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四国河川ニュース

9/20(土)〜9/26(金)》365号

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                                                                                                                                    【2008.9.29発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.126

 

   ○ 高知県 野根海岸の高潮対策事業        高知県 安芸土木事務所室戸事務所長 中内 修二

 

   ○ 安全安心のまちをめざして             高知県 東洋町長 澤山 保太郎

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報9)              (四国地方整備局)

 

   ○ 四国三郎「吉野川」と筑紫二郎「筑後川」の交流             (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 「四国のみずべ八十八カ所」/高知のみずべパネル展を開催  (高知県)

 

   ○ 吉野川流域講座「吉野川の水質と環境」を開催              (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 川の情報誌「あめんぼ」Web版を発刊開始               (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.126

 

1.高知県 野根海岸の高潮対策事業  高知県 安芸土木事務所室戸事務所長 中内 修二

 

○ 野根海岸は、高知県東部の徳島県との境に隣接した東洋町に位置し海部灘に面した海岸で、海岸保全区域として野根川の河口西から、1,532m区間を指しています。

 

○ 海岸の直背後には県東部唯一の幹線道路である国道55号が併走しており、国道と水田・山に囲まれるように人家が密集しており、野根海岸は防災上重要な海岸として位置づけられています。

 

○ 野根海岸は台風時の砂の移動が激しく、背後地への越波被害が発生するようになったため、昭和60年から平成2年にかけ、越波被害の激しかった中央部に消波堤を設置し、被害の軽減を図りましたが、その後も越波被害が発生したため、平成3年から離岸堤施工に着手しました。

 

○ 平成9年の台風9号では越波により家屋が破損するなどの被害があり、その後も平成13年の台風11号においても広範囲に越波被害が発生したため、背後の住民は台風時に自主的に避難せざるをえないようになりました。

 

○ また、越波により国道55号が通行止めになるなどライフラインにも影響を及ぼしたことから、背後地住民の生命、財産を守るため、及び国土保全の観点から平成15年に新たな全体計画を策定し、更なる離岸堤に着手しました。

 

○ 離岸堤は、平成3年から昨年度までに総事業費2,354,600千円を投入し、砂浜を回復させるとともに背後への越波被害の減少をはかるべく平成20年度も引き続き整備を実施します。

 

   ・整備内容  離岸堤 L=150m×2基

   ・防護面積  29.7ha

   ・防護人口  552人

 

 

 

2.安全安心のまちをめざして      高知県 東洋町長 澤山 保太郎

 

○ 東洋町は高知県の最東端に位置し、北部は徳島県海陽町、南部は室戸市に隣接し、室戸阿南海岸国定公園のほぼ中央にあり、輝く海に面した東西14km、清流野根川沿いの南北16kmで、面積は74.10km2に及び、全面積の約86%が山林で自然豊かな町です。甲浦港は、古くから天然の良港として恵まれ、高知県東部海岸で唯一の避難港であるとともに、東の玄関口でもあります。古くは、国司・紀貫之着任の際の寄港地に始まり、藩主・山内一豊公上陸地としても知られています。

 

○ 本町は、太平洋に面する海岸丘陵地帯であり、ポンカン栽培、清流野根川沿いの平野部では稲作が盛んで、甲浦港を基地とする鰹の一本釣り、鮪延縄の沿岸・近海漁業、野根漁港を基地とする定置網や建網漁業が盛んです。

 

○ また、白砂青松の美しい砂浜が広がる白浜海岸は四国屈指の遠浅のビーチで四季を通じ、県内外から訪れる人々の心を穏やかにし、海水浴は勿論のこと、キャンプ場としても最適で、一年を通じて多くの人々が訪れています。

 

○ さらに、役場の目の前に広がる生見海岸は、全国屈指のサーフポイントとして知られており、関西圏を中心に県内外の若者に人気を博し、一年を通して9万人ほどの若者たちが訪れ賑わっています。

 

○ 加えて、美しい海を育てる清流野根川では、鮎をはじめとする生物が元気に泳ぎ、穏やかな流れのなか、流域の自然と多くのポイントの連続する川相とがうまく調和し、ゆったりと鮎釣りなどが楽しめます。

 

○ また、総延長35kmの緑豊かな参勤交代の道、野根山街道など歴史ロマンに触れることが出来る町です。

 

○ 他方、野根海岸は台風時の砂の移動が激しく、高波が打ち寄せると防潮堤を超えるため、台風のたび、消防団などが緊急体制を取り、背後地にある国道55号沿いの民家前などに土のうを積んで災害に備え、住民は自主的に避難を行うなど、自然の猛威の前には、なすすべがない状況です。

 

○ そのため、越波により国道55号が通行止めになる場合もあり、その際の迂回路となる県道は未改良区間が長く、大型車両の通行が不可能になるなど、住民生活にも多大な影響を及ぼしています。

 

○ さらに、落石や山手崩壊が多く発生する路線でもあり、こうした被害から背後地住民の生命、財産を守るために、安全安心のまちづくりを進め、現計画の早期完成及び離岸堤の追加施工が必要と考える次第です。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報9)      (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いていることから、7月25日(金)9時より吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置しました。また、那賀川についても、26日(土)9時から第一次取水制限を開始するため、25日(金)12時に、那賀川河川事務所が渇水対策支部を設置し、鏡川についても、7月30日(水)9時より自主節水を開始しています。

