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四国河川ニュース

1/5(土)〜1/11(金)》328号

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                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.103○

 

   ○ 香川県 桜川水系 総合流域防災事業 桜川改修工事  香川県 中讃土木事務所 竹地 保 所長 

 

   ○ 『よみがえる桜川』                香川県 多度津町 小國 宏 町長

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報6)        (四国地方整備局)

 

   ○ 「四国河川技術伝承会」(香川河川国道事務所)を開催    (土器川水系 香川県)

 

   ○ 「工事見学会〜肱川 多田地区〜」を開催           (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 平成19年度 直轄管理ダムの定期検査を実施          (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.103

 

1.香川県 桜川水系 総合流域防災事業 桜川改修工事 (香川県 中讃土木事務所 竹地 保 所長)

 

○ 桜川は、その源を善通寺市上吉田町に発し、多度津町西部の水田地帯を北西に流れ、途中で中桜川、小桜川、東桜川と合流し多度津町の中心部を貫流して瀬戸内海に注ぐ全体延長約7.0kmの二級河川です。

 

○ その流域は、善通寺市、多度津町の1市1町にまたがっており、支流を含めた流域面積約10.8km2は全域が平地で東に金倉川流域、西に弘田川流域との流域界をなしています。

 

○ 太古、弘田川、桜川の川幅は現在の幾十倍もあったといわれ、東西から深い入江をなして多度津山一帯の地域は、この二つの河川に狭まれて島のようになっていたようです。

 

○ その後、沈積、隆起などの地表変化によって、この2河川の川幅は次第に狭くなり、多度津山は陸地と連なりました。また、多度津港とは別に、川域を利用した立派な舟溜まりがあり、大小の舟が往来していましたが、数次の埋め立てにより、現在のようになりました。

 

○ こういった地形特性も相重なり、桜川は度々台風などの大雨(S58年台風10号、浸水戸数1,720戸等)によって氾濫を繰り返し流域沿川の住民に 多大な被害を及ぼしてきました。

 

○ こうした度重なる洪水被害に対処するため、昭和59年度より国の補助を受け、改修工事を進めているところです。このうち特に狭小部が点在する「河口部〜合流点区間(約1.3km)」は、平成15年度から「緊急対策特定区 として、矢板護岸による護岸改修、改修に伴う水門等の改築を急ピッチ で進めています。

 

○ 現在は河口において、排水機場の改築工事を実施しており、平成20年度には「緊急対策特定区間」の工事完成を予定しています。

 

○ これらの完成により、内水排除能力12.6m3/sが確保され、河川の流下能力は34m3/sから120m3/sへと大幅に改善されます。地元住民からの、 一刻も早い完成が待ち望まれているところです。

 

 

 

2.『よみがえる桜川』          (香川県 多度津町長 小國 宏 町長)

 

○ 多度津町は、香川県のほぼ中央部に位置し、北は風光明媚な瀬戸内海国立公園、南は緑豊かな讃岐平野が広がり、それぞれ美しい自然に恵まれた温暖な土地柄であり、昔から港町、鉄道の発祥の地として栄えてきた歴史ある町です。

○ 2000年には、町制施行110周年を迎えた意義ある年として「環境の まち」宣言が行われました。さらに2002年には、ISO14001を取 得し環境にやさしい町づくりのさらなる進展を期する「ECO TADOT SU宣言」をスローガンとして採択しました。そして、現在、21世紀の新しい社会づくり「循環型社会の構築」を主要な課題の一つとして「人・環境にやさしいまちづくり」等を基本にした町政が進められています。

 

○ 本町は、海、山、川の自然に恵まれ、四国霊場77番札所「道隆寺」や弘法大師ゆかりの「海岸寺」をはじめとする古寺社、県下有数の山城として著名な「雨霧城跡」、金毘羅街道の歴史をとどめる道標、わが国の埋葬の歴史上貴重な佐柳島の「両墓制」の風習など、特色ある歴史文化財を多数有してい ます。

  又、約2,500本のソメイヨシノの桜をもつ桃陵公園で「たどつさくらまつり」をはじめ、全国各地の名物凧が集まる「たどつ全国凧あげ大会」、さらには、世界に150万人の会員を有する「少林寺拳法連盟総本部」があり、多度津港では、40年以上の歴史がある花火大会が開催されるなど、多彩で 個性豊かな観光・交流資源に恵まれています。

 

