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四国河川ニュース

1/20(土)〜1/26(金)》279号

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                                                               【2007. 1.29発行】

 

            ○四国・水こぼれ話談話室Vol.75○

 

    ○「幻の町制と水の魔力」           高知県 芸西村長 井上 一夫 村長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○四国地方整備局管内の渇水状況について(続報)         (四国地方整備局)

 

    ○肱川の竹林間伐作業の実施について              (肱川水系 愛媛県)

 

    ○不法投棄等取締りのための夜間パトロールの実施について   (吉野川水系 徳島県)

 

    ○平成18年度四国地方整備局スタッフ危機管理演習の開催について (四国地方整備局)

 

    ○四国防災トップセミナーの実施について             (四国地方整備局)

 

    ○四国テーマ設定技術の試行・現地見学会の実施について      (四国地方整備局)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.75

 

  「幻の町制と水の魔力」     (高知県 芸西村長 井上 一夫 村長)

 

○ 芸西村は、人口4,200人余り、面積39.63km2、北方は標高300mから600mの四国山脈の支峰が控え、東西は緩やかな台地で南に白砂青松と太平洋を望み、中心地を流れる和食川は200ha余りの農地を形成し、施設園芸発祥の地としてナス・ピーマンを主体とした園芸農業が盛んな県下でも屈指の産地です。

 

○ ただ、平野部の湿田を乾田化し、圃場整備した農地ではビニールハウス栽培で地下水を多用するため、農業用水や飲用水の不足を招くなど、治水以外 に利水と排水相反する大変複雑な問題を抱えています。

 

○ 現在、四国地方整備局と県の協力を得て、平成24年度完成を目途にダム高51m・総貯水量73万トンの多目的ダムの建設に着手、村も地元対策等を行い推進していますが、問題は、河川流域が狭く短いことです。

 

○ また、高低差の少ない平野部は、台風や大波を伴った強風時に河口導流堤の閉塞で圃場の冠水が度々起きており、内水排水ポンプ場を2箇所設置する も万全でなく、産地を守り育てるには水の制御が重要なため、河口導流堤の抜本改修が強く望まれています。

 

○ 水にまつわる話として、芸西村は、昭和29年3月に県下初の合併として4村合わせて人口8,350人、面積30.57km2の当時としては、理想的なモデル農村「芸西町」が誕生するはずでした。

 

○ 合併協議終結の数日後に水量の多い村の有力者から、合併同意の条件として「豊富な水を利用させる見返りに初代首長をほしい。」と切り出した話が村 史にありますが、これが叶わなかったためか真意不明のまま、その村は一夜で情勢を一変して無断離脱したため、4ヶ月後3村で合併したが、8,000人に足りず「芸西町」は幻となり、以後、水不足に悩まされることとなりました。

 

○ 離脱の背景には、県東部に拠点市を立ち上げたい県の意向が強く優先したこと。敢えて協議済みの枠組みから離反させたことが他の3村からは裏切ったとして遺恨となり、50数年経た平成の合併にも影響を与えています。

 

○ 昭和の合併時の重要な局面で水が関わっていたなど知る由もなく、改めて水の魔力を感じるとともに、幻の「芸西町」に想いを馳せております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報)   (四国地方整備局)

 

○ 昨年秋から四国地方は少雨傾向にあり、平成19年1月16日より高知県の物部川が取水制限を始めています。その後もまとまった降雨が無く、取水制限解除には至っていませんので、1月29日現在の四国地方整備局管内の主要河川における渇水状況をお知らせします。

 

○【物部川水系物部川】

   ・施設の状況(1月29日0時現在)

      永瀬ダム:貯水率21.0%(平年比49.8%)

                   (先週との差ー2.7%)

   ・支部等の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:1月16日16時

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:1月16日16時〜

         農水20%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(1月29日0時現在)

      鏡ダム:貯水率35.2%(平年比75.1%)

                  (先週との差ー9.0%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:18年10月19日10時〜

         農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(1月29日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率63.4%(平年比76.5%)

                     (先週との差ー3.5%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:18年11月17日0時〜

         工水10.0%

 

○ 上記3地域以外でも、吉野川水系の早明浦ダムの貯水率71.4%(平年比86.0%、先週との差ー8.8%)と、平年よりも厳しい状況にあります。今後の気象状況によっては、さらなる取水制限強化も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.river.or.jp/shikoku/index.html

 

 

 

3.肱川の竹林間伐作業の実施について   (肱川水系 愛媛県)

 

○ 平成19年1月13日(土)に肱川右岸8k400付近の高水敷きにおいて、ボランティアの皆さんによる竹林間伐作業が行われました。

 

○ 肱川の中流域は、河道高水敷きに竹林が密集し、流水への影響や景観への影響が懸念されており、それらの解消の助力として「小さなことからこつこつと」をスローガンに行われました。

 

○ 当日は、ボランティア団体「水中めがね」の皆さん11名、建設業者16名、地元住民5名、国土交通省6名、の計38名により、朝9時〜昼12時まで、竹林約350m2、およそ250本あまりの伐竹作業を行いました。

 

○ 刈った竹は幹と枝に分け、幹は野村学園で竹炭や加工品(竹馬・踏み竹)となり、枝は地元や希望者に配布し、ほうき等に有効利用される予定です。

 

○ また、春にはタケノコ狩りを、ボランティアの皆さんに楽しんで頂く予定です。

 