 

○ その後も、まとまった降雨がないため、吉野川水系吉野川及び那賀川が第二次取水制限に強化されるとともに、新たに、8月4日(月)17時より重信川水系石手川が第一次取水制限を、また8月6日(水)19時より仁淀川が第一次取水制限を開始しました。

 

○ また、その後もまとまった降雨がないため、12日(火)9時より吉野川が第三次取水制限に強化されるとともに、18日(月)0時より吉野川水系銅山川で自主節水が開始されましたが、仁淀川水系では8月に入ってから局地的な降雨があり大渡ダムの貯水が回復したため、8月15日(金)10時に取水制限が解除されました。

 

○ さらに、少雨状態が続いているため、重信川水系石手川が8月19日(火)14時より第二次取水制限に強化されるとともに、取水制限が解除されていた仁淀川で20日(水)9時より取水制限が再開され、鏡川で20日9時(水)より自主節水が強化され、吉野川水系吉野川が21日(木)9時より第四次取水制限に強化されました。

 

○ 8月20日(水)に開かれた第4回吉野川水系水利用連絡協議会において、早明浦ダムの貯水率がゼロになった時点より、発電専用容量から上水のみを対象として緊急放流(徳島用水1.95m3/s、香川用水1.90m3/s)を行うことが決定されました。また、8月18日に、徳島県から要望されていた早明浦ダムの利水容量がゼロとなった時点で吉野川からの緊急取水については、渇水による農業及び工業被害の軽減を図るため、一時的緊急避難措置として「異常渇水時の保持流量」を吉野川本川で8m3/s、派川旧吉野川で5m3/sと設定し、当面の間、この流量を上回る自然流量の部分について取水が可能とする措置をとることとしました。

 

○ 8月下旬に、徳島県の東部、高知県の南西部を中心にまとまった降雨があり、那賀川及び仁淀川で取水制限が解除され、鏡川で取水制限が緩和されましたが、自主節水を継続していた吉野川水系銅山川で8月29日(金)0時より第一次取水制限が開始されました。

 

○ その後、吉野川水系吉野川の早明浦ダムの利水容量が8月31日(日)午前10時にゼロとなり、発電専用容量からの上水への緊急放流が開始されるとともに、重信川水系石手川で9月1日(月)17時より第3次取水制限に、鏡川水系鏡川で9月5日(金)9時より自主節水が強化され、さらに9月10日(水)9時より第一次取水制限に、9月12日(金)17時からは第二次取水制限に強化され、取水制限を解除していた仁淀川仁淀川が9月3日(水)9時より自主節水に入り、新たに物部川水系物部川が9月11日(木)17時より第1次取水制限に入っています。

 

○ 9月の第2週週末の降雨により9月16日(火)に自主節水していた仁淀川水系仁淀川の自主節水が解除され、第3週の台風13号及び秋雨前線により一部の地域に降雨があり、19日(金)11時に物部川水系物部川の取水制限が解除され、19日(金)15時より吉野川水系吉野川では発電専用容量からの緊急放流が一時的に解除され、21日(日)9時より鏡川水系鏡川で取水制限が解除されました。しかし、降雨が少なかった吉野川水系銅山川では、17日(水)0時より第二次取水制限に、そして重信川水系石手川では19日(金)15時より第三次取水制限の強化が行われています。

 

○ また、吉野川上流域の降雨により、発電専用容量からの緊急放流が解除されていた吉野川水系吉野川では、9月24日(水)9時をもって解除を終了し、同時に第四次取水制限が再開されました。

 

○ 9月29日(月)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系吉野川】

   ・施設の状況(9月29日0時現在)

      早明浦ダム:貯水率10.6%(平年値91.0%)

   ・支部の設置状況

      徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月21日0時〜

         徳島用水 7.0%、香川用水(上水)10.0%

      一次取水制限:7月25日9時〜

         徳島用水15.2%、香川用水20.0%

      二次取水制限:8月 3日9時〜

         徳島用水17.0%、香川用水35.0%

      三次取水制限:8月12日9時〜

         徳島用水18.8%、香川用水50.0%

      四次取水制限:8月21日9時〜

         徳島用水21.6%、香川用水60.0%

     * 8月31日10時より、9月19日15時まで発電専用容量から緊急放流

      緊急放流を停止し、取水制限一時解除:9月19日15時〜

      緊急放流を停止し、取水制限一時解除の終了:9月24日9時

      四次取水制限:9月24日9時〜

         徳島用水27.8%、香川用水60.0%

 

○【重信川水系石手川】

   ・施設の状況(9月29日0時現在)

      石手川ダム:貯水率54.3%(平年値78.1%)

   ・支部の設置状況

      松山河川国道事務所渇水対策支部設置:8月4日17時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:8月 4日17時〜

