■港湾CALSとは?
 
   港湾整備事業の計画、設計、積算、発注、施工管理、維持管理、及び調査・研究という全ライフサイクルに係わる情報を電子化し、情報の蓄積と再活用性を向上させる。
港湾整備事業の受発注者間での情報の授受を電子化することにより、業務の効率化を図る。
港湾に係わる良質な社会資産を短期間に低コストで整備し、効率的な活用を実現する。
究極的なペーパーレス化を実現する。

以上のような目的をもった、港湾整備事業支援統合情報システムともいうべき社会基盤である。

 



 ■港湾CALSの段階整備計画
           港湾整備事業関係者の共通の目標認識を図り、着実な港湾CALSの導入を進めていくために、港湾CALSの段階整備計画をフェーズ1〜フェーズ3の3段階に分け、各フェーズにおける達成目標を以下のとおりとしている。
     ■フェーズ1
  • 〜1998年(〜平成10年度)
  • CALS環境の整備とCALS的業務執行の一部実現
■フェーズ2
  • 1999年〜2001年(平成11年度〜平成13年度)
  • 統合データベースシステムの構築と官民間での電子情報交換の日常定着化
■フェーズ3
  • 2002年〜2004年(平成14年度〜平成16年度)
  • 電子調達を含む本格的な港湾CALSの実現



 ■港湾CALSの全体計画
      港湾CALSの段階整備計画での、各フェーズにおける達成目標、整備項目、及び達成イメージは以下に示すとおりである。
期間 フェーズ1 フェーズ2 フェーズ3
1996〜1998年
(平成8〜10年度)
1999〜2001年
(平成11〜13年度)
2002〜2004年
(平成14〜16年度)
達成目標 CALS環境の整備とCALS的業務執行の一部実現 統合データベースシステムの構築と官民間での電子的情報交換の日常定着化 電子調達を含む本格的な港湾CALSの実現
整備項目
1
CALS環境の整備(1人1台体制、LAN/WANの構築)
1
運輸省内及び運輸省、コンサルタント、施工業者間 の業務電子化の強化
1
業務関係資料の全電子化
2
施工管理業務等における情報交換の電子化のための 基礎的な仕組みの構築(モデル事業の実施)
2
積算業務の効率化検討
2
電子調達システムの導入
3
図面・各種書類の共有化検討
3
電子調達システム導入に向けての体制の確立
3
現場管理の全電子化
4
イントラネットを活用した基準・通達等の定型情報 の共有化の実施
4
施工管理業務全般での情報化検討
4
統合データベースシステムの本格運用
5
インターネットを活用した情報公開の実施
5
統合データベースシステムの構築
5
港湾CALSの実現
達成イメージ
1
官内部の情報交換が迅速になされる
1
官内部及び受発注者間の情報交換が電子メール化、 ワークフロー化されて業務の効率化が図られる
1
業務の抜本的な改革が図られる
2
官と民との情報交換が迅速になされる
2
積算業務での数量算出がシステム化され効率化・ 迅速化される
2
国際標準にいつでも対応可能になる
3
通達集等の共通書類が容易に閲覧できる
3
発注情報の入手がより容易になる
3
電子入札のための発注公告等の手続きがインター ネット等の利用により電子化される
4
発注情報を入手しやすくなる
4
発注者への提出書類の統一化がなされる
4
港湾管理者との管理委託情報の共有化がなされる
5
統合データベースシステムの構築により情報の 共有化がなされる




 ■業務段階別の最終目標
     港湾CALSにおいては、港湾整備事業における各業務段階別での最終目標を以下のように考えている。
      

■設計・積算 受注者から納品される報告書、数量計算書、図面等の成果品の電子化を進め、電子データの共有と、電子データを活用した積算業務を行い、業務の効率化を図る。
■入札・契約 運輸省直轄事業の全工事について、発注公告、資料配付、入札、契約までの一連のプロセスをインターネットを介して行う
■工事施工 工事施工中に受発注者間でやり取りされる各種情報を電子化することにより、情報の共有化を図り、工事関係情報の有効活用を実現する。
■港湾整備事業全般 港湾CALSの核となる統合データベースを構築することにより、港湾整備事業関係者間での情報共有が実現され、あらゆる場面で過去の情報が効率的に検索、再利用が行える。


【設計・積算】
     ■整備目標
  • 設計フェーズでの成果品の完全電子化を行い、後工程へデータを受け渡しライフサイクルとしての利用を図る。
  • 設計図面からの積算数量自動拾い出しの一部実現を可能とする。
  • 電子成果品の統合データベースでの管理
■効果
  • 発注者
    • ライフサイクル全体での電子化により、後工程での電子化業務が減り効率化が図られる。
    • 積算業務の効率化、迅速化が図られる。統合データベースにより業務資料の電子的な保管・活用が図られる
  • 受注者
    • 設計納品物の標準化により、成果品作成の効率化が図れる。工事受注時に設計に関する資料を電子的に授受することにより、それ以降の作業で有効利用ができる。

【最終イメージ図】

【入札・契約】

    ■整備目標
  • 運輸省直轄事業の全工事について、電子認証システムの活用などによりセキュリティーを確保した上で、発注予定情報の公告から、入札説明書・技術資料等の配付、入札、契約までの一連のプロセスにおいてインターネットを介して行うことができるようにする
■効果
  • 発注者
    • 入札・契約に関する事務作業の効率化が図られる。発注情報等へのアクセスが容易になることにより、公共事業の発注において競争性が確保でき、透明性も向上する。
  • 受注者
    • 発注情報等へのアクセスが容易になることにより、受注機会が広がる。入札・契約段階での関係書類の授受に係わる移動コスト、時間の縮減が図られる。

【最終イメージ図】

【工事施工】
    ■整備目標
  • 工事施工中に受発注者間でやり取りされる各種情報を標準化・電子化することにより、情報の共有化を図り、工事関係情報の有効活用を実現する。
■効果
  • 発注者
    • 工事関係情報の効率的な管理・利用が実現する。また、施工現場での広い範囲の情報を共有することにより、タイムリーで効果的な監督を行うことができる。
  • 受注者
    • 工事関係書類作成や提出などに係るコストの縮減が図られる。監督員や他工事との調整が迅速に行えるようになり、効率的な現場運営が図られる。


【最終イメージ図】

【港湾整備事業全般】
    ■整備目標
  • 港湾CALSの核となる統合データベースを構築することにより、港湾整備事業関係者間での情報共有が実現される。あらゆる場面で過去の情報が効率的に検索、再利用が行える。
■効果
  • 発注者
    • 業務遂行に当たり、各自のパソコンから簡単にアクセスでき、必要な情報を効率的に取り寄せることができる。今まで、個々のデータベースに二重・三重に行われていた入力業務が一本化され効率化が図られる。また、維持メンテナンスコストの低減が図られる。
  • 受注者
    • 今までより多くの情報が迅速に電子的に利用ができるようになり、業務の効率化が図れる。


【最終イメージ図】