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四国河川ニュース
《2/24(土)〜3/2(金)》284号
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【2007. 3. 5発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.79○
○恩恵の水と脅威の水 徳島県 藍住町長 石川 智能 町長
○今週のニュース○
○四国地方整備局管内の渇水状況について(続報6) (四国地方整備局)
○那賀川水系河川整備計画【修正素案】等について (那賀川水系 徳島県)
1.四国・水こぼれ話談話室Vol.79
恩恵の水と脅威の水 (徳島県 藍住町長 石川 智能 町長)
○ 藍住町は、徳島県の北東部に位置し、吉野川と旧吉野川が南と北で挟んだような地形で、歴史的にも吉野川の恵みを受けて、豊かな農業経営が成り立ってきたところです。特に吉野川に隣接する地区は品質が優秀で阿波藍として明治年代後半までは大阪を始め、全国の市場で高値で取引されました。中でも前須地区などは17世紀後半に徳島藩最大の工事といわれる新川掘り抜きが行われ、今の吉野川が本流になったとき、上流からの肥沃な客土が堆積して、タデ藍の大産地となった所です。今でもスクモを加工した藍師や、諸国に販売した藍商たちが、頑強な石垣の上に屋敷を構えていた見事な藍屋敷が、町内のあちこちに見られ、かつての藍が栄えた土地柄を偲ぶことができます。
○ しかし、豪壮な藍屋敷の石垣もその裏にはすさまじい洪水の脅威と闘った人々の歴史を物語る姿でもあります。
○ 町の至る所には、吉野川氾濫の犠牲者の冥福を祈るために建てられた地蔵さんが祀られていて、その多くは今でも香火が絶えることはありません。そこには「吉野川が氾濫しませんように。私達の平和な暮らしがいつまでも続きますように・・・」と、祖先たちの願いが絶えることなく、私達の心に生きている姿を現していると思います。
○ それにしてもわが町は、吉野川の豊かな「水」の恩恵によって、屈指の田園地帯として繁栄を誇ってきましたが、それだけでなく祖先たちは洪水の猛威を克服し、知恵を絞り手間を惜しむことなく、藍こなし歌にも「寝たと思ったら早や起きた」と歌われたように、重労働の農作業が町の繁栄を支えてきたのです。そのすべてが吉野川の流れと深く関わっていたことを知ることができます。私達が子どものころまでの吉野川は、泳ぎを覚えた川であり、魚釣りを楽しみ潮干狩りで時を経つのを忘れた川でした。近年、町の人たちと吉野川の関わりも少なくなってしまいましたが、いまこそ歴史や産業、暮らしや文化について、深く考える必要を痛感しています。
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│ 藍こなし歌
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│ 藍の種まき 生えたら間引き 植えりゃ水とり 土用刈り
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│ 藍の本場は 藍園村よ 広いでんだい 藍ばかり
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│ 阿波の北方 起き上がり小法師 寝たと思ったら はや起きた
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│ お前どこ行きゃ わしゃ北方へ 藍をこなしに身を責めに
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│ 葉藍寝かせて 水やって醗酵す 藍の寝床で 色を生む
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│ 讃岐せこいとて 阿波へは越すな 阿波の北方 なおせこい
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└───────────────────────────────────┘
※藍住町は、藍園村と住吉村が合併した町です。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報6) (四国地方整備局)
○ 昨年秋から四国地方は少雨傾向にあり、平成19年1月16日16時より物部川で取水制限が開始され、その後、銅山川で2月2日0時より取水制限が開始され、さらに、鏡川でも2月9日15時より取水制限が開始されていました。
○ しかし、2月に入り高知県を中心に降雨があり、2月16日17時に物部川の取水制限が約1ヶ月ぶりに解除され、2月19日には那賀川で、2月23日には仁淀川で自主節水が解除されました。
○ 但し、2月1日13時に設置した四国地方整備局渇水対策本部は継続しています。3月5日現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。
○【吉野川水系銅山川】
・施設の状況(3月5日0時現在)
銅山川3ダム:貯水率45.6%(平年比61.0%)
(先週との差ー2.6%)
・支部等の設置状況
吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:2月1日13時
・取水制限の状況
一次取水制限:平成19年2月 2日 0時〜
工水20.0%
二次取水制限:平成19年2月16日 0時〜
工水25.0%
○【鏡川水系鏡川】
