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四国河川ニュース

8/26(土)〜9/1(金)》259号

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2006.9.4発行】

 

                   ○四国・水こぼれ話談話室Vol.56○

 

    ○ 水と戯れ・親しむ  (徳島県 北島町長  山田 昌弘 町長)

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○ 吉野川水系河川整備計画について            (吉野川水系 四国管内)

 

    ○ 「未来人スポーツ交流会in吉野川」を開催             (吉野川水系 徳島県)

 

    ○ 那賀川のアイドル「ナカちゃん」死亡           (那賀川水系 徳島県)

 

    ○ 「四国防災シンポジウム」を開催               (四国地方整備局)

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.56   水と戯れ・親しむ (徳島県 北島町長  山田昌弘 町長)

 

1)北島町は北の島

  わが町は吉野川下流の三角州に浮かぶ瓢箪型の「北の島」にある。昔は、周囲の旧吉野川や今切川に飛び込み、泳ぎ、魚釣りやのり・シジミ採りに興じ、そして、農業用水に、水運に利用するなど、川は生活の一部であり、友であり、生活の知恵の源でした。そして、水の課題といえば、洪水や塩害と の戦いでした。

  しかし、最近の川は近寄り難く、川と戯れる機会がほとんどありません。その上、節水の必要性が叫ばれるなど、環境は一変しています。水への理解 を深めるには、「水と戯れ・親しむこと」が原点となるでしょう。

 

2)水と戯れ・親しむ機会の数々

水と戯れ親しむ機会づくりに努めています。

  @ 水道週間に実施した「水道水のできるまで」をテーマにした「浄化施設見学会(6月)」です。日常、「当たり前」として使っている水の大切さに理解を深めました。

  A 「今使っている水はどこから来るの?」をテーマにした「吉野川源流を訪ねる旅(7月)」です。早明浦ダムや池田ダム、本川揚水発電所、白滝の里などを訪ね、そして、源流近くの支流や湧き水地帯を探検しました。「この清流が2、3ヶ月後には河口に流れ着くのだ」「しかし、なぜ下流では、このような清流がないの?」子ども探検団員の話題は尽きません。

  B 「川をもっと戯れよう!」をテーマにした「スーパーチャレンジin旧吉野川(8月)」です。「魚釣り」、「ウエイクボード乗り」、「河川清掃」をセットにした川遊びには、子どもチャレンジャーが嬉々として川に挑みました。

  C 旧吉野川河川敷の親水公園は、多くの住民がターゲット・バード・ゴルフやサッカーなど、運動や散歩を楽しんでいます。

  しかし、もっと簡単に川辺に接近し、水に触れ、戯れることが出来れば、もっと水を知る機会となるでしょう。階段護岸や歩道、そして、憩いの場や子ども達の自然学習の場などを備えた「水辺プラザ」を実現したいと思います。

  この「水と戯れ・親しむ」活動には、多くの関係の方々の協働をいただき、感謝申し上げます。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.吉野川水系河川整備計画について (吉野川水系 四国管内)

 

○ 四国地方整備局では現在、吉野川水系河川整備計画の策定作業を進めております。

 

○ 具体的には、「吉野川学識者会議」、「吉野川流域住民の意見を聴く会(流域 6箇所で開催)」、「吉野川流域市町村長の意見を聴く会(流域3箇所で開催)」を実施するほか、はがき、インターネットによるパブリックコメントを実施します。これまでに、それぞれの会を各会場1回ずつ開催しましたので、いただいた主な意見を紹介します。

 

○ 6月27日(火)には、第1回目の「吉野川学識者会議」を開催しました。

 委員からは、

  ・森林の現状と課題というのを入れるべきではないか。

  ・旧吉野川では南海地震で液状化が想定される。堤防だけではなく、堤内地の地盤変形と河川整備の問題も考慮しなければならないのでは。

  ・河川環境に関しては、やるべきことを明確に記載されたい。

 等のご意見をいただきました。

 

