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四国河川ニュース

12/13(土)〜12/19(金)》377号

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○四国・水こぼれ話談話室Vol.132

 

   ○ 香川県 大束川(丸亀市)の治水事業『大束川広域基幹河川改修事業』  香川県 土木部河川砂防課長 尼子 進 

 

   ○ 『安心して暮らせるまちづくり』                           香川県 丸亀市長 新井 哲二 

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報21)            (四国地方整備局)

 

   ○ 防災センターにてラジコン式油圧ショベルの遠隔運転講習を実施      (香川県)

 

   ○ 「河川維持管理技術検討会」を開催                  (四国地方整備局)

 

   ○ 不法投棄、野外焼却の取締りを実施                  (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 重信川の伐採木を一般住民に配布                  (重信川水系 愛媛県)

 

   ○ 第3回横瀬川ダム環境委員会を開催                 (渡川水系 高知県)

 

   ○ 「第1回 長安口ダム環境検討委員会」を開催            (那賀川水系 徳島県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.132

 

1.香川県 大束川(丸亀市)の治水事業『大束川広域基幹河川改修事業』  香川県 土木部河川砂防課長 尼子 進

 

○ 大束川は、香川県中讃地域に位置しており、その源を丸亀市綾歌町とまんのう町の境界に位置する山地に発し、丸亀市飯山町、坂出市において支川を束ねながら北へ流下し、宇多津町で瀬戸内海に注ぐ流路延長約17km、流域面積約59km2の二級河川です。

 

○ その上流域は本川と並行する国道438号を中心に市街化が進行し、また、その下流域では瀬戸大橋の起点として社会基盤が形成されています。

 

○ 本河川においては、昭和初期より河川改修事業として河口から我楽橋に至る約6.6km間の引堤や掘削による河積の拡大ならびに護岸の整備を実施しており、現在に至っています。

 

○ これまでに大束川では、流下能力不足のため、度々台風などの大雨によって氾濫を繰り返し、浸水被害が発生してきました。特に香川県全域に甚大な浸水被害をもたらせた平成16年台風23号出水では、大束川沿川の丸亀市飯山町等において約400戸の浸水被害が発生しました。

 

○ このような現状において、概ね50年に1回程度発生する規模の洪水を安全に流下させることを目標として、平成13年度から我楽橋から富士見橋までの約1.7km間を飯山工区とし、掘削、築堤、護岸整備、狭窄した橋梁等大規模構造物の改築を行っており、平成19年度末現在で我楽橋上流約0.2kmまでの間の整備が完了しています。

 

○ 河川改修にあたっては、川の作用により多様な河川環境が復元できるよう河床幅を十分に確保し、また、人と川のふれあいの場となるよう親水性に配慮した緩傾斜護岸の整備を行っています。

 

○ 今後も環境に配慮しつつ、平成16年台風23号出水時に発生したような浸水被害を早期に軽減できるよう、河川改修に取り組み、災害に強い快適な郷土を目指します。

 

 

 

2.『安心して暮らせるまちづくり』     香川県 丸亀市長 新井 哲二

 

○ 丸亀市は、香川県の海岸線側ほぼ中央部に位置し、北は風光めいびな瀬戸内海国立公園、南は讃岐山脈に連なる山々に接し、そのふもとの讃岐平野には平坦な田園地帯が広がり、また瀬戸内海には本島、広島などの島々が点在しています。

 

○ 早くから海上交通の要として発展し、高さ日本一を誇る石垣をもつ丸亀城を中心に、城下町として栄えてきました。平成17年3月22日に旧丸亀市、旧綾歌町、旧飯山町が合併し、人口約11万人、面積111.8km2を擁する新「丸亀市」が新たに発足し、中讃地域の核として重要な役割を担っています。

 

○ このような中、本市においては平成18年に丸亀市総合計画を策定し、「自然と歴史が調和し人が輝く田園文化都市」を合言葉に、新しいまちづくりに取り組んでいます。

 

