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 四国河川ニュース

2/18(土)〜2/24(金)》232号

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2006.2.27発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.30○

  ○カワウソが棲める環境に(高知県 須崎市 笹岡 豊徳市長)

○今週のニュース○

  ○第5回吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会の開催について(吉野川水系 徳島県)

                                                  

 

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.30 カワウソが棲める環境に (高知県 須崎市 笹岡 豊徳市長)

 

1.はじめに

○.須崎市は、高知県のほぼ中央に位置し、四国山脈を背に黒潮踊る太平洋に面した海洋都市です。須崎港は、天然の良港として古くから栄え、今では巨大な船舶が出入りする国際貿易港となっています。

 

2.清流「新荘川」

○本市を縦断する流程24.1kmの美しい清流です。昭和49年の夏、特別天然記念物のニホンカワウソが発見され人々を驚かせました。ほとんど絶滅状態で幻の動物と言われていただけに、須崎市は一躍カワウソの街として有名になりました。昭和54年の夏、カワウソは再び市内に出没し、その後も 足跡などの生息情報が寄せられました。

 

3.カワウソの棲める環境に

○新荘川は市民にとって憩いの場であり、本市の重要な水源地でもあります。しかし、最近ではツルヨシが川原を覆い、子供たちが遊べる場所が少なくなり、かつての清流が失われつつあります。また洪水となると、草木が海に流れ込み大きな問題となっています。そこで、新荘川に思いを寄せる市民の方々が行政と連携・協力し川の環境改善に向けツルヨシの刈り取り、ゴミの清掃など幅広い活動を行っています。

 

4.次世代のために

○カワウソにとって棲み難い環境というものは、人間にとっても決して良い環境とは言えません。酸性雨が森を破壊し、異常気象が多発し…。これらの要因として地球温暖化が叫ばれています。

 

○全ての人々が、温暖化の原因である二酸化炭素排出削減に取り組まなければならないと思います。本市においては、四国一の発電規模となる300kwの太陽光発電施設が一般廃棄物処理場に建設中であり、平成19年度までに市内全体で1,000kwの発電規模を目指します。また、木質バイオマス 発電についても調査研究を進めており、クリーンエネルギーの街づくりを積極的に推進して行きます。

 

○澄んだ水、空気、美しい森、川、海、かけがえのない豊かな自然を次世代へ残すことが、私たちの努めだと思います。

 

○なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

2.第5回吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会の開催について(吉野川水系 徳島県)

                                             

 

○2月20日(月)、徳島河川国道事務所では第5回吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会を徳島市内のホテルにおいて開催しました。

 

○今回の委員会では、『シナダレスズメガヤ定着特性に関する調査結果』、『ヤナギ伐採試験のモニタリング調査結果』及び『吉野川シナダレスズメガヤ対策(案)』について検討を頂きました。検討概要は、以下のとおりです。

 

【シナダレスズメガヤ定着特性に関する調査結果について】

  洪水による自然営力、侵入・定着のしやすさの検討と今後の対策の実現に向けた検討として、洪水がシナダレスズメガヤの成熟株を消失させた掃流力マップとシナダレスズメガヤの分布と環境条件(植生タイプ・比高等)から、シナダレスズメガヤの侵入可能性が高い場所を示すマップを作成し、これらのマップを重ね合わせることで定着可能性が高い場所を抽出し、レキ河原の維持管理水準を設定しました。

 

【ヤナギ伐採試験・モニタリング結果について】

  洪水の営力により動的に維持される健全なレキ河原の再生に向けた現地実験として、ヤナギ群落の一部を伐採しヤナギ伐採の効果を検証しました。その結果、ヤナギ伐採によりシナダレスズメガヤが侵入・定着しにくい環境が形成されると考えられ、有効な手法の一つであることが確認されました。

 

【吉野川シナダレスズメガヤ対策(案)について】

  これまでの検討結果から『吉野川シナダレスズメガヤ対策(案)』をとりまとめました。なお、吉野川シナダレスズメガヤ対策の基本方針は以下のとおりです。

  シナダレスズメガヤが侵入・定着しにくい河道状態の創出・維持にあたっては、川が本来持っている洪水営力を可能な限り利用することを基本とし、次の対策を実施する。対策の実施にあたっては、シナダレスズメガヤの定着特性、レキ河原を利用する動植物を踏まえ優先度を検討する。また、経済性、効果持続性、維持管理の容易性等を考慮するとともに、対策実施に伴う河川環境への影響へも配慮する。(一部抜粋)

  ◆シナダレスズメガヤの侵入・拡大の要因となる河道内樹木の伐採

  ◆治水上の観点から河積確保等の必要な場所については、河原の切り下げ

  ◆人為的な除去対策としての抜き取り

 

○今後、徳島河川国道事務所では、吉野川のよりよい河川環境を保全・創出していくために、本委員会での検討結果を河川整備計画に盛り込み、シナダレスズメガヤ対策を実施していくこととしています。

 

○本委員会を閉じるにあたり、岡部委員長からは「平成16年、17年にわたり、洪水営力を感じられる機会が多くあり、有意義な調査・検討が実施され、 掃流力と侵入可能性をあわせて把握することによって具体的な管理方針を策定できた。」とのお言葉をいただきました。平成16年1月から3箇年にわたり多大なご尽力を賜りました委員の皆様方には、深く感謝申し上げます。

 

 

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■連絡先■

四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐 大谷忠夫

760-8554高松市福岡町4丁目26−32

TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(大谷)

FAX 087-851-8474(河川計画課)

四国地方整備局 ホームページURL(河川)

http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html

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