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四国河川ニュース

10/6(土)〜10/12(金)》316号

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                          ○四国・水こぼれ話談話室Vol.91○

 

   ○ 清流の復活           高知県 奈半利町 齋藤 一孝 町長

 

 

                                    ○今週のニュース○

 

   ○ 第1回 吉野川現地(フィールド)講座を開催        (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 「第5回四国水問題研究会」を開催               (四国地方整備局)

 

   ○ 第25回 ファミリーハゼ釣り大会の開催          (吉野川水系 徳島県)

 

   ○ 第11回 山鳥坂ダム環境検討委員会を開催          (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 平成19年度 高校生工事現場見学会を開催          (肱川水系 愛媛県)

 

   ○ 桑野川床上浸水対策特別緊急事業の進捗率が88%へ     (那賀川水系 徳島県)

 

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.91

 

  清流の復活            (高知県 奈半利町 齋藤 一孝 町長)

 

○ 「奈半利(なはり)町」は、高知県東部に位置し、高知市から国道55号 を室戸、徳島方面に約50km、車で約90分の距離にあります。

 

○ また、平成14年7月に開通した、土佐くろしお鉄道「奈半利駅」は「ごめん・なはり線」の終始発駅になっております。

 

○ 奈半利町は、古くは奈良時代末期から平安時代前期の寺院跡(コゴロク廃寺)が発見されているところから古代には産業・文化の中心であり、交通の 要衝として栄えてきたまちであります。

 

○ 養老年間には、「野根山街道」が開設され、土佐と阿波を結ぶ官道として開かれ、また、紀貫之の「土佐日記」には、「那波の泊」として記されており、 海路においても歴史が刻まれております。

 

○ 現在では、温暖な気候を利用した施設園芸の、ナス、ミョウガ、スイカなどの農産物の生産、水産では、土佐沖での、鰹、金目鯛、スルメイカ、アジ、サバなどの水揚げが盛んであり第1次産業を中心とする自然豊かなまちです。

 

○ 観光面では、港湾施設である、沖の離岸堤の人工構造物の波消しブロック基礎に定着した、約70種類を超える珊瑚が生息し、奈半利港から出船する 珊瑚遊覧船で見ることができ、波の穏やかな日は、観光客で賑わっております。

 

○ また、「なはり浦の会」の案内による、明治以降に建てられた古民家が並ぶ街並みを散策する、「町並み散策ツアー」も行われ、町内を見学することもできます。

 

○ イベントとして、平成16年8月24日高知県では初の「みなとオアシス」として登録されたことをきっかけに、毎年11月には、奈半利駅広場で「よってたかってフェスティバル」が開催され、地場産品の販売や、地元で獲れた魚の販売、観光客による魚のせりなどが開催されます。また、奈半利港開港記念として、本年度で第44回となる「港まつり」が毎年8月16日に開催され、奈半利港内で行われる、杉丸太を組み合わせた「イカダ競争」、勇壮な「船舶パレード」、最後には、迫力のある大変美しい「花火大会」が行われ、当日は多くの観光客で賑わっております。

 

○ また町の西を流れる奈半利川は、急流河川として名高く、古い話ですが金突の先の5本の矢が、縦にすべて刺さっていた鮎がおったそうです。背が盛 り上がり、幅が厚く、香りもよく、有に尺は超えている鮎であったことでしょう。

 

○ そのような鮎が消えて久しく、近年では河川環境の悪化等により、放流鮎に頼るしかありません。

 

○ 子供達が河川と親しむ機会が薄れ、川で遊ぶ子供の姿をみることが無くなりつつある現在、日本の高度成長の基となる電力需要を影で支えてきた奈半利川の清流を復活させ、「自然と調和した住みよいまち」「豊かで活力のある明るいまち」を目指して取組んで行きたいと思います。

 

 

 

 

2.第1回 吉野川現地(フィールド)講座を開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 平成19年9月30日(日)、吉野川の自然環境に親しんでいただくことを目的に、第1回「吉野川現地(フィールド)講座」(吉野川の野鳥観察会)を柿原堰周辺において、国土交通省、徳島県の共催で開催しました。

 

○ 開催にあたっては、河川・渓流環境アドバイザーの小林先生や日本野鳥の会徳島県支部長の三宅先生に指導員としてご協力頂きました。

 

○ 吉野川の自然環境について説明させていただいた後、柿原堰周辺に移動し、そこで見られる野鳥について指導員の方々と共に観察して頂きました。

 

○ 小雨の降るあいにくの天候でしたが、珍しいセイタカシギが見られるなど、多くの野鳥が観察出来ました。

 

 

 

3.「第5回四国水問題研究会」を開催    (四国地方整備局)

 

○ 10月5日(金)に高松サンポート合同庁舎アイホール2F大会議室において、四国4県が共有する吉野川水系及びその関連地域の水問題について総 合的に把握するとともに、水資源の有効利用と治水・利水・環境の合理的な恒久対策並びに必要な実施方策について研究および提言を行うことを目的に「第5回四国水問題研究会」を開催しました。

 

○ 研究会では、まず、事務局の四国地方整備局から平成19年に四国地域で発生した渇水について報告しました。

 

○ 研究発表については、香川大学名誉教授の井原委員より『四国の水問題の現状と課題〜「経済学」的な見方と考え方〜』と題して発表がありました。

 

