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四国河川ニュース

8/9(土)〜8/15()359

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2008.8.18発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.123

 

   ○ 徳島県 宍喰浦海岸の耐震対策〜平成20年度から海岸耐震対策緊急事業に新規着手〜  徳島県 河川課長 森兼永一郎

 

   ○ 宍喰浦海岸の海岸整備に期待すること       徳島県 海陽町長 五軒家 憲次

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報3)                   (四国地方整備局)

 

   ○ 平成20年度『土器川夕涼みコンサート』の開催               (土器川水系 香川県)

 

   ○ 吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を開催           (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 山鳥坂ダム建設事業に係る付替県道の工事用道路工事に着工     (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 平成19年 四国管内一級河川の水質現況を公表               (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.123

 

1.徳島県 宍喰浦海岸の耐震対策〜平成20年度から海岸耐震対策緊急事業に新規着手〜  徳島県 河川課長 森兼永一郎

 

<事業概要>

 

○ 宍喰浦海岸は、徳島県南端で高知県との県境に位置し、室戸阿南海岸国定公園に属する景勝地であり、観光のみならず、サーフィン等のマリンレジャーを目的として、県内外からの利用者が年間を通じ絶えない状況となっております。

 

○ 当海岸は、昭和南海地震(1946年)において、津波による被害履歴があり、今後30年以内に50%の確率で発生が予測されている南海地震発生時においては、津波高が高く、地盤の液状化により堤防が著しく沈下することが想定されており、津波による甚大な被害の発生が危惧されております。

 

○ そのため、海岸における堤防・護岸の耐震対策を緊急的に実施し、大規模地震発生時の堤防・護岸の防護機能低下による浸水被害を防止し、人命や資産被害の軽減を図ることを目的とした「海岸耐震対策緊急事業」に「宍喰浦海岸」が平成20年度の新規事業として採択されました。

 

○ 本事業により、地震時の液状化による堤防の沈下量を最小限にとどめ、最大津波が到達するまでの避難時間を確保することにより、徳島県の目指している「南海地震発生時の死者ゼロ」にも十分な効果が発現されるため、平成20年度、堤防の耐震対策(鋼矢板工法による液状化対策)に着手いたします。

 

○ 今後とも、「安全・安心とくしま」の実現に向けた海岸事業を、より一層取り組んで参りたいと考えております。

 

<施工箇所>

 

  徳島県海部郡海陽町宍喰地先

 

<施工時期>

 

  平成20年度 〜 平成24年度(予定)

 

<施工内容>

 

  鋼矢板工(液状化対策) L=300m

 

 

 

2.宍喰浦海岸の海岸整備に期待すること  徳島県 海陽町長 五軒家 憲次

 

○ 海陽町は、徳島県の最南端、高知県との県境に位置し、平成18年3月31日に海部郡下灘3町(海南町、海部町、宍喰町)が合併して誕生しました。

 

○ 本町には、日本の滝百選に選ばれた「轟の滝」、鮎で名高い「清流海部川」、国指定の「竹ヶ島海中公園」など、数多くの観光スポットがあり、毎年たくさんの観光客が訪れています。又、国の天然記念物である「化石漣痕」、「母川のオオウナギ」、「ヤッコソウ」など、学術的に貴重な地層や動植物が見られる自然豊かな町です。

 

○ 一方、夏から秋にかけての台風シーズンには常時台風の通り道にあたることや、海岸の地形的な原因により、過去に何度も台風や津波による大きな被害を受けています。特に、昭和21年12月21日に起きた南海地震では、浅川地区と宍喰浦地区において甚大な被害が発生し、何人もの尊い命が奪われました。本町では、この昭和南海地震を忘れないために、二度とこのような犠牲を出さないために、毎年12月の早朝、津波の浸水が想定される全地域において住民参加の津波避難訓練を実施するなど、常に防災の意識を持った町です。

 

○ 宍喰浦海岸は、旧宍喰町中心地域の東側に位置し、昭和30年頃までは、緑の松林と白い砂浜が印象的な海岸でしたが、現在は、台風などの高潮から住民を守る堤防が出来、それに平行して一般国道55号が走っています。旧宍喰町は、昭和南海地震以前にも、安政(1854年)・宝永(1707年)・慶長(1605年)の南海地震において大変な被害を受けたことが文献に記されており、「土地が裂け泥水が吹き上げ」といった液状化現象を表した記述が何度も出てきます。当海岸は、写真のように水平線まで遮蔽物が無く、左右を半島と島々で囲まれた地形のため、津波の高さが大きく破壊力が強いとされており、地域住民からも、液状化による堤防の沈下と津波による堤防の決壊を懸念する声が少なくありません。

