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四国河川ニュース

11/15(土)〜11/21(金)》373号

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                                                                                                                                   【2008.11.25発行】

 

 

 ○四国・水こぼれ話談話室Vol.130

 

   ○ 「砂防事業の重要性」高知県 佐喜浜川水系 中尾川災害関連緊急砂防事業  高知県 防災砂防課 桜井 亘課長

 

   ○ 地域を元気にする活動                                   高知県 室戸市 小松 幹侍市長

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報17)                  (四国地方整備局)

 

   ○ 「四国のみずべ八十八カ所」/高知のみずべパネル展を開催        (高知県)

 

   ○ 「のぞいてみよう川の中(那賀川・桑野川に棲む水生生物たち)」を出展  (那賀川水系 徳島県)

 

   ○ 平成20年度 河川管理・ダム管理研修を実施                 (四国地方整備局)

 

   ○ 第38回 中国・四国地区補助ダム会議の開催                  (香川県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.130

 

1.「砂防事業の重要性」高知県 佐喜浜川水系 中尾川災害関連緊急砂防事業  高知県 防災砂防課長 桜井 亘

 

〈被害の状況〉

 

○ 平成18年9月16日夜から17日にかけて、山陰沖に停滞した秋雨前線に台風13号から暖かく湿った空気が入り込んだ影響で、高知県の中東部を中心に激しい雨に見舞われた。そのため、高知県東部に位置する室戸市佐喜浜町では、連続雨量180mm、最大時間雨量20mm、風速50mを観測し、この雨の影響で、同市中尾地区では、谷川沿いの斜面が長さ約400mにわたって崩壊し、流出した土砂や流木により人家2戸が全壊、市道へも土砂が流出するなどの被害を受けた。

 

○ 幸いにも民家にいた人は、いずれも直前に避難して人的被害はなかった。同地区では、過去に同様の被害が発生しており、その時の教訓が活かされた今回の自主避難ではなかったかと思われる。

 

○ 今回の災害から、「早めの避難」の重要性をあらためて痛感した。

 

〈復旧へ向けた取り組み〉

 

○ この土石流により流域が著しく荒廃し、再度、土石流が発生する危険な状況となったことから、緊急に砂防えん堤を設置し、今後の土石流災害を防止するため、災害関連緊急砂防事業に着手した。

 

○ また、流域内には保安林の指定もあり、林地内の立木が流出して流木による災害が発生するおそれもあることから、森林部局が所管する林地荒廃事業と連携して、流域全体の総合的な対策を図ることとした。

 

〈災害関連緊急砂防事業の概要〉

 

○ 被害実績:人家2戸全壊、市道埋没、田畑2ha埋没、流出土砂量約8,000m3

 

○ 実施内容:砂防えん堤1基(堤長45.0m、堤高14.5m)、渓流保全工

 

○ 総事業費:141,120千円

 

○ 最後に用地を提供してくださった地権者の皆さまをはじめ、事業にご協力いただいた地域住民の皆さま、並びに関係機関の方々に心から感謝申し上げます。

 

 

 

2.地域を元気にする活動         高知県 室戸市長 小松 幹侍

 

○ 室戸市は四国の東南部にあり、総面積248kuの中に17,322人の方々が生活している町であります。

 

○ 室戸岬半島を中心に、東側ではダルマ朝日が西側でダルマ夕陽を見ることが出来ます。

 

○ そして、空海の修行の伝説とともに四国八十八箇所の24番最御崎寺、25番津照寺、26番金剛頂寺の3つの札所がございます。

 

○ 海からは海洋深層水を汲み上げており、飲料水や農業(深層水なす)、深層水プール、ジーンズの漂白など、その利用が広がっています。

 

○ 最近の話題は、地質公園ジオパーク構想です。室戸の海岸で見られる枕状溶岩や斑レイ岩、海岸段丘などの地質遺産は大変重要なものだと言われています。

 

○ 室戸市では現在、世界ジオパークネットワーク認証及び日本ジオパークネットワーク認証への取り組みが進められています。

 

○ 次に、吉良川町並み地区(重要伝統的建造物群保存地区)では、本年度市の「室戸ものづくり・元気づくり事業」を活用して「吉良川町並み、お休み処、べっぴんさんの家」がオープンしました。町並みを散策しながらゆっくりとお茶を飲んだり、室戸の食材を味わう憩いの場所です。来られた方は是非とも御利用願いたいと思っております。

 

○ また、佐喜浜町では平成18年9月台風13号の豪雨により、土砂崩れがあり、その後砂防工事や林地荒廃防止などの災害復旧工事を実施していただきました。

 

○ 当該地域では、地域の方々が力を合わせて新しい農作物の栽培を協働して行うことや、上水道が設置されていない地域の生活用水の確保事業などを進め、集会所の利活用と地域の活性化に取り組んでいるところであります。

 

