********************************************************

                      四国河川ニュース

                6/14(土)〜6/20(金)》351号 

********************************************************

                                                         2008.6.23発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.119

 

   ○ 徳島県 黒木地区(名西郡神山町)の治水事業  徳島県県土整備部 砂防防災課長 湯浅 博幸

 

   ○ 「安全で住みやすい神山町を目指して」       徳島県 神山町長 後藤 正和

 

 

○今週のニュース○

 

   ○ 吉野川流域講座「第十堰の役割と効果について」を開催    (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 「平成20年度 銅山川3ダム放流警報周知会」を開催      (吉野川水系 愛媛県)

 

   ○ 『防災技術センター』として第2弾の取り組み「支援活動訓練」を実施   (香川県)

 

   ○ 山鳥坂ダム事業実施区域外の調査地点で新たにクマタカのつがいを確認  (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 「かずら橋周辺整備」の落成式を挙行              (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 「第7回四国水問題研究会」を開催               (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.119

 

1.徳島県 黒木地区(名西郡神山町)の治水事業  徳島県県土整備部 砂防防災課長 湯浅 博幸

 

○ 本県は、地すべり防止区域の指定地数・面積ともに全国2位の多さであり、これまで幾多の地すべり災害により甚大な被害を受けてきました。神山町におきましても、地すべり防止区域が多く存在し、昭和初期から砂防事業及び地すべり対策事業を継続して実施しています。

 

○ 平成16年9月の台風21号では、全国的にも多くの土砂災害が発生しましたが、神山町黒木地区においては、連続雨量208mm、最大時間雨量32mmの豪雨により、幅60m、高さ60m、斜面長110mの地すべりが発生し、地域住民が一時避難するほか、町道が不通となる被害が生じました。

 

○ このため、神山町と連携して警戒避難体制を構築するとともに、災害関連緊急地すべり対策事業の申請を行い、同年12月に採択されました。

 

○ 対策工事は、上部から不安定土砂を掘削するとともに、アンカー工を施工し斜面の安全度を高める内容としました。工事の施工は、工事規模及び作業条件等を考慮し、平成16年度の災害関連緊急地すべり対策事業に加え、平成17年度以降、通常の地すべり対策事業により整備を進めています。

 

○ 近年は、局地的な集中豪雨など気象現象が激化する傾向が顕著になっています。一方、土砂災害危険箇所が多い中山間地域では、過疎化や高齢化が進行しています。これらの自然条件、社会条件の変化に対応し、ハード・ソフトが一体となった的確な土砂災害対策を進め、県民の安全・安心をしっかり守って参りたいと考えています。

 

 

 

2.「安全で住みやすい神山町を目指して」  徳島県 神山町長 後藤 正和

 

○ 神山町は、徳島県の中央部に位置し、県都徳島市から南西に車で50分のところにあり、吉野川支流の鮎喰川流域を中心とする東西約20km、南北約10km、面積173.3km2の町域内に、約2,700世帯、人口約7,000人が住んでいます。町面積の8割以上が山林で占められ、年平均気温14℃前後、年間降水量2,000mm前後と温暖多湿な気候のなか、農業を主要産業としており、すだち、梅、椎茸、日扇の産地として知られています。

 

○ 本町は、過去から土砂災害が数多く発生していますが、町史において特に被害が大きかった災害は、昭和13年9月の台風によるものです。

 

○ 鮎喰川の支川である野間谷川、神通谷川、左右山谷川で大規模な土石流が発生したほか、各所で地すべりが発生し、人家及び耕地に甚大な被害が生じました。

 

○ この災害を契機に、神領地区に県の「神領砂防工営所」が設置され、昭和16年度から昭和24年度にかけ、集中的に砂防事業が実施されました。役場に隣接する野間谷川に整備された床固工群は昭和21年度に完成したものであり、完成後60年を経過した現在も、地域の安全確保に機能しています。

 

○ しかし、その他の地域では台風のたびに、地すべり、がけ崩れ等の土砂災害が繰り返し発生しており、現在も、黒木地区などで地すべり対策工事が実施されています。

 

○ 町としては、自主防災組織の結成促進、消防団の充実強化など、住民と一体となった防災体制づくりを推進するとともに、土砂災害対策への取り組みとして、防災マップの各個配布、土砂災害警戒情報を使用した避難勧告基準の検討、土砂災害警戒区域における警戒避難体制の整備、防災活動体制の確立を図ります。

 

○ 本町は、昨年12月、徳島市からの主要アクセス道路である国道438号新府能バイパスが完成したこともあり、梅、さくら、藤、シャクナゲの開花時期には客数が増加し、年間を通してにぎわいが増してきています。今後も住民の安全・安心を確保するため、わが町におきましては、これからも一層、土砂災害対策に取り組み、「明るく住みよいまちづくり」に努めてまいりたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.吉野川流域講座「第十堰の役割と効果について」を開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 6月12日(木)に、(独)国立明石工業高等専門学校機構都市システム工学科3年生40名を対象に、吉野川流域講座「第十堰の役割と効果について」を行いました。

 

○ 明石高専では、土木工学の専門知識や技術を習得するための学習として現場見学に取り組んでおり、その一環として今回「第十堰」の現場見学を行うもので、平成18年10月以来となります。

 

○ まず、石井河川防災ステーションにおいて、吉野川の全体的な概要を説明し、防災ステーションを見学してもらいました。それから第十堰のほうへ向かい、現場にて、第十堰の現状・おいたち・役割などの説明を行いました。

 

