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四国河川ニュース

2/10(土)〜2/16(金)》282号

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                                                                   【2007. 2.19発行】

 

             ○四国・水こぼれ話談話室Vol.77○

 

    ○「清流とほたる 砥部焼とみかんの町」    愛媛県 砥部町長 中村 剛志 町長 

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○四国地方整備局管内の渇水状況について(続報4)        (四国地方整備局)

 

    ○第4回 四国河川技術伝承会「中村河川国道事務所」を開催   (渡川水系 高知県)

 

    ○「平成18年度 四国河川技術研修」が開催される        (四国地方整備局)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.77

 

  「清流とほたる 砥部焼とみかんの町」 愛媛県 砥部町長 中村 剛志 町長

 

○砥部町は、愛媛県の中央に位置し、いにしえのロマンを感じる遺跡群や伝統文化・工芸など、現在・過去と未来が繊細にからまり織りなす「アートの里」です。

 

○北部地域は、中央を流れる砥部川沿いに南北に開け、江戸時代以降、焼き物の町として名をなしました。230余年の歴史を持つ国の伝統的工芸品「砥部焼」の産地で、100余りの窯元が焼き物の里の風情を出しています。

 

○この地域には、西日本屈指の規模を誇る県立「とべ動物園」や遊びと創造のシンボル「えひめこどもの城」などがあります。

 

○南部地域は、豊かな森林資源や自然景観が美しい山間地域です。中央を走る玉谷川の流れがつくり出した仙波渓谷や、清らかな水の源流、伊予の西石鎚とも呼ばれる権現山などの景勝地があり、初夏には川沿いで天然のホタルが乱舞し、幻想的な世界を楽しむことができます。

 

○話は変わって、重信川の砥部側には、その伏流水を利用する泉で、別名、鏡泉(かがみいずみ)と呼ばれる「赤坂泉(あかさかいずみ)」があります。

 

○昔このあたりでは、たびたび干ばつが起こり、水をめぐる争いが起こっていました。

 

○明和8(1771)年の大干ばつでは、重信川下手の5カ村と上手の麻生村とが、矢取川の河原で大乱闘となり、この責任を一身に引き受け、処刑となったのが下麻生村の組頭・窪田兵右衛門で、義民として伝えられています。

 

○泉は、天明元(1781)年に工事を始め、難事業の末、10年後の寛政5(1793)年に完成し、農業用水が満たされました。

 

○その後、昭和33年に、水が不用なときには下手の水門から重信川に放流し、必要なときには重信川から引き込むように樋管が作られました。

 

○現在は、赤坂桜づつみ公園として整備され、春は桜の名所として、夏は親水公園として訪れる人々のやすらぎの場となっています。

 

○本町では、合併を記念して、平成17年から町内に点在する自然・歴史・文化、砥部焼に関わる53ポイントを巡るスタンプラリー『陶街道53次』 をスタートさせました。

 

○ポイントには、数千年前の地殻運動によってできた地質学上貴重な資料で、国の天然記念物に指定されている「衝上(しょうじょう)断層」(砥部川)や一等橋の中では、日本で最初に造られた木造のアーチ橋「神の森大橋」(玉谷川)も含まれています。

 

○ぜひ一度、お訪ねください。

 

 

○なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載してい ますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報4)  (四国地方整備局)

 

○昨年秋から四国地方は少雨傾向にあり、平成19年1月16日16時より 物部川で取水制限が開始され、その後、銅山川で2月2日0時より取水制限が開始され、さらに、鏡川でも2月9日15時より取水制限が開始されていました。

 

○しかし、先週、高知県を中心に降雨があり、2月16日17時に物部川の取水制限が約1ヶ月ぶりに解除されました。

 

○但し、2月1日13時に設置した四国地方整備局渇水対策本部は継続しています。2月19日現在における四国地方整備局管内の渇水状況は以下の通りです。

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(2月19日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率49.3%(平年比67.4%)

                     (先週との差ー3.5%)

   ・支部等の設置状況

      吉野川ダム統合管理事務所渇水対策支部設置:2月1日13時

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:平成19年2月 2日 0時〜

         工水20.0%

      二次取水制限:平成19年2月16日 0時〜

         工水25.0%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(2月19日0時現在)

      鏡ダム:貯水率28.4%(平年比60.6%)

                  (先週との差+11.6%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水T:18年10月19日10時〜 

         農水36.6%、上水29.8%、工水77.4%

      自主節水U:18年11月 1日 0時〜 

         農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%

      自主節水V:19年 1月19日13時〜

         農水24.0%、上水50.0%、工水78.2%

      自主節水W:19年 2月 2日15時〜

         農水29.4%、上水50.8%、工水79.5%

      一次取水制限:平成19年2月9日15時〜

         農水44.0%、上水51.8%、工水80.8%

         河川維持用水19.9%

 