○ さて、本市域東部を流れる大束川は、流域の気候が中国山地と四国山地に降雨が遮られる瀬戸内式気候であり、年間降雨量は少なく、普段は穏やかな表情を見せています。しかしながら、山間部から平野部に入る地点において勾配が急激に変化するという地形的特徴があることや、中流域から上流域にかけて抜本的な改修ができていないことから、台風や梅雨前線などの豪雨により、近年では昭和62年、平成10年、平成16年に飯山町市街地などで浸水被害が発生しています。

 

○ とりわけ平成16年の台風23号による豪雨は、当流域で約400戸もの多大な浸水被害をもたらせました。現在、国、県のご尽力により、河川整備が着々と進められており、今後は浸水被害が大幅に軽減されることを期待しています。

 

○ また、本市においては、台風や大地震等の災害に対しては「備え」が必要であることから、ソフト・ハードの両面から、市民生活の基盤となる安全と安心を築き上げていきたいと考えています。特に災害発生時には、行政の対応だけでは限りがあり、近隣住民同士の協力が重要であることから、「自主防災組織」の全地区結成を目標とし、現在11地区に結成されています。

 

○ さらに、地域における防災訓練の実施や、各コミュニティセンターを地域防災拠点とした被災者への救援物資の備蓄、また危険箇所や避難場所を記載した洪水ハザードマップの作成等を行っています。

 

○ 今後とも、災害時の被害を最小限に抑えられるように、これらの活動をより充実させ、「安心して暮らせるまちづくり」に努めてまいりたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報21)     (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いたことから、7月25日(金)9時より吉野川水系吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置したことが、今年の四国管内における取水制限の始まりです。

 

○ 四国地方は、7月、8月と記録的な少雨となったため、以下のように取水制限(自主節水は含まず)が実施されましたが、8月下旬には徳島県の東部、高知県の南西部を中心にまとまった降雨があり、9月後半には台風13号、台風15号及び秋雨前線による降雨があり4水系で取水制限が解除され、さらに10月上旬にも秋雨前線によるまとまった降雨が四国全域であり、重信川水系石手川で10月6日(月)に取水制限が解除されました。

 

  ・那賀川水系那賀川(長安口ダム・小見野々ダム)

     取水制限期間 : 7月26日〜8月28日

     最大取水制限率 : 農水20%、工水20%

 

  ・物部川水系物部川(永瀬ダム)

     取水制限期間 : 9月11日〜9月19日

     最大取水制限率 : 農水20%

 

  ・仁淀川水系仁淀川(大渡ダム)

     取水制限期間 : 8月6日〜8月15日

              8月20日〜8月30日

     最大取水制限率 : 農水50%、上水40%

 

  ・鏡川水系鏡川(鏡ダム)

     取水制限期間 : 9月10日〜9月16日

     最大取水制限率 : 農水71.6%、上水45%、工水78.2%

 

  ・重信川水系石手川(石手川ダム)

     取水制限期間 : 8月4日〜10月6日

     最大取水制限率 : 農水46.7%、上水20.0%、

                              かんがい35.0%

 

○ 吉野川水系吉野川(早明浦ダム)については、10月5日13時より実施していた取水制限の一時解除は、10月21日(火)8時に終了し、同時に、冬期における第二次取水制限を開始していました。しかし、10月23日(木)から低気圧による降雨があり、24日(木)8時から取水制限の一時解除を実施していましたが、28日13時より取水制限の一時解除を終了し、同時に、冬期における第一次取水制限を開始していました。

 

○ その後も、まとまった雨ではありませんでしたが、断続的に降雨があり、早明浦ダムの貯水率は60%以上に回復したため、11月25日に取水制限を解除しました。それを受けて、7月24日に設置していた四国地方整備局渇水対策本部を11月25日10時をもって解散しました。

 

  ・吉野川水系吉野川(早明浦ダム)

