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四国河川ニュース

11/17(土)〜11/22(金)》322号

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                                                                     2007.11.26発行】

 

 

                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.97○

 

   ○ 愛媛県 楠崎川(新居浜市郷)の砂防事業

     『楠崎川砂防えん堤工事が平成18年3月に完成』  愛媛県 砂防課 西井 洋史 課長

 

   ○ 『砂防事業を活かす新居浜市の取組』       愛媛県 新居浜市 佐々木 龍 市長

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について             (四国地方整備局)

 

   ○ 「吉野川源流調査」を実施                 (吉野川水系 徳島県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.97

 

1.愛媛県 楠崎川(新居浜市郷)の砂防事業

  『楠崎川砂防えん堤工事が平成18年3月に完成』  (愛媛県 砂防課 西井 洋史 課長)

 

被災実績

 

○ 平成16年の相次ぐ台風などにより県内では東予東部地域を中心に、犠牲者17名となる甚大な土砂災害が発生しました。

 

○ 新居浜市郷の楠崎川では、8月17日〜18日にかけての台風15号により、大規模な土石流が発生し、1名が犠牲になるほか、下流の家屋28棟、鉄道などに甚大な被害が生じました。

 

実施内容

 

○ 平成16年の土砂災害発生箇所については、市町などと役割分担しつつ対策を講じ、県においては、すみやかに「災害関連緊急砂防事業」などを活用 し、30箇所で砂防施設を整備しました。さらに、甚大な土砂災害が発生した東予東部地域においては、平成17年度より3箇年で、「砂防激甚災害対策特別緊急事業」を活用し、41渓流50箇所において砂防施設を重点的、集中的に整備してきました。

 

○ 甚大な被害が生じた楠崎川では、下流の地域が再び被害を受けることがないように、人家77棟、鉄道などを守るため、平成16年度から遊砂地を伴う砂防えん堤工事に着手し、平成18年3月に完成しました。

 

○ 県においては、市町など関係機関と連携し、今後とも土砂災害から住民の生命や財産、さらには豊かな自然・文化、生活などを育む地域の安全を確保するため、砂防施設を計画的に整備するとともに、土砂災害警戒区域の指定など、ソフト対策にも重点的に取り組むこととしています。

 

 

 

2.『砂防事業を活かす新居浜市の取組』   (愛媛県 新居浜市 佐々木 龍 市長)

 

○ 新居浜市は、愛媛県の東部に位置し、燧灘に面した細長い平野部と、東西に丘陵地、中央構造線を境にして南は山地となっています。平成15年度に、平成における愛媛県内合併の第一号として、別子銅山を通して文化的、歴史的背景を共有し、強い結びつきのあった「別子山村」との合併を行いました。

 

○ 気候の特徴は、典型的な瀬戸内海気候で、降水量が少なく、温暖で、台風、季節風や積雪も少なく、暮らしやすい土地であるといわれていました。しかし、平成16年には、5個の台風が、新居浜市に影響を与え、大きな被害をもたらした8月18日の台風15号では、2時間で約110ミリ、9月29日の台風21号では、5時間で約190ミリを記録したように、短時間に大量の雨が降りました。それまで、災害の少ない町という思い込みがありましたから行政も市民も大きな衝撃を受けました。

 

○ 平成16年の災害の特徴は、まず、土砂災害が多発したことです。次に、浸水被害が多発しました。特に斜面の崩壊によって河川に流れ込んだ大量の土砂と流木が、橋脚や暗渠部分に詰まり、河川をあふれさせて広範囲の市街地が浸水いたしました。また、国道、高速道路、主要幹線道、JR等にも大きな被害が発生し、本市から東の四国中央市方面へ向かう陸路が完全に遮断されるなど、交通に多大な影響を与えました。

 

○ その後、国土交通省、愛媛県により災害発生箇所の復旧工事をはじめ砂防施設の整備を精力的に進めていただいております。また、土砂災害警戒区域の指定などのソフト対策にも取り組んでおります。

 

○ 新居浜市では、「避難勧告等の判断基準」の設定、避難勧告対象地区の検討、情報伝達体制の整備などの対策を進めています。その一つに、小中学校での防災教育があります。このうち、多喜浜小学校では、「多喜浜防災まち歩きプロジェクト」として、愛媛大学防災情報センターをはじめ、四国地方整備局、愛媛県の支援を得て、16年災害の被災箇所や工事の行われている箇所を地域の大人と一緒に歩き、聞き取りをして防災マップにまとめていきました。平成20年度からは、市内の全小中学校で実施する予定です。本市の防災対策は、まだ緒に就いたばかりですが、国、県をはじめ関係機関、市民の協力をお願いして、災害に強いまちづくりを推進していきたいと考えております。

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.四国地方整備局管内の渇水状況について       (四国地方整備局)

 

○ 四国地方は8月以降少雨傾向にあり、平成19年11月19日(月)に高知県の仁淀川が渇水調整に入りましたので、11月26日(月)現在の四国地方整備局管内の渇水状況をお知らせします。

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(11月26日0時現在)

      大渡ダム:貯水率35.8%(平年値71.7%)

   ・支部等の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:11月19日12時〜

      大渡ダム管理所渇水対策支部設置   :11月19日12時〜

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:11月19日12時〜

         農水35%、上水30%

 

○ 仁淀川水系以外でも、現在平年よりも厳しい状況にある河川があります。今後の気象状況によっては、さらに取水制限が開始される地域も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.river.or.jp/shikoku/index.html

 

 

 

4.「吉野川源流調査」を実施           (吉野川水系 高知県)

 

○ 11月17日(土)、18(日)に吉野川源流調査を実施しました。整備局から2名、徳島河川国道事務所から4名、四国大学から田村典子教授と学生9名の計16名が参加し、バスで高知県いの町に向かいました。

 

○ 調査初日は、吉野川源流の碑に向かいました。目的地までは、細い道路や曲がり角が多い道のりでした。また、源流の碑は高所にあり、山々の雄大な風景を見ることができました。

 

○ 2日目の源流登山では、「源流のモニュメント」を目指して、参加者は意気揚々と出発しましたが、道中は急な坂道や滑りやすい場所等が多々あり、悪戦苦闘しながら登って行きました。

 

○ この吉野川源流調査では、身近な吉野川の「原点」を見ることができ、同時にこの水がはるか徳島の河口まで流れていくということを再確認することができました。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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