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四国河川ニュース

1/26(土)〜2/1(金)》331号

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                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.106○

 

   ○ 「モネの庭」のある村           高知県 北川村 大寺 正芳 村長

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報9)        (四国地方整備局)

 

   ○ 四国東南海・南海地震対策連絡調整会議による広域合同演習を実施 (四国地方整備局)

 

   ○ 桑野川で長生小学校児童による記念植樹を開催        (那賀川水系 徳島県)

 

   ○ 四国河川技術伝承会(吉野川ダム統合管理事務所)を開催   (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 「水・交流サミットin四国」を開催               (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.106

 

1.「モネの庭」のある村         (高知県 北川村 大寺 正芳 村長)

 

○ 北川村は、高知県東部に位置し、東西18km、南北42kmと南北に細長く、村の中央を奈半利川が流れる、総面積196.18km2、面積の約95%を森林が占める山村で、主な産業は、施設園芸、米、ゆず栽培や林業など一次産業が中心の村です。

 

○ 北川村は、江戸時代末期の激動期に坂本龍馬とともに活躍した中岡慎太郎先生を輩出しており、生誕地である柏木地区には、先生の功績を称え、関係資料を保存・展示した中岡慎太郎館や復元された生家があります。村の特産品となっている「ゆず」は、中岡先生が栽培を奨励したとされております。

 

○ また、村の中部には純アルカリ泉の北川村温泉があり、最近発行された旅行雑誌のアンケート調査で、「お湯の質」と「貸切風呂」の部門で、県内一位の評価をいただいたところです。

 

○ さらに、平成12年4月に開園した「北川村モネの庭マルモッタン」は、フランスの有名な画家であるクロード・モネの自宅の庭を再現し、フランスの庭以外では、世界で唯一“モネの庭”という名称を頂いており、本年1月には来園者が94万人を突破しております。

 

○ 本年3月から高知県内で開催される「花・人・土佐であい博」とも連携し、交流人口拡大に向け、新たな魅力を創出するため、園内の一部を“光の庭”として整備を進め、3月1日にオープンさせる予定です。庭の維持管理のアドバイスをお願いしているフランスのモネの庭の管理責任者からも“年を経るごとにその趣は増している”との評価を頂いております。

 

○ 北川村の中央を流れる奈半利川は、四国山地に源を発し、切り立った地形の中で急流を形成しながら土佐湾に流れ出ており、住民はその本支流沿いに集落を作り、鮎・うなぎなど豊富な種類の川の恵みを、独特の漁法(金突き・火振り漁)を用いて捕らえ、生活の糧としてきました。

 

○ 奈半利川は、温暖で降雨量が多い地理的条件や急流であることが注目され、昭和30年代には高度成長を支える国策として電源開発事業が開始され、流域には3つのダムと発電所が建設されました。電力供給に大きな貢献をする一方、ダム建設により下流域では、流水が激減し減水区間の出現、それに伴う魚種の減少や絶滅種も出てきたほか、独特の漁法も衰退の一途をたどっている状況です。山地の荒廃は、雨のたびに泥流となりダム湖に注ぎ、発電後そのまま放流されており、ダム建設前は清流として名高かった奈半利川も長期にわたる濁水が深刻な問題となっています。

 

○ 流域町村をはじめ関係機関が一緒になって、濁水問題の改善に向けて検討を鋭意行っております。

 

○ 私たちの大切な財産である奈半利川の清流を取り戻すことができるよう、最大限の取り組みを進めていきたいと考えております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報9)  (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は昨年の8月以降少雨傾向にあり、平成19年11月19日(月)に高知県の仁淀川が取水制限に入りました。その後もまとまった降雨がないため、自主節水を継続していた吉野川水系銅山川でも12月14日0時より取水制限が開始され、さらに鏡川も12月14日15時より取水制限が開始されました。

 

○ 四国地方整備局は、高知河川国道事務所・大渡ダム管理所の渇水対策支部 設置(仁淀川の取水制限)、吉野川ダム統合管理事務所の渇水対策支部設置(吉野川水系銅山川の取水制限)を受けて、平成19年12月12日に渇水対策 本部を設置しました。

 

○ 12月の下旬から平年値を超える降雨があり、各ダムの貯水率は若干回復しており、仁淀川では1月8日21時より取水制限の緩和が行われ、1月15日10時に取水制限が解除されました。

  また、鏡川においても1月11日17時より取水制限が自主節水に緩和され、1月21日11時に自主節水が解除されています。

 

○ 四国地方整備局は、仁淀川の取水制限は解除されましたが、吉野川水系全体が依然として厳しい状況にあるため、渇水対策本部を継続して設置しています。

 

○ 2月4日(月)現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(2月4日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率60.0%(平年値76.5%)

   ・支部等の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:12月12日16時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:12月14日0時〜

         工水20.0%

 

○ 吉野川水系銅山川では引き続き取水制限が行われており、吉野川水系吉野川では自主節水が実施されていますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

3.四国東南海・南海地震対策連絡調整会議による広域合同演習を実施(四国地方整備局)

 

○ 高松サンポート合同庁舎13階の災害対策室において、1月29日(火)に航空機による迅速かつ効率的な情報収集の実効性と今後の課題の共通認識を図ることを目的として、四国東南海・南海地震対策連絡調整会議(以下、調整会議)による実働を伴う広域合同演習を実施しました。

 

○ 参加した機関は、調整会議の21機関及びオブザーバーの7機関で、災害対策室においては、各機関の部長クラスである専門部会員、リエゾン等の93名、これ以外にも各機関の災害対策本部、航空機が参加しました。

 

○ 広域合同演習の内容

 