○ 市としても、これら地域活動を支援し元気な室戸にしなければならないと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報17)     (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いたことから、7月25日(金)9時より吉野川水系吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置したことが、今年の四国管内における取水制限の始まりです。

 

○ 四国地方は、7月、8月と記録的な少雨となったため、以下のように取水制限(自主節水は含まず)が実施されましたが、8月下旬には徳島県の東部、高知県の南西部を中心にまとまった降雨があり、9月後半には台風13号、台風15号及び秋雨前線による降雨があり4水系で取水制限が解除され、さらに10月上旬にも秋雨前線によるまとまった降雨が四国全域であり、重信川水系石手川で10月6日(月)に取水制限が解除されました。

 

  ・那賀川水系那賀川(長安口ダム・小見野々ダム)

     取水制限期間 : 7月26日〜8月28日

     最大取水制限率 : 農水20%、工水20%

 

  ・物部川水系物部川(永瀬ダム)

     取水制限期間 : 9月11日〜9月19日

     最大取水制限率 : 農水20%

 

  ・仁淀川水系仁淀川(大渡ダム)

     取水制限期間 : 8月6日〜8月15日

              8月20日〜8月30日

     最大取水制限率 : 農水50%、上水40%

 

  ・鏡川水系鏡川(鏡ダム)

     取水制限期間 : 9月10日〜9月16日

     最大取水制限率 : 農水71.6%、上水45%、工水78.2%

 

  ・重信川水系石手川(石手川ダム)

     取水制限期間 : 8月4日〜10月6日

     最大取水制限率 : 農水46.7%、上水20.0%、

                              かんがい35.0%

 

○ 吉野川水系吉野川(早明浦ダム)については、10月5日13時より実施していた取水制限の一時解除は、10月21日(火)8時に終了し、同時に、冬期における第二次取水制限を開始していました。しかし、10月23日(木)から低気圧による降雨があり、24日(木)8時から取水制限の一時解除を実施していましたが、28日13時より取水制限の一時解除を終了し、同時に、冬期における第一次取水制限を開始していました。

 

○ その後も、まとまった雨ではありませんでしたが、断続的に降雨があり、早明浦ダムの貯水率は60%以上に回復したため、本日(11月25日)取水制限を解除することとなりました。

 

○ それを受けて、7月24日に設置していた四国地方整備局渇水対策本部を本日(11月25日)10時をもって解散しました。

 

○ そのため、四国管内における取水制限を継続しているのは、吉野川水系銅山川のみとなっています。

 

○ 11月25日(火)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系吉野川】

   ・施設の状況(11月25日0時現在)

      早明浦ダム:貯水率62.6%(平年値89.7%)

   ・支部の設置状況

      徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月21日0時〜

         徳島用水 7.0%、香川用水(上水)10.0%

      一次取水制限:7月25日9時〜

         徳島用水15.2%、香川用水20.0%

      二次取水制限:8月 3日9時〜

         徳島用水17.0%、香川用水35.0%

      三次取水制限:8月12日9時〜

         徳島用水18.8%、香川用水50.0%

      四次取水制限:8月21日9時〜

         徳島用水21.6%、香川用水60.0%

      *8月31日10時より、9月19日15時まで発電専用容量から緊急放流

      緊急放流を停止し、取水制限一時解除:9月19日15時〜

      緊急放流を停止し、取水制限一時解除の終了:9月24日9時

      四次取水制限:9月24日9時〜

         徳島用水27.8%、香川用水60.0%

      取水制限一時解除:9月30日16時〜10月3日13時

      取水制限一時解除:10月5日13時〜10月21日8時

      二次取水制限:10月21日8時〜

         徳島用水20.2%、香川用水42.2%

      取水制限一時解除:10月24日8時〜10月28日13時

      一次取水制限:10月28日13時〜

         徳島用水18.3%、香川用水20.0%

       取水制限解除:11月25日10時〜

 

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(11月25日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率61.6%(平年値78.6%)

   ・支部の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      (早明浦ダムの取水制限により設置)

   ・取水制限の状況

      自主節水  :8月18日0時〜

         工水10.0%

      一次取水制限:8月29日0時〜

         工水20.0%

      二次取水制限:9月17日0時〜

         工水30.0%、上水5%

 

○ 吉野川水系銅山川以外でも、今後の気象状況によっては、取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

     http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.「四国のみずべ八十八カ所」/高知のみずべパネル展を開催  (高知県)

 

○ 11月8日(土)〜11月16日(日)の9日間、高知県吾川郡仁淀川町の中津渓谷ゆの森において「四国のみずべ八十八カ所」/高知のみずべ二十三カ所のパネル展を開催しました。今年度のパネル展は前回の9月開催に続き2回目となります。パネル展期間中の11月9日(日)には中津渓谷「紅葉祭り」が行われ、たくさんの来場者がありました。中津渓谷には約2.3kmの遊歩道が整備され、雨竜の滝や石柱、七福神の石像、紅葉滝等の渓谷美を堪能しながら紅葉狩りを楽しむことができます。

