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四国河川ニュース

3/1(土)〜3/7(金)》336号

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                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.110○

 

   ○ 香川県 落合川(観音寺市)の砂防事業

     「災害関連緊急砂防事業及び砂防激甚災害対策特別緊急事業」  香川県 西讃土木事務所 角崎 巧 所長

 

   ○ 〜災害に備え日々の心がけを〜          香川県 観音寺市 白川 晴司 市長

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報14)       (四国地方整備局)

 

   ○ 「平成19年度那賀川河川・渓流環境アドバイザー連絡会議」を開催  (那賀川水系 徳島県)

 

   ○ 四万十川のヤナギ林で清掃を実施               (渡川水系 高知県)

 

   ○ 平成19年度 第5回吉野川現地(フィールド)講座「四国のみずべ八十八カ所・吉野川歴史探訪」バスツアーを開催  (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 平成19年度四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会を開催 (四国地方整備局)

 

   ○ 「ゆきかう那賀川推進会議」の開催             (那賀川水系 徳島県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.110

 

1.香川県 落合川(観音寺市)の砂防事業

 「災害関連緊急砂防事業及び砂防激甚災害対策特別緊急事業」  (香川県 西讃土木事務所 角崎 巧 所長)

 

<落合川の被災>

 

○ 平成16年8月17日、台風15号の接近に伴う非常に激しい雨の影響(最大時間雨量54mm)で 、観音寺市大野原町の五郷有木では、落合川やその 他の渓流で土石流が発生し、家屋の全壊2棟、半壊3棟、死者2名、負傷者2名という大きな被害が発生しました。

 

<事業概要>

 

○ 平成16年度災害関連緊急砂防事業でえん堤工を1基、平成18年度砂防激甚災害対策特別緊急事業で渓流保全工を整備しました。これらハード整備以外に土砂災害警戒区域を県内で2番目に指定するなど、ソフト対策にも積極的に取り組んでいます。また、香川県ホームページに土砂災害危険箇所図、土砂災害警戒区域、砂防情報システム等を掲載し、多くの県民が土砂災害に関する情報を得られるようにしました。

 

<工事期間中の出来事>

 

○ 当該事業箇所は砂岩・泥岩互層の流れ盤となっており、施工中に大小4回の法面崩壊が発生しました。そのため、切土法面をモルタル吹付やロックボルトで補強し、施工中の事故防止に努めました。

 

○ それら追加工事の関係で工程の遅延が予想されたため、その対策としてコンクリート打設能力の高いコンクリートポンプ車を併用し、えん堤の打設日数を短縮することで工程の遅延を回避しました。

 

○ また、現況渓床には、まだ大量の不安定土砂が堆積したままになっており、中小出水でも容易に土石流が再発生する恐れがあったため、掘削時に再度災害が起こらないよう、細心の注意を払いながら実施しました。

 

○ その他、幅員狭小の地元生活道路を工事用道路として使用する必要があったため、工事用車両については道路を一方通行にし、少しでも地元関係者に迷惑がかからないようにしました。

 

<おわりに>

 

○ 今でも落合川に行くことがありますが、完成した砂防えん堤を見ると安心します。しかし、自然の脅威から完全に脱したわけではありません。自然災害は防ぎきれるものではありませんが、この教訓を生かし、少しでも被害が軽減できるよう避難訓練や日頃からの備えなど、個人個人の努力や地域の連携も必要であると考えています。

 

 

 

2.〜災害に備え日々の心がけを〜    (香川県 観音寺市 白川 晴司 市長)

 

  「音を観る 寺を観る 夕日を観る そして銭形の町」 観音寺

 

○ 本市は、平成17年10月に隣接の旧大野原町・旧豊浜町と合併し、人口約6万5千人・総面積117.46km2の新観音寺市が誕生しました。

 

○ 香川県の西南部に位置し、徳島県・愛媛県に接するほか高知県にも近く、地域の特性を生かした産業の活性化を図るため、工業や観光の導入を推進しながら 、農林水産業及び商業などを含め、調和のとれたまちづくりに努めています。

 

○ 市のシンボルは、銭形・砂絵の「寛永通宝」で寛永10年(1633年)に造られ、この銭形を見た人は“健康で長生きし、お金にも困らない”と言い伝えられています。この外、四国霊場唯一の珍しい1寺2霊場の68番札所・神恵院、69番・観音寺をはじめ、日本最古の石積式マルチアーチダムの豊稔池、総台数120台を誇る太鼓台等の観光資源があります。

 

○ さて、平成16年の度重なる台風による集中豪雨により土石流が発生し、各所で甚大な被害をもたらせました。なかでも大野原町五郷地区は山間部で急傾斜地が多く、いたるところで土砂災害が数多く発生しました。

 

○ 特に落合川では、台風15号による集中豪雨により土石流が発生、二級河川前田川に流入し落合自治会館が河川の氾濫により土石流に呑まれ、濁流が自主避難していた4人を押し流し、うち2人の尊い生命が失われました。

 

