した後、記念撮影を行い、その後事務所長室において懇談しました。その中で、昔は大雨が降ると1時間毎に観測し、その観測結果を事務所へ電話で連絡していたことなど、昔の苦労話などを聞かせていただきました。

 

○ 高尾さんに観測していただいたデータは、今後とも土器川の河川整備計画等の基礎資料として活用させていただくと共に、大切に保管させていただきます。

 

 

 

6.「吉野川水系河川整備計画【原案】」を公表      (四国地方整備局)

 

○ 四国地方整備局では、12月24日(水)に『吉野川水系河川整備計画【原案】』を公表しました。

 

○ 吉野川水系河川整備計画は、平成18年6月に[素案]を公表し、意見聴取手続きに着手しました。過去の意見聴取は、4つの手法(@市町村長の意見を聴く会、A住民の意見を聴く会、B学識者会議、Cパブリックコメント)で進め、以降3度の修正を加え、[原案]をとりまとめたのものです。

 

○ [原案]に対する意見聴取方法は、@公聴会の開催、A学識者からの意見聴取、B市町村長からの意見聴取、Cパブリックコメントにより、ご意見を伺いながら、吉野川水系河川整備計画の策定を進めていきます。

 

○ また、公聴会の開催にあたり、公述人の募集を1月23日(金)まで行います。詳しくは、以下の吉野川水系河川整備計画のHPを御確認下さい。

 

      http://www.yoshinoriver.info/

 

 

 

7.「四国河川技術伝承会」を開催         (土器川水系 香川県)

 

○ 年末押しせまった12月25日(木)に、香川河川国道事務所において河川技術の継承と向上を図り、質の高い河川の管理、整備の一助とすることを目的に、国土交通省を退職された4名の先輩諸兄の方々に依頼し、「四国河川技術伝承会」を開催しました。

 

○ 今回の伝承者は、

    阿部 正利 氏

    川田 通  氏

    藤本 久雄 氏

    村上 光男 氏

 の4名で、皆さん土器川(香川河川国道事務所)経験者の方々です。

 

○ 会議では、まず、伝承者の方々の自己紹介のあと、「大規模災害発生時の現場対応の在り方」について、今年度事務所において実施した破堤復旧のシミュレーションを事例に議論し、堤防復旧に際しての課題を解決するための留意事項等について助言をいただきました。

 

○ また、現在改修工事を実施している箇所における留意事項等について助言していただきました。

 

○ 年末のお忙しい中、出席いただきました伝承者の方々にはこの紙面をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

○ 今回の会議において、伝承者の方々からいただいた貴重なご意見を、今後の土器川の整備、維持管理に役立てていきたいと考えています。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

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