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四国河川ニュース

9/30(土)〜10/6(金)》264号

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                   ○四国・水こぼれ話談話室Vol.61○

 

    ○ 干ばつと雨乞い               香川県 綾川町長 藤井 賢 町長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○ 基本協定締結後、最初の具体的事業となる湛水幅杭設置について  (肱川水系 愛媛県)

 

    ○ 吉野川流域講座「河川事業について」を開催          (吉野川水系 徳島県)

 

    ○ 「第7回ナカちゃんに関する行政連絡会」を開催       (那賀川水系 徳島県)

 

    ○ 松明のなか土器川月見の宴を開催              (土器川水系 香川県)

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.61  干ばつと雨乞い (香川県 綾川町長 藤井 賢 町長)

 

○ 香川県のほぼ中央に位置する綾川町は、地理的、歴史的また人的にも深いつながりを持つ、綾上町と綾南町が平成18年3月21日に、合併して誕生 いたしました。人口は約2万6千人、面積109.67平方キロメートルの緑豊かな町です。町名の由来である「綾川」は香川県を代表する河川であり、これまでの2町発展には欠かすことのできないものでした。こうしたことから、今までの歴史や伝統、文化などを互いに尊重しながら、さらなる発展を とげるための象徴となるものとして「綾川町」と名付けられました。

 

○ さて讃岐路は、水のこぼれ話には不自由しないところです。

 

○ 地理的、気象的な条件がそのことを示すもので、阿讃の山々から、海までの距離がとても近いこと、雨水の約25%近くが溜池に、残りの75%は海洋に流れており、香川の溜池は実に1万4千余が、点在しております。このことから「干ばつと雨乞い」は、讃岐県人の頭中には、常にひらめいております。讃岐にはうどん屋の数が多いことでも知られております。またこのように驚くほどの溜池があることは、度々おとずれる水不足に備えるために、昔からつくられていた財産ともいえます。

 

○ その歴史が、菅原道真の雨乞いの祈願であります。それは仁和4年(888年)の大干ばつに城山(坂出市内)に登られて7日7夜ご祈願した最終の日に、大雨に恵まれて民、百姓は大いに喜び踊りました。

 

○ この踊りに法然上人が振り付けしたのが滝宮念仏踊りで、国指定重要無形民族文化財として毎年8月25日に滝宮神社、滝宮天満宮で奉納が行われて おります。

 

○ また、農業用水路の築造に尽力された人物として久保太郎右衛門さんがあげられます。綾川上流の山田地方から、滝宮地方の溜池に農業用水を誘引し、この地方の水田の稲作をはじめ、農作物は豊かな水に守られて育ちました。久保太郎右衛門さんは、その当時、財産を持つ庄屋でありました。萱原用水(誘引の水路)の工事は庄屋さんが自費で工事施工したことから、記念碑も建てられ、八坂神社(綾川町萱原)に神として奉られ今日も多くの方々に尊敬されております。

 

○ 綾川町の町名もさることながら、文化的、歴史的にも水のこぼれ話に事を欠かないことを将来に伝える任務があることを充分自覚し、かつ香川の水の 歴史の一つにしたいと思います。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転 送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.基本協定締結後、最初の具体的事業となる湛水幅杭設置について  (肱川水系 愛媛県)

 

○ 平成18年7月29日に、事業の円滑な遂行を図ることを目的として、山鳥坂ダム対策協議会、山鳥坂ダム水没者地権者協議会と「山鳥坂ダム建設事業に係る基本協定書」の締結を行いました。

 

○ 今回、これを受け平成18年10月3日から基本協定書に基づく最初の具体的事業となる湛水幅杭の設置を開始しました。

 

○ 湛水幅杭は、ダム貯水池の区域を確定するもので、ダム天端標高161mの位置に杭を設置するものです。

 

○ その後に実施する用地調査の前提となるものであり、今後、湛水幅杭が設置できた箇所から順次、用地調査を開始していくものです。

 

