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四国河川ニュース

8/12(土)〜8/18(金)》257号

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                   ○四国・水こぼれ話談話室Vol.54○

 

    ○ 人の名前がついた川           愛媛県 松山市長  中村 時広 市長

 

 

                          ○今週のニュース○

 

    ○ 「第5回 土器川夕涼みコンサート」の開催について    (土器川水系 香川県)

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.54   人の名前がついた川  (愛媛県 松山市長  中村 時広 市長)

 

○ 近年の雨は、どこかおかしい。

  昨年も、平成6年の大渇水を上回るほどの異常少雨(4〜6月対比で、62%)に見舞われ、「週明けには、渇水対策本部を」と表明して程なく、短時日で300ミリを超える豪雨。渇水対策本部どころか、日曜日には災害警戒 本部を設置し、石手川ダムは一転して放流の事態となった。

 

○ ある気象予報士が、最近の雨を「いまどきの言葉を借りるなら、キレやすい傾向が強まっている」と表現していたが、突然の現象に翻弄され、対症療 法もなく、複合的要因が絡み合うなど、なるほど、と感じる形容である。

 

○ ところで、本市の最大河川は、古くは『伊予川』と呼ばれた暴れ川であり、キレる程の大雨に至らなくても、地形的な特徴(高い山と近い海)により、800年も前から何度も流路を変えてきた。

 

○ 洪水に心痛める、初代松山藩主・加藤嘉明から改修を命じられた河川奉行・足立重信は、工法を駆使し、流路の付け替えや堤防の強化、また、築城の際には湯山川(現在の石手川)の流れを、伊予川に合流させる難工事に着手。巧みに氾濫を食い止め、新田が増え、松山繁栄の基礎を築いた。

 

○  “石手川 重信川の 青田かな” 虚子

  重臣による偉大な功績を称え、伊予川は以後『重信川』と呼ぶようになったとされるが、司馬遼太郎氏をして、「日本の河川で人名がついているのはこの川だけではないか」と言わしめたほど、全国的に珍しいようである。

 

○ 重信川では名称のほか、周辺に点在する泉の伝説も残されている。130余のうちの「杖の淵」がそれ。長年大干ばつに悩むこの地を訪れた弘法大師は、唯一水をくれた老婆に感謝し、錫杖を地面に突き立て念じると、こんこんと水が湧き出し、以来1200年間、枯れたことがないという。

 

○ 現代は、キレる雨に対抗できる河川奉行もいなければ、異常渇水に対応できる錫杖もない。しかし、日頃からいろいろなケースを想定しつつ、行政・市民が英知を集め、可能な限りの対策を講じることが、第二の重信、第二の錫杖に近付く道であると思う。

 

○ 一時的な不足と一時的な過剰。松山は、水の貴重さをしみじみ感じる土地柄である。

 

○ 終わりに、松山を終焉の地として選んだ、種田山頭火の晩年の句を紹介しておこう。

   “濁れる水のなかれつか澄む”

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.「第5回 土器川夕涼みコンサート」の開催について  (土器川水系 香川県)

 

○ 8月5日(土)丸亀市及び香川河川国道事務所主催による「土器川夕涼みコンサート」を、土器川生物公園にて開催しました。

 

○ 土器川夕涼みコンサートは、今年で5回目となります。今年は天候にも恵まれ、月明かり照らす最高のシチュエーションの中で、園児達の元気いっぱいの踊りを始め、大正琴のアンサンブル、それぞれのジャンルを持った4組のグループによる歌謡曲などが披露され、ご来場頂いた方々に時間いっぱい 楽しんで頂けました。

 

○ コンサート会場の周りには、いろいろなブースが設置し、香川県特産の「どじょううどん」や、野点のお茶等を楽しんで頂きました。また、ミニ水族館 では、土器川に生息する魚やホタルの生態が詳しく展示し、多くの方に興味を持ってい頂けました。

 

○ 今後とも土器川夕涼みコンサートを通じ、地域住民の方に土器川に愛着を持ってもらい、河川環境を美しくしようとする意識を持ってもらえるよう、今後も続けていきたいと考えています。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  永原 隆 

          〒760-8554高松市福岡町4丁目26−32

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-851-8474(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html