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四国河川ニュース
《12/9(土)〜12/15(金)》274号
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【2006.12.18発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.70○
○ 「島の水は宝物」 愛媛県 上島町長 上村俊之 町長
○今週のニュース○
○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報6) (四国地方整備局)
○ 那賀川水系河川整備計画の「那賀川流域住民の意見を聴く会」を開催 (那賀川水系 徳島県)
○ 四万十川後川出張所の新庁舎落成式について (渡川水系 高知県)
○ NHKと災害等映像情報協定の調印式について (四国地方整備局)
○ 陸上自衛隊第14旅団と大規模災害時の情報交換に関する協定の調印式について(四国地方整備局)
1.四国・水こぼれ話談話室Vol.70
「島の水は宝物」 (愛媛県 上島町長 上村 俊之 町長)
○ 瀬戸内海に浮かぶ愛媛県上島町の貴重な水は、広島県中国山地の山奥から海底送水管により送られています。
○ 山の樹木が蓄えた水は、下流の町並みや瀬戸内海の島々に年間を通じて不足することなく一定量を提供しているだけではなく、小さな湧き水はやがて川となり、川の石や砂そして植物などの自然の力でさらに浄化され、とても美しくミネラル分を多く含んだ天然水として瀬戸内海にも流れ込み、海の生物をも育んでいます。
○ 平成元年4月まで上島諸島の島々は全ての面において水不足に悩まされ、簡易水道は整備されていたものの使用時間の制限があり、住民は梅雨時期の 降雨量に一喜一憂し、時には少し濁りのある水や匂いのある水も辛抱しながら、貯水池に溜まった水を一滴たりとも無駄にしない生活を営んできました。一方で水源を島内に求め、打ち抜きの井戸を何箇所も掘ったり、海水プラントによる淡水化も行うなど、あらゆる手を尽くしましたが満足な水量は得られず、最終的には広島県三原市から水船により運搬した水を買水することで不足分を補い、島人は水について並々ならぬ苦労を強いられてきました。
○ 海底送水管により、島々では慢性的な水不足が解消され、人々は生き生きとし、植物は瑞々しく、生活は一転しました。われわれ住民は、この命の水に感謝を込め「友愛の水」と名付け、歴史にとどめるべく記念の公園をつくり、記念碑を建立し、未来永劫忘れることのないよう心に刻んでいます。
○ 平成3年頃から「友愛の水」を通じて、上流の町(広島県・河内町)と下流の町との小学生による新たな交流が生まれました。言い換えれば、山の子と海の子の交流とも言えるこのイベントは、お互いの地域に無い物を活用しあうことで驚きと感動を実感するものになりました。その後、上流の町の更に源流に位置する町(広島県・福富町)との大人の交流が生まれました。源流の清水を育む山の植樹や管理の協力、お互いの地区の産業イベントに地域の特産品を紹介、販売して、物々交換を行うような地域の交流が行われ、自然で人間の原点に帰ったふれあい交流に発展しています。
○ 豊富な水を有する地域では何でもない「水」が、今の子供たちには空気と同じにしか感じていない「水」が、私たちの住む島では何ものにも換えがたい「宝物」であることを忘れることなく、先人の努力と水源の人々の温かい支えがあることを後世に伝えていくことが、今の私達の最も大きな努めであると感じています。
○ 「島の水は宝物」。友情と愛情を含み生命を潤す水が交流するまち、それが私たちのふるさと「上島町」です。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報6) (四国地方整備局)
○ 前号で12月11日現在の四国地方整備局管内の渇水状況をお知らせしました。その後、週の後半を中心に降雨がありましたが、引き続き水不足が続いていますので、12月18日現在の渇水状況をお知らせします。
○ また、12月15日(金)に高松地方気象台より向こう1か月の天候について発表があり、「平年に比べ曇りや雨の日が多い見込み」とのことです。
○【仁淀川水系仁淀川】
・施設の状況(12月18日0時現在)
大渡ダム:貯水率71.4%(平年比94.8.3%)
(先週との差+15.5%)
・支部等の設置状況
高知河川国道事務所渇水対策支部設置:10月19日16時
大渡ダム管理所渇水対策支部設置 :10月19日16時
・取水制限の状況
一次取水制限 : 10月19日16時〜
農水40%、上水20%
二次取水制限 : 10月30日16時〜
農水50%、上水50%
三次取水制限 : 11月10日12時〜
農水60%、上水60%
四次取水制限(緩和) : 11月28日0時〜
農水40%、上水40%
○【鏡川水系鏡川】
・施設の状況(12月18日0時現在)
鏡ダム:貯水率81.4%(平年比165.4%)
(先週との差 +10.6%)
・支部等の設置状況
未設置
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水:10月19日10時〜
農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%
○【吉野川水系銅山川】
・施設の状況(12月18日0時現在)
銅山川3ダム:貯水率67.3%(平年比84.9%)
(先週との差 +1.5%)
・支部等の設置状況
未設置
・取水制限の状況(自主節水)
自主節水:11月17日0時〜
工水10.0%
○ 上記3水系以外でも、物部川水系の永瀬ダムの貯水率が38.7%(平年比72.1%)と、平年より厳しい状況にありますので、引き続き、節水に御協力をお願いします。
○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホーム ページをご覧ください。
http://www.river.or.jp/shikoku/index.html