 

 

3.吉野川流域講座「河川事業について」を開催   (吉野川水系 徳島県)

 

○ 10月4日に、麻植郡石井町の石井防災ステーション他で明石高専の都市システム工学科3年生(42名)を対象に流域講座を開催しました。

 

○ 始めに河川事業について、担当者が1時間程現在の治水、利水、環境等の河川事業の取り組み内容を説明しました。余り聞き慣れない用語や行政的な部分は、判りにくかったようです。しかし、よりよい吉野川づくりに向けた取り組み等については、関心が高く熱心に聞き入っていました。

 

○ 現場見学として第十樋門、第十堰に移動し、堰の役割、構造、漏水状況などの説明を受け、また実際、堰に上がり土木工学に理解・関心を深めている ようでした。

 

○ 堰上流では、水が渦をまいて吸い込まれている様子を注意深く大勢で観察したり、また木の枝を渦に投げ入れたりして、現場の状況を体感していました。

  高専生からの質問には、

   ・堤防にロール状に置かれた刈り芝は何ですか?

   ・根固ブロックには特許があるのですか?

   ・魚道の一段の高さは何処から決まるのですか? 

 など専門的なものでした。

 

 

 

4.「第7回ナカちゃんに関する行政連絡会」を開催  (那賀川水系 徳島県)

 

○ 平成18年10月4日(水)午前10時から、「第7回ナカちゃんに関する行政連絡会」(那賀川河川事務所、徳島県、阿南市、阿南警察署、阿南消防本 部)を那賀川河川事務所(別館3F)にて開催し、8月末に亡くなったアゴヒゲアザラシ「ナカちゃん」の今後の対応等を議論しました。

 

○ 関係機関からナカちゃんが亡くなってからの主な出来事、一般等から寄せられた意見などが報告され、それらをうけ今後の対応を話しあいました。そ の結果、ナカちゃんについては、体の一部が腐敗していることもあり、全身の剥製は無理だということで、学術的にも貴重なものなので、ナカちゃんの 残せる部分はできるだけ残してもらうことで、徳島県立博物館に学術的に使っていただけるようお願いすることとしました。

 

○ また、ナカちゃんに関する今後の取り組みについて各機関から報告があり、以下のとおり実施することになりました。

  阿南市は、特別名誉市民であるナカちゃんの思い出を市民が忘れないように那賀川の現地にナカちゃんに関するものを設置します。また、ナカちゃんの思い出を市民の心に残しておくためにメモリアルイベント(写真展、紙芝居、絵画展等)を実施します。

  国土交通省那賀川河川事務所においては、那賀川を愛する環境啓発用として、ナカちゃんを取りまく軌跡についてまとめた冊子等を作成します。また、 阿南市が、那賀川の現地にナカちゃんに関するものを設置するに際し、協力します。

 

○ 阿南市と国土交通省那賀川河川事務所は、10月4日(水)午後に行政連絡会の結果を受け、徳島県立博物館にナカちゃんを学術的に使っていただけるよう、お願いに行きました。

 

 

 

5.松明のなか土器川月見の宴を開催    (土器川水系 香川県)

 

○ 10月6日(金)丸亀市の土器川親水護岸において、讃岐富士の飯野山を 背景に土器川恒例の「月見の宴」が約1,000人の参加があり開催されま した。

 

○ この土器川月見の宴は、土器川に思いを寄せる「土器川ロマンの会」が主催となって毎年中秋の名月時に、秋の夜長に土器川河川敷で名月を眺めながら交流を深めことを目的に開催されています。

 

○ 今年でこの月見の宴も21回目を迎え、土器川にとってなくてはならない行事のひとつとして定着してきました。

 

○ 今年の月見の宴は、あいにくの曇り空でしたが一瞬名月が顔を出し、松明やぼんぼりの明かりのなか、讃岐富士を背景とした絶好のロケーションで、参加者間で大いに交流を図ることができました。

 

 

 

 

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