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四国河川ニュース

11/4(土)〜11/10(金)》269号

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                                                                         2006.11.13発行】

 

            ○四国・水こぼれ話談話室Vol.65○

 

    ○ 「蘇れ 聖なる川」             香川県 琴平町長 山下正臣 町長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○ 四国地方整備局管内の渇水状況について(続報1)       (四国地方整備局)

 

    ○ 『♪わくわく!!仁淀川♪』が開催される         (仁淀川水系 高知県)

 

    ○ 南海地震に伴う土砂災害対策連絡会を開催              (四国4県)

 

    ○ 「四国のみずべ八十八ヶ所」バスツアー 〜フォトコンテスト受賞地巡り〜(香川県)

 

    ○ 「留学生友好の森づくり事業」の実施について       (重信川水系 愛媛県)

 

    ○ 白滝地区自主防災組織の防災訓練について          (肱川水系 愛媛県)

 

    ○ 怒田・八畝地すべり対策検討委員会を開催               (高知県)

 

    ○ 平成18年度 河川管理・ダム管理研修を実施         (四国地方整備局)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.65  「蘇れ 聖なる川」  (香川県 琴平町長 山下正臣 町長)

 

○ 琴平町は、香川県の中西部に位置し、「讃岐のこんぴらさん」の門前町として全国に知られ、全国各地から年間300万人の観光客を集める観光のまちである。と同時に、地域の中心地として古くから発展し、独自の文化を育んできた町である。

 

○ 市街地の中央部に二級河川金倉川が流れている。金倉川は阿讃山麓に源を発し、途中、弘法大師が修築したといわれる日本一の灌漑用ため池の満濃池 を経て、まんのう町、琴平町、善通寺市、丸亀市を流下し、瀬戸内海に注ぐ流長20.5kmの河川である。

 

○ 金倉川は江戸の昔より、こんぴら信仰と深く拘りのある聖なる川であった。

 

○ こんぴら詣りの旅人は琴平に到着すると、長旅の汚れを金倉川で禊を行い、身を洗い清めて、こんぴらさんに参拝していたのである。別名「禊川」の所以でもある。

 

○ その金倉川も、戦後間もない昭和20年頃までは、子供達の遊泳の場であったが、徐々に水質汚濁が進行し、ゴミ投棄物が浮遊する劣悪な環境の河川 へと変貌していったのである。

 

○ 平成8年頃、1枚の写真が住民の意識を目覚めさせた。県庁ロビーで行われた環境展で特選になった写真である。「川が泣いている」と題した写真は、琴平町の中心部を流れる金倉川に浮遊する不法投棄物のアップ写真であった。頭部顔面に大きな一撃を受けた思いであった。以来住民と行政が一体となった環境美化運動が活発に展開された。県も動いた。護岸、河床整備等ハード事業が年次的に進められ、河川公園も中心部に誕生した。住民総参加のクリーン作戦が定期的に行われ、住民ボランティアによる巡回パトロールの実施、県と流域市町連合による「クリーンリバー金倉」の設立、一斉クリーン作戦展開と確実に運動の輪が拡大された。

 

○ 除々にではあるが、聖なる川は着実に甦りを見せている。

 

○ 琴平町では民間団体の手によって、毎年8月15日の夜、金倉川に於いて、戦没者慰霊・平和祈願灯ろう流しが行われ、夏の夜の風物詩として定着して いる。人々の暮らしと密接な関わりを持ち、多くの旅人を癒す聖なる川、河川の持つ多面的機能を改めて見直し、私達の今果すべき役割をしっかりと見極めてまいりたい。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四国地方整備局管内の渇水状況について(続報1) (四国地方整備局)

 

○ 前号で11月6日現在の四国地方整備局管内の渇水状況をお知らせしました。その後、先週土曜日に降雨がありましたが、水不足の全面解消までには至っていませんので、11月13日(今日)現在の渇水状況をお知らせします。

 

○ また、11月10日(金)に高松地方気象台より向こう1か月の天候について発表があり、「四国地方では、降雨の少ない状態が続いています。向こう1か月の降雨量は、平年並みの確率が最も高いですが、平年並みでも降雨量の少ない時期となりますので、引き続き、水や農作物の管理に十分注意ください。」とのことです。

 

○【仁淀川水系仁淀川】

   ・施設の状況(11月13日0時現在)

      大渡ダム:貯水率22.2%(平年比30.5%)

                   (先週との差+0.7%)

