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四国河川ニュース

1/13(土)〜1/19(金)》278号

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                                                               【2007. 1.22発行】

 

            ○四国・水こぼれ話談話室Vol.74○

 

    ○『おきよ池物語』と『人と水が出会う郷(くに)』 愛媛県 伊予市長 中村 佑 市長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○四国地方整備局管内の渇水状況について             (四国地方整備局)

 

    ○過去に造られた河川構造物の発見について          (吉野川水系 徳島県)

 

    ○「工事見学会」の実施について 〜肱川 多田地区〜      (肱川水系 愛媛県)

 

    ○「第3回四国水問題研究会」の開催について           (四国地方整備局)

 

    ○平成18年度 河川計画T研修の実施について          (四国地方整備局)

 

    ○『トータルステーションによる道路土工の出来形管理の試行工事』について (愛媛県)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.74

 

  『おきよ池物語』と『人と水が出会う郷(くに)』  (愛媛県 伊予市長 中村 佑 市長)

 

○ 伊予市は、古くから渇水に悩まされてきた地域であり、田畑に水を供給する『ため池』が数多く造られています。その『ため池』にまつわる昔話を紹介します。

 

○ 大洲藩六代藩主加藤泰衝(やすみち)の時代のことです。現在の伊予市双海町上灘の岡地区を中心とする日の地(ひのじ)部落は、連日の日照りに苦しんでおりました。

 

○ 藩主泰衝は前藩主泰温(やすあつ)の遺子である泰武(やすたけ)の乳母を探していたのですが、温厚で忠実その上にたいへん思いやりの心の深い、日の地部落の『おきよ』のことを聞き及び、さっそく『おきよ』をお召しかかえになりました。

 

○ 泰武が6才になった頃、藩主泰衝は『おきよ』の働きをたいへんに褒め称え、郷里に帰るための暇(いとま)を与えることにしました。また、『おきよ』は「願い事があるならば、遠慮なく申してみよ。」とのお言葉までいただきました。

 

○ いろいろと考えた『おきよ』は「私の郷里、日の地部落には水が少なく、わずかの日照りにも困るありさまです。村人達の難儀を救うために池を造っていただきたいのでございます。」と申しました。藩主は感心し、「郷里を思い百姓を案ずるとは、実に見上げた心がけである。」と力強くうなずかれました。

 

○ さっそく東峰に池を造ることが決まり、それから数年の年月をかけ、農民たちの懸命の努力により、池が造られました。

 

○ それから二百年間にわたって、この東峰からずっと下の灘町まで川に沿った田畑を潤したこの池は、『おきよ池』と呼ばれ、今も豊かな水をたたえています。

 

○ こうした先人達の努力、苦労に思いをはせながら、『ため池』を大切に守り、伊予市の基盤産業である農業を受け継いでいきたいと考えています。

 

○ また、水は、農業をはじめ産業の源であるばかりでなく、人の生活、更には命の源です。水環境に対する意識向上により、水質環境保全が重要な課題となっています。

 

○ 本市では、『ひと・まち・自然が出会う郷(くに)』という将来像を実現す るために、『人と水が出会う郷(くに)』再生プランを策定しました。汚水処理施設を通して、自然との共生・調和がとれた、いつまでも住み続けたいまちづくりを進めていきたいと思います。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転 送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四国地方整備局管内の渇水状況について (四国地方整備局)

 

○ 昨年秋から四国地方は少雨傾向にあり、平成19年1月16日より高知県の物部川が渇水調整に入りましたので、1月22日現在の四国地方整備局管内の主要河川における渇水状況をお知らせします。

 

○【物部川水系物部川】

   ・施設の状況(1月22日0時現在)

      永瀬ダム:貯水率23.7%(平年比49.2%)

   ・支部等の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:1月16日16時

   ・取水制限の状況

      一次取水制限:1月16日16時〜

         農水20%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(1月22日0時現在)

      鏡ダム:貯水率44.2%(平年比94.2%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:18年10月19日10時〜

         農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(1月22日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率66.9%(平年比81.2%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:18年11月17日0時〜

         工水10.0%

 

○ 今後の気象状況によっては、さらなる取水制限強化も予想されますので、日頃からの節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.river.or.jp/shikoku/index.html

 

 

 

3.過去に造られた河川構造物の発見について  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 国土交通省徳島河川国道事務所にて施工中の漏水対策工事(名西郡石井町藍畑西覚円地先)において、平成18年12月19日、高水敷部より明治時代に施工したと考えられる青石張河川構造物の1部が発見されました。

 

○ 今回の河川構造物は、高水敷きへの不透水層の敷設による対策工事を行う中で、高水敷を0.5〜3m程度の掘削中に発見されたものです。

 

○ 構造物は、第十堰から5qほど上流の右岸側で、当時の吉野川支川江川と吉野川の合流点で発見されたもので、大きさは上下流方向に長さ90m・横断方向に幅最大27mの2段構造であり、直径数十pの青石を敷き詰めて丸太と鉄製のボルトで固定しています。

