****************************************

四国河川ニュース

3/18(土)〜3/24(金)》236号

****************************************

                                                                    【2006.3.27発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.34○

    ○「ヤツメウナギ」が消えた(高知県 大豊町 岩崎 憲郎町長)

 

 

○今週のニュース○

    ○平成16年度 河川水辺の国勢調査(生物調査)結果について(四国管内

 

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.34

 

    「ヤツメウナギ」が消えた     (高知県大豊町 岩崎 憲郎町長)

 

○.川は遊び場

  子どもの頃、吉野川でよく遊んだ。特に夏休みとなると、毎日のように川に子どもたちが集まり、時間のたつのも忘れ川遊びに夢中だった。そこで、先輩に泳ぎを習い、潜ることも覚え、同時に鯉釣り、鮎漁、ウナギ漁など、いろいろな川漁の楽しみ方も覚えた。

 

○.ヤツメウナギ漁

  いろいろな漁があるなかで、ヤツメウナギ漁は6月頃の夜間、急流で川岸に陣取り、カーバイトランプの光を利用し、遡上するヤツメウナギを「ぶったい」という手製の網ですくい捕る、一年で数週間だけのユニークで楽しい漁だった。大人も子どもも昼間から競って場所を取り日の暮れるのを待つ、そして捕ったヤツメウナギは甘辛く煮付ると実に珍味だった。

  また、夏休みに、泳ぎの合間に川岸の砂をすくうと、ヤツメウナギが捕れた。小さな稚魚もよく捕れたので、おそらく近くに産卵場所があったのではないだろうか。

  このヤツメウナギが、すっかり見えなくなった。変わりにブラックバスがいる。

 

○.変わった川

  昨年の渇水では、ダム湖底の濁水が流れ、悪臭を放つ濁流となった。川漁は勿論のこと、昔子どもたちの遊ぶ姿を見ない日がなかった川に、今は行く子どもたちもいない。また、一昨年は洪水により、ビニールハウスや工場が浸水するなど、治水機能を持ったダムがありながら、大きな被害が発生した。渇水でも、豪雨でも、直下流の地域では住民が迷惑を被り、将来に大きな不安を抱いて生活している。

 

○.ヤツメウナギの住む川

  いま、吉野川の河川管理計画の見直しが進められている。そこで提案だが、この計画の目標として、「ヤツメウナギの住む吉野川」はどうだろう。

  流域で生活する住民の視点での計画見直しをみんなで考えよう。

 

○.なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

2.平成16年度 河川水辺の国勢調査(生物調査)結果について (四国管内)

 

○この程、3月24日(金)に平成16年に実施した四国の一級水系8水系と水資源機構の管理ダムを含む直轄管理中の9ダムにおける河川水辺の国勢調査結果(生物調査)の記者発表を行いましたので、その概要を報告します。

 

○河川水辺の国勢調査は、「魚介類」、「底生動物」、「植物」、「鳥類」、「両生類・ 爬虫類・ほ乳類」、「陸上昆虫類」、「動植物プランクトン(ダムのみ)」の各項目を概ね5ヶ年で一巡するように実施しており、平成16年度調査は、3巡目の調査となります。

 

○今回の調査では、河川調査で魚介類・底生動物で8種類、陸上昆虫で7種類など全体で28種類を、またダム調査で植物で21種類、鳥類で3種類、全体で24種類の特定種(環境省RL/RDB)を確認しました。また、これまで、関東4県と愛知県のみでしか確認されなかったトダセスジゲンゴロウが四国(吉野川)で初めて確認されました。また、土器川でも四国で愛媛県と高知県のみでしか確認されていなかったクボハゼが確認されるなど、四国の河川の環境は、比較的良好な状況に保たれていることが伺えます。

 

○ダム湖調査では、中筋川ダムにおいてミサゴの人工巣での繁殖が確認されました。ミサゴは、生態系の頂点に立つ稀少な猛禽類ですが、中筋川ダム周辺では、繁殖に利用していた木が枯れるなど繁殖場の減少を懸念し、平成12年から人工巣を設置しておりましたが、平成16年に初めて、2羽のヒナが 巣立ちました。

 

○外来種は、人間によって意図的・非意図的に本来の生息域とは違うところに持ち込まれた種で、生物の多様性を保全する上で大きな脅威の一つになると考えられています。こうした外来種は、繁殖力が強いため、在来種への影響 が問題となっています。魚食性の強いオオクチバス、卵を食べる雑食性のブルーギルをはじめ、ミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)、イネ科のシナダレスズメガヤなど多くの外来種が定着、あるいは生息域が拡大している傾向が見られます。外来種は、競争、捕食、病害あるいは環境の改変を通じ、在来種の存続を脅かす要因であることから、今後もモニタリングを続けていく必要があります。

 

○本調査結果の詳細については、今年度内に以下のホームページで公開予定となっています。

      水情報国土データ管理センター http://www3.river.go.jp/IDC/index.html

                                                                                   

 

 

                                                                                         

 

「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、

また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐 大谷忠夫

760-8554高松市福岡町4丁目26−32

TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(大谷)

FAX 087-851-8474(河川計画課)

──────────────────────────────────────────

四国地方整備局 ホームページURL(河川)

http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html