     取水制限期間 : 7月25日〜11月25日

     最大取水制限率 : 徳島用水27.8%、香川用水60.0%

              (但し、発電専用容量からの緊急放流を除く)

 

○ 12月22日(月)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(12月22日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率64.3%(平年値74.8%)

   ・支部の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      (早明浦ダムの取水制限により設置)

   ・取水制限の状況

      自主節水  :8月18日0時〜

         工水10.0%

      一次取水制限:8月29日0時〜

         工水20.0%

      二次取水制限:9月17日0時〜

         工水30.0%、上水5%

 

○ 吉野川水系銅山川以外でも、今後の気象状況によっては、取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

     http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.防災技術センターにてラジコン式油圧ショベルの遠隔運転講習を実施  (香川県)

 

○ 12月10日(水)と11日(木)に、防災技術センター(四国技術事務所)において「平成20年度ラジコンバックホウ遠隔運転講習」を実施しました。

 

○ 平成18年度から数えて3回目となる今年の講習では、過去2回の講習において受講者の居ない愛媛地区の建設業者に所属する機械オペレータを重点的に募集し、愛媛県内から7社10名、香川県内から2社2名の計12名が受講しました。

 

○ 講習では、四国技術事務所が保有するラジコンバックホウを使用し、座学を終えた後実際にラジコン操作を行って、運転席で操縦する感覚とは異なる独特な操縦感覚や安全意識を実際に体験しました。

 

○ 四国地整では、ラジコン機能を組み込んだ専用のバックホウ(油圧ショベル)を1台と、運転席に座らせて無線操縦するロボットタイプの遠隔操縦装置を2台保有しており、今年の4月には高知県いの町の国道194号で発生した山腹崩落の復旧作業において、高知県へ貸し出して初動復旧作業を行いました。

 

○ 本講習を終えたことにより、四国内の遠隔操縦可能なオペレータは合計41名となりました。

 

 

 

5.「河川維持管理技術検討会」を開催         (四国地方整備局)

 

○ 効率的・効果的な河川の維持管理を実施するための技術的な検討を行う「平成20年度 河川維持管理技術検討会」(事務局:河川部河川管理課)を、12月17日(水)に四国地方整備局において、森山河川部長出席のもと開催しました。

 

○ 本検討会は、河川情報管理官を会長として、本局河川部関係課長及び河川関係事務所副所長により構成し、下部組織として本局関係係長及び事務所係長・出張所係長を中心とした若手職員によるワーキンググループ(WG)を設けています。

 

○ 検討会の目的は、河川維持管理計画(案)・実施計画(案)の内容や、河川管理施設の点検方法・モニタリング結果等について、体系的に河川の維持管理技術を検討し、現場での実践・評価、見直しを行うことによりサイクル型の河川維持管理に寄与するものです。

 

○ 検討会では、各事務所が担当となり検討した7つのテーマについて、この1年間WGにおいて検討した内容の報告を行い、今年度の検討結果のまとめを行いました。また、平成21年度についても同様な検討を行っていくことを確認しました。

 

 

 

6.不法投棄、野外焼却の取締りを実施       (吉野川水系 徳島県)

 

○ 不法投棄防止強化月間中の12月17日(水)に、国土交通省、徳島県、徳島県警察が合同で、不法投棄、野外焼却を取り締まるため、河川敷等の夜間パトロールを実施しました。

 

○ 当日は日没過ぎから約3時間、吉野川、旧吉野川、今切川(延長114q余り)を12台の車両で分担して巡回し、二件の野外焼却を発見、消火しました。

 

○ この二件については、幸い初期消火で鎮火し大事には至らなかったものの、発見が遅れていた場合、周辺に延焼した可能性もあることから、今後も各行政機関が連携して、違反事案の摘発を念頭においた不法投棄、野外焼却の取締りに努めていきます。

 

 

 

7.重信川の伐採木を一般住民に配布        (重信川水系 愛媛県)

 