   ・支部等の設置状況

      高知河川国道事務所渇水対策支部設置:10月19日16時

      大渡ダム管理所渇水対策支部設置  :10月19日16時

   ・取水制限の状況

      一次取水制限 : 10月19日16時〜

         農水40%、上水20%

      二次取水制限 : 10月30日16時〜

         農水50%、上水50%

      三次取水制限 : 11月10日12時〜

         農水60%、上水60%

 

○【鏡川水系鏡川】

   ・施設の状況(11月13日0時現在)

      鏡ダム:貯水率59.0%(平年比110.9%)

                  (先週との差 ー5.0%)

   ・支部等の設置状況

      未設置

   ・取水制限の状況(自主節水)

      自主節水:10月19日10時〜

         農水15.4%、上水29.8%、工水77.4%

 

○ 上記2水系以外でも、物部川水系の永瀬ダムの貯水率が34.2%(平年 比58.9%)、吉野川水系銅山川3ダムの貯水率が74.7%(平年比86.9%)と、平年より厳しい状況にありますので、引き続き、節水に御協力をお願いします。

 

○ なお、管内の主要河川における渇水状況の詳細については、下記のホームページをご覧ください。

 

    http://www.river.or.jp/shikoku/index.html

 

 

 

 

3.『♪わくわく!!仁淀川♪』が開催される  (仁淀川水系 高知県)

 

○ 10月28日(土)仁淀川わくわく会議の主催で『♪わくわく!!仁淀川♪』が仁淀川波川緑地公園を中心に流域の24組55名の親子の参加で開催されました。

 

○ 参加者は山、川、海のコースに分かれ、それぞれ木登りやカナディアンカヌー等を体験しました。海のコースでは仁淀川河口で川漁師さんから投網の扱い方を教わり、実際に投網を体験していただきました。その後、川船に乗 って漁を見学し、大きなモズクガニやニゴイが網にかかると子ども達は歓声をあげていました。参加者は雄大な流れに身を任せながら仁淀川の豊かさを 感じていました。

 

○ 昼食は流域の幸を集めた「家庭料理のバイキング」で、日高村名産のトマトを使ったスパゲティ、山菜等、流域の食文化や産物を舌でも味わっていただきました。

 

○ 昼からは、午前中に集めてきた流木、木の実、石等を使ったオブジェやストラップを親子が協力して作りました。

 

 

 

4.南海地震に伴う土砂災害対策連絡会を開催 (四国4県)

 

○ 11月2日(木)にサンイレブン高松において「南海地震に伴う土砂災害対策連絡会」が開催されました。

 

○ 同会は、南海地震を直接的な誘因として発生する土砂災害や、地震後の降雨を誘因として発生する大規模土砂災害に備えるため、四国4県並びに整備局の砂防担当課等において、砂防の専門家の立場から大規模土砂災害の被害想定や被害軽減方法について勉強・検討することを目的として発足しました。

 

○ 会議では、新潟中越地震で発生した芋川河道閉塞などの土砂災害への対応について、新潟県砂防課の野沢課長と三木副参事、並びに愛媛県砂防課の西井課長(当時の湯沢砂防事務所長)よりお話し頂き、活発な意見交換がなされました。

 

○ 今後は、被害発生時の初動・緊急対応や平常時の活動などについて、新潟中越地震時に課題となった事項などについて勉強し、検討を進めていく予定です。

 

 

 

5.「四国のみずべ八十八ヶ所」バスツアー 〜フォトコンテスト受賞地巡り〜 (香川県)

 

○ 11月4日(土)「四国のみずべ八十八カ所」実行委員会香川部会主催による「四国のみずべ八十八カ所」バスツアーを開催し、フォトコンテスト受賞地を巡りました。

 

○ 「四国のみずべ八十八カ所」見学会は、昨年実施しました“小豆島のみずべ巡り”に次いで2回目となります。新聞の一般公募により県内から約50名の方が参加になりました。

 

○ 今回のみずべ巡りは、昨年12月に選定されました「四国のみずべ八十八カ所」フォトコンテストの受賞地で金賞に輝いた71番「父母ヶ浜」、銅賞及びユーモアー賞の73番「大見海岸・津島神社」など、受賞地の計5カ所のみずべを巡りました。

 

○ 当日は天候にも恵まれ、「秩父ヶ浜」では地元の「ちちぶの会」代表の塩田健治さんの説明を受けました。また、庄内半島の「紫雲出山」山頂から見る眺めは、県内でも瀬戸内海を一望できる絶好のビューポイントで、参加者の方々は写真を撮ったり、3代目浦島太郎山田要さんの話に聞き入ったりして秋の一時を楽しみました。

 