○ 一方、本町の中心部に桜川、西部に弘田川が流れており、大雨や台風時には、水害から守る重要な河川であります。桜川は、水田や多度津町中心市街地の人家連担地を流れる河川であり、特に河口附近の堤内地盤が低いことから高潮時と洪水時が重なるとたちまち氾濫し、多大な災害が発生していました。

 

○ この対策として、昭和24年に金毘羅橋下流に水門と排水機場を設置し必要に応じてポンプアップにより内水を排出してきましたが、水害に苦慮していました。その水害は、下流域の市街地が低平地であるという地形的特徴と出水に上げ潮が重なった場合や台風による豪雨等により水面上昇を招き、内水被害が昭和58年9月の台風10号から毎年のように大雨や台風で発生していました。その度、多数の土のうを造り、水中ポンプも用意し水害に備え対応していました。

 

○ 本河川の治水事業は、昭和59年より着手して、特に川幅の狭くなっている3箇所の橋梁、河口から護岸改修を実施しており、下流域においては確実 に洪水被害の軽減に効果を発揮し、地元町民は大変喜んでいます。

 

○ また、平成15年度から「緊急対策特定区間」として、早期完成に向けて、事業が急ピッチで進んでおりますので、最近の地球温暖化に伴う、はげしい異常気象の大干ばつ、さらにはその逆の集中豪雨による大洪水に、早期対応できることを期待しております。

 

○ 又、国土交通省等からの補助を頂き、平成16年に完成しました「多度津町再生水利用計画事業」による下水道の処理水をさらに高度処理し、河川維持用水として桜川水系4箇所に放流し、良好な河川環境の維持に貢献しております。又、毎年、多度津地区淡水魚養殖組合の協力により、桜川児童公園 の護岸で多度津幼稚園の園児も参加して錦鯉などを放流しています。

 

○ 桜川の改修に現在、国、県のご尽力、ご協力を頂き、1日も早い完成を願っています。併せて昔のように、洪水の被害もなく、水もきれいで、川で魚をとって遊べるような水に親しむことができる桜川に蘇りつつあります。魚が棲み人々の憩いの場とし、桜川を中心とする各河川や海をきれいな環境に戻すことが、安全で安心して暮らせる「人・環境のまちづくり」ができていることを町民は、強く望んでいます。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報6)  (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は昨年の8月以降少雨傾向にあり、平成19年11月19日(月)に高知県の仁淀川が取水制限に入りました。その後もまとまった降雨がないため、自主節水を継続していた吉野川水系銅山川でも12月14日0時より取水制限が開始され、さらに鏡川も12月14日15時より取水制限が開始されました。

 

○ 四国地方整備局は、高知河川国道事務所・大渡ダム管理所の渇水対策支部 設置(仁淀川の取水制限)、吉野川ダム統合管理事務所の渇水対策支部設置(吉野川水系銅山川の取水制限)を受けて、平成19年12月12日に渇水対策本部を設置しました。

 

○ 12月の下旬から平年値を超える降雨があり、各ダムの貯水率は若干回復しており、仁淀川では1月8日21時より取水制限の緩和が行われ、本日1月15日10時に取水制限が解除されました。

  また、鏡川においても1月11日17時より取水制限が自主節水に緩和されています。

  平成20年1月15日(火)現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(1月15日0時現在)

      大渡ダム:貯水率84.9%(平年値74.2%)

   ・支部等の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:11月19日12時〜

      大渡ダム管理所渇水対策支部設置  :11月19日12時〜

      高知河川国道事務所渇水対策支部解散:1月15日10時

      大渡ダム管理所渇水対策支部解散  :1月15日10時

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:11月19日12時〜

         農水35%、上水30%

      二次取水制限:11月26日17時〜

         農水50%、上水40%

      三次取水制限(緩和):1月8日21時〜

         農水35%、上水30%

      取水制限解除:1月15日10時〜

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(1月15日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率62.3%(平年値77.5%)

   ・支部等の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:12月12日16時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:12月14日0時〜

         工水20.0%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(1月15日0時現在)

      鏡川ダム:貯水率74.8%(平年値61.1%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:12月14日15時〜

         農水28.8%、上水40.0%、工水79.7%

      自主節水  :1月11日17時〜

         農水15.1%、上水29.8%、工水77.4%

 

○ 吉野川水系銅山川では引き続き取水制限が行われており、その他の河川でも、平年よりも厳しい状況にある河川があります。今後の気象状況によっては、さらに取水制限が開始される地域も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm

 

 

 

4.「四国河川技術伝承会」(香川河川国道事務所)を開催  (土器川水系 香川県)

 

○ 1月8日(火)に、香川河川国道事務所において河川技術の継承と向上を図り、質の高い河川の管理、整備の一助とすることを目的に、国土交通省を 退職された5名の先輩諸兄の方々に依頼し、「四国河川技術伝承会」を開催しました。

 

○ 今回の伝承者は、

    高橋 義夫 氏

    藤本 勲   

    宮崎 昇二 

    三好 規雄 氏

    川田 通  氏

 で、皆さん土器川(香川)経験者の方々です。

 

○ 会議では、まず、伝承者の方々の自己紹介のあと、「河川整備計画骨子案」、「河川維持管理上の課題」、「地域との交流」について説明し、それに対して伝承者の方々から意見を伺いました。

 

○ 今回は、主に河川の維持管理上の問題点について意見交換を行いました。

 堤防の詳細点検については、過去の洪水では漏水の被害は発生していないが、低水護岸及び床止めの被害が多かった。局所洗掘箇所の変化や、護岸等の施 設の劣化等を日頃から点検しておく必要があるとの意見がありました。

  また、官民境界が不明な箇所は、直轄移管時の経緯、過去の地元との交渉等で確認することが大事である、との意見を頂きました。

  さらに、河道内に繁茂する樹木について、河川管理施設に支障を及ぼす恐れがあり、早期に樹木抜開すべき箇所の指導など、その他にも伝承者の方々から様々なご意見を伺いました。

 

○ 「四国河川技術伝承会」では、伝承者の方々から貴重なご意見をいただくことができました。これらのご意見をこれからの土器川の整備事業、維持管理に役立てていきたいと考えています。

 

 

 

5.「工事見学会〜肱川 多田地区〜」を開催     (肱川水系 愛媛県)

 

○ 1月9日(水)に、肱川の多田地区で実施中の河川工事現場において、地元の長浜幼稚園児16名を招いての「工事見学会」を開催しました。

 

○ 本見学会は、地元の長浜幼稚園児に、河川工事や、樋門の役割・必要性について、興味を持ってもらったり、理解してもらうことを目的に開催したものです。

 

○ まず最初に、事前に園児各自に幼稚園で書いてもらっていた絵を、メッシュシートにプリントして工事現場の仮囲いに展示しているものを見学してもらいました。

 

○ 続いて、工事の概要や樋門の役割について説明した後、工事現場で使用されているクレーン、タイヤローラ、バックホウ、コンクリートポンプ車などの建設機械を見学してもらい、静止状態のミニバックホウへの乗車体験も行いました。

 

○ 園児からは、「私の描いた絵があった!」、「機械(バックホウ)を実際に動かしてみたい!」、「樋門はトンネルみたい!」などの意見や感想があり、大好評でした。

 

 

 

6.平成19年度 直轄管理ダムの定期検査を実施    (四国地方整備局)

 

○ 1月9日(水)、10日(木)に、直轄で管理しているダムの定期検査を実施しました。

 

○ 定期検査は、ダムの施設維持・管理、操作、データ管理等の状況について検査をするもので、3年に1回の頻度で実施しています。今年度は、高知県にある渡川水系の中筋川ダムと仁淀川水系の大渡ダムで実施しました。

 

○ 検査の内容は、ダム本体及びその基礎地盤の温度、変形、揚圧力、間隙水圧又は漏水量の測定記録などを確認するとともに、その他管理施設について も適正に管理されているかを書面又は現地確認により確認しました。本年度検査より放流設備(ゲート)の動作確認も追加しました。

 

○ 2ダムの特徴

   ・中筋川ダムは、平成11年4月より管理開始しており、四国管内の直轄管理ダムとしては最も新しいダムであり、自然越流方式のゲートのないダムです。

   ・大渡ダムは、昭和62年5月より管理開始しており、非常用放流設備(クレストゲート)4門、主放流設備(コンジットゲート)5門を有するダムで、コンジットゲートは最大4,050m3/sの放流能力を持ち、国内最大級の高圧ラジアルゲートです。(建設当時は東洋一だったそうです)

 

○ 来年度(平成20年度)は、愛媛県にある吉野川水系の柳瀬ダムと、肱川水系の鹿野川ダムで実施する計画です。

 

○ 今後とも、ダム機能が適正に発揮されるよう、ダム管理に努めていきます。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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