○ 7月8日(土)から8月6日(月)にかけて、「吉野川流域住民の意見を聴く会」を流域内の6会場で開催しました。

 いただいた主な意見としまして以下のものがありました。

 

 治水については、

  ・支川側を管理する県とも十分連携して堤防整備、内水対策を進めて欲しい。また、内水被害を軽減出来るような河道の掘削方法を考えて欲しい。

  ・中州の歴史的な景観を残して欲しいので、堤防の整備位置を複数案示すなど出来ないか。

  ・無堤地区の築堤を早期にやってもらいたい。

  ・内水対策について、内水被害軽減に向けた排水機場の増設・新設をお願いしたい。

  ・河川の拡幅を早期にやってもらいたい。

  ・支川の合流点付近に、水門及び排水機場の設置をして欲しい。

 等がありました。

 

 ダム等に関しては、

  ・早明浦ダムの洪水調節機能に対する質問と説明、及び有効活用への要望。

  ・早明浦ダムの濁水に対する対策要望

 等のご意見がでました。

 

 環境については、

  ・それぞれの場所に合った多自然型工法を採用する必要があるのでは。専門家や地元住民から意見を聞いて最善の方法を取ってほしい。

  ・地域毎の絶滅危惧種の保護などで環境保全目標の設定ができないか。

 とのご意見がありました。

 

 そのほか、

  ・上流の県管理区間についても、浸水被害が度々発生している。今後、直轄化する考えはないのか。

  ・理念だけではなく、日常から住民との関係を築く行動や場づくりを記載して欲しい。

  ・流域住民の意見を計画に反映させる過程に、住民参加ができるよう改善すべきである。

  ・濁水と堆砂の問題は森林と密接な関係があるため、流域の森林状況を把握し、関係機関と一体となった対策をして欲しい。

  ・洪水時の池田ダム放流量の予報を提供して欲しい。

  ・農業用水の取水に妨げになる土砂の採取や樹木伐採が必要。

  ・旧吉野川の支川上流に大量の廃棄物があり、川に流れ出すと飲み水に悪影響が懸念される。

  ・河川工事の中で、地元産の木材を使って欲しい。

 等のご意見もありました。

 

○ 7月11日(火)から7月26日(水)にかけて、「吉野川流域市町村長の意見を聴く会」を流域内の3会場で開催しました。

 いただいた主な意見としまして以下のものがありました。

 

 市町村長からは、

  ・無堤地区解消を40年望んできた。無堤地区の早期解消をお願いしたい。

  ・利用できる土地が少ない上中流域でこそ、河川空間を活用した整備をお願いしたい。また、川は観光資源でもあるので、船だまり、親水施設等の  整備もお願いしたい。

  ・5〜10年の間で実施する計画が知りたい。

  ・吉野川及び旧吉野川・今切川の無堤地区を早期に堤防整備してもらいたい。

  ・内水地区において、排水機場の増設・新設をしてもらいたい。

  ・災害情報網の整備や情報の内容を分かりやすくしてもらいたい。

  ・早明浦ダム設置者の責任として、ダム下流区間における浸水対策をして欲しい。また、高知県との調整をお願いしたい。早明浦ダムでの出水にお  いて事前放流が可能な設備の整備をして欲しい。

  ・早明浦ダムの濁水について、抜本的な対策を行って欲しい。

  ・森林整備との連携や堆砂対策とその有効活用を図って欲しい。

 等のご意見をおうかがいしました。

 

 

○ 【素案】については、国土交通省の関係機関及び各市町村の窓口で閲覧いただけるほか、ホームページからダウンロードすることもできます。

 (HP: http://www.yoshinoriver.info/index.html

 

○ 今後はこのような意見を聴く過程を繰り返し実施して、吉野川水系河川整備計画を策定していきます。

 

 

 

3.「未来人スポーツ交流会in吉野川」を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 8月26日(土)〜27日(日)に吉野川の水辺の楽校「ぶぶるパークみかも」に於いて、四国四県から小学生(2〜6年生)57名を含む総勢約100名が参加し、「未来人スポーツ交流会in吉野川」(四国河川文化ネットワーク主催)が開催されました。

