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四国河川ニュース

9/6(土)〜9/12(金)》363号

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                                                                                                                               【2008.9.16発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.125

 

   ○ 愛媛県 寒川海岸環境整備事業『寒川海岸 海岸環境整備事業が平成19年に完成』  愛媛県 東予地方局四国中央土木事務所長 徳永 学

 

   ○ 海岸侵食対策と海浜公園             愛媛県 四国中央市長 井原 巧

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報7)            (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.125

 

1.愛媛県 寒川海岸環境整備事業『寒川海岸 海岸環境整備事業が平成19年に完成』  愛媛県 東予地方局四国中央土木事務所長  

   徳永 学

 

○ 寒川海岸は、愛媛県の東端にある四国中央市のほぼ中央に位置し、豊岡漁港と県内海運の拠点であり紙の町を支える三島川之江港の間にある延長3,348mの海岸です。

 

○ 当海岸は、昭和62年に緩傾斜階段護岸を整備し、整備当時は護岸前面に当該地域における数少ない砂浜が広がり、自然海浜保全地区にも指定されるなど、市民に大いに利用されていた海岸でありました。しかし近年、砂浜の侵食が進み、海岸保全施設でもある砂浜の後退により波浪の影響が増大し、平成13年8月の台風では、大量の海水が越波し、背後の農地に被害が発生しました。

 

○ 当時の砂浜の状況で計算すると、既設護岸の天端高は、約1.2m不足しており、大型の台風等による越波によりさらに大きな被害が予想されること、前面の侵食による既設護岸の沈下や亀裂の発生から、このまま放置すると、護岸が決壊し、背後の人家や農地に多大な被害が発生する恐れがあることから、早期整備の要望が出されていました。

 

○ これまでの経緯から、越波被害の防止と、海浜侵食の防止の両面で効果を発揮する離岸堤と突堤による対策が有効であるとして、平成15年度に海岸環境整備事業として延長340mの面的防護タイプの海岸整備に着手し、実施に当たっては、安全で良好な海岸空間を形成するという海岸施設としての本来の目的を果たしつつ、環境への調和や地域イベントへの寄与を考慮し整備を進めました。

 

○ 工事概要は次のとおりであり、人工海浜としては県内最大規模となっています。

 

  【事業概要】

     事業期間

       H15 〜 H19

     工事内容

       突堤工  東側260m、西側240m

       離岸堤  40m

       養浜工  12万m3(340m)

       緑 地  遊歩道、植栽等

 

○ 本事業は、平成19年に完成し、四国中央市が施工した駐車場、シャワー室などと一体的に海浜公園・海水浴場として利用されており、昨年7月の「海の日」にあわせ、コンサートを含めた盛大なオープニングイベントが開催されました。当施設は一般公募で「寒川豊岡海浜公園ふれあいビーチ」と名付けられ、今年の夏も多数の利用者が見込まれています。

 

○ また、本海岸には多くのボランティア団体が、砂浜の清掃に参加されており、その美しさを保ちながら、ますます地域住民に愛される海岸になるものと確信しております。

 

 

 

2.海岸侵食対策と海浜公園       愛媛県 四国中央市長 井原 巧

 

○ 当市は愛媛県の東端部に位置し、東は香川県に面し、南東は徳島県、更に南は四国山地を境に高知県と4県が接する地域となります。県都松山市と高松市へは約80km、高知市までは約60km、徳島市までは約100kmの距離にあります。

 

○ 地形は、東西に約25kmの海岸線が広がり、その海岸線に沿って東部には全国屈指の「製紙・紙加工業」の工業地帯を擁し、その南に比較的幅の狭い市街地を形成しています。その海岸線西部には、美しい自然海岸が広がりその南には広大な農地が広がっています。

 

○ さらに南には急峻な法皇山脈から四国山地へと続く山間部を擁し、この豊かな自然により水という恵みを与えられ、産業や生活が支えられています。

 

○ また、当市は高速道路網の整備により、三島川之江・土居・新宮の3つのインターチェンジと川之江ジャンクション・川之江東ジャンクションを持ち、四国の「エックスハイウェイ」の中心地となっており、県の県庁所在地のいずれにも、ほぼ1時間で結ばれるという好条件にあります。

 

○ 寒川海岸は瀬戸内海燧灘のほぼ中央にあって、当市では数少ない自然海浜海岸を利用した海水浴場として昭和33年に開設し、松林のある海水浴場として東予地方でも貴重な存在で、多くの方々に親しまれてまいりました。

 

○ しかし、近年海岸の埋立や潮流の変化等により、渚線の後退が進み、海水浴場の機能が維持できず、平成11年度より休止となっておりました。

 

○ 平成13年8月には台風災害により、大量の海水が防波堤を越え、背後地の農地に浸水する被害も発生しました。

 

○ 『寒川海岸 海岸環境整備事業』の完成により、安全で良好な海岸空間が創造され、県内最大級の人工海浜を有することとなり、多くの方々が待ち望んでいた海水浴場が平成19年7月16日・海の日に「寒川豊岡海浜公園ふれあいビーチ」として生まれ変わり、安全祈願・初泳ぎ・コンサートなど盛大なオープニングイベントが実施されました。

 

○ そして多くのボランティア団体の方々により海浜の清掃が実施されており、美しい姿を維持しております。

 

○ 今後も、侵食対策・背後地の保全を期待するとともに、豊かで潤いのある質の高い海浜公園・海水浴場として多くの方々が集まり、楽しんでいただける空間となるよう努めてまいりたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報7)      (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いていることから、7月25日(金)9時より吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置しました。また、那賀川についても、26日(土)9時から第一次取水制限を開始するため、25日(金)12時に、那賀川河川事務所が渇水対策支部を設置し、鏡川についても、7月30日(水)9時より自主節水を開始しています。

