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 四国河川ニュース

12/24(土)〜1/6(金)》225号

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2006.1.10発行】

 

新年あけましておめでとうございます。今年最初の四国河川ニュ−スをお届けします。

本年もよろしくお願い致します。

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.23○

○鳴門市における水に関する話題(徳島県 鳴門市 亀井 俊明市長)

○今週のニュース○

○第5回吉野川河道内樹木管理手法検討委員会の開催(吉野川水系 徳島県)

○ 「四国のみずべ八十八カ所」隠れた秘境紹介〜33番 氷室の大瀧(おおたび)〜(高知県内)

              

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.23  鳴門市における水に関する話題 (徳島県 鳴門市 亀井 俊明市長)

 

1.はじめに

○鳴門市は四国の東部、徳島県の東北端に位置しており鳴門海峡をへだてて淡路島に対峙し、本州と結ぶ四国の東玄関をなしています。特に北部は瀬戸内海国立公園に指定され、北に播磨灘、東に紀伊水道をのぞみ、鳴門海峡の急流と逆巻く渦潮でその名を知られた景勝地であります。恵まれた自然や歴史、文化などの観光資源を有機的に結んだ広域環境誘致事業を展開するとともに、全国的にも高い評価を受ける「鯛」「ワカメ」「さつまいも」「塩」など数多い地域特産物の供給基地としての体制づくりを進めています。

 

2.川に関する話題

○周りを海に囲まれた本市は、太古の昔から海や川が人々の生活に欠かせないものでした。慶長初年に塩田が開かれるとともに、今も市の中心部を流れる撫養川は塩の積み出し港として交通の要衝の地となりました。撫養(むや)の地名の由来は塩を運搬する「てんま船」の網をむやう(結ぶ)がなまってつけられたとも言われています。

 

○昭和30年代には、貸ボートなども浮かび、人々の憩いの場として親しまれていました。平成3年から着手されました撫養川ふるさとプロムナート水辺空間整備事業は、県市総事業費約60億円で整備され、平成12年7月には、グリムメルヘンプロムナードなどの創意工夫が認められ「手づくり郷土賞」を授賞することとなりました。現在も親水公園として、老若男女を問わず癒しの空間となっています。

 

○また、撫養川のほとりで、毎年開催されております鳴門の花火大会には県下一円はもとより、近隣他県からも大勢の人々が訪れ、空では大きく花開く花火と、川の波間に写しだされる花火が幻想的な色合いをかもしだしています。さらに冬には、イルミネーションも点灯し、道行く人々を楽しませています。

 

○その他市内を流れる川は36本あり、これらの川は農産物への水供給などに欠かすことの出来ないものです。

 

○今後も環境を守り、利水、治水に努め市民生活の安全を実現してまいりたいと考えています。

 

○なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

2.第5回吉野川河道内樹木管理手法検討委員会の開催(吉野川水系 徳島県)

 

○12月27日(火)、徳島市内のホテル千秋閣にて徳島河川国道事務所主催の「第5回吉野川河道内樹木管理手法検討委員会」が開催され、今後の樹木管理を維持・継続するための取り組み方針や管理手法について、討議がなされました。

 

○本委員会は、徳島大学岡部教授を委員長とする合計7名の委員の方々で構成されています。

 

○基本方針では、管理対象を河道内樹木の大部分を占めるヤナギと竹林に限定し、現状を場所毎に調査のうえ、保全の必要性(優劣)について治水、環境、風土の三つの観点から評価し、プラス効果であれば保全する、マイナス効果であれば伐採する、両面が混在する場合は部分伐採などの取り組み方針について指導・助言を頂きました。

 

○今後は、今年2月に開催予定の最終委員会で樹木管理の基本方針をとりまとめる事で確認がなされました。

 

3.「四国のみずべ八十八カ所」隠れた秘境紹介〜33番 氷室の大瀧(おおたび)〜(高知県内)

           

○氷室の大瀧(石鎚国定公園内)へは、高知市から国道33号を松山方面へ12q程行くと「西条・松山・佐川」の案内標識が見えます。これを「西条」の案内に従い直進し国道194号への進行となります。各要所にある「西条」への案内標識に従い26q程進むと「道の駅633美(むささび)の里」を左手に確認し、更に17q程進むと、「石鎚公園・西条・寒風山」の案内標識が見えます。これを「石鎚公園」の案内に従い、橋を渡りきった直後の信号を左折します。(「U警察駐在所」の標識も有ります。)ここから県道40号石鎚公園線です。直進2.8q程で長沢ダムが左手に見え、1車線のトンネルと左折の道路が見えます。どちらも通行可能ですが、左折迂回(帰りはトンネル)が良いと思います。5.2q程で赤い橋を渡ります。2.5q程の左の橋(越裏門(えりもん)橋)は渡らず右側の道へ進みます。5.3q程で神社が見えます、ここを左側の道に進み、400m程(累計71.2q)で「氷室の大瀧」の展望所(道の左側)に到着します。車は5台程度駐車でき、トイレも有ります。向い側の谷に氷室の大瀧が展望できます。

