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四国河川ニュース

7/26(土)〜8/1()357

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                                                                                                                                                    2008.8.4発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.122

 

   ○ 高知県 三崎川水系 西ノ川通常砂防事業『災害から復旧まで』  高知県 防災砂防課長 桜井 亘

 

   ○ 大災害が教えてくれたもの〜歴史・文化・環境そして人の大切さ〜  高知県 土佐清水市長 西村 伸一郎

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報)           (四国地方整備局)

 

   ○ 鹿野川ダム見学ツアーを実施                  (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 中筋川ダムで「第13回蛍湖まつり」の開催          (渡川水系 高知県)

 

   ○ 第13回吉野川上下流交流大会の開催            (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 行政代執行の完了〜吉野川善入寺島外河川敷地への汚物搬入に係る原状回復〜  (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 「重信川水系河川整備計画」を策定              (重信川水系 愛媛県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.122

 

1.高知県 三崎川水系 西ノ川通常砂防事業『災害から復旧まで』  高知県 防災砂防課長 桜井 亘

 

<被害の状況>

 

○ 平成13年9月5日夜より、西日本上空に停滞した活発な秋雨前線に向かって流れ込む暖気流が、台風16号から水蒸気の供給を受けながら、高知県西南部の狭い範囲に収束しながら流入したため(湿舌)、大気の状態が不安定となり、強い雨雲が次々と発生し、雷を伴った激しい雨が降り続いた。

 

○ そのため、高知県西南部における5日からの降雨量は、多いところで総雨量615mm、最大時間雨量131mmを観測するなど、記録的な集中豪雨となった。

 

○ この雨で土佐清水市などでは、各河川の上流域において山腹崩壊や沢抜けが多発し、下流河川へ流入した土砂が河床を上昇させたため、河川が氾濫し、甚大な被害をあたえた。

 

○ 土佐清水市を流れる宗呂川では、60cmしかなかった川の水位がわずか3時間の間に10倍の6mにもなり、まさに「寝耳に水」の水害となった。

 

○ 被害状況としては、負傷者8名、家屋の全壊25戸、半壊・一部損壊275戸、床上浸水264戸、床下浸水540戸、また、一般家屋以外に保育園、小学校、中学校など公共施設も被害を受けたが、奇跡的に一人も犠牲者が出なかったのは、地域の固い絆、隣同士の助け合いがあったためである。

 

<復旧へ向けた取り組み>

 

○ 平成13年9月26日、被災した土佐清水市、宿毛市、大月町の河川、砂防、道路災害に関し、復旧方針、復旧方法、計画規模及び今後の防災対策などを検討し、災害に強いまちづくりを目指して、「平成13年9月高知県西南部豪雨災害検討会」を設立した。

 

○ 今回の豪雨では、流木による被害が甚大であったことから、計5回に及ぶ検討会において、砂防関係については、土石流対策とともに流木対策についても実施する旨提言が出され、土砂災害が発生した全ての渓流において、流木対策工を計画した。

 

○ なお、平成13年度に3水系6渓流で災害関連緊急砂防事業に着手、翌14年度には5水系11渓流で砂防激甚災害対策特別緊急事業に着手し、平成17年度からは4水系5渓流で通常砂防事業により災害フォローを実施している。

 

<西ノ川における事業の概要>

 

○ 実施内容 : 砂防えん堤本堤工(堤長41.0m、堤高13.0m)、副堤工(堤長42.0m、堤高7.4m)

 

○ 総事業費 : 337,300千円(内、激特砂防89,600千円、通常砂防247,700千円)

 

○ 最後に、事業にご協力いただいた地域住民の皆さま、並びに関係機関の方々に心から感謝申し上げます。

 

 

 

2.大災害が教えてくれたもの〜歴史・文化・環境そして人の大切さ〜  高知県 土佐清水市長 西村 伸一郎

 

○ 土佐清水市は四国の最南端に位置し、黒潮が日本で一番最初に接岸します。市のほぼ全域が「足摺宇和海国立公園」に属し、南国の太陽とコバルトブル―の豊かな海、したたる緑などの美しい自然環境と私達は共生しています。

 

○ ここには高速道路も鉄道も巨大リゾート施設もありませんが、土と潮の香りのする人情味溢れた暮らしがあります。

 

○ 「ジョン万こと中浜万次郎」は、1827年に本市中浜で漁師の子として生まれました。そして1841年、足摺岬沖で漁の最中にシケに遭い漂流後アメリカの捕鯨船 「ジョン・ハウランド号(ウィリアム・ホイットフィールド船長)に助けられました。

 