 

○ 初日は、吉野川上流域に整備されている水防林の役割などについて説明を 受けた後、竹を使った食器づくりを体験しました。

  また、ファシリテーターの坂本氏と愛媛大学エコリーダーの指導で5つのグループに分かれて、学習会(水や川に関するゲーム形式の教育プログラム) を行い、親睦を深めました。

  宿へ移動する途中、樹齢1000年以上といわれる「加茂の大くす」を見学し、地元有識者の説明を受けて子供達は幹の大きさに驚嘆していました。

  また、夕食は昼間につくった食器を用いて焼肉をしました。

 

○ 二日目のサッカー大会は、今年で2回目となりますが、今回初めて四国四県による河川対抗で行いました。好天に恵まれ、地元徳島や香川からも父兄が駆けつけ熱い声援がおくられるなか、子供達は元気に駆けまわり、日々の練習成果を発揮していました。

  結果は、飯山FC(香川県)が優勝し、賞状と優勝カップが授与され、参加者全員に学習会の賞品および参加賞として記念品が贈られました。

  来年の再会を誓い、楽しい二日間が無事終了しました。

 

 

 

4.那賀川のアイドル「ナカちゃん」死亡 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 昨年11月に那賀川に現れて以来、愛くるしいしぐさで、住民を癒し続けてくれた、アゴヒゲアザラシの「ナカちゃん」が、8月27日(日)突然亡くなりました。

 

○ 27日午後6時頃、住民より連絡を受けた阿南市消防本部のレスキュ−が那賀川の中州にて動かないナカちゃんを確認し、その後、那賀川河川事務所職員も中州にて確認し、21時頃、とくしま動物園の獣医師が死亡を確認し、阿南警察署へ移送しました。

 

○ 28日午前9時、阿南警察署よりとくしま動物園に移送し、死因の確認のため獣医師等にて解剖を実施しましたが、腐敗が進行しており、死因の特定ができませんでした。その後、動物園の冷凍庫にて安置しました。

 

○ 28日午前10時ナカちゃんの今後の対応について、那賀川河川事務所等関係行政5機関で構成される『ナカちゃんに関する行政連絡会』にて協議し、 ナカちゃんの事を忘れないためにも、はく製にして残す、現地にナカちゃんのプレ−トを埋める、ナカちゃんの写真展を開催する、など、様々な意見がでましたが、再度調整をすることになりました。

 

○ 28日以降、住民、マスコミ等からナカちゃんに関する電話等での問い合わせが、100件以上那賀川河川事務所にあり、事務所はパニック状態とな り、ナカちゃん人気を思い知らされました。

 

○ 9月3日午後5時から阿南市那賀川赤池の地元住民主催の「ナカちゃんお別れ会」が開催され、約250人がナカちゃんとのお別れを行いました。ナカちゃん、夢をありがとう。そして、安らかに。

 

 

 

5.「四国防災シンポジウム」を開催 (四国地方整備局)

 

○ 8月29日に高松市において、四国防災シンポジウムを四国地方整備局主催、四国4県共催、土木学会四国支部後援で開催しました。

 

○ シンポジウムでは、内閣府大臣政務官(防災担当)の平井たくや氏より「東南海・南海地震対策について」と題して基調講演を頂いた後、「大規模地震・津波対策の取組について」として、香川大学の長谷川教授のコーディネイトにより、徳島大学村上教授による被害想定、四国地整菊池企画部長による四国東南海・南海地震対策連絡調整会議の取組のプレゼンテーションを受けて、国機関の連携しての対策、高知県の孤立地区の多発、香川県での自助・共助 ・公助の取り組みの課題に今後できることから対応していく等について愛媛大学の矢田部教授、香川県の細松防災局長、高知県の宮崎土木部長との意見交換を700名を越える参加者が熱心に聴講しました。

 

 

 

 

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          FAX 087-851-8474(河川計画課)

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