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四国河川ニュース

12/23(土)〜1/5(金)》276号

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            ○四国・水こぼれ話談話室Vol.72○

 

    ○ 「次代に残そう清流海部川」       徳島県 海陽町長 五軒家 憲次 町長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○ 四万十川「ツルの里づくり」事業 〜小学生による野外体験学習会を実施〜(渡川水系 高知県)

 

    ○ 四万十川を「文化の香る川」に 〜小学生と俳句の銘板を設置〜(渡川水系 高知県)

 

    ○ 「川の通信簿」の実施結果について              (四国地方整備局)

 

    ○ 吉野川水系河川整備計画【修正素案】等について      (吉野川水系 徳島県)

 

    ○ 「四国テーマ設定技術」の試行・現地見学会の実施等について      (香川県)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.72

 

  「次代に残そう清流海部川」  (徳島県 海陽町長 五軒家 憲次 町長)

 

○ 平成18年3月31日徳島県海部郡6町のうち、南部の下灘3町(海南町.海部町.宍喰町)が合併し海陽町が発足しました。合併後の新町も、海.山.川に恵まれた、自然豊かな町です。この恵まれた3つの自然は、ここでのテーマであります水におおいに関係していると思われます。地域内には、北から伊勢田川、海部川、宍喰川がおおよそ北から南に流れ、その支流も数多く、温暖多雨の気候もあって水に恵まれた地域です。特にここでは海部川についてご紹介いたします。

 

○ 海部川は槙木屋谷、大木屋谷に源を発し全長約36キロメートルであり、下流の大里平野は海部川による沖積平野で、巨大な大里古墳や大里古銭の出土からも、古くから文化、産業がおこり海部文化の発祥の地でもあります。地域内のみを流れる海部川は古くから、ふるさとの川として地域住民の心のよりどころとして愛され、また地域住民とともに時代の変遷とともにかかわってきたのであります。時代は川上から川下へ・・・。大正の中期まで海部川は高瀬舟の水路として利用され、川上からは林産物の搬送に、川下からは生活物資の搬送等に、まさに地域住民の生活と重要かつ密接に関わっていたのであります。昭和40年頃からの林業の衰退は、川上の様相と、海部川をも大きくかえてしまった、そんな感じがします。人口の流出をまねき、特に老齢化が顕著になり川上から若者、子供の声さえ聞こえなくなった集落が出現しはじめました。小規模所有者の山林は放置され林内の荒廃を招き、保水力を失った針葉樹林帯の山林から水は一気に流下し、海部川の様相、沿岸漁場の様相まで変えてしまった気がします。

 

○ 地域では「次代に残そう清流海部川」を合い言葉に、海部川清流保全条例を制定し、地域住民、行政が一体となった取り組みを展開しております。

 

○ 最後に海部川の誇りのいくつかをご紹介いたします。まず上流部の平井地区(中部山渓県立自然公園)に轟の滝があります。轟の滝(本滝)のほかに数多くの個性的な滝が上流に続き、平成2年に「日本の滝100選」にも選ばれています。

 

○ 下流の海部川支流母川の源氏ホタルの乱舞は、海部川の初夏の風物詩として近隣住民に楽しまれております。また清流海部川は鮎の宝庫でもあります。清流に育った鮎は特に美味しく、シーズンを通じて釣客が訪れます。

 

○ このように自然いっぱいの海陽町に、是非一度足をお運びください。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四万十川「ツルの里づくり」事業 〜小学生による野外体験学習会を実施〜(渡川水系 高知県)

 

○ 12月8日(金)、中村河川国道事務所が実施している四万十川自然再生事業の一環である「ツルの里づくり」事業の工事箇所(中筋川中山箇所)において、近隣の小中学生による野外体験学習会が実施されました。

 

○ 学習会は、事業を進めている中村河川国道事務所とツル保護と観光による地域活性化を目指す「四万十つるの里づくりの会」が主催したもので、近隣の小中学生47人が参加しました。

 