○【重信川水系石手川】

   ・施設の状況(2月19日0時現在)

      石手川ダム:貯水率85.6%(平年比111.7%)

                    (先週との差+0.6%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水T:19年 1月25日12時〜

         上水 5.0%

      自主節水U:19年 1月29日9時〜

         農水33.3%、上水 5.0%

 

○【那賀川水系那賀川】

   ・施設の状況(2月19日0時現在)

      長安口・小見野々ダム:貯水率74.2%(平年比145.5%)

                       (先週との差+15.8%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:19年2月2日9時〜

         工水13.3%

 

○【吉野川水系吉野川】

   ・施設の状況(2月19日0時現在)

      早明浦ダム:貯水率57.5%(平年比72.5%)

                    (先週との差+1.3%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:19年2月6日0時〜

         徳島用水15%、香川用水(上水)10%

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(2月19日0時現在)

      大渡ダム:貯水率69.9%(平年比92.2%)

                   (先週との差+13.6%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:19年2月7日17時〜

         農業用水20%、水道用水20%

 

○今後の気象状況によっては、さらなる取水制限の強化も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.river.or.jp/shikoku/index.html

 

 

 

3.第4回 四国河川技術伝承会「中村河川国道事務所」を開催 (渡川水系 高知県)

 

○平成19年2月8日、中村河川国道事務所において河川技術の継承と向上を図り、質の高い河川の管理、整備の一助とすることを目的に、国土交通省を退職された5名の先輩諸兄の方々に依頼し、「第四回四国河川技術伝承会」を開催しました。

 

○今回の伝承者は、押川義二氏、松本一珠氏、濱口重夫氏、川田通氏、前中良啓氏で、皆さん、中村河川国道事務所の経験者です。

 

○会議では、伝承者の方々の自己紹介のあと、事務所より現在実施している「四万十川の自然再生事業」(特に、中山箇所のツルの里づくり、入田箇所のアユの瀬づくり)に関して、地域住民との連携によるこれまでの取り組み状況、工事状況等を説明し、それに対して伝承者の方々から、意見を伺いまし た。

 

○そのあと、現地に移動し、草地化や樹林化した河道を草木の少ない河原に返すための取り組み(間伐や伐採、土砂掘削の施工、安定的なアユの産卵に適した河道の維持等)について、これまでの工事内容とこれからの工事の内容について説明し、意見を伺いました。

 

○伝承者の方から会議、現地において、貴重なご意見をいただくことができ、これらのご意見を計画の一助とし、これからの「四万十川の自然再生事業」 に役立てていきたいと考えています。

 

 

 

4.「平成18年度 四国河川技術研修」が開催される  (四国地方整備局)

 

○平成19年2月13日(火)、14日(水)に香川県の高松テルサ(高松市屋島西町)において、四国河川技術研修を開催しました。この研修は、社団法人日本河川協会主催で、四国では始めての開催となりました。

 

○今回の研修は、河川管理をテーマとし、今後の事業実施に必要な実務的な知識を習得させ、職員の資質向上を図り、河川管理業務や河川事業の強化・充実に役立てることを目的としました。

 

○参加者は、研修生、聴講生を含め約250名が参加しました。

 

○一日目は、「安全・安心が持続可能な河川管理のあり方検討委員会」の近藤委員長からは河川管理の理念について、河川局治水課の竹島企画専門官からは河川維持管理基準について、群馬大学工学部の片田教授からは避難情報とハザードマップについて、気象庁高松地方気象台の土屋観測予報課長からは異常気象の現状について、それぞれ講義していただきました。

 

○二日目は、午前中、研修生と聴講生に分かれ、研修生は7つの分科会で河川管理、河川利用、危機管理の3テーマについて討議を行い、聴講生は、徳島河川国道事務所の高橋工務第一課長の汽水域で実施した河川工事(吉野川)についての講義と中村河川国道事務所の高橋工務第一課長の自然再生・保全と地域連携(四万十川)についての講義を聴講しました。

 

○午後からは、NPO法人日本水フォーラムの尾田相談役より「世界の水・日本の水そして四国の川」について講義していただきました。

  その後、午前中に行われた分科会の討議内容をもとに「明日の河川管理を考える」と題して、パネルディスカッションを行いました。コーディネーターとして、五藤河川情報管理官、パネリストとして、片田教授と竹島企画専門官、そして各分科会から7名の発表者が壇上に上がり討論が行われました。

 

○討論の内容は、河川管理としては、管理水準、維持管理、不法投棄について、河川利用では、住民参加、河川環境について、危機管理では、情報の共有化、ハザードマップについて活発な討論が行われました。

 

○こうして、平成18年度四国河川技術研修は、無事終了しました。本研修は、今後も継続して開催される予定ですので、今回参加できなかった方も次回の研修には、是非参加をお願いします。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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