 

○ この度、宍喰浦海岸が、平成20年度海岸耐震対策緊急事業に新規採択され、地質調査に基づいた耐震対策工事が実施されるとのことであり、工事の完成により、地域住民全員の生命が守られるものと大きな期待を寄せています。

 

○ 今後も、住民一人ひとりの安全に対する意識の高揚を図り「安全で安心して暮らせるまちづくり」に努めて参りたいと考えております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報3)      (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いていることから、7月25日(金)9時より吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置しました。また、那賀川についても、26日(土)9時から第一次取水制限を開始するため、25日(金)12時に、那賀川河川事務所が渇水対策支部を設置しました。

 

○ さらに、鏡川についても、7月30日(水)9時より自主節水を開始しています。

 

○ その後もまとまった降雨がないため、吉野川及び那賀川が第二次取水制限に強化されるとともに、新たに、8月4日(月)17時より重信川水系石手川が第一次取水制限を、また8月6日(水)19時より仁淀川が第一次取水制限を開始しました。

 

○ また、その後もまとまった降雨がないため、本日18日0時より銅山川で自主節水が開始されましたが、仁淀川水系では8月に入ってから降雨があり大渡ダムの貯水が回復したため、8月15日(金)10時に取水制限が解除されました。

 

○ 8月18日(月)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系吉野川】

   ・施設の状況(8月18日0時現在)

      早明浦ダム:貯水率21.4%(平年値80.5%)

   ・支部の設置状況

      徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月21日0時〜

         徳島用水 7.0%、香川用水(上水)10.0%

      一次取水制限:7月25日9時〜

         徳島用水15.2%、香川用水20.0%

      二次取水制限:8月 3日9時〜

         徳島用水17.0%、香川用水35.0%

      三次取水制限:8月12日9時〜

         徳島用水18.8%、香川用水50.0%

 

○【那賀川水系那賀川】

   ・施設の状況(8月18日0時現在)

      長安口ダム:貯水率41.7%(平年値75.2%)

   ・支部の設置状況

      那賀川河川事務所渇水対策支部設置:7月25日12時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:7月26日9時〜

         農水10.0%、工水15.0%

      二次取水制限:8月 5日9時〜

         農水20.0%、工水20.0%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(8月18日0時現在)

      鏡ダム:貯水率86.1%(平年値98.6%)

   ・支部の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月30日9時〜

         農水10.0%、上水10.0%、工水76.6%

 

○【重信川水系石手川】

   ・施設の状況(8月18日0時現在)

      石手川ダム:貯水率61.9%(平年値83.8%)

   ・支部の設置状況

      松山河川国道事務所渇水対策支部設置:8月4日17時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:8月4日17時〜

         農水33.3%、上水15.0%、かんがい30.0%

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(8月18日0時現在)

      大渡ダム:貯水率88.7%(平年値86.9%)

   ・支部の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:8月 5日17時〜

      高知河川国道事務所渇水対策支部解散:8月15日10時〜

      大渡ダム管理所渇水対策支部設置  :8月 5日17時〜

      大渡ダム管理所渇水対策支部解散  :8月15日10時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:8月6日19時〜

         農水30.0%、上水30.0%

      取水制限解除:8月15日10時〜

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(8月18日0時現在)

      銅山3ダム:貯水率68.8%(平年値87.2%)

   ・支部の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      (早明浦ダムの取水制限により設置)

   ・取水制限の状況

      自主節水:8月18日0時〜

         工水10.0%

 

○ 吉野川水系、那賀川水系、鏡川水系、重信川水系、4水系以外でも、現在平年よりも厳しい状況にある河川があります。今後の気象状況によっては、さらに取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

     http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.平成20年度『土器川夕涼みコンサート』の開催  (土器川水系 香川県)

 

○ 8月2日(土)に、土器川生物公園にて「土器川夕涼みコンサート」が開催されました。

 

○ この行事は、丸亀市と国土交通省が主催で平成14年度から開催されており、今回で7回目を迎えました。

 

○ 「土器川夕涼みコンサート」は、流域の住民に、土器川に愛着を持ってもらい、最近増加傾向にあるゴミの不法投棄の防止や、河川環境を美しくしようとする意識を持ってもらうことを目的としています。

 

○ コンサートの内容は、幼稚園の子どもたちによる元気いっぱいのダンスをはじめ、大正琴や、80年代を彷彿させるグループサウンズの演奏等々、様々なジャンルの音楽が夏の夜空に響き渡り、観衆の方々に楽しんでいただきました。

 

