四国河川ニュース《3/2(土)〜3/8(金)》No.29

1.「山鳥坂ダム建設対策協議会」との意見交換会を実施
                          (肱川水系 山鳥坂ダム 愛媛県)

3月4日、肱川下流域の市町村で構成される「山鳥坂ダム建設対策協議会」(会長・大洲市長)の理事会が、大洲市役所で開催され、今後の進め方について、四国地方整備局と意見交換が行われました。
 主な内容は以下の通りです。
  (地方整備局)
   ・中予分水の除外で事業の性格が変化した。
   ・再構築案を固めていく上で必要な水量を確認したい。
    (新たな水需要の有無)
   ・最も効率的に肱川の課題を解消するために流域と河川管理者が役割分担して取り組む必
    要がある。
  (肱川流域)
   ・肱川の課題解消のため地域の取り組み方等について、協議してい必要がある。
   ・新規の水利用については、幹事会で話しをつめる。

 

2.第1回「仁淀川安全・利用・管理検討委員会」 開催
                     (仁淀川水系 仁淀川・大渡ダム 高知県)

3月7日、第1回「仁淀川安全・利用・管理検討委員会」が高知市で開催されました。
この委員会は、モデル河川に指定された仁淀川において、国土交通省河川局設置による「危険の内在する河川の自然性を踏まえた河川利用及び安全確保のあり方に関するあり方の研究会」や、「新しい時代のダム管理を考える検討会」により、まとめられた提言に基づき、河川管理と河川利用の双方の観点から河川利用者の自己責任や、河川の自然性を踏まえた適正な河川管理のあり方、さらには管理ダムの直面している課題であるダム放流警報・情報提供のあり方や、既設ダムの有効利用を検討するものです。
委員会メンバーは、漁協等河川利用者及び行政機関等仁淀川に関係する16名から構成されており、第1回会合では次のことが決まりました。

(1)委員会規約の承認
(2)委員長の決定
    高知大学農学部教授 大年邦夫氏
(3)検討課題
   @河川利用者を対象とした情報提供の充実
   A学校教育や社会教育における完全意識の啓発
   B流域における関係機関の連携の充実
   C緊急時想定した体制等の構築

 

3.川の自然再生を考えるフォーラム 開催

3月8日、川の自然再生のあり方を考えるフォーラム「川の自然再生に向けて」が、高知市で国内外の専門家らを交え市民や行政関係者ら約350人が参加して開催されました。
このフォーラムは、自然再生の方向性を提示することを目的として、 国土交通省と(財)日本生態系協会、(財)リバーフロント整備センターの主催によるもので、
   ・東京大学大学院玉井信行教授による基調講演
    「多自然型川づくりから自然再生へ」
   ・国土交通省河川局岡山和生河川環境課長による講演
    「川の自然再生の基本的考え方について」   
   ・事例発表として釧路湿原や四万十川の環境保全活動の報告があり、蛇行河川への復元 、
    瀬・淵の再生などの対策が紹介されました。
   ・デンマークの河川復元の専門家、マイケル・クエトさんとアメリカの南フロリダ水管理公社の
    ステファニー・ メルビンさんによる特別講演があり、クエトさんは、「農地造成のための川の直
    線化などが水質汚濁や生態系の破壊につながった」と指摘し、 メルビンさんは、河川の運河
    化により湿地の乾燥が進行したアメリカの事例を紹介するなかで、「治水・貯水・舟運の3つ
    の目的の代わりに自然が破壊されるなど、生活水準向上のために犠牲となったものを取り
    戻す時期に来ている」と指摘しました。
   ・最後にパネルディスカッションが行われ、朝日新聞編集委員村田保夫氏をコーディネーター
    として、川の自然再生に向けての活発な議論がなされ、「流域単位での幅広い視点から、川
    の自然再生を行う」という方向性が提示されました。

 

4.四国4県の民間団体による「四国河川文化ネットワーク」 結成

3月9日、河川にかかわる活動をしている四国4県の19の民間団体が、 河川文化を四国全体で考え、「河川環境の保全と創造」、「安全な生活環境の形成」に結びつけようと「四国河川文化ネットワ ーク」が結成されました。
徳島県三好郡三好町であった設立総会では、4月1日を「四国は一つの日」として、一斉活動をすることなどを決めたほか、
 ・各団体から推薦された子供を集め、次世代のリーダー育成を図る「夢体験隊」の結成。
 ・団体間の情報共有、外部への情報発信のためにホームページの作成。
 ・障害者らが河川にふれあう機会を考える「川の快適環境の創造」
を決定しました。
今後は、今回加わっていない団体に呼び掛けを行い、ネットワー クの輪を広げていく予定とのことです。

 

【着工・竣工情報】
5.新宇治川放水路工事起工式         (仁淀川水系宇治川 高知県)

3月9日、高知県吾川郡伊野町を流れる仁淀川左支川宇治川流域の、浸水被害軽減を目指す新宇治川放水路工事の起工式が、伊野町是友の現地で行われました。
宇治川流域は、慢性的な浸水被害に悩まされていましたが、平成7年に浸水被害を軽減・解消を目的とした「床上浸水対策特別緊急事業」に採択され、その一環として宇治川の洪水を仁淀川へ最大毎秒55m3放流する新宇治川放水路が計画されました。
宇治川床上浸水対策特別緊急事業は、これまでに排水ポンプ場の増設や河道の改修を進め一定の改善を図っており、当該事業の中核的施設である新宇治川放水路ら一連の計画が完成すると、過去最大級の洪水である昭和50年8月洪水では、床上浸水戸数を4分の1程度に軽減し、それ以外の近年の洪水では、床上浸水被害の解消が期待されています。

 

 

 

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