・施設の状況(3月5日0時現在)
鏡ダム:貯水率53.4%(平年比113.9%)
(先週との差+4.1%)
・支部等の設置状況
未設置
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水T:18年10月19日10時〜
農水36.6%、上水29.8%、工水77.4%
自主節水U:18年11月 1日 0時〜
農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%
自主節水V:19年 1月19日13時〜
農水24.0%、上水50.0%、工水78.2%
自主節水W:19年 2月 2日15時〜
農水29.4%、上水50.8%、工水79.5%
一次取水制限:19年2月9日15時〜
農水44.0%、上水51.8%、工水80.8%
河川維持用水19.9%
自主節水X:19年2月19日13時〜
農水29.4%、上水50.8%、工水79.5%
○【重信川水系石手川】
・施設の状況(3月5日0時現在)
石手川ダム:貯水率86.8%(平年比111.7%)
(先週との差+0.2%)
・支部等の設置状況
未設置
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水T:19年 1月25日12時〜
上水 5.0%
自主節水U:19年 1月29日9時〜
農水33.3%、上水 5.0%
○【吉野川水系吉野川】
・施設の状況(3月5日0時現在)
早明浦ダム:貯水率58.6%(平年比76.7%)
(先週との差ー1.3%)
・支部等の設置状況
未設置
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水:19年2月6日0時〜
徳島用水15%、香川用水(上水)10%
○ 今後の気象状況によっては、さらなる取水制限の強化も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。
○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。
http://www.river.or.jp/shikoku/index.html
3.那賀川水系河川整備計画【修正素案】等について (那賀川水系 徳島県)
○ 四国地方整備局及び徳島県は、「那賀川水系河川整備計画」の策定に向けた取り組みをおこなっています。
○ 平成18年11月22日(水)に「那賀川水系河川整備計画【素案】」を公表し、学識経験者、流域住民、流域市町長から11月末から12月にかけて、ご意見をお聴きしてきたところです。その【素案】に対して、パブリックコメントも含め237件もの幅広い意見をいただきました。この度、みなさまからいただいた意見をもとに、【素案】を修正した「那賀川水系河川整備計画【修正素案】」を作成したので平成19年2月27日(火)に公表いたしました。
○ 今回追加記載した主な内容は下記の4項目です。
@長期的な堆砂対策については、今後も効果的・効率的な対策となるよう、排砂バイパスなどを含め、流域全体の課題を視野に入れた対策の検討を引き続き行うことを記載しました。
A治水・利水と森林の関わり、森林整備に対する関係機関との連携・協力の取り組みについて記載しました。
Bこれまでの「河川水辺の国勢調査」等の河川環境調査結果を環境区分毎にとりまとめ、特定種の出現データ等を記載しました。
C本整備計画で実施する事業の優先順位の考え方について記載しました。
○ 「那賀川水系河川整備計画【修正素案】」については、学識者会議、流域住 民の意見を聴く会、流域市町長の意見を聴く会を開催し、再度みなさまのご意見をお聴きします。同時に、ハガキ、インターネット等によるパブリックコメントも実施いたします。今後とも、情報公開、住民参加のもと、幅広くご意見をお聴きしながら、那賀川水系河川整備計画の策定を進めていきます。
那賀川水系河川整備計画HP: http://nakagawa-mlit.go.jp
○ 今後の予定
第2回 那賀川学識者会議
平成19年3月7日(水) 13:30〜16:30
ロイヤルガーデンホテル 阿南市富岡町あ王谷52−2
第2回 那賀川流域住民の意見を聴く会
<阿南第一会場>
平成19年3月10日(土) 13:30〜16:30
阿南ひまわり会館 阿南市富岡町北通33−1
<那賀町第一会場>
平成19年 3月11日(日) 13:30〜16:30
木頭文化会館 那賀郡那賀町木頭和無田字マツギ40
<那賀町第二会場>
平成19年 3月17日(土) 13:30〜16:30
相生健康センター 那賀郡那賀町延野王子原31−1
<阿南市第二会場>
平成19年 3月18日(日) 13:30〜16:30
阿南市那賀川社会福祉会館 阿南市那賀川町苅屋357ー1
第2回 那賀川流域市町長の意見を聴く会
平成19年3月20日(火) 15:30〜17:30
ホテル石松 阿南市富岡町トノ町113−3
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■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 永原 隆
〒760-8554高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原)
mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8416(河川計画課)
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