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四国河川ニュース
《10/15(土)〜10/21(金)》215号
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【2005.10.24発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.13○
○ 安全で楽しい川づくり(四国地方整備局 河川部 河川調査官 西井 洋史)
○今週のニュース○
○第2回 那賀川堤防検討アドバイザー会議を開催(那賀川水系 徳島県)
○「第2回 だんだん肱川〜肱川上下流交流会〜」を肱川流域会議水中めがねが開催(肱川水系 愛媛県)
○第4回 吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会を開催(吉野川水系 徳島県)
○吉野川河川敷等夜間パトロールを実施(吉野川水系 徳島県)
1.四国・水こぼれ話談話室Vol.13 安全で楽しい川づくり (四国地方整備局 河川部
河川調査官 西井洋史)
○食べ物がおいしい実りの秋です。各地では休日毎に川をテーマとしたイベントが行われています。四国では、川に関わる多くの団体の方々が熱心に活動をされています。
○今年4月から四国に赴任した私は、秋になって、土器川、四万十川、肱川など川に関するイベントで楽しませていただいています。
○10月8日から3日にわたり四万十川で行われた「川での福祉と教育の全国大会」では、北海道から九州まで、全国各地から延べ約650人の方々が集まり熱心な意見交換等が行われました。二日目の午前中には、高校生がパネラーをつとめるパネルディスカッション「高校生が考える明日の四万十川」が行われました。新鮮で少々ハラハラ、ドキドキ?しながら高校生の鋭い意見等を聞かせてもらい、流域の子供たちが四万十川が大好きで、誇りにしているのが良く分かりました。司会を務めた大学生は、四万十川流域で活動している団体で、将来を見据えながら、小さな子供の時から川に関わる活動をしてきたというから驚きです。さて、この大会のもう一つの楽しみは、夜の懇親会です。2次会、3次会では、全国各地から持ち寄られた特産物が振る舞われたり、昼に夜に楽しい交流をさせていただきました。
○昨年は6個の台風が四国に上陸するなど、各地で甚大な水害・土砂災害が発生したかと思えば、今年は深刻な水不足、そして台風です。四国はまだまだ、治水、利水の安全が十分に確保されていません。
○これからも地域の方々と一緒に、安全で楽しい川づくりを目指していきたいと思います。
○なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
2.第2回 那賀川堤防検討アドバイザー会議を開催 (那賀川水系 徳島県)
○10月14日(金)、那賀川河川事務所では、徳島大学共通講義棟(6F大会 議室)にて、「第2回那賀川堤防検討アドバイザー会議」を開催し、@洗掘(浸食)に関する検討、A浸透(漏水)に関する検討について、アドバイザーの方々のご出席により、助言を頂きました。
那賀川堤防検討アドバイザーは以下の5名の方々です。(五十音順)
徳島大学工学部 岡部 健士 教授
徳島大学工学部 澤田 勉 教授
徳島大学大学院工学研究所 村上 仁士 教授
徳島大学工学部 山上 拓男 教授
阿南工業高等専門学校 湯城 豊勝 教授
○「洗掘(浸透)に関する検討」では、「樹木群の影響を考慮した混合粒径による平面2次元河床変動計算モデル」の構築とそのモデルによる平成16年洪水による検証結果について説明し、モデルの再現性の向上策について、いくつかのご提案(河床材料等の初期設定条件の不連続性への対応、二次流の考慮等)を頂きました。
○また、「浸透(漏水)に関する検討」では、「那賀川右岸5k/8付近(羽ノ浦町下向地先)」を代表例として堤防のモデル化、条件設定、すべり・破壊に対する検討について説明し、洪水の経過に伴う圧力などの変化に着目した整理を行うことが望ましい等のご指摘を頂きました。
○今後は、今回のアドバイス・意見を踏まえ、検討内容の精度向上や各々の対策に向けて整理し、その方向性についてまとめていく予定です。
3.「第2回 だんだん肱川〜肱川上下流交流会〜」を肱川流域会議水中めがねが開催(肱川水系 愛媛県)
○10月15日(土)、大洲市肱川町の風の博物館及び大駄馬ふれあい広場にて「第2回 だんだん肱川〜肱川上下流交流会〜」が開催されました。
○「だんだん肱川」とは、流域の住民による郷土芸能の共演、スポーツ等を通した交流など、地域・風土に根ざした肱川流域の上下流交流を促進させることにより、肱川流域の地域コミュニティの再生を図るとともに、「だんだん」とは「ありがとう」を意味する言葉であり、上下流の人々がお互いに感謝し、また肱川に対しても感謝する機会となることを目的として、平成16年度より実施されているものです。
○今年度は、全体を3部構成として開催され、午後からは雨という天候でしたが延べ約600名の方々が上下流から集まり交流いたしました。
