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四国河川ニュース
《7/17(日）〜7/20(水)》特別号
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【2011. 7.27発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.１９５
○『香川県 橘川（小豆郡土庄町）の砂防事業』 香川県小豆総合事務所 次長 片山 秀樹
○『安心安全のまちづくり』 土庄町長 岡田 好平
○今週のニュース○
先週の７月１７日（日）から２０日（水）にかけて、四国において台風６号による被害が発生しましたので、主な河川、ダムの状況につきましてご報告させていただきます。
○台風６号出水対応状況報告（河川） （河川部 河川管理課）
○台風６号出水対応状況報告（ダム） （河川部 河川管理課）
四国・水こぼれ話談話室Vol.１９５
１．『香川県 橘川（小豆郡土庄町）の砂防事業』 香川県小豆総合事務所 次長 片山 秀樹
○ 本渓流は、小豆島の中央部に位置し、その源は美しの原高原（776.6m）に発し、瀬戸内海に注ぐ延長L=4.0km、流域面積A=4.7km2、平均渓床勾配1/6の急流河川であり、下流には約157戸の人家、公民館、道の駅及び橋梁、県道等も存在しています。
○ 付近一帯の地質は花崗岩類であり、流域は強風化花崗土で覆われ、大雨により多量の土砂が流出して、下流の人家、田、畑に被害を及ぼす恐れがあります。
○ このような状況に鑑み、土石流の発生を未然に防止し、また土石流の被害から下流住民の生命、財産を守るための砂防ダムを計画しました。
○ 当事業は、昭和57年度に事業着手し、地元住民の皆様のご協力もあり、平成22年度には一連の砂防事業全てが完成しました。
事業箇所 小豆郡土庄町
事業期間 昭和57年度〜平成22年度
全体事業費 1,125百万円
事業計画 砂防堰堤１基
堤 高 20.5m
提 長 103.0m
堤体積 17,641m3
貯砂量 78,900m3
流域面積 4.7m2
２．『安心安全のまちづくり』 土庄町長 岡田 好平
○ 瀬戸内海で二番目に大きな小豆島は、その東部に瀬戸内海最高峰の星ヶ城山（８１７m）を擁するなど標高は比較的高く、地形は複雑です。
○ この星ヶ城山から西走する小豆島の脊梁山地が土庄町域に入って、四方指 （しほうざし）仙多公峰（せんたくぼう）皇踏山（おうとざん）へと続き、土渕海峡を挟んで高見山（たかみやま）、大深山（おおみやま）さらに海上を隔てて小豊島(おでしま)、豊島壇山（てしまだんやま）へと東西に連なっています。
○ これらの山々は、さらに数多くの支峰を発しつつ急傾斜をなして海岸に迫っており、河川流域に小規模に点在する平坦地とともに、平面的にも立面的にもきわめて複雑な地形をなしています。
○ また、約９０kmに及ぶリアス式の長大な海岸線は、多くの島嶼部とあいまって、土庄港はじめ天然の良港を数多く形成するとともに、国立公園と呼ぶにふさわしい内海美を演出しています。
○ 一方、近年の地球温暖化による異常気象の影響からか、ゲリラ豪雨のような想定を超える降雨が何時何処で発生するか予想できないため、一旦発生すると地形が急峻なことから、たちまち土石流となって下流の民家及び農地などに甚大な被害を及ぼす恐れがあります。
○ 橘川は、小豆島の北側中央部に位置し、土石流の発生を未然に防止するため、昭和５７年度に砂防事業に着手し、途中用地交渉が難航し中断しましたが、関係者の努力により、平成２２年度に完成を見ました。
○ 町としましては、より安全で安心な町づくりを目指し、治水事業の推進、又全世帯に個別受信機を置く防災無線を整備し、安全の確保を図るほか、常に防災情報の分析を行い、地域防災計画の改訂充実に取り組んでいこうと考えています。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局ＨＰにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
３．台風６号出水対応状況報告（河川） （河川部 河川管理課）
○ 平成２３年７月１２日（火）１５時に、南鳥島近海の太平洋上で発生した台風第６号は、発達しながら北緯２０度付近を西に進み、小笠原近海を通過し、１７日（日）午前９時には超大型で非常に強い勢力となりました。