○ 7月にも工事箇所の一部を使い小中学生がツルの餌となるモミまきなどの野外学習会を実施しており、今回は工事の進捗状況の見学やツルの餌となる玄米やモミをまいたり、ツル保護を呼びかける看板の設置を行うとともに、澤田佳長氏(野生生物環境研究センター所長)によるツルの学習会なども実施しました。

 

○ すでに11月頃より、周辺にナベヅル、マナヅルの飛来が確認されており、今後の飛来の増加が期待されます。

 

○ また、当日は「四万十つるの里づくりの会」の活動が農林水産省の「農村自然再生活動高度化事業」のモデル地区に指定されたことから、同事業のアドバイザーを努める専門家や全国の関係者の皆さんも見学に訪れました。

 

○ 中村河川国道事務所と「四万十つるの里づくりの会」では、一層の連携と協働活動を強め、事業促進とモニタリング、地域活動の活発化により、事業目標の達成を目指していきます。

 

 

 

3.四万十川を「文化の香る川」に 〜小学生と俳句の銘板を設置〜(渡川水系 高知県)

 

○ 12月9日(土)、四万十川自然再生協議会(事務局:中村河川国道事務所工務第一課)では、「四万十の水辺88箇所めぐり」の取り組みの一環として、四万十川下流域に設置済みの24箇所の標柱に俳句を書いた銘板の設置を行いました。

 

○ 当日は、自然再生協議会のメンバーの外、これまで標柱設置に協力してきた市内の小学生9名も参加しました。

 

○ この取り組みは、「四万十川の水辺88箇所めぐり」と表して2003年度からアンケートやフォトコンテストなどにより、四万十川の自然景観が豊かな箇所を88箇所選定し四万十川の保全や観光客等へのアピールを目的として行っているもので、現在、四万十川下流域の24箇所が選定されています。

 

○ 俳句の銘板は、地元の幡多信用金庫が毎年開いている「四万十川俳句全国大会」の2004年度の優秀作を杉板に記したものです。

 

○ 四万十川自然再生協議会では、引き続き今後2年間程度の予定で中、上流域の名所の選定を行い、同様に標柱や俳句の銘板設置を行っていく予定です。

 

○ こうした活動を通じ地域の人たちに水辺の大切さを知ってもらい、環境をみんなで守っていくことにつながることを願っています。

 

 

 

4.「川の通信簿」の実施結果について  (四国地方整備局)

 

○ 国土交通省では、平成18年度全国106水系230河川664箇所において、住民の目による河川空間評価「川の通信簿」を実施しました。四国においても一級水系全8水系13河川47箇所において延べ1,312人により、「川の通信簿」を実施しました。

 

○ 「川の通信簿」は、河川内で利用が想定される箇所を選定し、河川管理者が住民や住民団体等と現地において共同で河川の利用のしやすさを評価するものです。河川への近づきやすさや、施設の使い勝手等を点検し、最後に5段階の総合的な評価をしていただきました。

 

○ 四国における「川の通信簿」は平成15年度に続いて2回目となり、住民や住民団体等との共同作業で7月から10月に実施しました。実施した結果、47箇所のうち、5つ星(すばらしい)はありませんでしたが、4つ星(相当良い)は24箇所(51.1%)、3つ星(普通)は23箇所(48.9%)という結果になりました。平成15年度の実施結果と比較すると、1箇所あった2つ星(悪い)の箇所がなくなり、全般的に現在の状況が「良い」という評価が増えています。

 

○ 四国地方整備局では、公園等の管理者と協力し、点検結果における様々な意見を自然環境の保全と、安全で快適な河川や公園の整備に活かし、地域の 皆様に愛される河川を目指していきます。

 

 

 

5.吉野川水系河川整備計画【修正素案】等について (吉野川水系 徳島県)

 

○ 四国地方整備局では、現在「吉野川水系河川整備計画」の策定に向けた取り組みを行っています。平成18年6月23日に「吉野川水系河川整備計画【素案】」を公表し、専門的立場の学識経験者をはじめ、流域住民、市町村長から6月から9月にかけてご意見をうかがってきたところです。

 