○ 今回の講座を通じて、河川に関わる事業や河川施設について理解と関心を深めていただけたらと思います。

 

 

 

4.「平成20年度 銅山川3ダム放流警報周知会」を開催  (吉野川水系 愛媛県)

 

○ 6月13日(金)に、(独)水資源機構富郷ダム管理所において、吉野川ダム統合管理事務所と(独)水資源機構池田総合管理所が合同で「平成20年度 銅山川3ダム放流警報周知会」を開催しました。

 

○ この説明会は、梅雨や台風の出水によるダムから放流する際の警報やダムの役割について理解していただくことを目的として実施しているものであり、愛媛県四国中央市と徳島県三好市の行政、消防、警察及び下流沿川の小・中学校など関係者36名が出席して行われました。

 

○ 説明会ではまず3ダムの概要説明を行い、その後各ダムより、関係機関への放流に関する通知・情報提供の時期、警報所から警報(サイレン・スピーカー)を発する時期、及び警報車による警報活動(巡回)など、放流情報の提供方法について詳細な説明を行いました。

 

○ また、周知会終了時には、放流警報のポスター、チラシを配布し、警報時の注意喚起とサイレン等の理解をお願いしました。

 

○ 7月1日からの出水期を控え、ダム管理に万全を期したいと考えています。

 

 

 

5.『防災技術センター』として第2弾の取り組み「支援活動訓練」を実施  (香川県)

 

○ 四国技術事務所屋外試験場において、6月13日(金)に「平成20年度 災害対策用機械及び情報通信システムの操作訓練(香川・徳島地区)」を実施しました。

 

○ この操作訓練は、平成9年度より毎年、台風シーズン前に実施しており、四国地方整備局が保有する災害対策用機械及び情報通信システムを迅速かつ的確に自ら操作すると共に、現地作業員への的確な指導説明が行える人材の育成を目的として行っています。

 

○ 訓練には、香川・徳島地区の整備局職員、地方自治体職員及び関連土木業者等、約80名が参加し、水防工法(ロープワーク、積み土のう工、月の輪工、木流し工等)の実習も併せて行いました。水防工法訓練では、防災エキスパート3名(三好規雄氏、亀山忠氏、三谷健氏)の指導のもと、熱心に取り組まれ、特にロープワークは、人命救助、水防活動のみならず、機械や資材の設営時にも有効であり、今後の災害時に活用されるものと期待しています。

 

○ 今回は、四国技術事務所が『防災技術センター』として位置づけられ、同センターの防災業務活動の1つとして取り組んだものです。今後の活動としては、香川河川国道事務所と合同で排水ポンプ車の実排水作業訓練を高松市公淵池において7月2日(水)午後に実施する予定です。

 

 

 

6.山鳥坂ダム事業実施区間外の調査地点で新たにクマタカのつがいを確認  (肱川水系 愛媛県)

 

○ 山鳥坂ダム工事事務所では、現在、環境影響評価手続きが終了し、評価書に対する国土交通大臣意見等も踏まえて、クマタカのモニタリング調査を実施しているところです。

 

○ これまで、事業実施区域外の調査地点には2組みのクマタカのつがいを確認していましたが、今回、これまで確認している位置とは別の場所で新たなつがい(営巣木及び雛)を確認しましたので、6月18日(水)に記者発表を行いました。

 

○ 引き続き、専門家等のご指導・助言を受けながらモニタリング調査を行うとともに、工事着手前には「環境検討委員会」を開催し、工事による環境影響についても適切に対応していきます。

 

 

 

7.「かずら橋周辺整備」の落成式を挙行      (吉野川水系 徳島県)

 

○ 6月18日(水)に、三好市西祖谷山村において、「かずら橋周辺整備」落成式が、主催の三好市をはじめ地元関係者など、約30名の参加により行われました。

 

○ 「かずら橋周辺整備」は、かずら橋を拠点とした観光振興による地域活性化を目的に、三好市が主体となって進めている地域計画の1つであり、四国山地砂防事務所では、それらの計画と連携した砂防事業を推進しています。

 

○ 具体的には、今久保谷堰堤において、コンクリートの表面を自然の岩肌にみせた擬岩パネルで覆い周辺環境と調和を図りました。

 

○ 来賓祝辞として、四国地方整備局小池河川部長より、「今後も地域の安全・ 安心の確保と、地域活性化に貢献できるよう、効果的で効率的な砂防事業を推進して参る所存である」と、力強い言葉をいただきました。

 

○ その後、記念植樹が滞りなく行われ、閉会となりました。

 

 

 

8.「第7回四国水問題研究会」を開催         (四国地方整備局)

 

○ 6月19日(木)に、高松サンポート合同庁舎アイホール2F大会議室において、四国4県が共有する吉野川水系及びその関連地域の水問題について総合的に把握するとともに、水資源の有効利用と治水・利水・環境の合理的な恒久対策並びに必要な実施方策について、研究および提言を行うことを目的に「第7回四国水問題研究会」を開催しました。

 

○ 研究会では、まず、研究発表として愛媛大学大学院理工学研究科教授の鈴木委員より「四国の一級水系における水事情」と題して発表がありました。

 

○ 香川県、愛媛県、高知県からは、それぞれ「香川の水事情」、「愛媛の水事情」、「吉野川水源地域の現状と課題」と題して情報提供を行い、各県の水事情などについて紹介がありました。

 

○ 水問題の論点整理を行い、次回より、中間とりまとめに向けての議論を実施する予定としました。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

  ────────────────────────────────────────── 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html