3.那賀川水系河川整備計画の「那賀川流域住民の意見を聴く会」を開催 (那賀川水系 徳島県)
○ 四国地方整備局、徳島県は、那賀川水系河川整備計画を策定のため「那賀 川流域住民の意見を聴く会」を12月9日(土)13:30より那賀町内(那賀町開発センター)において、参加者116名のもと開催しました。また、12月10日(日)13:30より阿南市内(阿南市羽ノ浦地域交流センター)において、参加者15名のもと開催しました。
○ 事務局より那賀川水系河川整備計画素案を説明後、那賀川流域住民の方々から那賀川の治水・利水・環境に関する貴重なご意見をいただきました。
○ 今後は、12月19日(火)午後3時より那賀川流域市町長の意見を聴く会を阿南市内(阿南市文化会館)で開催し、学識者会議や各会でいただいた意見を基に素案を修正し、那賀川水系河川整備計画を策定していきます。
○ なお、会議等の資料は以下の河川部HPにて、ご確認下さい。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/
4.四万十川後川出張所の新庁舎落成式について (渡川水系 高知県)
○ 12月10日(日)に中村河川国道事務所の現場出先機関である後川出張所の新庁舎落成式が行われました。式典には、来賓として、田村公平参議院議員、同じく広田一参議院議員の外、多くの方々の出席をいただき、晴天の中、つつがなく無事終えることができました。
移転先での業務開始は、12月18日(月)からとなります。
(新庁舎所在地:高知県四万十市井沢1031−46)
○ 旧後川出張所は「渡川第二出張所」として昭和39年4月に四万十市古津賀地先に移転・設置され、四万十川及び後川の河川改修、維持管理及び豊かな 自然環境の保全に取り組んできましたが、施設の老朽化と危機管理機能等の向上を図るために新築移転の運びとなり、42年間の幕を閉じることとなりました。
○ 新しい後川出張所は四万十川が見渡せる丘の上に位置し、1階に地域防災センターを併設した2階建ての庁舎となりました。外観は、周辺景観と調和するべく茶系の民家風とし、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
○ 1階の地域防災センターは、地域に開かれた施設として各情報の提供や展示などを行い、地域住民の皆様が気軽に立ち寄り活用していただけるコミュニケーションスペースを用意しています。また、四万十川を代表する魚類であるアカメの生息地としても有名な「アカメの淵」に近接した場所でもあることから、「釣りキチ三平」の作者である『矢口高雄氏』のご協力により、「アカメコーナー」として、「釣りキチ三平」の原画パネル、サイン色紙並びにアカメのはく製、モニュメント等を展示すると共に四万十川の魚類、伝統漁法、アオノリ等に関するパネル展示も行い四万十川の恵みと人々の生活との結びつきを紹介しています。
○ 人に優しい庁舎を目指して玄関スロープ、多目的トイレなどのバリアフリー施設を設け、休息の場所としても活用いただけます。
○ 2階には執務室の外に、会議室、待機室、通信情報機器室等が設けられ、維持管理及び災害対応に必要な各種情報の収集、防災機能が拡充されました。
○ 四万十川は今なお豊かな自然環境が残され、地域の方々の生活に密着した川として全国の皆様に愛されています。新たな後川出張所が四万十川・後川 での適切な河川管理や、四万十川のアカメをはじめとする魚類、植物、鳥類などの多様な自然環境を保全、継承していく拠点として有効活用されることを期待します。
5.NHKと災害等映像情報協定の調印式について (四国地方整備局)
○ 四国地方整備局管内に大規模な自然災害等が発生し、若しくは発生する恐れがあるとき、又は相手方の要請により、必要と認めたときに、四国地方整備局から災害等映像情報を提供し、放送等に活用することにより、住民の防災体制(被害等の予防、迅速な避難等)の強化を図ることを目的とした「災害等映像情報に関する協定」の調印式を、12月11日に新庁舎(合同庁舎)の13F新災害対策室にて、四国地方整備局次長とNHK松山放送局長出席のもと、とりおこないました。
○ 本協定は、平成15年9月3日に締結していた「ヘリコプターによる災害映像情報に関する協定」をとりやめ、新たに締結したものです。
○ 内容としては、これまでヘリテレ映像の提供だけであったものが、管内に設置している広域監視用カメラ等の映像情報の提供もおこなうもので、地域住民にとっては、より一層の防災体制の強化につながるものと思います。
6.陸上自衛隊第14旅団と大規模災害時の情報交換に関する協定の調印式について(四国地方整備局)
○ 四国地方整備局管内で大規模な自然災害等が発生したとき、災害の拡大防止と復旧活動の迅速かつ的確に対処することを目的に、陸上自衛隊第14旅団(善通寺市)と「大規模災害時の情報交換に関する協定」の調印式を、12月13日に新庁舎(合同庁舎)の13F新災害対策室にて、四国地方整備局長と陸上自衛隊第14旅団長出席のもと、とりおこないました。
○ 今回の協定は、平成10年3月11日に締結していたものをとりやめ、新たに締結したものです。
○ 内容は、大規模災害発生時等に備えて、新たに映像情報の共有を図るため、双方間で映像伝送回線を構築し、陸上自衛隊が収集したヘリテレ等映像と整 備局が保有する広域監視用カメラ等の映像を共有するもので、初動体制の強化を図り、より一層迅速な災害対応につながるものと思います。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 永原 隆
〒760-8554高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原)
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FAX 087-811-8416(河川計画課)
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