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四国河川ニュース

7/1(土)〜7/7(金)》251号

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                                                                                                        【2006.7.10発行】

 

                   ○四国・水こぼれ話談話室Vol.48○

 

      ○ 集中豪雨と渇水とホタル     (香川県小豆島町 坂下 一朗 町長)

 

 

                          ○今週のニュース○

 

      ○ 四万十川で「水すまし作戦」〜カヌー清掃〜    (渡川水系 高知県)

 

      ○ 「美しい四国づくり」シンポジウムの開催について (四国地方整備局)

 

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.48  集中豪雨と渇水とホタル (香川県小豆島町 坂下 一朗 町長)

 

○ 小豆島町は今年3月に合併により誕生した、小豆島の東部と南部を占める人口約17,000人の新しい町です。急峻かつ複雑な地形を有し、河川が急流となっているため、過去に何度も水害と渇水に見舞われてきました。

 

○ 特に、昭和49年と昭和51年の集中豪雨では、谷という谷が土砂崩れを起こし、50名以上もの尊い人命が失われる未曾有の大災害となりました。昭和51年には数日間の間に1400mmもの降雨があり、役場には今も災害を忘れないように「1400mmの像」が設置されています。また、町民の間では、昔話の度に49災や51災という言葉が聞かれるなど、語り継がれています。

 

○ 小豆島町はまた、たびたび渇水にも苦しめられてきました。近年だけでも 昭和59、60、61年、平成3、6、7、8年とほとんど毎年のように深刻な水不足が生じており、特に平成7年から8年にかけては、連続230日間、最大16時間断水という、住民生活に深刻な影響を与える事態となりました。

 

○ このため、抜本的な治水及び利水対策として、新たなダム建設の機運が高まり、平成9年3月に、地元各位の深いご理解の下、総貯水量236万トンの吉田 ダムが完成しました。以後、水事情は大幅に改善されましたが、なお恒常的な水不足の状態は変わってないことから、現在内海ダム再開発事業を進めております。

 

○ ところでこの吉田ダムは、半径1km以内に山あり谷あり川あり海ありの、全国的にも珍しいダムです。もともとダム堰堤の奥ではホタルが多く見られますが、今年、ダム下流域に地元の方々の手でホタルの孵化施設ができました。近くにはオートキャンプ場やロッククライミング場があり、夏場は家族連れで賑わいます。何年か後の神秘的なホタルの乱舞が今から楽しみです。

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

2.四万十川で「水すまし作戦」〜カヌー清掃〜 (渡川水系 高知県)

 

○ 7月2日(日)に四万十川「佐田の沈下橋」から「赤鉄橋」までの約6km間を3時間かけてカヌー清掃を行いました(主催:四万十川流域住民ネットワーク代表世話人西内燦夫)。

 

○ 今回の参加者は、小学生から大人まで総勢20名+犬(アトム2歳)で、カナディアンカヌー4艇とカヤック5艇に分かれて清掃活動を行いました。

 

○ この取り組みは15年ほど前から始まったもので、四万十川を楽しみながら,陸からは行けない四万十川岸の清掃もしてしまうという贅沢なイベントです。

 

○ カヌーが初心者の子供たちも初めて1時間後には見事なパドルさばきで「高い枝に引っかかっている白や黒のビニール」「空き缶・空き瓶・発泡スチロール」などを回収し、ゴール地点ではカナディアン4艇に満載状態でした。

 

○ 清掃の必要がない川になることが理想ですが、そこにゴミがある限り「水すまし作戦」は続きます!

 

 

 

3.「美しい四国づくり」シンポジウムの開催について (四国地方整備局)

  〜美しさの再発見、広げよう地域の魅力〜

 

○ 7月1日(土)に徳島市川内町の大塚ヴェガホールにおいて「美しい四国づくり」シンポジウムが開催されました。

 

○ 基調講演では、美しい四国づくり委員会委員である東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授西村幸夫委員が「心に残る風景づくりと四国」と題して、日本各地の事例についてスライドを用いて紹介いただきました。

  歴史や人の熱い思いといった物語が風景にあり、それを含めて見て感動する、人の心が伝わる仕組みがあるといいとのアドバイスをいただきました。

 

○ パネルディスカッションでは、梅原委員長(四国観光立県推進協議会会長)がコーディネーターを務め、パネラーであるNPO法人新町川を守る会中村英雄会長から、川から見た建物や看板などの景観のルール作りを始めた報告、NPO法人大南信也理事長から、世界からアート活動者を集め、アート作品 によるまちづくりを実施している報告、行政の立場から亀井鳴門市長が鳴門市の花いっぱい運動など美しいまちづくりについて報告がありました。また、美しい四国づくり委員会委員の木村委員からは、お接待の心で観光客をもてなすことを強調した上で、四国にはおいしい食べ物、木の文化など宝物がたくさんある。それらを活用することが大切。立木委員からは徳島県上勝町の「いろどり事業」を紹介しながら、いきいきとした「人」が大切と訴えられました。

 

○ 最後に「美しい四国づくり宣言」を下記のとおり採択しました。

 

  美しい四国づくり宣言

   瀬戸内海の美しい島々、見上げる山々、清流と渓谷、そしてお遍路文化。

   四国に残された豊かな自然や歴史・文化、ふるさとの原風景は、かけがえのない日本の宝です。

   これからの「心」の時代に、これらを活かし、人々の心を温かく包み込む、五感に訴え、心の安らぎを与える美しい四国を築いていくことが大切です。

   そのため、四国伝統の普請やお接待の精神を大いに発揮し、心をひとつに、住んで良し、訪れて良し」の四国づくりを進めます。

   そして、この魅力ある四国を、国内はもちろん世界に発信していきます。

   すばらしい四国の未来を願って、ここに美しい四国づくりを宣言します。

 

  ● ふるさとの原風景を守り育て、いきいきとした人々の営みにより、美しい四国を創造します。

 

  ● 地域の自然や文化に誇りと自信を持ち、おしゃれで洗練された魅力へと磨きをかけていきます。

 

  ● 四国内外に交流の輪を広げ、おもてなしの心をもって、訪れる人々を心から歓迎します。

 

  ● 地域をつなぎあい、「四国はひとつ」の取組を進め、四国ブランドを世界に情報発信します。

 

  ● 地域が主役となって、人を育て、市民も企業も行政も連携してこれらの取組を進めます。

 

 

 

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          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(永原) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-851-8474(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

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