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四国河川ニュース

11/18(土)〜11/24(金)》271号

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            ○四国・水こぼれ話談話室Vol.67○

 

    ○ 四万十川の水は命と癒しの水       高知県 四万十市長 沢田五十六 市長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報3)       (四国地方整備局)

 

    ○ 那賀川水系河川整備計画【素案】の公表について      (那賀川水系 徳島県)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.67

 

  四万十川の水は命と癒しの水  (高知県 四万十市長 沢田五十六 市長)

 

○ 東京で今、安眠ホテルというものが流行っているそうです。多くのストレスで眠りが難しくなっている人達に、安らかな眠りが得られるホテルが人気だというのです。安眠の鍵は夜中バックに流れているせせらぎの音にあります。

 

○ 四万十川の魅力の一つが実はこのせせらぎにあるのです。四万十川本流の屋形舟にのるとわかりますが、そのゆったりとした流れに身をまかせて30分、1時間たってみると、身も心も癒されているのを感じるのです。四万十市には、枝分かれした3本の一級河川が流れこんでいます。四万十川の本川、後川、中筋川の三つです。屋形舟は本川に浮かんでいます。三本の河川の勾 配は後川が1500分の1、四万十川が2200分の1、中筋川が8000分の1です。つまり後川は15mで1cm、四万十川本川は22mで1cm、中筋川は80mで1cmの傾きで流れている、ということです。だから後川 のせせらぎは、流れが一寸速すぎてせかせかした感じが残ります。逆に中筋 川はゆったりしすぎて余り流れている感じがしません。これに対して四万十川本川のせせらぎは、両川に比べて、速すぎもせず、遅すぎもせず、川の流れに身をまかせ、両岸の緑を見、鳥の声を聞いていると、身も心も癒される 感じとなるのです。

 

○ 四万十川は全長196km、急峻な山肌を削って、片方に岩肌、片方に河原を作りながら、思う存分蛇行を繰り返すので、瀬や淵を多く抱えています。また下流部のゆるやかな流れが広い汽水域(海水と淡水の混ざり合った所)を作り出します。これらのことから四万十川の特徴が生まれます。

 

  @第一に、魚は瀬で運動し、淵で休みます。だから瀬や淵の多い四万十川には実に沢山の生き物が住んでいます。魚だけで180種をこえます。また、鮎、鰻、ツガニ、ゴリ、手長エビ、青ノリ、青サノリなどで生計をたてる専業の川漁師がいるのは、日本広しといえども四万十川だけなのです。

 

  A次に四万十川は日本一の清流といわれますが、特に冬から春にかけての川の透明度には、ここ来たすべての人が感嘆の声をあげます。しかし、日本一といわれる所以は、その清流と共に、昔の川がもっていた川らしい川の原風景が数限りなく残されているからなのです。ほとんどの川は防災のために、川の蛇行がゆるめられ、人工の護岸が施されました。四万十川は山合いを蛇行して流れているため、自然の護岸と河原が至る所に残っています。この川を見て心が和むのは、昔ながらの川の風景が人の心に郷愁をよぶのでしょう。

 

  B四万十川の三つ目の特徴は、河口に広大な汽水域が形成されていることです。恐らくその広さは日本一で、ここに住む魚は150種をこえ、海水の遡上は6kmにも及びます。汽水域は多様な生物の住み家になるだけでなく、鮎や鰻、ツガニや手長エビ、ゴリなどが孵化したり、成長したりするのになくてはならない所なのです。また、日本での生産量の殆どを占める青ノリや青サノリもここで育ちます。青ノリや青サノリの売上高は鮎や鰻の何十倍にもなります。

 

○ このような川は世界にも類がなく、我々は今や世界遺産への登録を目指して動き始めています。また、この川を楽しみ、癒しを求めてくる人達のための街道作りやもてなし、スポーツ、アウトドア、宿泊、飲食、案内などの準備をしています。一度、春光の四万十川の沈下橋(洪水がでると水の中に沈む)に座って満開の菜の花の中を流れる川の流れを楽しんでみて下さい。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報3)  (四国地方整備局)

 

○ 前号で11月20日現在の四国地方整備局管内の渇水状況をお知らせしました。その後、昨日(日曜日)を中心に降雨がありましたが、水不足の全面解消までには至っていませんので、11月27日現在の渇水状況をお知らせします。

 

○ また、11月24日(金)に高松地方気象台より向こう1か月の天候について発表があり、「四国地方は、平年に比べ曇りや雨の日が多い見込みです。降水量は平年並みまたは多い見込みです。」とのことです。

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(11月27日0時現在)

      大渡ダム:貯水率33.3%(平年比45.9%)

                   (先週との差+10.7%)

   ・支部等の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:10月19日16時

      大渡ダム管理所渇水対策支部設置  :10月19日16時

   ・取水制限の状況

      一次取水制限 : 10月19日16時〜

         農水40%、上水20%

      二次取水制限 : 10月30日16時〜

         農水50%、上水50%

      三次取水制限 : 11月10日12時〜

         農水60%、上水60%

 

      ※但し、26日の降雨により、26日17時〜取水制限を一時解除しています。

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(11月27日0時現在)

      鏡ダム:貯水率58.3%(平年比110.8%)

                  (先週との差 +5.4%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:10月19日10時〜

         農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%

 

○【吉野川水系銅山川】

   ・施設の状況(11月27日0時現在)

      銅山川3ダム:貯水率69.5%(平年比86.0%)

                     (先週との差 ー1.8%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:11月17日0時〜

         工水10.0%

 

○ 上記3水系以外でも、物部川水系の永瀬ダムの貯水率が35.1%(平年 比60.1%)と、平年より厳しい状況にありますので、引き続き、節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.river.or.jp/shikoku/index.html

 

 

 

3.那賀川水系河川整備計画【素案】の公表について (那賀川水系 徳島県)

 

○ 国土交通省四国地方整備局および徳島県では、「那賀川水系河川整備基本方針」の策定を受け、今後20〜30年程度の具体的な河川整備の内容を示す 「那賀川水系河川整備計画」について、流域の皆様の様々なご意見をお聴きするために、「那賀川水系河川整備計画【素案】」を作成し、公表しました。

 

○ 素案では、「安全で安心できる那賀川水系の未来が拓ける川づくり」を基本理念に、関係機関や地域住民との情報の共有・連携の強化を図りつつ、治水・利水・環境に関わる施策を総合的に展開していくこととしています。特に、近年の洪水および渇水の状況に鑑み、長安口ダムについては、機能強化を目的とした改造を計画するとともに、徳島県から国土交通省への移管を位置づけています。

 

○ 今後、より多くの方々から素案に対するご意見をいただきながら、整備計画の検討を進めて行きます。

 

○ 詳しくは、下記のホームページをご覧下さい。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

          〒760-8554高松市福岡町4丁目26−32

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-851-8474(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html