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四国河川ニュース
《11/1(土)〜11/7(金)》371号
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【2008.11.10発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.129
○ 愛媛県 平和通地区(松山市平和通地区)の急傾斜地崩壊対策事業 (愛媛県 中予地方局建設部長 若山 茂)
○ 「安全・安心日本一のまちづくり」 (愛媛県 松山市長 中村 時広)
○今週のニュース○
○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報15) (四国地方整備局)
○ 平成20年度 第2回ツルの自然体験学習会を開催 (渡川水系 高知県)
○ 「第8回四国水問題研究会」を開催 (四国地方整備局)
四国・水こぼれ話談話室Vol.129
1.愛媛県 平和通地区(松山市平和通地区)の急傾斜地崩壊対策事業 愛媛県 中予地方局建設部長 若山 茂
■事業概要
○ 当該事業箇所は、松山市中心部に位置し、山頂に松山城を頂く城山の北側斜面です。
○ 松山城は、日本三大連立式平山城の一つであり、国の重要文化財・史跡として指定され、松山のシンボルとして、また公園としても市民に親しまれており、城山は標高140m、周囲4kmの円頂形丘陵地で、全体が常緑樹林で覆われ県の天然記念物に指定されています。
○ 事業区間は、城山の北側990mで、脚部には住居・マンション・ホテルが連立しています。急峻な斜面のため深さ1〜1.5mの崩壊跡地が多数存在しており、特に脚部の急崖斜面では毎年のように落石・小崩壊が発生しているため、早期対策が望まれていました。
○ 松山城山は史跡になっており、又観光客も多いことから当該箇所の対策工は松山城との景観を重視し、見た目に違和感のない環境負荷の低減を目指す工法を採用しました。周辺環境との調和を図る為、法枠内を客土で間詰めすることにより、コンクリート構造物を露出させず早期に環境復元を目指し、コンクリート構造物である吹付法枠を透水性コンクリートで施工し、法枠面自体へのコケの吹付による緑化を促進する方法を採用しました。さらに自然斜面部において、既存木を保全するために、伐採を伴わない地山補強土工(ノンフレーム工法)を採用しました。
○ 当該箇所は平成11年度に事業着手し、文化庁など関係機関と協議を行いながら、松山城との調和を図りつつ、平成20年度に概成する予定です。その結果、人家105戸のほか災害弱者施設「児童福祉センター」と「愛媛保育園」が災害から保全されることとなります。
○ また、当建設部はハード対策のみではなくソフト対策にも重点的に取り組んでおり、本地区をはじめ各地区において土砂災害に関する啓発活動をつづけ、災害に強い快適な郷土を目指します。
2.「安全・安心日本一のまちづくり」 愛媛県 松山市長 中村 時広
○ 松山市は、愛媛県の中央部、道後平野に位置し、東は西日本の最高峰石鎚山を擁する四国山地を背景とし、西は伊予灘に面し波静かな国立公園瀬戸内海が望めます。昭和20年、市街地の大部分を戦災により焼失しましたが、今日では総合的な都市機能を備え、平成12年4月には中核市へと移行し、平成17年1月には北条市・中島町と合併し四国初の50万都市となりました。
○ 気候は、温暖な瀬戸内海気候に属し、降水量の少ない地域で、自然災害も極めて少なく、穏やかで恵まれた本市でありますが、平成13年3月には芸予地震、6月には梅雨前線による集中豪雨で、市内中心部に程近い高野町で土石流が発生し、尊い人命が失われました。
○ 本市では、この被災経験を教訓とし、「安全、安心日本一のまちづくり」をテーマに揚げ、各種施策の推進に取り組んでおりますが、特に防災対策は、ハード対策とソフト対策が一体となった総合的対策が大切であると考えております。
○ ハード対策として、県が実施している「急傾斜地崩壊対策事業」に採択されない急傾斜地危険箇所のうち、自然がけ、がけの高さ5m以上、傾斜度30度以上、人家戸数1戸以上を対象に、県の補助を受けて「がけ崩れ防災対策事業」を実施しております。
○ また、自主防災組織活動の推進をソフト対策の取組みの柱とし、「みんなのまちはみんなで守る」をスローガンに、結成促進を行って参りましたところ、自治会や町内会などの積極的なご協力により、平成20年10月現在の結成率は98%と全国平均を大きく上回っております。さらに、自主防災組織間の横断的な繋がりを強化するため、本年6月には、「松山市自主防災組織ネットワーク会議」を設立し、災害時要援護者対策など住民と行政が協働した防災組織の推進に取り組んでおります。
○ 今後とも、国、県をはじめとする関係機関、そして市民と協働しながら、「安全、安心日本一のまちづくり」を進めてまいりたいと考えています。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報15) (四国地方整備局)
○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いたことから、7月25日(金)9時より吉野川水系吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置したことが、今年の四国管内における取水制限の始まりです。
○ 四国地方は、7月、8月と記録的な少雨となったため、以下のように取水制限(自主節水は含まず)が実施されましたが、8月下旬には徳島県の東部、高知県の南西部を中心にまとまった降雨があり、9月後半には台風13号、台風15号及び秋雨前線による降雨があり4水系で取水制限が解除され、さらに10月上旬にも秋雨前線によるまとまった降雨が四国全域であり、重川水系石手川で10月6日(月)に取水制限が解除されました。
・那賀川水系那賀川(長安口ダム・小見野々ダム)
取水制限期間 : 7月26日〜8月28日
最大取水制限率 : 農水20%、工水20%
・物部川水系物部川(永瀬ダム)
取水制限期間 : 9月11日〜9月19日
最大取水制限率 : 農水20%
・仁淀川水系仁淀川(大渡ダム)