○ 事務局からは「吉野川水系に係る水問題」について情報提供し、吉野川水系の治水や利水について意見交換が行われました。

 

○ 次回の開催は年明けに予定しており、九州大学大学院法学研究院教授の七戸委員及び徳島県からの研究発表等を予定しています。

 

 

 

4.第25回 ファミリーハゼ釣り大会の開催    (吉野川水系 徳島県)

 

○ 10月7日(日)に吉野川河口から名田橋の区間において、釣ったハゼ10匹の総重量で競うイベント「第25回ファミリーハゼ釣り大会」(徳島県スポーツ・レクレーション祭実行委員会・徳島県釣連盟など共催)が開催されました。

 

○ 「ファミリーハゼ釣り大会」は、「釣り」を通じて吉野川に親しんでもらうことを目的に開催されており、一般の部[高校生以上]、女性・少年の部[女性及び中学生以下の男子]、ファミリーの部と3部門に分かれて行います。

 

○ 当日は晴天にも恵まれ約510名の参加があり、思い思いのポイントで釣り糸をたれ、その釣り糸がからんで悪戦苦闘する人もいれば、次々と魚を釣り上げ、周囲の注目を浴びている人などもいて、皆さんが吉野川でのハゼ釣りを楽しんでいました。

 

○ 各部門ごとにそれぞれ、優勝〜第5位までには賞状・トロフィー・賞品があり、参加者全員に参加賞がありました。また、参加者は、自主的に清掃を行い、ゴミを持ち帰っていました。

 

 

 

5.第11回 山鳥坂ダム環境検討委員会を開催    (肱川水系 愛媛県)

 

○ 山鳥坂ダム工事事務所では、山鳥坂ダム建設事業の環境面について、専門家から技術的助言を頂くために「山鳥坂ダム環境検討委員会」を設置しており、10月9日(火)に「第11回山鳥坂ダム環境検討委員会」を開催しました。

 

○ 新たに確認されたクマタカのつがいについて、前回の委員会以降の調査結果等を説明し、クマタカのつがいに対する事業による影響や生態系の上位性注目種としての位置づけについて議論して頂きました。

 

○ その結果、営巣地から対象事業実施区域及びその周辺の区域までは約3km離れており、行動圏が事業実施区域及びその周辺と重ならないこと。また、確認された行動圏の面積も、一般のクマタカの行動圏と同程度であり、今後大きく行動圏が変化する可能性が小さいこと。さらに、主に利用している餌 場が事業実施区域とは反対の方向にあることなどから、事業による影響は小さく、現段階ではダム事業による影響を評価するにあたっての生態系の上位性注目種にはあてはまらない、という結論となりました。

 

○ 今後は、知事意見に対する対応、及び環境省レッドリストの対応等について、次回委員会にて議論頂き、「環境影響評価書」を作成していく予定です。

 

 

 

6.平成19年度 高校生工事現場見学会を開催    (肱川水系 愛媛県)

 

○ 10月10日(水)、肱川において愛媛県立伊予農業高等学校環境開発科1年生40名による「平成19年度高校生工事現場見学会」を実施しました。

 

○ この工事現場見学会は、社団法人愛媛県建設業協会が建設雇用改善推進事業の一環として毎年実施されており、高校生の皆さんが直接、建設工事現場を見学し、体験してもらうことで将来の進路選択の際に貴重な経験となると同時に、建設業をより一層理解していただけるよう期待を込めて行われています。

 

○ 現在四国内で施工中の現場として、四国地方整備局ホームページに掲載中の”We Love 土木”〜工事現場等見学ガイド2007〜により、肱川で施工中の「平成19年度阿蔵堤防第2工事」が選定され、見学会が行われました。

 

○ 現場見学会参加者は、樋門本体内部に入り、樋門や堤防の役割などの説明を受け、普段は立ち入ることの出来ない場所で貴重な体験をしました。

 

 

 

7.桑野川床上浸水対策特別緊急事業の進捗率が88%へ  (那賀川水系 徳島県)

 

○ 平成11年6月29日梅雨前線豪雨による内水被害をはじめ、床上浸水被害が頻発している一級河川那賀川水系桑野川左岸地域を対象として、直轄区間の床上浸水解消(内水対策・排水機場新設)と排水先河川(桑野川)の河道流下能力確保(左岸引堤)を目的とする床上浸水対策特別緊急事業を平成14年度より着手し、平成20年度の完了を目指して実施しているところです。

 

○ 事業内容としては、引堤3.2km、2箇所の排水機場(大津田川10m3/s、川原5m3/s)の新設、引堤による2つの橋梁の架け替え、4基の樋門の改 築等であり、総事業費約170億円の事業です。

 

○ 昨年度末に川原排水機場と約1.6km分の引堤が完成し、今年度末には大津田川排水機場と約1.2kmの引堤が終わる予定で、進捗率は引堤延長ベースで88%の進捗率となる予定です。事業の効果を早期に発現し、安全で安心できるよう、20年度完成に向けて現在工事を急ピッチで進めております。

 

○ なお、周辺環境・景観にも配慮し、より川への親しみを持ってもらえるよう整備するとともに、事故のない安全な工事を行っていきます。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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