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四国河川ニュース

12/10(土)〜12/16(金)》223号

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                                                                   【2005.12.19発行】

○四国・水こぼれ話談話室Vol.21○

  ○ 「愛なんブランド」の創造に向けて(愛媛県 愛南町 谷口 長治町長)

○今週のニュース○

 ○柳瀬ダム人事院総裁賞の受賞について(吉野川水系 愛媛県)

 ○石手川ダム自然観察会について(重信川水系 愛媛県)

 ○ 「四国のみずべ八十八カ所」隠れた秘境紹介〜24番 手結港〜(高知県内)

               

1.四国・水こぼれ話談話室Vol.21  「愛なんブランド」の創造に向けて (愛媛県 愛南町 谷口 長治町長)

 

1.「愛南町」の誕生

○平成16年10月1日、愛媛県の最南端に位置する5町村(内海村・御荘町・城辺町・一本松町・西海町)が合併し、愛南町が誕生しました。海岸部は、典型的なリアス式海岸を形成し、「足摺宇和海国立公園」にも指定されており、水産業中心の地域であります。山間部は、四国山脈から分岐した篠山を中心に森林地帯が広がっており、ここを発した僧都川の流域に平野部が開け、温暖な気候のもと、多様な地形と降り注ぐ太陽の恵みを利用して、甘夏柑や河内晩柑などのかんきつ栽培も盛んに行われています。

 

2.豊かな生態系を育む「御荘湾」

○僧都川の河口に広がる御荘湾干潟には、南から黒潮分流の影響を受けつつ、宇和海北部が瀬戸内海とつながっているという特殊な地理的環境とも相まって、先ごろ環境省が行った「生物多様性総合調査」では、ドロアワモチなど生息する生物の十種類近くが県内初記録となるなど、国内有数の多様な魚類や無脊椎動物の宝庫となっていることが証明されました。

 

3.「愛なんブランド」の創造

○専門家によりますと、「泥干潟は、一見汚らしい場所ではありますが、下水処理場で代替できないほどの浄化機能を持っているだけでなく、森から流れ込む豊かな川の水が海水と混じる汽水域こそ、多くのプランクトンが育つ。」と言われます。今、まさに旬である御荘湾で養殖されている「カキ」が大きくおいしく育つのも、この循環システムから得られる「海の力」によるものだと養殖業者は熱く語ります。海・山・川が一体となって織りなすかけがえのない愛南町の自然の中で育まれた各種の産物が、元気な人によって「愛なんブランド」として、着実に根付いていくことを心から願っています。

 

○なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

        http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

2.柳瀬ダム人事院総裁賞の受賞について(吉野川水系 愛媛県)

 

○12月7日(水)、第18回人事院総裁賞授与式が港区元赤坂の明治記念館において執り行われ、柳瀬ダム管理支所が職域部門にて顕彰されました。代表として支所長夫婦が式典に望み、その後、皇居宮殿にて天皇・皇后両陛下に拝謁し、5組の受賞者それぞれに10分程度にわたり直接暖かいお言葉を賜りました。

 

○本総裁賞は、国民全体の奉仕者として強い自覚の下に職務に精励し、もって公務及び公務員の役割についての理解と公務に対する信頼を高めることに寄与したと認められる職員又は職域を顕彰することを趣旨として設けられたものですが、四国の公務部署としては初めて、旧建設省としても3例目となるものです。

 

○柳瀬ダムは、吉野川水系銅山川に四国初の多目的ダムとして、昭和29年に建設され、下流域の洪水被害の軽減を図るとともに、100年来の人々の夢であった「干ばつに悩まされ続けた瀬戸内海燧灘沿岸への分水」を実現したもので、特に工業用水は市町村別紙製品製造高日本一である四国中央市の製紙産業を支え、愛媛県東予地方の経済を担う重要な役割を果たしています。

 

○管理支所周辺には、民家や公共施設もなく、地滑り地帯であることから道路整備は遅々として進まず、職員は毎日約22キロの山道を約1時間かけて車で通勤しています。

 

