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四国河川ニュース

3/15(土)〜3/21(金)》338号

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                                                                                                                        【2008.3.24発行】

 

 

                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.112○

 

   ○ 愛媛県 久米川の治水事業

     「久米川災害復旧助成事業が平成20年度に完成」  愛媛県 八幡浜地方局大洲土木事務所 水野 良介 所長

 

   ○ 「久米地区の浸水被害への取組み」         愛媛県 大洲市 大森 隆雄 市長

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況(続報16)           (四国地方整備局)

 

   ○ ゴミ捨て防止の標語表彰式及び石手川ダム水源地域ビジョンのイベントを実施  (重信川水系 愛媛県)

 

   ○ 補正した環境影響評価書を国土交通大臣に送付         (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ まるごとまちごとハザードマップ(洪水関連)標識を大洲市久米地区に設置

     〜行政と住民との連携による水防災への取り組み〜       (肱川水系 愛媛県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.112

 

1.愛媛県 久米川の治水事業

  「久米川災害復旧助成事業が平成20年度に完成」  愛媛県 八幡浜地方局大洲土木事務所 水野良介 所長

 

○ 久米川は大洲市の中心部の西に位置し、大洲市阿蔵で愛媛県下最大の河川である肱川に合流する、流路延長8.6km、流域面積32.26km2の一級河川です。

 

○ 久米川の下流部は平地が開け、浸水被害が発生しやすい地形となっている 一方、大洲市肱南浄化センター、大洲市立病院、JR西大洲駅及び久米小学校といった公共施設が存しており、特に、右岸側は近年宅地化が進んできた ため、治水安全度の向上が急務となっていました。

 

○ 平成16年には相次ぐ台風により、大洲市では甚大な浸水被害が発生しました。特に、久米川流域においては、台風16号、台風21号、台風23号と3度に渡り浸水被害を被りました。

 

○ なかでも、平成16年8月30日から31日にかけて来襲した台風16号においては、まず久米川の自己流による氾濫があり、その後、肱川本川の水位が上昇した30日深夜には肱川本川からの氾濫により床上、床下の浸水による甚大な被害が発生しました。その被害は、浸水面積102.3ha、床上浸水123棟、床下浸水82棟にも上りました。

 

○ このため、延長1,560mの区間について災害復旧助成事業の採択を受け、肱川本川の背水影響を考慮した築堤と、洪水を流下させるための断面積を確保することにより、度重なる深刻な浸水被害の軽減を図ります。

 

 

 

2.「久米地区の浸水被害への取組み」   愛媛県 大洲市 大森 隆雄 市長

 

○ 大洲市は、愛媛県の西部に位置し、伊予灘に注ぐ県下最大の「一級河川肱川」とその支川にそって、田畑や集落、市街地が形成されています。水量が豊富で流れも緩やかな肱川を利用した舟運の要衝として栄え“水郷大洲”と呼ばれています。この市街地を流れる肱川では「うかい」「花火大会」「いも たき」など様々な行事が行われ、また沿川には風光明媚な名所が点在し、明治・大正時代の面影を残す土蔵造りの町並みとともに、肱川はまさに大洲の シンボルであります。

 

○ その一方で、肱川は、河口が狭隘なうえ河川勾配も緩やかで、多くの支川 が中央部の大洲盆地に集中しているため、過去、たびたび洪水被害に悩まされてきました。そのため肱川の安全確保は、肱川と共に暮らしてきた流域住民にとっては長年の悲願であり、当市においても最重要課題であるところから、国、県におかれては、親水性や修景に配慮した河川改修に、鋭意ご努力をいただいているところであります。

 

○ しかしながら、近年の異常気象等により洪水の発生が多発し、平成16、17年と再度の被害を受けた「久米地区」は、都市的土地利用も相まって、洪水対策が緊急の課題でありました。また、当地区は、災害の頻度が高いこともあり、防災への意識が高く、住民一人一人が自立防災を自覚して「自主防災組織」を市内でも早い段階で設立されるとともに、久米川改修への要望活動を地域一体となって展開されていました。

 

○ このような背景を受けまして、国土交通省の「阿蔵地区河川改修事業」と併せて、愛媛県におかれては「久米川災害復旧助成事業」の採択をいただき、4年間という短期間で、このたび、治水安全度の向上を確保できることとなります。

 

○ 今後とも、国、県のご高配をいただきながら、「自助・共助」の精神による、地域における自主防災組織の育成強化や、企業における事業継続計画(BC P)策定の促進など、ソフト面での減災対策の推進とあわせて、ハード面では、平成16年5月に策定された「肱川水系河川整備計画」に基づき、上下 流の治水バランスを考慮した河道の整備と、全川にわたり水位低下を図ることのできる洪水調整施設(山鳥坂ダム建設、鹿野川ダム改造)の整備を推進 することにより、肱川流域全体の治水安全度の早期向上に努めてまいりたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況(続報16)     (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は昨年の8月以降少雨傾向にあり、吉野川水系銅山川で12月14日0時より取水制限が開始されました。

 