○ 今後は地域の皆さんにも広くご参加頂き、肱川への関心やご理解を深めてもらい、肱川に親しんでもらいたいと考えています。

 

 

4.不法投棄等取締りのための夜間パトロールの実施について (吉野川水系 徳島県)

 

○ 平成19年1月23日、吉野川流域(河口から池田ダム)及び旧吉野川、今切川において、野焼き、不法投棄取締を対象とした、今回で10度目となる「夜間パトロール」を行いました。

 

○ このパトロールには、徳島河川国道事務所42名、徳島県6名、徳島県警察約40名が参加し、現地パトロール及びCCTVを活用し、18時から21時まで河川敷等をパトロールしました。

 

○ 成果としては、吉野川右岸の河口から9km及び25km付近において、家庭ゴミの野焼きを2件発見し消火しただけですが、この結果は昨年よりも多く、残念な結果となりました。

 

○ 25日の徳島新聞朝刊に夜間パトロールの模様が記事となり、多くの県民に国土交通省の行っている不法行為に対する取り組みをPRすることが出来ました。

 

○ 不法投棄の件数は近年上昇傾向にあり、来年度以降も、河川巡視と併せ夜間パトロールを行い、良好な河川環境にしていきたいと思います。

 

 

 

5.平成18年度四国地方整備局スタッフ危機管理演習の開催について(四国地方整備局)

 

○ 平成19年1月24日に、すこやかセンター伊野(高知県吾川郡いの町)において、「平成18年度四国地方整備局スタッフ危機管理演習」を開催しました。

 

○ 演習は、いの町防災担当者を主に国、県の防災担当者を対象とし、危機管理への対応能力の向上に資することを目的に、いの町を流れる仁淀川の大規模な洪水災害や内水災害及び土砂災害を想定した情報収集及び伝達、市町村合併に伴う各支所との情報共有と役割分担、状況判断、マスコミ対応、関係 機関との連携等の具体的な対応をロールプレイング方式で実施しました。

 

○ また、高知県内の市町村防災担当者を集め、危機管理のあり方やロールプレイング方式による災害危機管理演習の作成方法等の説明会を開催しました。

 

○ 演習は、演習部員・指導部員・見学者を合わせて、約100名が参加し、10時〜14時の4時間にわたり、実際の災害と同様な緊張感の中で実施されました。

 

○ 演習終了後には、演習部員・指導部員による討論会を実施し、現時点での課題等の意見が出され、今後の防災体制に役立てる議論がなされました。

 

○ 最後に塩田いの町長、五藤河川情報管理官より、演習全体の講評を頂き、無事に終了しました。

 

○ 本演習で得た経験が、実際の災害対応に役立てば幸いです。

 

○ 来年度は徳島県内の市町村を対象に演習を実施する予定です。

 

 

 

6.四国防災トップセミナーの実施について   (四国地方整備局)

 

○ 四国地方では、東南海・南海地震が、今世紀前半にも高い確率で発生するものとされており、発生した場合には、広域で甚大な被害が想定されています。

 

  大規模地震・津波災害における被害の軽減を図るため、四国4県下の市町村長の方々を中心とするセミナーを四国地方整備局の主催、徳島県、香川県、 愛媛県、高知県の共催により、下記のとおり開催します。

 

  開催日時:平成19年2月2日(金)14:00〜16:30

 

  場  所:高松市サンポート3番33号  高松サンポート合同庁舎13階

      四国地方整備局 災害対策室

 

  主な内容:1)プロローグ 徳島大学大学院 村上教授

            2)意見交換会 第一部 被害想定の共有について

            3)意見交換会 第二部 情報の収集伝達、共有について

 

 出 席 者:四国東南海・南海地震対策連絡調整会議 委員及びオブザーバー

       四国4県下 市町村長

 

 [問合せ先:四国地方整備局 企画部 防災課(087-811-8310 ダイヤルイン)]

 

 

 

7.四国テーマ設定技術の試行・現地見学会の実施について(四国地方整備局)

 

○ 四国技術事務所では、「四国テーマ設定技術」と題しまして、昨年7月に大規模災害時に必要とされる技術として、「災害トイレ技術」、「平面画像処理技 術」、「無人化施工技術」、「避難誘導技術」の4技術について公募しました。そして、応募のあった技術のうち、新技術活用評価委員会にて選定した技術を対象に、直轄事業等のフィールドを提供する形で試行を行い、実現場における実用性等の検証を行っています。

 

○ この内、「無人化施工技術(1技術)」について、国営讃岐まんのう公園事 務所のフィールドで1月15日から19日まで試行を行いました。今回の無人化施工技術は、数km離れた場所からでも遠隔操作を可能とする技術で、伝送された3画像(内2画像は有線で伝送)を見ながら、操作ができます。また、画像伝送の遅れがほとんどなく、施工性に優れています。1月17日には、徳島河川国道事務所並びに香川河川国道事務所の職員を対象に現場見学会を行い、熱心に見学いただきました。

 

○ また、「避難誘導技術」については、高知新港の現場に照明装置(4機種)及び避難誘導標識(7機種)を実際に設置し、現在、視認性や照度等の実証 検証を実施しています。1月21日には地元の種崎地区津波防災検討会の皆様に現地において視認性等の調査・確認に関してご協力いただきました。今後、現地見学会を2月上旬(予定)に計画していますので、日程・時間等が決まりましたら、お知らせします(なお、2月23日頃まで、現地で自由に見学可能です)。 

 

 [問合せ:四国技術事務所 技術情報課(087−845−3135)]

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

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