○ こうした貴重な体験をもとに、本市では16年災害のような人的被害を防止するため、緊急避難箇所等を記載した防災マップを19年度で作成し、本年3月に全戸配布することにしております。

 

○ また、合併により3波あった防災無線を1波に統合し、防災行政無線の整備を図るなど計画的に予防及び整備を図るとともに、今後は、河川の護岸改修や老朽化したため池改修などに取り組んでいく予定であります。一方、各自治会においても16年の災害後、46地区で自主防災組織が結成されるなど市民の災害に対する意識に変化が起ってまいりました。

 

○ 被災現場の復旧につきましては、地元の強い要望を受け国・県のご尽力ご努力により災害関連緊急砂防事業として整備して頂いた安心感から、地元民は大変喜んでおられます。

 

○ 自然災害は待ってくれません。発生時の犠牲をなるべく少なくしようとする気持ちを誰もが持ち、いざというとき各人が何をすべきか、そして何が出来るのかということを日々心がけておくことが大切ではないでしょうか。自助、共助、公助の実効性のある対応こそ危機管理の大原則であると信じるものであります。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報14)  (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は昨年の8月以降少雨傾向にあり、吉野川水系銅山川で12月14日0時より取水制限が開始されました。

 

○ 取水制限が継続されている吉野川水系銅山川については、まとまった降雨がなく、貯水状況がさらに悪化していることから、2月25日(月)0時から第2次取水制限に強化されています。

 

○ 3月10日(月)現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(3月10日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率52.9%(平年値70.8%)

   ・支部等の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:12月12日16時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:12月14日0時〜

         工水20.0%

      二次取水制限: 2月25日0時〜

         工水30.0%、上水5%

 

○ 吉野川水系銅山川以外でも、鏡川水系鏡川、吉野川水系吉野川で自主節水が開始されるなど、平年よりも厳しい状況の河川もありますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.「平成19年度那賀川河川・渓流環境アドバイザー連絡会議」を開催  (那賀川水系 徳島県)

 

○ 2月29日(金)に、阿南市内において、平成19年度那賀川河川・渓流環境アドバイザー連絡会議を開催しました。

 

○ 河川・渓流環境アドバイザー(アイウエオ順)

    池田 早苗  徳島大学名誉教授

    大野 正夫  高知大学名誉教授 (欠席)

    木下  覚   徳島県植物研究会会長

    小林  實   徳島市教育委員会元教育長

    酒井 勝司  四国大学生活科学部元教授

    佐藤 陽一  徳島県立博物館自然課長

    徳山  豊   吉野川市立川島中学校校長 (欠席)

    永井 洋三  徳島県立農業試験場元場長

    西尾 幸朗  四国大学短期大学部教授

    端野 道夫  徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授 (欠席)

    三井  宏   徳島大学名誉教授

    村上 仁士  徳島大学名誉教授

    森本 康滋  徳島自然保護協会会長

 

○ 会議の内容

    ・H17、18河川水辺の国勢調査(植物、魚類)結果報告について

    ・H19河川水辺の国勢調査(底生動物)中間報告について

    ・長安口ダム河川水辺の国勢調査(ダム湖版)について

    ・那賀川水系河川整備計画の策定及びH20事業概要について

    ・現地見学会

 

○ 会議での主な意見

    ・那賀川、桑野川で見つかった貴重種のモニタリングが大事である。

    ・外来種の拡大が懸念される。

    ・長安口ダムでは、調査時期、調査範囲などに留意するべきである。

    ・調査回数を減らしてでも、箇所数を多くするべきである。

 

○ 頂いた先生方の意見を尊重し、今後も各先生方のご指導を頂きながら事業を推進していきたいと考えております。

 

 

 

5.四万十川のヤナギ林で清掃を実施         (渡川水系 高知県)

 

○ 3月1日(土)の午前中に、地元・入田地区の住民の皆さん約30名と中村河川国道事務所後川出張所の職員で、四万十川河川敷にあるヤナギ林内の清掃を行いました。

 

○ 高知県では現在、3月1日より「花・人・土佐であい博」が開催されており、県内で様々なイベントが開催・計画されています。当地区では3月22日、23日に“菜の花接待所”が設けられ、地域物産の販売、自然観察会、春の野草試食会など、多彩な行事が行われます。今回の清掃は、その準備として行ったものです。

 

○ 当日は晴天でしたが、強い寒風の吹く中で、昨年の洪水によるヤナギの木に引っ掛かったゴミや、折れた枝等を取り除きました。約3時間にわたる作業で、ヤナギ林は見違えるようになり、大勢のお客さんを迎える舞台の準備が整いました。

 

 

 

6.平成19年度 第5回吉野川現地(フィールド)講座「四国のみずべ八十八カ所・吉野川歴史探訪」バスツアーを開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 3月2日(日)、平成19年度 第5回吉野川現地(フィールド)講座「四国のみずべ八十八カ所・吉野川歴史探訪」バスツアーを開催しました。

 