○第1部 スポーツによる上下流交流
元ヤクルトスワローズの池山氏、松山フェニックスの千原監督、コーチ、選手による野球教室では、ウォーミングアップ、キャッチボール、守備、バ ッティング等を通して大洲市内の6中学校の野球部約120名と交流しました。
○第2部 池山隆寛さんと語ろう
池山氏、大森大洲市長、千原監督、片岡主将と井関コーディネータによる 客席を交えたトークショーでは、野球教室の講評から始まり、野球への厚い思い入れや情熱について客席とやり取りされ、最後に子供たちに重要なことは、@基礎練習、A体作り、B野球への情熱を持ち続けること、で締めくくられ、アッと言う間の1時間の交流が終了しました。
○肱川上下流文化交流会
肱川上下流が、それぞれ受け継いできた貴重な文化財の太鼓、神楽の共演と上下流から出店された屋台村による食文化の交流で、肱川流域の食により腹を満たしながら、神楽のすばらしさや太鼓の迫力に圧倒され続けた、4時間の上下流交流でした。
4.第4回 吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会を開催 (吉野川水系 徳島県)
○10月17日(月)、徳島河川国道事務所では、徳島市内のホテルにおいて第4回吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会を開催しました。今回の委員会では、今年度の調査状況について中間報告を行い、今後の検討の流れ及びシナダレスズメガヤ対策の基本方針について、検討をしていただきました。
○今年度調査の中間報告について
今年度は、健全なレキ河原の再生に向けた現地実験として西条大橋下流の試験区にてヤナギ群落の一部を伐採し、洪水による攪乱の増大にともなう物理環境(地形及び河床材料)の変化について調査しています。7月中旬にヤナギを伐採したのち、9月に上陸した台風14号の出水によって試験区は冠水しました。その結果、伐採区では全体的に河床が低下し、低水路河岸部では一部の区間で鉛直化の緩和が確認されています。引き続きモニタリング調査を行い、ヤナギ伐採の効果を確認していく予定です。
○侵入状況の研究成果発表について
委員である徳島大学工学部鎌田助教授から、西条大橋上流地区におけるシナダレスズメガヤの侵入状況について研究成果を発表していただきました。
○今後の検討の流れについて
地形や植生データからシナダレスズメガヤが侵入しやすい場所を示したマップと、過去の洪水データからシナダレスズメガヤを消失させる掃流力を示したマップを重ね合わせ、シナダレスズメガヤが繁茂する可能性の高い場所を抽出し、さらに環境及び治水への影響を考慮しながら対策手法を検討し、対策の実施方針を作成していくことについて議論していただきました。
○吉野川のシナダレスズメガヤ対策における基本方針について
今回の委員会では、これまでの試験施工によるモニタリング調査による確認事項をふまえたうえで、シナダレスズメガヤ対策における基本方針の中間報告をいただきました。
【方針(案)の抜粋】
「シナダレスズメガヤが定着・侵入しにくい環境の維持・形成と成長したシナダレスズメガヤの除去対策として、洪水による土砂移動、地形変化等の川が本来持っている洪水営力を考慮しながら、河道内樹木の伐採を実施する。また、治水上の観点から河積確保等の必要な箇所については河原の切り下げについて検討を行い、これらにより河川本来の自然環境であるレキ河原の保全・再生に努める。」
○なお、次回の委員会は平成18年2月を予定しており、具体的な対策である実施方針を立案する予定です。
5.吉野川河川敷等夜間パトロールを実施(吉野川水系 徳島県)
○10月21日(金)18時から21時の間、徳島河川国道事務所では、徳島 県及び徳島県警察と合同で吉野川下流域及び旧吉野川、今切川において、河川敷等の一斉夜間パトロールを実施し、廃棄物投棄やビニール・建築廃材等の野焼きを取り締まりました。
○この夜間パトロールは、不法投棄が多発する現在、廃棄物投棄やビニールの野焼きが河川環境を悪化させていることに鑑み、これらを取り締まり良好な河川環境づくりを推進するもので、平成9年度から着手し、今回で9回目となります。
○今回のパトロールには、徳島河川国道事務所36名、徳島県環境整備課6名、徳島県警察約50名が参加し、吉野川鴨島、上板出張所管内は合同で、旧吉、吉野川美馬、貞光管内は事務所単独で河川敷等をパトロールしました。
○この結果、旧吉野川河口付近において野焼きを一件発見し消火しただけですが、近年の環境保護意識の高まりを象徴するものであり、良い結果であると思っています。
○今後も引き続き、良好な河川環境づくりのために夜間パトロール等を行う予定です。
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四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 大谷忠夫
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