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四国河川ニュース
《12/22(土)〜1/4(金)》327号
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【2008.1.7発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.102○
○ 四万十川よ永遠に 高知県 中土佐町 池田 洋光
町長
○今週のニュース○
○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報5) (四国地方整備局)
○ 第19回 四万十川自然観察会を開催 (渡川水系 高知県)
四国・水こぼれ話談話室Vol.102
1.四万十川よ永遠に (高知県 中土佐町 池田 洋光 町長)
○ 全長196km、数多くの支流を集め四国山地から土佐湾に流れ込む清流四万十川。平成18年1月1日、今や全国ブランドとなった四万十川上流部に位置し、農業や林業など南北に蛇行しながら流れる川に沿って発展してきた大野見村と、太平洋に向かって開け、漁業と温暖な気候を利用したハウス園芸などを中心に発展してきた中土佐町が合併し、人口8,320人、面積194km2、森林面積90%の新生・中土佐町が誕生しました。
○ 旧中土佐町は、「土佐の一本釣り」に象徴される鰹を主人公とした町づくりを進めてきましたが、この度の合併で四万十川のような一級河川の上流部と 太平洋が一緒に存在する珍しい地形的条件が整ったため、町の中心である久礼から20分足らずで源流域へと移動でき、交流人口の拡大を図る上でより厚みのある政策を展開できるようになりました。地区内には、本流中最上流に架かる高樋の沈下橋をはじめ、3つの沈下橋が現役で活躍しており、住民の生活を支えるとともに観光客の注目を集めています。
○ そんな四万十川にも大きな危機がありました。戦後間もない昭和25年、経済復興に欠かせない電力需要に対応するため、国と県は大野見地区にダムを建設する計画を発表しました。村の面積約100km2の70%が水没するというとてつもない大きなこの計画に、執行部、議会、青年団、村民一丸となって反対運動を展開し、ついに計画を断念させたのです。そうした先人の苦労があって四万十川は現在も悠久の流れを保ち、飲料に、灌漑用水に、様々な動植物の命を育むとともに、地域はもとより全国の人々に潤いと安らぎを与えています。
○ 町ではこの清流を保全するため、毎年四月に各種団体や住民、行政が一体となって四万十川の一斉清掃を行うとともに、土砂災害を抑制し、豊かな水 量や水質を守るため人工林間伐の促進を積極的に図っています。また、四万十川の素晴らしさを多くの方に味わっていただくため、アメゴの釣り大会「アメゴ釣りな祭」の開催や、各種の施設整備を行っています。7月にリニューアルオープンした宿泊施設「四万十源流の家」では、本館の他コテージがあり、長期滞在や合宿などにも安価でご利用いただけます。カヌー体験が人気の天満宮前キャンプ場は、この秋総檜造りの休憩所と水洗トイレ、温水シャワーを完備した新施設が完成し、来シーズンには快適な川遊びをより多くの皆さんに満喫していただけるものと思います。
○ これからも、清流四万十川を官民一体となって適切に管理し、都会では手に入れることのできない宝を末永く守っていく所存です。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報5) (四国地方整備局)
○ 四国地方は昨年の8月以降少雨傾向にあり、平成19年11月19日(月)に高知県の仁淀川が取水制限に入りました。その後もまとまった降雨がないため、自主節水を継続していた吉野川水系銅山川でも12月14日0時より取水制限が開始され、さらに鏡川も12月14日15時より取水制限が開始されました。
○ 四国地方整備局は、高知河川国道事務所・大渡ダム管理所の渇水対策支部設置(仁淀川の取水制限)、吉野川ダム統合管理事務所の渇水対策支部設置(吉野川水系銅山川の取水制限)を受けて、平成19年12月12日に渇水対策本部を設置しました。
○ 12月の下旬から平年値を超える降雨があり、貯水率は若干回復していますが、依然として厳しい状況に変わりはありません。平成20年1月7日(月)現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。
○【仁淀川水系仁淀川】
・施設の状況(1月7日0時現在)
大渡ダム:貯水率48.4%(平年値71.3%)
・支部等の設置状況
高知河川国道事務所渇水対策支部設置:11月19日12時〜
大渡ダム管理所渇水対策支部設置 :11月19日12時〜
・取水制限の状況
一次取水制限:11月19日12時〜
農水35%、上水30%
二次取水制限:11月26日17時〜
農水50%、上水40%
○【吉野川水系銅山川】
・施設の状況(1月7日0時現在)
銅山川3ダム:貯水率62.4%(平年値77.4%)
・支部等の設置状況
吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:12月12日16時〜
・取水制限の状況
一次取水制限:12月14日0時〜
工水20.0%
○【鏡川水系鏡川】
・施設の状況(1月7日0時現在)
鏡川ダム:貯水率67.0%(平年値62.1%)
・支部等の設置状況
未設置
・取水制限の状況
一次取水制限:12月14日15時〜
農水28.8%、上水40.0%、工水79.7%
○ 仁淀川水系、吉野川水系銅山川、鏡川水系の3河川以外でも、平年よりも厳しい状況にある河川があります。今後の気象状況によっては、さらに取水制限が開始される地域も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。
○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/damu/index.htm
3.第19回 四万十川自然観察会を開催 (渡川水系 高知県)
○ 平成19年12月16日に、第19回 四万十川自然観察会を開催しました。(主催:四万十川自然再生協議会、事務局:中村河川国道事務所工務第一課)
○ 今回の観察会は、市民ら約50人が参加し、自然への関心を高めてもらおうと、澤良木庄一氏(とさしもつけの会代表・四万十川自然再生協議会副会長)の案内で菜の花を観察したり、マイヅルテンナンショウ(環境省レッドデータブックで絶滅危惧種U類に指定)の自生地周辺の草刈りをしながら植生状況の変化を観察したり、マイヅルテンナンショウの球根(約650個)を澤良木代表や県立牧野植物園の職員の指導のもとに移植作業(今回で2回目)を行いました。
○ 参加者からは、「元気に育って欲しい」、「花が咲いたマイヅルテンナンショウを見てみたい」、「新芽を踏み荒らさないように気をつけて欲しい」などの声や意見が出されていました。
○ 3月上旬には発芽し、5月頃には花が見られることとなります。
○ 今後とも、地域の皆さんに自然への関心を持っていただき、四万十川の自然保護に繋がるよう、「四万十川自然観察会」を継続していきます。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 永原 隆
〒760-8554高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原)
mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8416(河川計画課)
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