○ 重信川では、治水上支障となる箇所の河道内樹木を計画的に伐採していますが、その際に発生する伐採木の処分費削減と資源の有効利用の観点から、平成17年度より一般住民の方に配布を行っています。

 

○ 今年度は、12月17日(水)から25日(木)までの期間で、愛媛県花き研究指導室(旧花き総合指導センター)前の河川敷で配布を行う旨を、松山河川国道事務所のホームページに掲載するとともに記者発表を行い、12月16日(火)の愛媛新聞に掲載されたところ、連絡窓口の重信川出張所には、近隣住民はもとより大洲や宇和島にお住まいの方からも問い合わせがあるなど、非常に大きな反響がありました。

 

○ 配布初日の17日には、配布時刻前から既に約50台の車が現地に集まっており、10時の配布開始と同時に伐採木を小割りにしたものや、イスに加工したものを車に積み込みはじめ、その日1日で幹径5〜20cmの木材はなくなり、竹や枝、根株を残すのみとなりました。また、当日は民間放送局の現地取材もあり、大盛況の様子が夕方のローカルニュースで放送されました。

○ 昨年度の配布量は10t程度でしたが、今年度は伐採面積が広く樹木も大きかったため、配布量は約80tに達し、全量廃棄処分した場合に比べて約100万円の処分費が削減でき、工事コスト縮減に大きく寄与できました。

 

○ 松山河川国道事務所では、今後も治水効果の向上、処分費の削減、資源の有効活用の“一石三鳥”をねらい、引き続き同様の対策を実施していきたいと考えています。

 

 

 

8.第3回横瀬川ダム環境委員会を開催        (渡川水系 高知県)

 

○ 12月17日(水)に、高知市「高知城ホール」において、第3回横瀬川ダム環境委員会(委員長:大年邦雄 高知大学農学部教授)を開催しまし た。

 

○ 同委員会は、中筋川総合開発工事事務所において、横瀬川ダム建設による自然環境や生態系等への影響予測評価及び保全措置の必要性等に関して学識者等から 助言・提言を頂くために開催しているものです。

 

○ 今回の委員会は、前回委員会(平成20年10月15日(水))でいただいた助言等を踏まえ、騒音・振動・水環境・動植物・生態系等の環境要素毎の具体の保全措置等について、事務局案を提案し、審議していただきました。

 

○ 審議の結果、基本的には影響予測評価及び保全措置については妥当であり、委員会の目的は遂行されたとして、横瀬川ダム環境委員会は第3回をもって終了となりました。

 

○ なお、保全措置の実施にあたっては、委員から次のような助言をいただきました。

    1.移植の成功率を上げるため、事前の移植方法等の検討が重要

     2.工事において外来種が入らないような工夫も行うべき等

 

○ 今後は、事務局にて「環境レポート」としてとりまとめ、年度末頃を目標にHP等を通じて公表していく予定としています。

 

○ また、来年度以降は「(仮称)横瀬川ダムモニタリング委員会」を設置し、動植物の詳細な移植方法の検討など、保全措置の確実な実施に向け取り組んでいくこととしています。

 

 

 

9.「第1回 長安口ダム環境検討委員会」を開催  (那賀川水系 徳島県)

 

○ 12月18日(木)に、那賀川河川事務所において、「第1回 長安口ダム環境検討委員会」を開催しました。

 

○ この委員会は、長安口ダム改造による自然環境や生態系等への影響について検討し、影響予測評価及び保全措置の必要性等に関して助言・提言を行うことを目的に設立されました。

 

○ 今回は初回ということもあり、まず長安口ダム改造事業の概要のほか、動植物や水質等の11項目についての調査・予測・評価の手法について、委員への説明を行いました。

 

○ 今後、那賀川河川事務所では、委員の方々からの助言を踏まえて調査・予測を行い「長安口ダム改造事業」の環境に及ぼす影響の評価を実施し、平成21年度内にとりまとめる考えです。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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