○ 四国では１８日（月）朝より、台風の影響により高知県の南西部で雨が降り始め、１７時頃には渡川水系中筋川ではん濫注意水位を超え始めました。
○ そのため四国地方整備局では７月１８日（月）１９時３０分に注意体制を発令し、その後四国の東南側山間部に雨域が拡がり、強い降雨が観測されたため、１９日（火）６時に警戒体制を執りました。
○ 台風は当初の予想に近いコースを執り、ゆっくりした速度で北上し、１９日（火）９時には四国の南海上に達し、西にゆっくり曲がり始め、四国全域の南東斜面上に雨域が拡がりました。
○ その後台風は、２０日（水）０時３０分頃に徳島県南部に一端上陸した後、南に抜けましたが、その間降雨は渡川流域、仁淀川流域、吉野川上流域、那賀川流域等に降り注ぎ、特に那賀川上流の槍戸雨量観測所では、総雨量（７月１７日〜２０日）が１０７１ｍｍ（速報値）に達しました。
○ 直轄で特に被害が多かったのが、渡川水系、那賀川水系で、渡川水系の中筋川、四万十川、及び那賀川水系那賀川は危険水位に達し、四万十市と阿南市、那賀町で避難勧告が出されました。被害については、内水による浸水が中筋川流域は約１００ｈａ以上、那賀川流域は約１３０ｈａの田畑で発生し、合わせて家屋浸水被害が発生しました。また、内水被害の応急対策として、排水ポンプ車が中筋川、後川、那賀川の内水浸水箇所に出動し、排水作業を実施しました。
○ 気象庁によると今年の夏は例年に比べ、太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、安定した夏型の気圧配置が続かない予想です。台風の進路も例年と違った動きをする可能性があり、今後も関係機関との連絡を密にし、出水対応に万全を期したいと思います。
４．台風６号出水対応状況報告（ダム） （河川部 河川管理課）
○ 台風６号の影響により、四国地方の直轄ダムでは、中筋川ダムと長安口ダムの２ダムで洪水調節を実施しました。
１．中筋川ダム
○ 中筋川ダム流域では、１７日（日）１４時から台風６号の影響による雨が降り始め、２０日（水）６時にかけて累計雨量６２３mmの大雨となりました。最大時間雨量は４５mmでした。（１９日（火）４時〜５時）。
○ 今回の洪水では、磯ノ川地点（中筋川の治水基準地点）での最高水位が、避難判断水位７．４０ｍを上回る７．６９ｍを記録しました。
○ 今回の出水で中筋川ダムがなかった場合の磯ノ川地点の水位は、計画高位８．３７ｍに迫る８．２３ｍまで上がることが推定され、中筋川ダムの洪水調節効果により、約５４cmの水位を低下させることが出来たと推定されます。
○ 【中筋川ダム地点】
・最大流入量・・・・・・・・・・・ １６９m3/s （１９日（火）８時）
・最大流入時放流量・・・・・ ５５m3/s
・洪水調節流量・・・・・・・・・ １１４
m3/s （ダムの調節効果）
○ 今回の台風による中筋川ダムの貯水位は、平成１１年４月からの管理開始以降で最高（８７．０７ｍ）のものとなりました。
２．長安口ダム
○ 長安口ダム流域では、１７日（日）１６時から台風６号の影響による雨が降り始め、２０日（水）１８時にかけて累計雨量９８１mmの大雨となりました。最大時間雨量は４７mmでした（１９日（火）４時〜５時）。
○ 今回の洪水では、古庄地点（那賀川の治水基準地点）での最高水位が、はん濫危険水位６．５０ｍを上回る６．９７ｍを記録しました。
○ 【長安口ダム地点】
・最大流入量・・・・・・・・・・・ ４１３０m3/s （１９日（火）１５時１０分）
・最大流入時放流量・・・・・ ３７８５m3/s
・洪水調節流量・・・・・・・・・ ３４５m3/s （ダムの調節効果）
※流量・水位等の数値は速報値であるため、今後修正される可能性があります。
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■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 藤田 博史
〒760-8554 高松市サンポート３番３３号
TEL 087-851-8061（代）マイクロ88-3753（藤田） mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
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