○ その後、日本人初のアメリカ留学生として約10年間暮らした後、日本の開国とアメリカの民主主義や技術を伝える為に、鎖国中の日本へ決死の覚悟で帰国、維新の偉人坂本龍馬をはじめ中江兆民、植木枝盛、板垣退助、岩崎弥太郎などに大きな影響を与え、また、咸臨丸の事実上の船長として再渡米し、日米友好に努めるなど幕末から明治にかけて活躍いたしました。

 

○ 本市は平成13年9月6日、「高知県西南部豪雨災害」の試練を受けました。自然の猛威の前に人の力の小ささを思い知らされると同時に、市民はもとより全国から駆けつけていただいたボランティアの泥まみれの支援活動やその後の復興振りを目の当たりにして、人の力もまた無限であることを教わりました。

 

○ 全国の皆様に改めてお礼申し上げます。この大災害で一人の犠牲者も出さなかった自治組織と地域連帯の伝統は、今後とも受け継いで行く必要があります。

 

○ なお、豪雨災害により壊滅的な被害を受けた日本最初の海中公園「竜串湾」では、環境省直轄の竜串再生事業が導入され、15年度から3ヵ年の調査を経て地元住民参加の法定協議会も設立され、18年度より本格的な事業が展開されています。

 

○ 豪雨災害復旧事業につきましては国、県関係者のなみなみなるご努力により宗呂川、貝ノ川川、益野川、三崎川とも、災害に強い川として復旧されましたが、国立公園、海中公園にそそぐ三崎川支流の西ノ川通常砂防事業は環境省の竜串再生事業にも大きな影響を持つものとして1日も早い完成が期待されていたものであり、このたびの事業完成に感謝しています。

 

○ 河を治める者は国を治めるとのたとえの通り、河川の安定は生活の安定に不可欠との認識を強くしています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報)       (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は、平年よりも早い7月4日に梅雨明けし、7月に入ってから少雨傾向が続いていることから、7月25日(金)9時より吉野川が第一次取水制限を開始するため、24日(木)14時に四国地方整備局が渇水対策本部を、同時に、徳島河川国道事務所及び吉野川ダム統合管理事務所が渇水対策支部を設置しました。また、那賀川についても、26日(土)9時から第一次取水制限を開始するため、25日(金)12時に、那賀川河川事務所が渇水対策支部を設置しました。

 

○ さらに、鏡川についても、7月30日(水)9時より自主節水を開始しています。

 

○ 8月4日(月)現在の四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系吉野川】

   ・施設の状況(8月4日0時現在)

      早明浦ダム:貯水率43.7%(平年値82.7%)

   ・支部の設置状況

      徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:7月24日14時〜

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月21日0時〜

         徳島用水 7.0%、香川用水(上水)10.0%

      一次取水制限:7月25日9時〜

         徳島用水15.2%、香川用水20.0%

      二次取水制限:8月 3日9時〜

         徳島用水17.0%、香川用水35.0%

 

○【那賀川水系那賀川】

   ・施設の状況(8月4日0時現在)

      長安口ダム:貯水率54.5%(平年値78.7%)

   ・支部の設置状況

      那賀川河川事務所渇水対策支部設置:7月25日12時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:7月26日9時〜

         農水10.0%、工水15.0%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(8月4日0時現在)

      鏡ダム:貯水率87.2%(平年値100.0%)

   ・支部の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況

      自主節水  :7月30日9時〜

         農水10.0%、上水10.0%、工水76.6%

 

○ 吉野川水系、那賀川水系、鏡川水系以外でも、現在平年よりも厳しい状況にある河川があります。今後の気象状況によっては、さらに取水制限が開始される地域が増えることも予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.鹿野川ダム見学ツアーを実施           (肱川水系 愛媛県)

 

○ 山鳥坂ダム工事事務所では、「森と湖に親しむ旬間」(7月21日〜7月31日)のイベントとして、7月27日(日)に「鹿野川ダム見学ツアー」を実施しました。

 

○ 参加者は、大洲市内の小学生とその保護者の方で36名(午前の部20名、午後の部16名)の参加がありました。

 

○ 見学ツアーは、ダムの仕組みや目的の説明の他、監査廊や操作室の見学とペットボトルを使ったダムの模型実験を実施しました。普段入ることの出来ない監査廊やダムの操作室の中に入ると子供たちの大きな歓声があがり、またペットボトルを使ったダムの模型実験ではダムの役割を目で見て理解して頂きました。

 

○ また、ダム湖の巡視体験では、鹿野川ダムが所有する巡視船に乗り込み、鹿野川ダムで問題になっているアオコを実際に見て頂き、今後の水質改善への取り組み(曝気装置の設置、流域における下水道整備)について説明し、水質について深い関心をもって頂きました。

 

○ ダム湖の巡視体験は、まさしく自然豊かな森と湖に親しんで頂き、夏の暑さを吹き飛ばして、夏休みの楽しい1日を親子で過ごして頂きました。

 

