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四国河川ニュース
《6/23(土)〜6/29(金)》301号
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【2007. 7. 3発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.83○
○「大池」と「シラタマモ」 徳島県牟岐町長 大神 憲章
○今週のニュース○
○四国地方整備局管内の渇水状況について(続報23) (四国地方整備局)
○四国河川文化ネットワーク総会開催 (四国地方整備局 河川部)
1.四国・水こぼれ話談話室Vol.83 「大池」と「シラタマモ」 (徳島県牟岐町長 大神憲章)
○ 四国の東岸、牟岐町の4km沖、太平洋に出羽島(でばじま)(周囲4km)が浮かんでいる。黒潮の流れに洗われ、温暖で本土より2〜3℃暖かく、亜熱帯植物のアコウやハマユウが自生している。野口雨情は「牟岐大漁節」で“春を待たずに豆が咲く”と詠んでいる。
○ 大正時代は、近海・沿岸漁業の基地として栄え「出羽島千人」と言われた時もあったが、今は御多分に洩れず、過疎・老人の島である。
○ さて、島の西海岸に「大池」と呼ばれる池がある。周囲100m足らずの小さな池である。大きなゴロゴロ石で海と隔てられ、大潮、満潮時には海水が流れ込んでくる。この浸水した海水に東側の山から淡水が流れ込み、2分の1ほどの「汽水湖」になっている。
○ この「大池」に「シラタマモ(シャジクモ科)」が自生している。1億数千年前、白亜紀に発生し、海水から淡水へ移行する進行途中の植物である。「シラタマモ」はインド洋モーリシャス島、南太平洋のニューカレドニア、アフリカのリビア海岸などに自生しているといわれ、かつては秋田県の八郎潟にも自生していたが、干拓により絶滅した。出羽島のシラタマモは世界の北限にあたり、極めて稀な自生地と言われる。
○ 「シラタマモ」の形状は20〜50cmの藻類で節部に4〜8本の小さな枝をつけ、その托葉冠が小枝と対生的につくのを特徴としている。夏にオレンジ色の雄器(造精器)と雌器(造卵器)をつけ、受精すると卵細胞が黒く色づく。また有性生殖の他、仮根部に小球体の無性芽をつくり、白い小さな実をつける。これでシラタマモと名づけられた。昭和47年に国の天然記念物に指定され、保護されている。
○ 一般に「シラタマモ」というと阿寒湖のマリモを連想され、余りにも小粒で、素っ気なく、期待はずれの感があるようである。かつて池にボラを放ち、食べられ絶滅しかかったが、流石、化石といわれるだけあって魚のお腹をくぐり復活。今は見事に繁茂している。近年、オーストラリアの南のウロンゴン湖に自生しているとの報告があった。
○ わがまち牟岐が世界に誇るご自慢の天然記念物、大池の「シラタマモ」である。
2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報23) (四国地方整備局)
○ 平成19年2月1日に設置した四国地方整備局渇水対策本部は継続しています。7月2日現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。
○【吉野川水系銅山川】
・施設の状況(7月2日0時現在)
銅山川3ダム:貯水率16.3%(平年値81.6%)
・支部等の設置状況
吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:2月1日13時
・取水制限の状況
一次取水制限:平成19年2月 2日 0時〜
二次取水制限:平成19年2月16日 0時〜
三次取水制限:平成19年4月 9日 0時〜
四次取水制限:平成19年6月 8日 0時〜
工水35.0%、上水 10.0%、農水10.0%
○【那賀川水系那賀川】
・施設の状況(7月2日0時現在)
長安口ダム:貯水率69.7%(平年値77.6%)
・取水制限の状況
自主節水:平成19年6月30日9時〜
農水・工水で実施
○【吉野川水系吉野川】
・施設の状況(7月2日0時現在)
早明浦ダム:貯水率24.1%(平年値89.0%)
・支部等の設置状況
徳島河川国道事務所渇水対策支部設置:5月24日9時
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水:平成19年2月6日0時〜
一次取水制限:平成19年5月24日 9時〜
二次取水制限:平成19年6月8日 9時〜
三次取水制限:平成19年6月17日 9時〜
徳島用水21.1%、香川用水50%(H19.7.2 0:00〜)
○【重信川水系石手川】
・施設の状況(7月2日0時現在)
石手川ダム:貯水率45.8%(平年値90.0%)
・支部等の設置状況
松山河川国道事務所渇水対策支部設置:6月4日17時
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水T:平成19年 1月25日12時〜
自主節水U:平成19年 1月29日9時〜
自主節水V:平成19年 4月11日9時〜
自主節水W:平成19年 4月11日13時〜
一次取水制限:平成19年 6月 4日17時〜
二次取水制限:平成19年 6月15日14時〜
三次取水制限:平成19年 6月22日18時〜
四次取水制限:平成19年 6月29日18時〜
農水23.3%、かんがい35%、上水30%(H19.7.1 0:00〜)
○【物部川水系物部川】
・施設の状況(7月2日0時現在)
永瀬ダム:貯水率75.0%(平年値86.4%)
○ 今後の気象状況によっては、さらなる取水制限の強化も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。
○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。
http://www.river.or.jp/shikoku/index.html
3.四国河川文化ネットワーク総会開催 (四国地方整備局 河川部)
○ 平成19年6月23日(土)、大洲市において「四国河川文化ネットワーク」の第7回総会を開催しました。
○ 四国河川文化ネットワークは、四国内の河川に関係するボランティア活動を実施している人たちにより、河川文化を四国全体で研究し情報を共有するための組織です。
○ 今回は、河川関係の10団体と四国地方整備局関係から合わせて約50名の参加がありました。
○ 総会と併せて行われた活動報告会では、6団体からの活動報告がなされました。宿毛元気クラブは、障害者アウトドア体験として、障害者のかたにカヌーを体験してもらい、川のもつ楽しさを知ってもらう活動を続けています。また、重信川と肱川からは、大学生による小学生への環境教育活動と大洲農業高校による地域活性化の活動が報告では、次世代の人材育成が進んでいることが強く感じられました。
○ 今回、総会の開催にご協力いただいた肱川流域会議水中めがねの皆様、ありがとうございました。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 永原 隆
〒760-8554高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原)
mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8416(河川計画課)
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