 

○ 展示会では、四国を代表する「癒しの空間」である「みずべ八十八カ所」の魅力を伝えました。また、みずべ八十八カ所は四国霊場にちなみ徳島を起点に右回りでみずべの札所として番号付けされた、高知のみずべを紹介しました。中津渓谷は高知県で十四番目となり、四国では「みずべの三十五番札所」になります。パネルは仁淀川流域を中心に桂浜、四万十川の岩間沈下橋のみずべ等を展示しました。

 

○ 展示会場のみずべパネル展示前では、「四国のみずべ八十八カ所」マップ、高知のみずべ二十三カ所の紹介冊子を配布用に、みずべパネルを縮小版にしたファイル綴りを閲覧用として置き、来場者に好評でした。また、今回初めて来場者を対象にみずべの認知度アンケートを実施しました。その結果は「知っていた」方が52%で、その殆どは紹介冊子やパンフレットで知った方でした。アンケートの最後にパネル展の感想を設問し、良かったと回答された方が81%、悪かった0%、どちらとも言えない19%でした。良かった理由としては、心が癒される、美しい自然に感動した、是非行ってみたくなった、魅力的で綺麗等の様々な感想をいただき、パネル展による成果も確認できました。

 

○ 今後とも、四国のみずべ八十八カ所の関係市町村等の協力を得ながら、地域観光情報の共有、情報交換を積極的に行うとともに、地域のイベント、行事を通じてパネル展等を開催し、みずべの認知度向上を図ることとしています。

 

 

 

5.「のぞいてみよう川の中(那賀川・桑野川に棲む水生生物たち)」を出展  (那賀川水系 徳島県)

 

○ 11月9日(日)阿南市科学センターで開催された「青少年のための科学の祭典2008」に那賀川河川事務所から「のぞいてみよう川の中(那賀川・桑野川に棲む水生生物たち)」というテーマでブースを出展しました。

 

○ 当日の朝、桑野川の支川で採取した水生生物を顕微鏡を使い観察してもらいました。

 

○ 採取した水生生物には、ヘビトンボ、ナガレトビケラ、サワガニ、ヒラタカゲロウ、ウズムシ(プラナリア)、ヒラテテナガエビなど、きれいな川に棲む水生生物が25種以上採取できました。

 

○ 本ブースには200名以上が訪れ、参加者のみなさんからは、「楽しかった」、「顕微鏡で見る水生生物の姿にびっくりした」、「桑野川にこんな水生生物が棲んでいるとは知らなかった」といった感想を頂くなど、那賀川・桑野川の身近な自然を学んでもらいました。

 

 

 

6.平成20年度 河川管理・ダム管理研修を実施    (四国地方整備局)

 

○ 四国地方整備局では、11月10日(月)から5日間にわたり、四国技術事務所において『河川管理・ダム管理研修』を実施しました。

 

○ 本研修の目的は、河川管理・ダム管理における専門的知識を実践的な講義により身につけてもらうことです。具体的には、水防工法、河川堤防モニタリング、河川危機管理模擬演習(ロールプレイング)、水質採水分析、流量観測などの実務を経験したり、河川法における許認可事務やダム管理の実務、河川管理から見た気象情報の見方について、カリキュラムを組み、実施しました。

 

○ 河川部 藤山河川情報管理官の講話では、河川管理を取り巻く最近の状況、更に管理の現状を踏まえた河川管理の心構えや重要性を学び、野外講義では河川管理に必要不可欠な基礎データ(水質、流量)を自ら測定・収集し、河川危機管理模擬演習では、数分おきに発生する事案(付与カード)に悪戦苦闘しながら意見をぶつけ合っていただきました。

 

○ 本研修は技官と事務官の両方が参加する数少ない研修であり、本研修で得た経験や知識が、受講生の皆さんの現場における今後の業務に役立つことができたら幸いです。また、本研修がさらなる自己研鑽のきっかけになることを期待しています。

 

 

 

7.第38回 中国・四国地区補助ダム会議の開催        (香川県)

 

○ 11月18日(火)に「第38回 中国・四国地区補助ダム会議」が、高松市内で開催されました。

 

○ 中国、四国地方のダム担当者が香川県に集まり、管理、建設中のダムについて、課題となっている事案について意見交換を行いました。

 

○ 本会議は、ダムの課題等について、各県間で情報を共有することを目的として開催しており、中国、四国の各県で開催されているものです。

 

○ 会議では、ダムの水質、施設のアセットマネジメント(延命化)等、ダム管理、建設における課題が議論されました。

 

○ また、本体着手を来年度以降にひかえている四国地方の補助ダムでは、本体着手が進んでいる中国地方のダム事業の事例が非常に参考になったと思われます。

 

○ ダム事業は、調査から管理を含めて長期にわたって実施するものであるため、治水、利水以外にも地域のコミュニティーの場として活用していただき、地域に貢献できる施設になってもらえればと考えています。

 

 

 

 

  「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

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