四国河川ニュース《10/27(土)〜11/2(金)》No.14

1.山鳥坂ダム建設見直し案・中予地区が回答を提出 (肱川水系河辺川 愛媛県)

11月1日、山鳥坂ダム建設推進協議会(以下「中予地区」という。)の会長・副会長が四国地方整備局(以下「整備局」という。)を訪れ、山鳥坂ダム建設計画見直し案(以下「見直し案」という。)に対する回答を提出されました。
 
(参考)
■平成13年 5月17日 肱川流域及び中予地区に見直し案提示
■平成13年 8月 9日 肱川流域より回答
■平成13年 8月27日 肱川流域及び中予地区に事業費提示
■平成13年10月15日 中予地区より懸念事項(6項目)提出
■平成13年 10月23日 整備局より懸念事項への回答
■平成13年 11月 1日 中予地区より回答(今回)
 
中予地区の回答では、「流域の分水量の確約がない」、「漁協の同 意の目処がない」等から懸念が解消されていないため、「現時点では、見直し案に基づいて山鳥坂ダム建設・中予分水事業を推進することは困難と判断」と結論づけられています。
  
当日は、会長から回答を手渡された後、説明があり、その後質疑が行われました。以下に、その要旨を記します。

(質疑要旨)
整備局:                                                      ダム使用権設定予定者として「No」という判断でよいか?
中予地区:                                                    はい。
整備局:                                                      上限1.35m3/sの提示に対して1.95m3/sないと不安 とされるが、その根拠が大事。工業用水給水量は供給能 力の約半分。たくさん欲しいのは理解できる。今後の水資源確保はどうするのか。
中予地区:                                                    交渉の最中に代替案の議論はいかがなものか。工業用水がないと企業誘致が困難。今後、ありとあらゆる知恵をしぼり手段を講じる。
整備局:                                                      昨年8月の中予地区の要望では「これまで以上に流域との対話が必要」といわれていたが、この1年でトーンダウン。
中予地区:                                                    流域には行こうにも行けなかった。30万人の推進署名が大きな意思表示。
整備局:                                                      現計画1.95m3/sを一挙に解決でなければ事業推進はで きないというのは理解できない。
中予地区:                                                    見直しはマイナーチェンジと思っていたが大幅変更。議会の同意、民主主義の手続きの結果である。
整備局:                                                      見直し案は、流域も含め皆解決に向け努力してきた。
中予地区:                                                    利水者としてこの時点、この条件で判断せよと言われれば「困難」と判断。
整備局:                                                      流域、県ともども、長い間見直し案に努力してきたが、残念な結果となった。この1年で風向きが変わった。何があったのかよく理解できない。皆様の判断は重く受け止める。

見直し案に関する一連の出来事後、愛媛新聞社説に「『水はいらない』で済むのか」と題した論評が掲載されました。
この論評の中で述べられてる事項は、これまで本ニュースでもお知らせしました「週間愛媛経済レポート」の主張に通じるところがあります。
(論評要点)
@21世紀は水を巡る紛争が予想されている。松山の水事情は特に憂慮。
A与党3党による見直しの際には、地元のたっての要望で例外として事業継続。  
B水が必要と痛感しているなら、駄々をこねられる状況ではない。
C分水拒否はダム拒否。ダムによる治水を考えていた流域は新たな検討を迫られる。
D水資源確保の問題は何ら解決していない。代替案検討の責務がある。
E分水を受けるには、流域の理解を得る努力が必要だが、今回問題はなかったか。

 

 

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