ツチイナゴ

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体形
5cm~7cmくらいの淡(あわ)い土色の大きなバッタです。
トノサマバッタによく似ていますが、ツチイナゴは、うぶ毛が多く、背中に白い線があり、目<複眼(ふくがん)>の下に黒っぽい模様(もよう)があるため、涙(なみだ)を流しているように見えます。
生息場所
草の茂った野原や河川敷(かせんじき)に生息しています。
生活のようす
日本のバッタの中で唯一(ゆいいつ)、成虫のまま冬を越します。春に生まれた幼虫(鮮やかな緑色をしています)は、夏の間に成長し、秋に成虫となって冬を越します。
イネ科植物ではなく、クズやカナムグラなどの葉の広い植物を食べます。
豆知識
昔、北海道や鹿児島県で、バッタが大発生して農作物を荒らしたことがありました。
これは「飛蝗(ひこう)」という現象(げんしょう)です。「蝗」という漢字は、訓読(くんよ)みでイナゴと読みますが、日本で飛蝗を起こすのはイナゴではなく、トノサマバッタです。トノサマバッタは普段はのんびりとおとなしいのですが<孤独相(こどくそう)のトノサマバッタ>、たくさんの幼虫がギュウギュウづめの状態で育つと、大食いで、体が黒く、飛行能力の高い成虫<群生相(ぐんせいそう)のトノサマバッタ>になります。飛蝗を起こすのは、この群生相のトノサマバッタなのです。
ツチイナゴ トノサマバッタ孤独相(こどくそう) トノサマバッタ群生相(ぐんせいそう)
★ツチイナゴ

土色・うぶ毛・涙目・背中に白い線
★トノサマバッタ
  <孤独相(こどくそう)>
緑色・おとなしい
★トノサマバッタ
  <群生相(ぐんせいそう)>
黒褐色・大食い・飛ぶ