         農水33.3%、上水15.0%、かんがい30.0%

      二次取水制限:8月19日14時〜

         農水38.9%、上水17.0%、かんがい35.0%

      三次取水制限:9月 1日 0時〜

         農水33.3%、上水10.0%、かんがい35.0%

           *農水、上水については、9月より通常取水量が減少しているため、取水量は削減(強化)されている。

      三次取水制限(強化):9月 1日17時〜

         農水33.3%、上水18.0%、かんがい35.0%

      三次取水制限(強化):9月19日15時〜

         農水46.7%、上水25.0%、かんがい35.0%

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(9月29日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率51.3%(平年値95.0%)

   ・支部の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      (早明浦ダムの取水制限により設置)

   ・取水制限の状況

      自主節水  :8月18日0時〜

         工水10.0%

      一次取水制限:8月29日0時〜

         工水20.0%

      二次取水制限:9月17日0時〜

         工水30.0%、上水5%

 

○ 吉野川水系、重信川水系の2水系以外でも、今後の気象状況によっては、取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

     http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.四国三郎「吉野川」と筑紫二郎「筑後川」の交流  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 吉野川と九州の筑後川の流域のNPO等を中心に、日本三大河川の繋がりにちなんで、平成18年より互いの流域を訪問する交流を続けています。

 

○ 今年は、筑後川流域のNPOの17名が、8月30日(土)〜31日(日)に吉野川河川敷で行われた「四国三郎の郷サマーフェスティバル」(徳島県美馬市)に訪れました。吉野川からは、吉野川交流推進会議のメンバーを中心に9月13日(土)〜14日(日)の「第22回筑後川フェスティバルin朝倉」(福岡県朝倉市)に17名が参加しました。

 

○ 徳島河川国道事務所からも3名が参加し、フェスティバルの中で実施された「吉野川・筑後川意見交換会」などで、筑後川流域の方々と交流を図りました。

 

○ 意見交換会では、「今後の交流の拡大について」や「縁結びについて」というテーマで「お互いの流域の子供達の交流を進めよう」、「お互いの県の木を植樹しよう」など、さまざまな議論が交わされました。

 

○ 今後も交流を続けて、いろいろな形でさらなる拡がりに繋げていければと思います。

 

 

 

5.「四国のみずべ八十八カ所」/高知のみずべパネル展を開催  (高知県)

 

○ 9月20日(土)〜24日(水)の5日間、高知県立美術館・県民ギャラリーにおいて「四国のみずべ八十八カ所」/高知のみずべ二十三カ所のパネル展を開催し、期間中、600名を超える多くの来場者がありました。

 

○ 展示会は高知東海岸だるまSun達写真展実行委員会をはじめ、室戸市等の参加機関の協力を得て、写真展会場内で実施されました。写真展示会場では、室戸岬を挟んで東側の「だるま朝日」と西側の「だるま夕日」の様々な写真が展示され、その会場内で、みずべパネルにより四国を代表する「癒しの空間」である「みずべ八十八カ所」の魅力を伝えました。なお、みずべ八十八カ所は四国霊場にちなみ徳島を起点に右回りでみずべの札所として番号付けされており、室戸岬は高知県に入り最初の「みずべの二十二番札所」になります。

 

○ 会場内のみずべパネル展示前では、室戸岬を中心とした高知東海岸エリアの観光パンフレットも置かれ、他の写真展前とは違った雰囲気を醸しだし、来場者の注目を集めていました。みずべ関係では高知のみずべ二十三カ所の紹介冊子とパネルを縮小版にしたファイル綴りを閲覧用として展示しました。

 

○ 今後とも、四国のみずべ八十八カ所の関係市町村等の協力を得ながら、地域観光情報の共有や、情報交換を積極的に行うとともに、地域のイベント、行事を通じてパネル展等を開催し、みずべの認知度向上を図ることとしています。

 

 

 

6.吉野川流域講座「吉野川の水質と環境」を開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 9月26日(金)に、徳島県板野郡藍住町立藍住北小学校にて4年生の児童91名を対象に吉野川流域講座「吉野川の水質と環境」を開催しました。

 

○ 講座では、徳島河川国道事務所河川環境課環境調査係長から吉野川の概要、吉野川の水質や生き物等について説明を行いました。

 

○ また、近くを流れている正法寺川で捕まえてきた魚などの川に棲む生物を観察し、児童達は興味深そうにしていました。

 

○ 今回の講座を通して、川の自然環境や生物に関心を深めてもらえたらと思います。

 

 

 

7.川の情報誌「あめんぼ」Web版を発刊開始     (四国地方整備局)

 

○ 「四国の川を考える会では、四国の水・川への理解・関心を深めていただくため、また、川についての正しい情報を提供することを目的として、川の情報誌「あめんぼ」を毎年発行して参りました。

 

○ 今年度より、新たに更に多くの方々に情報をお届けするために、Web版へと移行し、この度発刊に相成りましたのでご案内いたします。

 

  【川の情報誌「あめんぼ」Web版】

 

    ・四国の川を考える会Webページ( http://www.shikoku-river.net/)から「活動内容について」をクリック

 

    または

    ・URL  http://shopwave.ne.jp/amenbo/

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

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