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四国河川ニュース

2/16(土)〜2/22(金)》334号

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                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.108○

 

   ○ 「復興された山村の暮らし」〜那賀町白石地区〜    徳島県 砂防課長 森 英俊

 

   ○ 〜砂防事業の重要性と更なる推進を〜       徳島県 那賀町長  坂口 博文

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報12)       (四国地方整備局)

 

   ○ 肱川(上老松地区)において合同起工式を挙行         (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 山鳥坂ダム建設事業に係る付替県道の用地幅杭設置を開始    (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 「遠隔操縦式建設機械の運転講習会」を開催               (香川県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.108

 

1.「復興された山村の暮らし」〜那賀町白石地区〜 (徳島県 砂防課 森 英俊 課長)

 

<シバ谷川砂防えん堤の概要>

 

○ 平成16年8月の台風10号の影響により,那賀町白石地区では集落の中央を流れるフロン谷において土石流が発生し家屋全壊5戸、半壊4戸等の甚大な被害を受け,34世帯120人が仮設住宅等への避難を余儀無くされました。

 

○ 土石流発生源上流には、変動中の地すべり性地塊(不安定土塊)が残されており、今後の異常気象次第では、この不安定土塊が土石流化し、下方集落にさらなる被害をもたらす可能性があるため、平成16年度に災害関連緊急砂防事業、平成17〜19年度には砂防激甚災害対策特別緊急事業により不 安定土塊の排土工や斜面対策を行ってきました。

 

○ また、避難の必要性の有無、那賀町が執る警戒避難体制及び徳島県が行う土砂災害対策について助言をいただくため、「白石地区土砂災害対策検討委員会」を設置し、現状及び対策工の進捗に合わせて安全性の検証を重ねてきました。

 

○ 工事の進捗状況は、平成18年8月末に避難勧告解除までの応急対策が完了し、平成19年度末には恒久対策工事が概ね完了します。

 

○ 現在白石地区では仮設住宅に緊急避難していた住民が住み慣れた集落に戻り、被災前の穏やかな様子を取り戻しつつあります。また、地域住民は、自衛意識及び隣保協同の精神向上により、この災害以降に自主防災組織が結成され、地域が一体となり防災体制の確立に努めています。

 

○ 本県においては、今世紀前半にも東南海・南海地震の発生が懸念されており、これまでにもまして防災対策に取り組んでいかなければなりません。ハード対策のみならずソフト対策を両立させ、万が一の災害に備え地域住民の方々と連携し、地域防災力の向上に努めていきたいと思います。

 

 

 

2.〜砂防事業の重要性と更なる推進を〜  (徳島県 那賀町 坂口 博文 町長)

 

○ 合併を間近に控えた平成16年8月の台風10号は、旧上那賀町、旧木沢村に多大な被害をもたらしました。特に、大用知地区、阿津江地区、白石地区では、土石流により集落の中心部を削り落としたような状況であり、自然の猛威を見せつけたものでありました。

 

○ 平成17年3月に丹生谷地域と呼ばれる那賀川の上流域の5か町村が合併して、総面積695km2の那賀町が誕生しました。地域の北西部には四国山地、南部には海部山脈などを配しており、標高1,000m以上の山々に囲まれ、地域の9割以上が森林の中山間地域であります。

 

○ 白石地区では家屋流出等の被害はありましたが、集落全体で声を掛け合って市宇公民館に避難していたことにより人的被害がなかったことが、不幸中の幸いでありました。しかし、大用知地区では2名の尊い人命が奪われ、阿津江地区では、今なお崩壊の危険があります。

 

○ 高齢化が進み限界集落と呼ばれるところだからこそ、日頃から集落全体で支え合う気持ちを大切にしてきた結果であったと思います。今なお台風の時には、不安をすべて払拭できたわけではありませんが、県や国においては、災害復旧事業のみでなく関連事業についても採択を頂き、総合的に地区の復 旧にご尽力いただきましたことに、心よりお礼申し上げますと共に、今後においても危険地域の災害防除のために砂防事業の推進をしていただき災害に 強い地域づくりに関係各位の更なるご尽力をお願い申し上げます。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報12)  (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は昨年の8月以降少雨傾向にあり、平成19年11月19日(月)に高知県の仁淀川が取水制限に入りました。その後もまとまった降雨がないため、吉野川水系銅山川でも12月14日0時より取水制限が開始され、さらに鏡川も12月14日15時より取水制限が開始されました。

 

○ 四国地方整備局は、高知河川国道事務所・大渡ダム管理所の渇水対策支部設置(仁淀川の取水制限)、吉野川ダム統合管理事務所の渇水対策支部設置(吉野川水系銅山川の取水制限)を受けて、平成19年12月12日に渇水対策本部を設置しました。