取水制限期間 : 8月6日〜8月15日
8月20日〜8月30日
最大取水制限率 : 農水50%、上水40%
・鏡川水系鏡川(鏡ダム)
取水制限期間 : 9月10日〜9月16日
最大取水制限率 : 農水71.6%、上水45%、工水78.2%
・重信川水系石手川(石手川ダム)
取水制限期間 : 8月4日〜10月6日
最大取水制限率 : 農水46.7%、上水20.0%、
かんがい35.0%
○ 吉野川水系吉野川(早明浦ダム)については、10月5日13時より実施していた取水制限の一時解除は、10月21日(火)8時に終了し、同時に、冬期における第二次取水制限を開始していました。しかし、23日(木)から低気圧による降雨があり、24日(木)8時から取水制限の一時解除を実施していましたが、28日13時より取水制限の一時解除を終了し、同時に、冬期における第一次取水制限を開始しています。
○ 11月10日(月)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。
○【吉野川水系吉野川】
・施設の状況(11月10日0時現在)
早明浦ダム:貯水率50.8%(平年値88.3%)
・支部の設置状況
徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜
吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜
・取水制限の状況
自主節水 :7月21日0時〜
徳島用水 7.0%、香川用水(上水)10.0%
一次取水制限:7月25日9時〜
徳島用水15.2%、香川用水20.0%
二次取水制限:8月 3日9時〜
徳島用水17.0%、香川用水35.0%
三次取水制限:8月12日9時〜
徳島用水18.8%、香川用水50.0%
四次取水制限:8月21日9時〜
徳島用水21.6%、香川用水60.0%
*8月31日10時より、9月19日15時まで発電専用容量から緊急放流
緊急放流を停止し、取水制限一時解除:9月19日15時〜
緊急放流を停止し、取水制限一時解除の終了:9月24日9時
四次取水制限:9月24日9時〜
徳島用水27.8%、香川用水60.0%
取水制限一時解除:9月30日16時〜10月3日13時
取水制限一時解除:10月5日13時〜10月21日8時
二次取水制限:10月21日8時〜
徳島用水20.2%、香川用水42.2%
取水制限一時解除:10月24日8時〜10月28日13時
一次取水制限:10月28日13時〜
徳島用水18.3%、香川用水20.0%
※29日10時から実施していた香川用水の自主節水(40.0%は、11月5日10時で終了
○【吉野川水系銅山川】
・施設の状況(11月10日0時現在)
銅山川3ダム:貯水率63.9%(平年値83.6%)
・支部の設置状況
吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜
(早明浦ダムの取水制限により設置)
・取水制限の状況
自主節水 :8月18日0時〜
工水10.0%
一次取水制限:8月29日0時〜
工水20.0%
二次取水制限:9月17日0時〜
工水30.0%、上水5%
○ 吉野川水系以外でも、今後の気象状況によっては、取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。
○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm
4.平成20年度 第2回ツルの自然体験学習会を開催 (渡川水系 高知県)
○ 10月末頃から四万十川、中筋川流域の各地でツルの飛来が確認されている中、11月4日(火)に、中山地区及び江ノ村地区において「第2回ツルの自然体験学習会」を開催しました。
○ 参加した四万十市立中筋小学校と東中筋中学校の子どもたち25名は、現地で中村河川国道事務所が実施している四万十川自然再生事業「ツルの里づくり」や、澤田佳長氏(野生生物環境研究センター所長)によるツルの飛来状況、生態等の説明を受けました。
○ 今季はすでに延べ200羽近いツルが確認されており、近年にない飛来数であること(群れの中には幼鳥も見られた)、ツルは1週間ほど滞在すると越冬することが多いので越冬が期待できること、などが説明されました。
○ また、ツルの越冬を目指して製作されたデコイ(ツルを呼び寄せるためのツルの模型)やえさ場・ねぐらの整備状況の見学、周辺で捕れた水生生物のえさ場への放流などを行いました。中山地区では実際にデコイを設置する状況も見学しました。
○ 参加した生徒からは、「(飛来する)ツルをもっと増やしたいので、自分のできることをしたい」といった頼もしい声も聞かれました。
○ ツルは非常に用心深く、常にあたりを警戒しています。特に光や物音に敏感で、驚かすと遠くに飛び去ってしまいます。もし、ツルを見かけたら、遠くから静かに見守ってあげて下さい。
5.「第8回四国水問題研究会」を開催 (四国地方整備局)
○ 11月7日(金)に、高松サンポート合同庁舎アイホール2F大会議室において、四国4県が共有する吉野川水系及びその関連地域の水問題について総合的に把握するとともに、水資源の有効利用と治水・利水・環境の合理な恒久対策並びに必要な実施方策について、研究および提言を行うことを目的に「第8回四国水問題研究会」を開催しました。
○ 研究会では、事務局より「海外等の水問題対策の事例紹介」の情報提供を行いました。
○ そして、水問題の治水・利水に関する論点について議論いただきました。
○ 次回以降は、引き続き環境等に関する論点を整理するとともに、中間提言の骨子等について議論をいただく予定です。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 永原 隆
〒760-8554高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原)
mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8416(河川計画課)
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