 

○ 目的としては、支川の流れを本川に誘導して堤防の水際部を保護する役目が有ったのでは無いかと推定しています。

 

○ また、徳島河川国道事務所により保存している過去の平面図等との位置関係を確認すると、明治21年の図面上に存在する河川構造物の位置とほぼ一致することが確認されました。

 

○ ちなみにこの漏水対策工事は、平成16・17年における出水により多くの漏水被害が確認されたことに伴い、堤防の浸透に関する詳細点検を行った結果、危険性が高いと判断されたため、対策工事を行っているものです。

 

○ 今後は、保存も含め、有識者の方々にも意見等をお聞きしながら検討していく予定です。

 

 

 

4.「工事見学会」の実施について 〜肱川 多田地区〜 (肱川水系 愛媛県)

 

○ 肱川では、多田地区の改修事業により、現在使用している水源地(井戸)が堤防敷きとなるため、代替水源工事を鋭意施工しています。

 

○ 今回、総合学習の一環として、地元の三善小学校5,6年生を対象とした工事見学会が、平成19年1月11日に行われました。

 

○ 当日は、児童20名が参加し、代替水源地となる新井戸について、事務所や施工業者からの写真や図面等による説明の後、井戸を実際に見学しました。内径5m、深さ約17mの井戸をのぞきこみ、その深さなどに驚きの声が上がっていました。

 

○ 併せて、井戸水や肱川の水を使い簡易水質試験を行い、pHや硬度などを調べたり、建設機械の乗車体験などが行われました。

 

○ この見学会を通して、河川堤防の役割や必要性、また水質及び自然環境に理解を深めて頂けたと思いますので、今後も、このような機会を増やしていきたいと考えています。

 

 

 

5.「第3回四国水問題研究会」の開催について  (四国地方整備局)

 

○ 1月18日(木)高松市内のホテルで産・学委員14名(総勢15名)の出席により「第3回四国水問題研究会」を開催しました。

 

○ 研究会は徳島大学名誉教授三井宏委員が「吉野川の治水と利水」、NPO法人新町川を守る会副理事長板東美千代委員が「吉野川上下流連携に向けた取り組み」と題して研究発表を実施するとともに意見交換を行いました。

 

○ 三井委員は、吉野川の治水・利水について歴史的経緯を発表され、住民が安全・安心を享受できるように、河川行政は将来を見通して、治水・利水施策に取り組むことが必要である。板東委員は、17年に渡る新町川を守る会の取り組みを発表され、川の清掃から始まった活動が継続することで人の輪、活動の輪が広がり、吉野川の上下流が連携した活動に発展してきた。と述べられた。

 

○ 委員からは吉野川の水がどこでどれくらい使用されているかを把握することが必要、等の意見が出され、今後も研究発表による勉強会を継続していくこととなりました。

 

 

 

6.平成18年度 河川計画T研修の実施について (四国地方整備局)

 

○ 平成19年1月15日〜1月19日の一週間、四国技術事務所において河川計画T研修が実施され、自治体からの聴講生1名を含む12名が受講しました。

 

○ 研修内容については、現在全国の河川で策定中の「河川整備基本方針・河川整備計画」の概要や河川・ダム・砂防・海岸・防災事業など、河川行政における話題とともに、大学教授や生物事務所所長、NPO代表の方々を講師に招き河川に関して多岐にわたる講義を行いました。

 

○ 本研修で得た経験や知識が、受講生の皆さんの今後の業務において役立てば幸いです。

 

 

 

7.『トータルステーションによる道路土工の出来形管理の試行工事』について(愛媛県)

 

○ 四国地方整備局では、トータルステーション(TS)を用いた、道路土工の出来形管理要領の試案に基づいた試行工事を行いますのでお知らせします。

 

 [試行工事概要]

 工事名 :平成18年度 祝森改良工事

 事務所名:大洲河川国道事務所

 施工場所:愛媛県宇和島市

 工事工時:平成18年9月29日〜平成19年3月30日

 TS施工時期:平成19年1月15日〜平成19年3月30日

 

○ TSを用いた出来形管理の効果としては、

 

 @計測作業の迅速化

   従来の計測方向である巻き尺・レベル・トランシット等に代わり、三次元位置を瞬時に測定できます。

 

 A出来形資料の自動化

   従来の出来形管理資料は、手書き・手入力作業であったため繁雑で、ミスが排除できませんでしたが、TSを用いた場合、自動記録されたデータから自動的に出来形管理資料が作成できます。

 

 B品質の確保、検査の効率化

   現状の出来形管理基準より出来形管理測定に要する時間が短くなることによる測定頻度・回数を増やすことができ、品質確保、検査確認の効率化が図れます。

 

 詳しくは、下記四国地方整備局ホームページをご覧下さい。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/pres/h18backnum/kikaku/070116/totalstaision.html

 

 [問合せ:四国地方整備局 企画部 施工企画課 087-811-8312]

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html