 

○ 12月の下旬から平年値を超える降雨があり、各ダムの貯水率は徐々に回復し、仁淀川では、1月15日10時に取水制限が解除され、鏡川においても1月11日17時より取水制限が自主節水に緩和され、さらに1月21日11時に自主節水も解除されました。

 

○ 四国地方整備局においても、心配されていた吉野川水系の各ダムの貯水率が回復傾向にあることから、2月5日(水)16時に、渇水対策本部を解散しました。

 

○ しかし、取水制限が継続されている吉野川水系銅山川については、まとまった降雨がなく、貯水状況さらに悪化していることから、2月25日(月)0時から第2次取水制限に強化されています。

 

○ 2月25日(月)現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(2月25日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率50.9%(平年値68.3%)

   ・支部等の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:12月12日16時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:12月14日0時〜

         工水20.0%

      二次取水制限: 2月25日0時〜

         工水30.0%、上水5%

 

○ 吉野川水系銅山川以外でも、鏡川水系鏡川、吉野川水系吉野川で自主節水が開始されるなど、平年よりも厳しい状況の河川もありますので、日頃から の節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.肱川(上老松地区)において合同起工式を挙行   (肱川水系 愛媛県)

 

○ 国土交通省による大和(上老松)地区土地利用一体型水防災事業と、愛媛 県による主要地方道大洲長浜線改良事業及び、大洲市による上老松土地区画 整理事業の起工式を2月17日(日)に地元の大和小学校にて挙行しました。

 

○ 当事業は国、県による合併事業にて築堤、宅地嵩上げおよび県道改良を880mにわたって実施するとともに、市の土地区画整理事業と連携し約3. 8haの宅地整備を行うもので、平成19年度〜26年度の8カ年の予定です。

 

○ 当日は山本国土交通大臣政務官、加戸愛媛県知事および大森大洲市長をはじめ、関係者や地権者など約100人が出席し、式辞や工事概要説明、及び地元小学生も参加した初鍬により事業の無事完成を祈念しました。最後に風船上げを行い、起工を祝いました。

 

 

 

5.山鳥坂ダム建設事業に係る付替県道の用地幅杭設置を開始  (肱川水系 愛媛県)

 

○ 山鳥坂ダム建設事業に係る付替県道「主要地方道小田・河辺・大洲線」のうち、上流の岩谷地域の用地幅杭設置を2月20日(水)から開始しました。 作業は3月上旬までの予定です。

 

○ 付替県道計画は全長約6.5kmで、愛媛県の改良と併せて幅員7.0mの二車線道路となるものです。

 

○ 付替県道6.5kmのうち上流側岩谷地域の約2.9kmについて、昨年 夏から関係協議会・関係地区・地権者に対し設計説明等を実施してきましたが 、今年の2月初めに全体の了承が得られ用地幅杭設置の運びとなったもの です。

 

○ 残りの下流側約3.6kmについても、現在関係地区や地権者に対し設計説明を実施しており、了解が得られ次第、用地幅杭設置に着手する予定です。

 

○ 用地幅杭設置が終了すれば、引き続いて用地測量を来年度にかけて実施し、補償基準提示に向けての作業が本格化することになります。

 

 

 

6.「遠隔操縦式建設機械の運転講習会」を開催         (香川県)

 

○ 四国技術事務所において、2月20(水)〜22日(金)の3日間において、「遠隔操縦式建設機械の運転講習会」を開催いたしました。

 

○ 近年は大規模災害が多く発生しており、迅速な復旧作業が望まれ、二次災害防止の観点からも、遠隔操縦式建設機械の重要性がクローズアップされています。

 

○ 遠隔操縦式建設機械は、オペレータの安全性を確保できますが、操作に当たっては、独特の操作感覚に慣れることが必要です。そこで、「遠隔操縦式バックホウ」を用いて、遠隔操縦を行うことが出来るオペレータを養成し、緊急時に迅速に運用できる体制を整えるために、平成18年度から、講習会を実施しています。

 

○ 本講習は、日頃から建設現場において、重機オペレータとして働いている方を対象に行い、受講者には、「講習修了証」が交付され、遠隔操縦可能なオペレータとして講習修了者名簿に登録されます。

 

○ 今回は、香川、徳島地区の建設業者のオペレータ外15名が参加して、四国技術事務所の遠隔操縦式バックホウを用いて、ラジコン操作による走行・掘削・積込などを行いました。参加者には、遠隔の操作感覚、距離感を体感することで、遠隔操縦の技能を習得していただきました。

 

○ 当日は、NHK、毎日新聞等から取材があり、講習会の模様は午後のニュース(4回)で放送されるなど、地域住民の方にも、遠隔操縦式建設機械の災害時における必要性をPRすることが出来ました。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

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         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

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