○ 各会場をはじめ、パブリックコメントにより広く意見を募集したところ、たくさんのご意見をいただきました。みなさまからいただいたご意見をもとに、【素案】を修正し、「吉野川水系河川整備計画【修正素案】」を12月18日に公表いたしました。

 

○ 12月25日には徳島県建設センターにおいて、16名の学識経験者に出席頂き、「第2回吉野川学識者会議」を開催しました。今回の会議では、12月18日公表した「吉野川水系河川整備計画【修正素案】」について、様々な分野の学識経験者の方から、それぞれの立場での河川整備に対するご意見を頂きました。頂いたご意見は、吉野川の景観についてどのような景観要素が重要であるかを調査・把握する必要性、森林と川の水との関わり(遮断蒸発 と蒸散)についての正確な表現、10年程度を単位とした事業の進捗スケジュールの明示などに関するもの、をはじめとした具体的なご意見でした。第2回吉野川学識者会議の速記録については、後日、徳島河川国道事務所ホームページに掲載の予定です。

 

○ 今後も、「吉野川水系河川整備計画【修正素案】」について、「 第2回吉野川流域住民の意見を聴く会 」、「 第2回吉野川流域市町村長の意見を聴く会 」を開催するとともに、ハガキやインターネット等により流域住民の方々のご意見、ご質問を募集いたします。

 

○ 今後とも、情報公開、住民参加のもと、幅広いご意見を繰り返しうかがいしながら、吉野川水系河川整備計画の策定作業を進めていきます。

 

○ 今後の開催予定

 

■第2回吉野川流域住民の意見を聴く会

 

<下流域>

開催日時:平成19年1月20日(土) 13:00〜17:00

開催場所:吉野川市文化研修センター  徳島県吉野川市鴨島町鴨島 696-14

 

<下流域>

開催日時:平成19年1月21日(日) 13:00〜17:00

開催場所: 徳島県建設センター  徳島県徳島市富田浜2−10

 

<中流域>

開催日時:平成19年1月27日(土) 13:00〜17:00

開催場所: 三好市中央公民館  徳島県三好市池田町マチ2476

 

<下流域>

開催日時:平成19年2月 4日(日) 13:00〜17:00

開催場所:北島町公民館  徳島県板野郡北島町中村字上地23-1

 

<上流域( 高知県会場) >

開催日時:平成19年2月10日(土) 13:00〜17:00

開催場所:大豊町総合ふれあいセンター  高知県長岡郡大豊町黒石345-7

 

<上流域( 愛媛県会場) >

開催日時:平成19年2月11日(日) 13:00〜17:00

開催場所: 霧の森  愛媛県四国中央市新宮町馬立4491-1

 

 

■第2回吉野川流域市町村長の意見を聴く会

 

<上流域>

開催日時:平成19年1月22日(月) 13:00〜17:00

開催場所: 土佐町保健福祉センター  高知県土佐郡土佐町土居206

 

<中流域>

開催日時:平成19年1月24日(水) 13:00〜17:00

開催場所:徳島県美馬市美馬町字中東原75  美馬市美馬福祉センター

 

<下流域>

開催日時:平成19年2月 5日(月) 13:00〜17:00

開催場所: 徳島県建設センター  徳島県徳島市富田浜2−10

 

○ なお、吉野川水系河川整備計画に関する詳細については以下のホームページをご覧下さい

 

   http://www.yoshinoriver.info/

 

 

 

6.「四国テーマ設定技術」の試行・現地見学会の実施等について (香川県)

 

○ 四国技術事務所では、大規模災害時に必要とされる技術「四国テーマ設定 技術」を公募し、直轄事業等でフィールドを提供し、試行を通じて実用性の検証を行うこととしています。

 

○ 「四国テーマ設定技術」は、4技術(災害トイレ技術、平面画像処理技術、無人化施工技術、避難誘導技術)ですが、この内、「無人化施工技術(1技術)」 について、国営讃岐まんのう公園事務所の直轄事業のフィールドで1月15日から3日間の予定で試行を行います。

 

○ 試行に当たっては、事前の記者発表を実施するほか、近隣事務所等を対象に、現場見学会を行う予定です。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

          〒760-8554高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8416(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

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