  ■事前準備

    演習に際して、事前に情報集約、配信ネットワークの確立、テレビ会議等の一部仮設置を実施。

 

  ■ヘリによる映像集約

    四国地方整備局「愛らんど号」、徳島県消防ヘリ「うずしお」、香川県消防ヘリ「オリーブ」の実飛行による空からの映像収集に加えて、第五管区、第六管区海上保安本部、陸上自衛隊及び高知県からのVTRによる映像を各災害対策本部から四国地方整備局災害対策室へ集約。

 

  ■情報配信、整理

    整備局災害対策室に集まった映像情報を動画、静止画、連続写真等の状態で配信するとともに、デジタル地図を用いた「災害情報地図掲示板」に一括表示し、Webで各機関で閲覧。

 

 

 

4.桑野川で長生小学校児童による記念植樹を開催  (那賀川水系 徳島県)

 

○ 那賀川河川事務所では、1月30日(水)に現在建設中の大津田排水ポンプ場において、阿南市立長生小学校の4年生24名による記念植樹を行いました。11月の教室での出前講座、12月の現場見学に引き続き、今度は自分たちの手で工事現場に植樹をすることで、「桑野川床上浸水対策特別緊急事 業」をより理解してもらおうという目的で実施したものです。

 

○ 当日は、徳島県自然保護協会の会長である森本康滋氏の指導のもと、学校の教室で植樹の目的について学んだ後、現場にて植樹の方法や木の種類について説明を受けました。前日までの雨の影響が心配されましたが、現場担当者らの影の努力に支えられ、小学生の笑顔と喜ぶ姿、そして一生懸命に土を掘って苗を植える様子を見ることができました。

 

○ 今回は、地元の木々を使うとともにクワガタやカブトムシがいる林となるようなクヌギやコナラを混ぜた植生としています。児童たちがお父さん・お母さんになる頃には、彼等が植えた小さな木の苗たちが育ち、クワガタが住むような林になっていることでしょう。木々の生長を通して、次の世代に「桑野川を大事にする気持ち」が伝わっていくことを願っています。

 

 

 

5.四国河川技術伝承会(吉野川ダム統合管理事務所)を開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 1月30日(水)に吉野川ダム統合管理事務所において、先輩諸兄が長年の業務の中で培ってきた貴重な知識経験等を職員に伝承していただく場として、「四国河川技術伝承会」を開催しました。

 

○ 会議では、伝承者4名(裏戸勉氏、高倉謙治氏、公文洽夫氏、辻美喜雄氏)の紹介後、事務所から吉野川ダム群の操作状況等についての事例紹介を行い、続いて裏戸勉氏から洪水時のダム操作(昭和50年、51年の早明浦ダムの洪水調節、VR法の紹介)についてご講演を頂きました。

 

○ その後、ダム管理に関する意見交換の中で高倉謙治氏、公文洽夫氏、辻美喜雄氏から早明浦ダムの昭和50年、51年の出水時の対応、濁水問題、富郷ダム運用開始直後の洪水時連携操作等について貴重な体験談等を話していただき、事前に各ダムの事務所等から頂いたアンケートも含めて活発な意見交換を行いました。

 

○ 今回は、ダム管理に関する伝承会のため、各ダム事務所からも職員の参加を頂きました。

 

○ 伝承者からの意見・体験談を参考にして、今後のダム管理に役立てていきたいと考えています。

 

 

 

6.「水・交流サミットin四国」を開催         (四国地方整備局)

 

○ 1月31日(木)に、四国中央市において「水・交流サミットin四国」を開催しました。

 

○ 「水・交流サミット」は、ダム管理者とダム所在市町村長や流域市町村長との意見交換会を行い、全国の管理中のダムにおける様々な課題や要望を把握し、今後の水源地域対策やダム周辺環境の改善のための施策に繋げていくために平成16年より開催されているもので、今回が8回目となります。四国で開催されるのは今回が初めてです。

 

○ 意見交換会「水・交流サミットin四国」の出席者は以下の通り。

 

   ダム所在地首長

    俵 徹太郎 三好市長  (池田ダム所在市長)

    坂口 博文 那賀町長  (長安口ダム所在町長)

    伊原  巧 四国中央市長(銅山3ダム所在市長)

    三好 幹二 西予市長  (野村ダム所在市長)

    西村 卓士 土佐町長  (早明浦ダム所在町長)

    合田 司郎 大川村長  (    〃    )

    塩田  始 いの町長  (    〃    )

    藤崎富士登 仁淀川町長 (大渡ダム所在町長)

    久保 知章 三原村長  (中筋川ダム所在村長)

 

   ダム管理者

    国土交通省 河川局 河川環境課 土居 邦弘 流水管理室長

    四国地方整備局 河川部 小池 剛 河川部長

       〃     〃  五藤 隆彦 河川情報管理官

    水資源機構 吉野川局 杉村 淑人 局長

      〃    〃   舟橋 弘師 施設管理課長

 

○ 今回は、「水源地域における地域活性化の現状と課題について」と「ダム及びダム湖の観光資源としての活用について」の2議題について、意見交換を行いましたが、首長より様々な意見・要望・提案が出されました。

 

○ 今回の会議を契機として、四国内の各ダム水源地域の自治体間の連携が高まり、地域活性化の取り組みや各種情報の共有化が図れることを期待したいと思います。

  また、ダム管理者としても、あらためて水源地域における課題・問題の多さを痛感しており、より良い水源地域が築けるように努力していたいと考えています。

 

○ 最後に、各首長におかれましたは、年度末のお忙しい中、「水・交流サミット」にご参加いただき、貴重なご意見等を頂きまして有り難うございました。この場をお借りして、御礼申し上げます。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

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