○ 今後とも「四国のみずべ八十八カ所」見学会を通じ、各みずべの魅力を掘り起こし、認知度を高め、地域の方々にみずべが愛され、地域の活性化に資するよう、今後も続けていきたいと考えています。

 

 

 

6.「留学生友好の森づくり事業」の実施について  (重信川水系 愛媛県)

 

○ 11月5日(日)石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会(委員長 愛媛大学鈴木幸一教授)及び愛媛大学主催による「留学生友好の森づくり事業」(愛 媛大学留学生30名、五明小学校児童3名、日浦中学校生徒20名、その他関係者合わせて約100名)を、石手川ダム上流の松山市水源涵養林において実施しました。

 

○ 石手川ダム上流域では、放置竹林の拡大や森林の荒廃により、自然の多様性が乏しくなってきていることから、石手川ダム水源地域ビジョンの基本方針である「水源地域の自然環境保全」と「地域における持続的かつ発展的な交流を実現する」ことへの一環として実施しました。

 

○ 最初に愛媛大学の小松学長、石手川ダム水源地域ビジョン推進会委員長の鈴木教授の挨拶をいただいた後、山すそに関係者による記念植樹と記念に「留学生友好の森」の看板を設置しました。その後、山道を30分登った竹林伐採跡地へケヤキ200本を植樹しました。

 

○ 今後は参加対象を拡げ、この事業を推進していくことにより、さらなる「水源地域の自然環境保全」と「ダム上下流の交流」ひいては「国際交流」の促進を図っていきます。

 

 

 

7.白滝地区自主防災組織の防災訓練について (肱川水系 愛媛県)

 

○ 11月5日(日)に、白滝地区自主防災組織(約40名)による、防災訓練が行われました。

 

○ 白滝地区自主防災組織は、白滝地区住民の隣保共同の精神に基づく自主的な防災活動を行うことにより、防災意識の普及、及び防災活動能力の向上を図り、地震、水害、その他の災害による被害の防止及び軽減を図ることを目的として、今年5月に結成されました。

 

○ 防災訓練では、国土交通省職員(3名)の指導によるロープワーク、土のう作りを行ったあと、越水対策の「積み土のう工」を実体験しました。また、大洲市職員(3名)、大洲市消防団長浜方面隊白滝分団(60名)が、消化器による火災消火訓練、消防ホース接続訓練を実演、指導し、最後に白滝地区自主防災組織婦人会による炊き出し訓練も行われ、充実した防災訓練となりました。

 

 

 

8.怒田・八畝地すべり対策検討委員会を開催 (高知県)

 

○ 11月6、7日の2日間にかけて現地視察並びに「怒田・八畝地すべり対策検討委員会」が開催されました。

 

○ 怒田・八畝地すべりは、昭和57年から直轄地すべり対策事業が開始され、抑制工を基本とした対策工が施工され、現在に至っています。怒田・八畝地 すべり地内には御荷鉾構造線が位置し、地形形成過程および地すべり機構が複雑であり、高度な技術力が必要と判断されることから、学識経験者並びに専門技術者の指導・助言を得る目的で本委員会を設置し、検討することにしました。

 

○ 委員会に先立ち現地視察を入念に行い、現地で構造物等の変状状況及びボーリングコアの確認を行った後、委員会では、これまで検討された地すべりブロック区分の検証について活発な意見交換がされました。

 

○ 今後は、対策工の効果判定を含めた地すべりブロックの現況評価、及び各ブロックの対策工の概略検討を行い、地すべり防止工事基本計画の見直しを行う予定です。

 

 

 

9.平成18年度 河川管理・ダム管理研修を実施 (四国地方整備局)

 

○ 11月6日〜10日まで(5日間)にわたり、四国技術事務所において、平成18年度 河川管理・ダム管理研修(技官と事務官の両方が受講)を実施しました。

 

○ 本研修の目的は、河川管理、ダム管理における専門知識を実践的な講義により身につけてもらうことです。具体的には、水防工法、河川堤防モニタリング、河川危機管理模擬演習(ロールプレイング)、採水分析・流量観測などの実務を体験したり、河川法における許認可業務やダム管理の実務について受講していただきました。

 

○ 特に、河川部長の講話では河川管理の歴史や重要性を学び、1日半の野外講義(水防工法、河川堤防モニタリング、採水分析・流量観 測)では、天候にも恵まれ、研修生の皆さんは良い経験をされたと思います。また、河川危機管理模擬演習では、数分おきに発生する事象に対応するため、最初は戸惑いもあったようですが、後半は各自が受け持つ役を演じきっていたようです。

 

○ 本研修で得た経験や知識が、受講生の皆さんの今後の業務において役立てば幸いです。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

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          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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