○ 今回は、四国地方において21世紀に伝えたい、地域が誇れる水辺(みずべ)空間の保全、創出をテーマとして選定された「四国のみずべ八十八カ所」 と、過去から未来につなげる吉野川の歴史・文化等についての知識を深め、吉野川に親しみ、郷土徳島の良さを再発見していただくための「吉野川歴史探訪」を組み合わせたバスツアーとしました。

 

○ 今回の行き先としては、「四国のみずべ八十八カ所」に選定されている「穴吹川」(美馬市穴吹町)、「善入寺島周辺のみずべ」(吉野川市川島町)と「吉 野川歴史探訪」として吉野川の川中島であった「舞中島」(美馬市穴吹町)の歴史施設としました。

 

○ バスツアーについては、一般公募を行い(応募総数135組190名)、抽選で選ばれた38名が参加しました。当日は、午前中に穴吹川を見学、道の駅「藍らんどうだつ」で昼食・休憩をとり、午後からは「舞中島」、「善入寺島周辺のみずべ」を見学しました。

 

○ 四国の一級河川で水質ランキング1位を誇る「穴吹川」では参加者に簡易 水質調査(PH、COD)を体験してもらいました。また、小冊子「歩いてなんぼじゃわ〜」に掲載されている遊歩道をみんなで散策し、山の木々と水辺がおりなす「癒しの空間」を味わってもらいました。

 

○ 「舞中島」においては、地元の方に舞中島の歴史等について説明を受け、堤防締切場所、明連川、光泉寺、アインシュタイン友情の碑、城構えの家などを見学しました。

 

○ 「善入寺島周辺のみずべ」では、「岩の鼻」という展望台から吉野川や善入寺島を眺め、「吉野川渡し研究会」の方から川島の歴史や吉野川の渡しについて説明をしてもらいながら、川島の渡し跡などを見学しました。

 

○ 参加者は、「穴吹川の美しさに感動した」「大変勉強になった」など、みずべの良さを知ってもらうことができ、有意義なバスツアーにすることが出来ました。

 

 

 

7.平成19年度四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会を開催 (四国地方整備局)

 

○ 平成20年3月3日(月)に、高松サンポート合同庁舎において、平成19年度四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会を開催しました。

 

   委員長  松田宗明(愛媛大学農学部助手)

   委 員  正月吏一(愛媛県立衛生環境研究所環境科学室係長)

 

○ ダイオキシン類調査は、平成11年度から実施されており、平成16年度までの6年間における精度管理は本省が設置した「ダイオキシン類精度管理委員会」で行われていました。

 

○ しかし、平成17年度からは精度管理を含めた調査結果の確定までの全ての作業を各地方整備局で実施することとなったため、平成17年10月に「四国地方整備局ダイオキシン類精度管理委員会」を設置し、平成17年度からは調査結果の確定作業を本委員会で行っています。

 

○ 会議では、事務局より四国地方の一級河川における平成19年度の調査概要及び調査結果、各分析機関の精度管理方法などについて報告した後、審議頂き、今後の調査・分析における課題、注意点などの指摘事項がありましたが、今年度の調査結果が確定しました。

 

○ 3月17日に本省での「ダイオキシン類精度管理委員会」が予定されており、今回の委員会での結果を報告します。

 

 

 

8.「ゆきかう那賀川推進会議」の開催       (那賀川水系 徳島県)

 

○ 3月3日(月)に、那賀町の相生ふるさと交流館において、第一回「ゆきかう那賀川推進会議」が開催されました。この会議は、那賀川流域における関係者が集まり、流域内の交流・連携に関して、情報共有、意見交換、企画、相互協力等を行い、流域の振興を図ることを目的としています。

 

○ 推進会議委員

    湯城 豊勝  阿南工業高等専門学校教授

    福住 安雄  那賀川センチュリーラン副会長

    橋本 延子  女性林業研究グループ「那賀川こまち」会長 (欠席)

    岩浅 嘉仁  阿南市長

    坂口 博文  那賀町長

    美馬  茂   徳島県南部総合県民局長

    大村  正    徳島県理事

    小池  剛   四国地方整備局河川部長

    小野 重充  四国地方整備局那賀川河川事務所長

 

○ 今回は初めての会議でもあることから、各委員から、那賀川流域について日頃考えていること、それぞれの機関・団体での活動について、お話をして いただき意見交換を行いました。

 

○ 委員からは、「那賀川の日」の策定や、上下流の交流・人の行き来を活発にするようなイベントの実施について提案がありました。また、平成19年6月に策定された「那賀川水系河川整備計画」の実施を視野に入れ、那賀川流域がより発展していくような方向に向かうことを確認し合いました。

 

○ 今後は、流域内交流の活性化に向けて、具体的なイベントを実施すると共に、会議を重ねていきます。

 

○ また、那賀川河川事務所としても、「那賀川水系河川整備計画」の実施や、広報誌「那賀川倶楽部」において流域内の交流を取り上げる事等を通して那賀川流域の振興に向けて微力ではありますが力を注いでいきます。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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