○今回の顕彰は、民間有識者から選ばれた委員7名による選考委員会にて、「山間の地滑り地帯にあり、台風等により周辺道路が崩落して通行止めになった場合には孤立するなど、劣悪な勤務環境の中、半世紀にわたり適切な洪水調節と水の安定供給を行い、下流域住民の生命・財産を守るとともに、利水者の生活面での安心や地域社会の発展に貢献したこと」が認められたものです。

 

○これは、私ども職員の功績以上に、地域住民、利水者、地方公共団体の皆様方のご理解・ご協力によるところが大きいと考えております。本紙をお借りし、厚くお礼を申し上げます。

 

 

3.石手川ダム自然観察会について(重信川水系 愛媛県)

 

○松山河川国道事務所の管理する石手川ダムでは、以前より森と湖に親しむ旬間(毎年7月21日〜31日)のイベントや昨年作成した生き物図鑑の配布等を通して、市民の方々に自然と触れ合っていただくための様々な活動を行ってきました。

 

○その生き物図鑑でも紹介していますが、石手川ダム湖はオシドリの飛来地になっており、毎年秋になるとたくさんのオシドリが羽を休める姿を見ることができます。

 

○今年も、すでにたくさんのオシドリが飛来しており、この程12月8日(木)、東雲女子大学の石川教授に御協力をいただき、石手川ダム上流域にある日浦小学校と五明小学校の5,6年生15名と一緒に石手川ダム湖周辺において、オシドリの観察などの「自然観察会」を開催いたしました。

 

○観察会では、ダム湖で休んでいるオシドリをダム堤頂部から双眼鏡で観察したり、ダム湖周辺の公園において、落ち葉の下にいる虫などを観察したりしました。

 

○観察会に参加した小学生達は、普段あまり注意して見ることのない冬場の自然を、大変興味深そうに観察していました。

 

 

4.「四国のみずべ八十八カ所」隠れた秘境紹介  〜24番 手結港〜(高知県内)

         

○夜須町手結は県立手結住吉自然公園内に位置し、高知市から東(室戸方面)へ国道55号を約1時間、ヤ・シィパーク(道の駅・海水浴場)入口交差点を過ぎて次の信号を右折して、300mほど海側に行くと手結港に着きます。

 

○手結港は、江戸時代初期、今から約350年前、土佐藩の家老であった野中兼山が造った石積の掘込港湾(陸地を人工的に掘って造った港)です。

 兼山は四国山脈の材木を積み出すための人工港を作ろうと考えて、当時砂浜が広がっていた手結港に目をつけ、3年がかりで港を完成させました。

 港は、南北112m、東西49m、これは当時としては相当に大規模なもので、外海への突堤は南の半島を利用し港口を西に向ける事で夏の暴浪を防ぐことのできる防波堤としてだけではなく、物部川から流れてくる砂を防ぐ役割も果たした、日本最古の手堀り港です。

 現在の内港には当時の石積護岸をほぼ完全な形で残しており、歴史的港湾としての価値も高く、現在も漁船を係留しています。

 又、歩道は整備されライトアップなども行われています。

 

○手結港の入り口には、平成14年9月に手結港可動橋(正式には高知県手結港臨港道路可動橋)が完成し、可動橋は長さ約32mで、開閉時間は約6分かかり、1日のうち約7時間だけ渡ることができます。

 

○手結盆踊りは、慶安3年(1650年)から手結港開さくに手をつけたが、この工事のため多くの死者が出ました。そのため毎年旧暦7月16日の夜、この死者の霊を弔った。これが今日まで続いており、毎年8月15日に開催されています。

 盆踊りには、やぐらの音頭にあわせて、コッパ、くろす、見合い、花取りなどがあり、また、当日合わせて打ち上げられる約2,000発の花火も感動的で、周辺では珍しい「水中花火」は特に人気があり、夏の風物詩としてたくさんの人々で賑わっています。

 

 

入口にある跳ね橋付近から見た手結港石積護岸は野中兼山が造った当時の姿を残している。

 

 

港内にある野中兼山の頌徳碑。

 

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