○ 取水制限が継続されている吉野川水系銅山川については、まとまった降雨がなく、貯水状況がさらに悪化していることから、2月25日(月)0時から第2次取水制限に強化されていました。

 

○ しかし、先週、まとまった降雨があり、吉野川水系銅山川の取水制限は3月22日(土)0時に解除されました。

 

○ 自主節水が継続されていた吉野川水系吉野川おいても、香川用水(上水)を除いて自主節水が解除されています。

 

○ 以上で、四国管内において取水制限を実施している地域はなくなりましたので「渇水状況の報告」は終了しますが、今後の気象状況によっては、再度、取水制限が実施される場合がありますので、日頃からの節水に御協力を御願いします。

 

 

 

4.ゴミ捨て防止の標語表彰式及び水源地域ビジョンのイベントを実施  (重信川水系 愛媛県)

 

○ 3月15日(土)に「石手川ダム水源地域ビジョン」推進委員会により、推進委員会の目的である「水源地域の自然環境の保全」、「地域における持続 的かつ発展的な交流を実現する」の一環として、「ゴミ捨て防止のための標語 入賞者表彰式」、「留学生友好の森づくり事業」及び「石手川ダム自然観察会」 を開催しました。

 

○ 「ゴミ捨て防止のための標語入賞者表彰式」については、昨年9月に水源地域の全世帯(約400世帯)と石手川ダム周辺の小中学校(約1,000名)に標語を募集したところ、262作品もの応募があり、石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会による審査の結果、26作品が入賞となりました。入賞作品は啓発用看板に採用させて頂き、看板設置式と併せて入賞者の表彰式を行いました。

 

○ また、石手川ダム上流域では、放置竹林の拡大や森林の荒廃により、自然の多様性が乏しくなってきていることから、「留学生友好の森づくり事業」を 実施しました。留学生、小中学生等約60名の参加があり、留学生にダム上流域の自然環境を知ってもらうだけでなく、普段なかなか交流の図れないダム上流域の小中学生と一緒になって手を取り合い、汗を流して植樹を行うことにより、自然環境の育成と国境を越えた交流が図られました。

 

○ 「自然観察会」には、小中学生及び保護者約30名の参加があり、オシドリなどの野鳥や、木々の冬芽、冬場の虫などの観察を行い、その後、東雲女 子大学の石川和男教授による講義を行いました。「自然観察会」により、自然に関する知識を習得すると共に、ダム周辺の自然の豊かさや、自然の大切さ を学んでもらえたと思います。

 

○ 表彰式及びイベントは盛況のうちに終わりました。今後もこのようなイベントだけではなく、様々な取り組みや呼びかけを通じて、水資源や水源地域の重要性、交流による地域活性化の必要性について、理解を広めていきたいと思います。

 

 

 

5.補正した環境影響評価書を国土交通大臣に送付   (肱川水系 愛媛県)

 

○ 山鳥坂ダム工事事務所では、山鳥坂ダム建設に伴う環境影響評価の手続きを実施しております。昨年11月に環境影響評価書を国土交通大臣に送付しておりましたが、本年1月21日には評価書に対する環境大臣の意見が、2月25日にはそれを踏まえた国土交通大臣の意見が出されていました。

 

○ 今般、国土交通大臣意見を踏まえて評価書を補正し、3月17日(月)に国土交通大臣および愛媛県知事等に送付しました。3月31日より、補正した評価書を公告縦覧する予定(1ヶ月間)であり、環境影響評価法に基づく一連の手続きは終了することになります。

 

○ 主な補正の内容としては、猛禽類のクマタカやサシバ、高知県の県鳥ともなっているヤイロチョウを手続き終了後も調査し、必要に応じて環境保全措 置を講じることとしているほか、実効可能な範囲で新技術を取り入れ、環境影響の一層の低減を図ることとしています。

 

○ 今後、環境影響評価書に位置付けた多様な環境保全措置等を確実に実施していくことにより、環境面に配慮したダム事業の推進に努めていきたいと考えております。

 

 

 

6.まるごとまちごとハザードマップ(洪水関連)標識を大洲市久米地区に設置

  〜行政と住民との連携による水防災への取り組み〜  (肱川水系 愛媛県)

 

○ 3月19日(水)に、国土交通省大洲河川国道事務所と大洲市が連携して進めていた「まるごとまちごとハザードマップ」について、大洲市久米地区自主防災組織の協力を得て、電柱7カ所に標識12枚を設置しました。これは四国地方では初めての試みです。

 

○ 今回の試みは、洪水ハザードマップの更なる普及浸透及び、危機意識の醸成と洪水時避難箇所等の認識度の向上を目的としています。

 

○ 表示内容は、実績浸水深とし、地元住民の方々に自主防災組織と協働で、聞き込みを含む現地調査を行った結果を用いました。

 

○ 対象洪水は、近年、久米地区での浸水被害が大きかった平成16年台風1 6号を対象としています。地盤からの浸水深は、1.6m〜3.0mとなり、 かなりの被害であったことがわかりました。

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原)mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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