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四国河川ニュース

5/17(土)〜5/23(金)》347号

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                                                                                                                                                              【2008.5.26発行】

 

 

 ○四国・水こぼれ話談話室Vol.117○

 

   ○ 愛媛県 長谷川等(西条市大浜地区)の砂防事業  愛媛県 東予地方局建設部長 高橋 近敏

 

   ○ 災害に強い森づくり目指す西条市の取組         愛媛県 西条市長 伊藤 宏太郎

 

 

 ○今週のニュース○

 

   ○ 第1回 重信川流域合同水防工法訓練を開催    (重信川水系 愛媛県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.117

 

1.愛媛県 長谷川等(西条市大浜地区)の砂防事業  愛媛県 東予地方局建設部長 高橋 近敏

 

○ 平成16年の相次ぐ台風などにより、愛媛県では東予東部地域(西条市、新居浜市、四国中央市)を中心に、犠牲者17名となる甚大な土砂災害が発生しました。

 

○ その中で、西条市大浜地区においては、9月29日の台風21号により、大規模な土石流が発生し、1名が犠牲になるほか、下流の家屋71棟に甚大な被害が生じたことから、再度災害防止のため砂防事業を実施しました。

 

○ 長谷川においては、16年度に「災害関連緊急砂防事業」に着手し、18年3月に砂防えん堤を完成させ、また、番屋谷川では、18年度に「砂防激甚災害対策特別緊急事業」に着手し、19年11月に砂防えん堤を完成させました。今後、隣接する山口川においても砂防施設整備を進めることとしています。

 

○ このほか、当建設部管内では、16年の土砂災害に伴い、災害関連緊急砂防事業(H16〜)で18箇所を完成させ、砂防激甚災害対策特別緊急事業(H17〜19)で、44箇所において砂防えん堤や流路工を重点的、集中的に整備してまいりました。

 

○ なお、当建設部では、ソフト対策にも重点的に取り組んでおり、西条市においては19年度から土砂災害警戒区域を指定するための住民説明会を開催しています。20年度も引き続き、本地区をはじめ各地区において土砂災害に関する啓発活動を実施します。

 

 

 

2.災害に強い森づくり目指す西条市の取組  愛媛県 西条市長 伊藤 宏太郎

 

○ 西条市は、平成16年に、人口約11万6千人、面積509kuという愛媛県屈指の規模の都市として誕生し、愛媛県の東部地域に広がる道前平野に位置し、北は瀬戸内海の燧灘に面し、南は西日本最高峰の石鎚山を中心とする石鎚連峰を背景に高知県と接しております。

 

○ 気候は、温和な気候に恵まれ、大規模な自然災害に襲われることは、極めてまれであった当市でありますが、平成16年の9月29日から30日にかけて上陸した台風21号により、黒瀬ダムで時間雨量150mm、累積雨量442mmを記録し近年にない集中豪雨に見舞われました。その集中豪雨により、山間部を中心に大規模な土砂崩れが多発し、相次いで民家を呑み込むとともに、河川に流入した立ち木や間伐材が橋脚に詰まり川を堰き止めて、川が氾濫して道や民家、車を襲い、壊滅的な被害を与え、5名の尊い命が犠牲となりました。

 

○ 西条市民は、この未曾有の災害に屈することなく被災経験を貴重な教訓とし、「災害に強いまちづくり」に全力をあげて持続性のある防災に取り組んでいます。

 

○ 西条市の防災の柱は、

    @実践防災計画(市民が作る地域防災地図作成会など)

    A12歳教育

    B木製都市構想(災害に強い森づくり他)

    Cだんじり防災(コミュニテーネットワーク)

    D防災一般(防災訓練、防災100年史他)

 であり、平成17年度から取り組んでいます。

 

○ その中で災害に強い森づくりの調査研究について説明します。平成16年の災害の原因の一つとして放置された人工林の増加があります。間伐を推進し、災害に強い森づくりを京都大学と共同研究や指導を受けて進めております。

 

○ その一つは、現地で間伐材を加工組立し、小さい渓流に木製ダムを設置(現在16基製作)して、小さい土砂崩壊を止める調査研究をしております。

 

○ もう一つは、今後30年以内に50%の確率で起きると言われている南海地震に備えるため、間伐材を利用して耐震木製構造物を製作し、その構造の市民への周知啓発に努め、来る地震に備え、市民と協同で、災害に強いまちづくりを進めております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.第1回 重信川流域合同水防工法訓練を開催   (重信川水系 愛媛県)

 

○ 5月18日(日)に、愛媛県伊予郡松前町徳丸地先(重信川左岸6k/8付近高水敷)において、重信川流域内の国、県、市町、自主防災組織等との連携・協力の強化や、水防技術の向上を目的に、重信川・石手川水防連絡会の主催により、第1回重信川流域合同水防工法訓練を開催しました。

 

○ 訓練参加機関は、国土交通省、愛媛県、重信川流域の松山市、伊予市、東温市、松前町、砥部町の3市2町に加え、愛媛大学、各市町の自主防災組織、企業自主防災から、約500名の参加により訓練を実施しました。

 

○ 訓練では、市や町ごとのグループに分かれ、ロープワークや土のう作りの準備工、シート張り工、木流し工、月の輪工、改良積み土のう工などの対策工を実施し、防災エキスパートの指導の下、手順を確認しながら洪水への対処法を学びました。

 

○ 重信川では、従来から各市町個別で水防活動が行われていましたが、近年の我が国の災害発生傾向から水防活動がますます重要になるとともに、地域間、関係機関の連携・協力が必要となっており、来年度以降も流域内の関係機関合同での水防工法訓練を継続していきたいと考えています。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

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