 

○ その後も、まとまった降雨がないため、吉野川水系吉野川及び那賀川が第二次取水制限に強化されるとともに、新たに、8月4日(月)17時より重信川水系石手川が第一次取水制限を、また8月6日(水)19時より仁淀川が第一次取水制限を開始しました。

 

○ また、その後もまとまった降雨がないため、12日(火)9時より吉野川が第三次取水制限に強化されるとともに、18日(月)0時より吉野川水系銅山川で自主節水が開始されましたが、仁淀川水系では8月に入ってから局地的な降雨があり大渡ダムの貯水が回復したため、8月15日(金)10時に取水制限が解除されました。

 

○ さらに、少雨状態が続いているため、重信川水系石手川が8月19日(火)14時より第二次取水制限に強化されるとともに、取水制限が解除されていた仁淀川で20日(水)9時より取水制限が再開され、鏡川で20日9時(水)より自主節水が強化され、吉野川水系吉野川が21日(木)9時より第四次取水制限に強化されました。

 

○ 8月20日(水)に開かれた第4回吉野川水系水利用連絡協議会において、早明浦ダムの貯水率がゼロになった時点より、発電専用容量から上水のみを対象として緊急放流(徳島用水1.95m3/s、香川用水1.90m3/s)を行うことが決定されました。また、8月18日に、徳島県から要望されていた早明浦ダムの利水容量がゼロとなった時点で吉野川からの緊急取水については、渇水による農業及び工業被害の軽減を図るため、一時的緊急避難措置として「異常渇水時の保持流量」を吉野川本川で8m3/s、派川旧吉野川で5m3/ sと設定し、当面の間、この流量を上回る自然流量の部分について取水が可能とする措置をとることとしました。

 

○ 8月下旬に、徳島県の東部、高知県の南西部を中心にまとまった降雨があり、那賀川及び仁淀川で取水制限が解除され、鏡川で取水制限が緩和されましたが、一方で、自主節水を継続していた吉野川水系銅山川で8月29日(金)0時より第1次取水制限が開始されました。

 

○ 一方で、吉野川水系吉野川の早明浦ダムの利水容量が8月31日(日)午前10時にゼロとなり、発電専用容量からの上水への緊急放流が開始されるとともに、重信川水系石手川で9月1日(月)17時より第3次取水制限に、鏡川水系鏡川で9月5日(金)9時より自主節水が強化され、さらに9月10日(水)9時より第1次取水制限に、9月12日(金)17時からは第2次取水制限に強化され、取水制限を解除していた仁淀川が9月3日(水)9時より自主節水に入り、新たに物部川水系物部川が9月11日(木)17時より第1次取水制限に入っています。

 

○ 9月16日(火)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系吉野川】

   ・施設の状況(9月16日0時現在)

      早明浦ダム: 貯水率0.0%(平年値83.3%)

   ・支部の設置状況

      徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月21日0時〜

         徳島用水 7.0%、香川用水(上水)10.0%

      一次取水制限:7月25日9時〜

         徳島用水15.2%、香川用水20.0%

      二次取水制限:8月 3日9時〜

         徳島用水17.0%、香川用水35.0%

      三次取水制限:8月12日9時〜

         徳島用水18.8%、香川用水50.0%

      四次取水制限:8月21日9時〜

         徳島用水21.6%、香川用水60.0%

      *8月31日10時より、発電専用容量から緊急放流中

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(9月16日0時現在)

      鏡ダム:貯水率59.4%(平年値100.0%)

   ・支部の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況

      自主節水T :7月30日9時〜

         農水10.0%、上水10.0%、工水76.6%

      自主節水U :8月20日9時〜

         農水57.6%、上水33.3%、工水76.6%

      自主節水T(緩和):8月27日17時〜

         農水10.0%、上水10.0%、工水76.6%

      自主節水U :9月 5日9時〜

         農水57.6%、上水33.3%、工水76.6%

      一次取水制限:9月10日9時〜

         農水66.6%、上水37.4%、工水77.5%、維持用水19.7%

      二次取水制限:9月12日17時〜

         農水71.6%、上水45.0%、工水78.2%、維持用水24.6%

 

○【重信川水系石手川】

   ・施設の状況(9月16日0時現在)

      石手川ダム:貯水率39.7%(平年値76.1%)

   ・支部の設置状況

      松山河川国道事務所渇水対策支部設置:8月4日17時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:8月 4日17時〜

         農水33.3%、上水15.0%、かんがい30.0%

      二次取水制限:8月19日14時〜

         農水38.9%、上水17.0%、かんがい35.0%

      三次取水制限:9月 1日 0時〜

         農水33.3%、上水10.0%、かんがい35.0%

           *農水、上水については、9月より通常取水量が減少しているため、取水量は削減(強化)されている。

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(9月16日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率50.3%(平年値99.0%)

   ・支部の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      (早明浦ダムの取水制限により設置)

   ・取水制限の状況

      自主節水  :8月18日0時〜

         工水10.0%

      一次取水制限:8月29日0時〜

         工水20.0%

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(9月16日0時現在)

      大渡ダム:貯水率84.0%(平年値98.2%)

   ・支部の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況

      自主節水  :9月 3日9時〜

         農水30.0%、上水30.0%

 

○【物部川水系物部川】

   ・施設の状況(9月16日0時現在)

      永瀬ダム:貯水率51.6%(平年値76.9%)

   ・支部の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:9月11日17時〜

   ・取水制限の状況

      農水20.0%

 

○ 吉野川水系、鏡川水系、重信川水系、仁淀川水系、物部川水系の5水系以外でも、今後の気象状況によっては、取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

     http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

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