○ コンサートの他には、ヨーヨー釣りや笹舟教室、ホタルの生態観察、野点によるお茶の接待も行いました。また、讃岐特産のどじょううどんの販売や土器川の伐採木や刈草を利用した「土器川堆肥」の無料配布も行い、好評をいただきました。

 

○ 来場者も年々増加の傾向にあり、徐々にではありますが地域に定着してきていると、実感しているところです。

 

 

 

5.吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 8月8日(金)に、徳島県美馬市立重清東小学校にて同校児童と保護者の計35名を対象に、吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を開催しました。

 

○ 本講座には、講師として『ふる〜ぶメイトリーダー』の長江順次氏にご協力いただきました。

 

○ 講義では竹の性質の説明や竹を使った遊び道具(竹馬や竹笛など)の紹介があり、みんな興味津々に話を聞いていました。その後、児童と保護者の方々は吉野川中流域の竹を使って竹とんぼ作りに挑戦しました。なかなかうまく工作することができない人もいましたが、みんな楽しそうに竹とんぼ作りに取り組んでいました。

 

○ 吉野川中流域には水防竹林が今も残っており、この講座を通して、むかしの人々の暮らしの中に竹が息づいていたことを今回の講座で理解していただいたのでないかと思います。

 

 

 

6.山鳥坂ダム建設事業に係る付替県道の工事用道路工事に着工  (肱川水系 愛媛県)

 

○ 山鳥坂ダム建設事業は、昭和57年の予備調査開始から26年を経て、8月11日(月)に、ダム建設により水没する「主要地方道小田・河辺・大洲線」の付替県道工事用道路工事に着工しました。

 

○ 4月18日に環境影響評価書の公告縦覧を開始したことを受け、工事の発注手続きに着手しました。その後、7月14日の「第1回山鳥坂ダム・鹿野川ダム環境検討委員会」で今年度予定の工事による猛禽類等に与える影響が小さいとの助言をいただき、また、地元地区に対して工事に関する調整が整ったため工事着手の運びとなったものです。

 

○ 工事内容は、市道下敷水唐岩谷線(473m)の道路幅員(約3m)を4mへ拡幅するとともに、待避所の整備を行い、今後実施する付替道路工事において工事用車両が走行できるようにするものです。

 

○ 当日は施工業者による安全祈願祭が開催され、地元関係者や地区住民など出席のなか、大洲市長をはじめとする初鍬により工事の無事完成を祈念しました。

 

 

 

7.平成19年 四国管内一級河川の水質現況を公表   (四国地方整備局)

 

○ 8月12日(火)に、平成19年における四国地方整備局管内の一級河川で調査した8水系54地点(内、類型指定51地点)の水質現況を公表しました。

 

○ 環境基準(河川はBOD、湖沼・海域はCOD:一部の湖沼は河川で類型指定されてるためBODで評価)の適合状況は86.3%で、平成18年の90.0%には及ばなかったものの、良好な状態を維持しています。水質の改善が見られたのは重信川で、全ての調査地点で環境基準を満たしたのは物部川でした。四国内の河川水質ランキングでは、穴吹川(吉野川水系)が平成7年から13年連続で1位となり、2位が那賀川(那賀川水系)と仁淀川(仁淀川水系)の2河川、4位が吉野川(吉野川水系)、5位が後川(渡川水系)となりました。

 

○ 内分泌攪乱物質(環境ホルモン)調査は、吉野川、渡川、肱川、重信川、土器川の5水系5地点で実施した結果、土器川(丸亀橋)で重点監視濃度を超える数値が検出(エストロンが0.0008μg/L[重点基準濃度0.0005μg/L])されました。

 

○ ダイオキシン類調査は、8水系で実施した結果、全ての調査地点において環境基準値を下回るとともに、要監視濃度(環境基準値の1/2)を上回る地点もありませんでした。

 

○ 今回は新たに、人の健康や魚介類等の水生生物への影響が懸念される医薬品類(42物質)の調査を8水系で実施しましたが、全物質とも問題となるような濃度ではありませんでした。

 

○ また平成17年より、住民との協働による新たな水質指標による各河川の水質評価も実施しています。評価の視点は、@「人と河川の豊かなふれあいの確保」、A「豊かな生態系の確保」、B「利用しやすい水質の確保」、C「下流域や滞留水域に影響の少ない水質の確保」の4つがあり、@、Aの評価では地域住民と河川管理者が協働で調査しています。平成19年の調査では延べ2,000人を超える住民の方々に参加していただきました。

 

○ 今後も、地域の皆さんの協力を得ながら、河川環境の指標となる水質管理に努めます。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

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