 

 

5.中筋川ダムで「第13回蛍湖まつり」の開催    (渡川水系 高知県)

 

○ 「森と湖に親しむ旬間」(7月21日〜31日)中の7月27日(日)に、中筋川ダムのダムサイト及びその周辺において恒例の「蛍湖まつり」が開催され、親子連れなど約1,500人が来場し、各種イベントを楽しみました。

 

○ この「蛍湖まつり」は、地元宿毛市、四万十市、三原村の各自治体、商工会議所、観光協会、婦人会等の団体からなる「中筋川の未来を考える会」の幹事会による「蛍湖まつり実行委員会」が主催するもので、平成8年度より毎年この時期に行われており、今年で13回目を迎えます。

 

○ 当日は真夏の太陽が照りつける中、様々な催し物が行われました。

 

○ ダムサイトの右岸側の管理庁舎前のメインステージでは、子供達に大人気の「それいけ!アンパンマンショー」に始まり、「式典」、「土佐宿毛いごっそ太鼓」、「ジャンケン大会」等が行われ、最後に恒例の「もち投げ」でまつりを終えました。

 

○ 管理庁舎内では、約150名の参加のあった「ダム内部の見学会」や「児童絵画作品展」が行われ、ダムサイト左岸側では「降雨体験機」、「土石流3D体感シアター」が行われ、ダム天端では婦人会の「うまいもの市」、商工会の「物産展」などが行われ、ダム周辺では「蛍湖ゴルフ大会」、「蛍湖ゲートボール大会」が開催され、まつりを盛り上げました。

 

○ なお、「式典」では、蛍湖まつり実行委員会会長の坂井宿毛商工会議所副会長の挨拶に始まり、宿毛市の「大島小学校、栄喜小学校」、三原村の「三原小学校」児童による中筋川ダムの絵画優秀作品の表彰式も行われました。

 

 

 

6.第13回吉野川上下流交流大会の開催      (吉野川水系 徳島県)

 

○ 7月27日(日)に、徳島県三好市池田町(池田総合体育館、吉野川運動公園、池田ダム湖畔等)において、四国三郎(吉野川)ふれあい会議主催による「第13回吉野川上下流交流大会」が開催されました。

 

○ 「吉野川上下流交流大会」は、平成8年より実施しており、吉野川の水源地域と受益地域の人々が、水源地域である「高知県嶺北地域」又は「徳島県三好市」に集い、スポーツ等を通じて交流することによって、お互いの理解を深めると共に、相互に連携して川や水、森や湖の大切さを再認識して頂くことを目的として、継続しているものです。今回の交流会は、「心うるおう四国の川・みんなで守ろう森と湖」をテーマに行いました。

 

○ 今年の大会には、水源地域(高知県嶺北地域五ヶ町村:いの町、大川村、土佐町、本山町、大豊町及び徳島県三好市)から約250名、受益地域(四国4県)から約250名の総勢500名が集い、ソフトボールやバレーボール、Eボートなどのスポーツを通じて交流を深めました。

 

 

 

7.行政代執行の完了〜吉野川善入寺島外河川敷地への汚物搬入に係る原状回復〜  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 徳島県阿波市吉野川善入寺島外1箇所の河川敷地において、施肥または土壌改良と称して、汚物(搬入者が汚泥発酵肥料と主張するもの)を大量に搬入した行為に関し、平成20年6月2日に開始した土壌撤去等の行政代執行が、7月30日(水)に完了しました。

 

○ 汚物が搬入された状況を放置することは、著しく公益に反すると認められるとともに、河川管理の適正を確保するためには、汚物搬入前の状態に回復することが必要であると判断し、代執行を実施しました。なお、代執行に要した費用は、額が確定次第、義務者へ請求する予定です。

 

○【代執行の実施内容】

 

 @善入寺島箇所および吉野川南岸箇所の汚物の撤去・搬出

    善入寺島箇所    地下1.0mまでの撤去 約4,000m3

    吉野川南岸箇所  地下0.7mまでの撤去 約1,200m3

 

 A撤去後、善入寺島箇所および吉野川南岸箇所に同量の正常な土壌を埋戻し

 

 

 

8.「重信川水系河川整備計画」を策定       (重信川水系 愛媛県)

 

○ 重信川水系において、今後概ね30年間で実施する河川整備の目標と内容についてまとめた「重信川水系河川整備計画」を8月1日(金)に策定いたしました。

 

○ 今後は、「重信川水系河川整備計画」に基づき、計画的に河川整備を実施してまいります。

 

○ 「重信川水系河川整備計画」のアドレス

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/matsuyam/river/seibikeikaku/index.html

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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