 車での所要時間は、季節により多少異なりますが高知市内から約1時間30分から2時間程かかります。

 

○氷室の大瀧は、古くは山岳信仰の修験者の清めの滝として知られ、土佐藩のお留山、手箱山(てばこやま)を水源とした氷室谷から吉野川に合流する地点の落差35mの大滝です。水量が豊かで、四季折々に景観の素晴らしい滝であり、滝壺は水しぶきにけむり、独特の静寂に包まれています。冬期には滝が凍結し、自然の氷の造形美には素晴らしいものがあります。まさに神秘的な、氷の芸術です。

 展望所の左隅には、「滝ライトアップ装置」が有り、午前4時〜8時までと、午後4時〜8時の間は観覧者が自由に点灯できます。使用後は必ず消灯して下さい。

 植林の斜面を降りて吉野川を渡っていけば、滝の近くに行くことができます。少し勇気があれば、滝を裏側から見ることもできます。

 

○氷室まつり

 高知県内一の寒冷地といわれ、吾川郡いの町本川地区の一風変わったお祭りの起源は古く、江戸時代にまで溯っていきます。

 江戸時代中期、宝暦2年(1752年)、御留山の山番役人として寺川村に赴任した下級武士・春木次郎八繁則書の「寺川郷談」(てらかわきょうだん)は、藩政時代の土佐藩山村の民俗を知る貴重な書です。

 この郷土歴史書に、「手箱山と伝御留山大山也。此山に雪屋と伝所あり。いわゆる氷室也。むかしは毎年雪を詰し所也。忠義君の御代迄毎年六月朔日に此雪屋の雪を取て早飛脚にて雪を献しけるとかや。・・・」と書き記されています。これに目を止めたのが「越裏門・寺川地区村おこし協議会」のメンバー。ならば、現代版氷室を作ってしまえとばかりに、地元の山男十数人が取り組んだのは、平成2年。そして、詰めた氷を真夏に取り出し、振舞ったことから、このまつりが始りました。

 この郷土歴史書のたった一行の史実から生まれた、江戸時代の記録を再現した祭り、これが「氷室まつり」です。

 

○かつて氷室の氷が夏に届けられていた高知城は、築城400年(2001年)を迎えました。これを機に、氷を再び献上して欲しいとの要請が平成14年に舞い込み、越裏門・寺川地区は奮い立ちました。本川村から吾北村、そして伊野町を経て、高知城まで3日間かけてリレーしようとの企画が持ち上がったのです。3町村(現在は、いの町)で構成する「国道194号広域観光推進協議会」が中心となって「みんなで194(いくよ)!氷室の氷献上隊」を編成。往時の献上風景を彷彿させる如く、大八車に氷を積み、菅笠に法被姿でひた走ったのです。

 

○「氷室まつり」は7月の第2日曜日、西日本最高峰石鎚山の東麓、吉野川源 流域の河原には、早朝から三々五々と人々が集まり、天の恵みと先人の智恵 に感謝して、本川太鼓がドドーンと時を打ち鏡樽が開かれて、まつりはスタ ートです。会場には御神酒のほか、山茶や吉野川源流水の樽も用意され、イ ノシシ肉と牛肉のバーベキューやシシ汁などの地場産品に興じながら、今か 今かと氷の到着を待ちます。

 氷室に詰めて保存していた氷を氷室登山隊が掘り出し、その氷は会場まで運ば れます。氷室とは、寒冷地の山中に穴を掘り、氷を埋めておく、いわば天然の冷蔵庫。氷室は、高知県吾川郡いの町本川の高知県だけに属する山として は最高峰「手箱山1806m」の山腹にあります。

 やがて、迎え神楽が舞う中、氷室から取り出された氷が到着。険阻な山道を重い氷を携えて懸命に踏破してきた氷室登山隊は、汗だく、疲れ果てての下山です。

 まつりに訪れた人々全員に振る舞い氷が供され、その喉ごしはまさに甘露の極み。至宝の氷を心ゆくまで堪能する事が出来ます。

 氷は引継式により、氷室登山隊から氷献上隊へ、大八車に氷室の氷を載せて、本川地区越裏門から藩主の待つ高知市を目指し、高知県知事に献上されます。

 到着したときの氷は、氷室で詰めた時の1割程になっています。江戸時代、如何に氷の保存や輸送が困難であったかを謀り知り得ます。

 「氷室まつり」は、いの町本川の一大イベントになり、県内外から多くの観光客で賑わっています。

 

○地域では氷室を核として、まつり実行委員会、氷室登山隊及び氷献上隊との連携も強まり、イベントを中心として地域の活性化につながっています。

 滝の見物客用の駐車場等も、地域の人々が一体となって整備しています。

 

対岸の駐車場から見た氷室の大瀧。

 

冬には滝が凍結し見事な氷の造形美。

                                                                                      

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■連絡先■

四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐 大谷忠夫

760-8554高松市福岡町4丁目26−32

TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(大谷)

FAX 087-851-8474(河川計画課)

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